商業登記法 第33条(商号の登記の抹消)
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- 次の各号に掲げる場合において、当該商号の登記をした者が当該各号に定める登記をしないときは、当該商号の登記に係る営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所において同一の商号を使用しようとする者は、登記所に対し、当該商号の登記の抹消を申請することができる。
- 一登記した商号を廃止したとき当該商号の廃止の登記
- 二商号の登記をした者が正当な事由なく二年間当該商号を使用しないとき当該商号の廃止の登記
- 三登記した商号を変更したとき当該商号の変更の登記
- 四商号の登記に係る営業所を移転したとき当該営業所の移転の登記
- 2.前項の規定によつて商号の登記の抹消を申請する者は、申請書に当該商号の登記に係る営業所の所在場所において同一の商号を使用しようとする者であることを証する書面を添付しなければならない。
- 3.第百三十五条から第百三十七条までの規定は、第一項の申請があつた場合に準用する。
- 4.登記官は、前項において準用する第百三十六条の規定により異議が理由があるとする決定をしたときは、第一項の申請を却下しなければならない。
この条文の基本情報
商号の登記の抹消とは何ですか?
定義商号の登記の抹消とは、商業登記法第33条に定められた規定で、「次の各号に掲げる場合において、当該商号の登記をした者が当該各号に定める登記をしないときは、当該商号の登記に係る営業所(会社にあつては、本店。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第33条(商号の登記の抹消)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第33条の条文原文は「次の各号に掲げる場合において、当該商号の登記をした者が当該各号に定める登記をしないときは、当該商号の登記に係る営業所(会社にあつては、本店。」で始まります。
- 商業登記法第33条は第二節 商号の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第33条の前の条は商業登記法第32条です。
- 商業登記法第33条の次の条は商業登記法第34条です。
- 商業登記法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法33条は、商号の廃止・二年間の不使用・変更・営業所移転のいずれかがあるのに登記がされない場合、同一所在場所で同じ商号を使う者が抹消を申請できると定める。
Q · 他人が昔登記した商号が同じ住所に残っていたら、こちらから消せるんですか?
できる。廃止・二年不使用・変更・移転のどれかに当たれば申請可能
商業登記法33条により、登記された商号が廃止された、正当な事由なく二年間使用されていない、変更された、営業所が移転した——このいずれかに当たるのに登記が直されていない場合、その所在場所で同一の商号を使おうとする者は、名義人の同意なしに抹消を申請できます。添付書面は、同一の所在場所で同一の商号を使おうとする者であることを証する書面です(2項)。ただし登記官は名義人に通知し、期間内に述べられた異議に理由があると決定されれば、申請は却下されます(3項・4項)。
解説
法務局の商号登記簿は、店をたたんだ日に自動で更新されるわけではない。個人商人が二十年前に登記した商号は、本人が廃止の登記をしない限り、その住所に居座り続ける。そこへ後からあなたが同じ所在場所(レンタルオフィスやテナントビルの一室は珍しくない)で同じ商号を登記しようとすると、商業登記法27条に阻まれて申請は通らない。ここで多くの人は商号のほうを変える。だが33条は別の道を示す。商号の廃止、正当な事由のない二年間の不使用、商号の変更、営業所の移転。この四つのいずれかが起きているのに登記が直されていないなら、あなたは名義人でも代理人でもないのに、その商号登記の抹消を登記所に申請できる。相手の同意は要らない。添付するのは、同じ場所で同じ商号を使おうとする者であることを証する書面(2項)である。
法的な位置づけ
商業登記法33条は、商号の登記の抹消申請を定める規定である。登記した商号の廃止、正当な事由のない二年間の不使用、商号の変更、営業所の移転のいずれかに該当しながら対応する登記がされていない場合に、当該営業所の所在場所において同一の商号を使用しようとする者に、登記所への抹消申請権を認める。同法27条の登記禁止に対する解除装置である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本店・営業所予定地の登記記録で同一商号を確認する 定款認証の前に、本店または営業所の予定地について登記記録を取得し、同一の所在場所に同一の商号の登記があるかを自分の目で確認する。あわせて名義人の現況(本店移転の有無、通知の到達可能性)も調べる
- 2.33条1項の四事由のどれに当たるかを特定する 廃止、正当な事由のない二年間の不使用、商号の変更、営業所の移転のいずれに該当するかを確定する。どれにも当たらなければ抹消申請の道はなく、商号または所在場所を変える判断に切り替える
- 3.同一商号使用予定を証する書面を整えて申請する 当該営業所の所在場所において同一の商号を使用しようとする者であることを証する書面を添付し(33条2項)、管轄登記所に商号の登記の抹消を申請する。申請前に登記所へ事前相談を入れ、求められる疎明の範囲を確認しておく
- 4.会社設立スケジュールを二本立てにしておく 登記官は名義人に通知し、異議に理由があれば申請は却下される(33条3項・4項)。完了時期が読めない前提で、抹消が通った場合と通らなかった場合(商号変更・所在場所変更)の二案を並行して準備する
よくある質問 AI による整理
Q1商号の登記の抹消とは何ですか?
実体を失った商号の登記を登記記録から消す手続です。商業登記法33条により、廃止・二年不使用・変更・営業所移転のいずれかがあるのに登記が直されていない場合、第三者が申請できます。
Q2同じ住所に同じ商号があると会社は設立できない?
商業登記法27条により、同一の所在場所における同一の商号の登記はできません。ただし33条の要件に当たれば先行登記の抹消を申請でき、商号を変える以外の選択肢があります。
Q3商号が二年間使われていないか、どう調べる?
登記記録から本店移転や役員変更の有無を確認し、通知の到達可能性や事業実態を調べます。ただし33条2項が申請者に求めるのは同一商号使用予定の証明で、不使用の立証ではありません。
Q4レンタルオフィスで商号がかぶったらどうする?
所在場所の表示が同一かをまず確認し、同一なら33条の四事由に該当するか検討します。該当しなければ商号の一部変更か所在場所の選び直しのほうが確実に速い場面が多いです。
Q5商号登記の抹消は誰が申請できる?
当該商号の登記に係る営業所(会社は本店)の所在場所において、同一の商号を使用しようとする者です。名義人でも代理人でもない第三者が、相手の同意なしに申請できます。
Q6営業所を移転したのに登記していないとどうなる?
商業登記法33条1項4号の抹消事由に当たり、旧所在場所に入った第三者から商号の登記の抹消を申請されうる状態になります。移転登記の放置そのものがリスクです。
Q7抹消の申請をされたら何をすべき?
登記所からの通知を放置しないことが最重要です。定められた期間内に、現に使用している事実または使用しないことの正当な事由を書面で主張します(33条3項、135条以下の準用)。
Q8商号の抹消と会社の解散は違う?
違います。33条は商号の登記だけを消す手続で、法人格や営業そのものには直接影響しません。休眠会社のみなし解散(会社法472条)とは根拠も効果も別制度です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他人の登記を勝手に消せるなんて、乱用されないんですか?
止める仕組みが3項にある。登記官は名義人に通知し、期間内に異議が出てその異議に理由があると決定されれば、申請は却下される(33条4項、135条から137条までの準用)。つまり効くのは反応が返ってこない登記に限られる。実務のポイント:司法書士が申請前にまず調べるのは名義人の現況で、通知が宛先不明で戻る状態こそ本命である。相手が現存しているなら、抹消より商号変更の交渉のほうが速い
Q2同じビルでも部屋番号が違えばセーフですか?
27条が禁じるのは同一の所在場所における同一の商号の登記であり、判断されるのは登記記録上の所在場所の表示である。部屋番号まで登記されていれば別の表示になりうるが、扱いは事案により分かれるので事前に登記所へ照会するのが安全だ。実務のポイント:バーチャルオフィスは部屋番号を持たない表示になりやすく、同一所在場所に集約されがちである。住所を売りにしているサービスほど、平凡な商号は先に埋まっている
Q3二年使っていないことを、こちらが証明しなきゃいけないんですか?
2項が申請者に求める添付書面は、同一の所在場所で同一の商号を使おうとする者であることを証する書面であって、相手の不使用を立証する書面ではない。不使用かどうかは名義人が異議を述べたときに登記官が判断する構造になっている(3項、136条)。実務のポイント:立証の重心が申請者側に置かれていない点がこの条文の急所で、だからこそ通知の届かない相手には強く効く。ただし申請時にどこまで事情の説明を求めるかは登記所の運用に幅があるので、事前相談を挟むこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「この商号は誰かに取られているから使えない」という問いの立て方そのものが誤っている。平成17年(2005年)の会社法制定に伴う整備で類似商号規制は廃止され、日本に商号の全国的な独占登記は存在しない。登記が通らないのは同一の所在場所における同一の商号だけだ(商業登記法27条)。確認すべきは「全国に同名があるか」ではなく「この所在場所に同名の登記があるか」である
- 二年不使用で抹消できることまでは知っていても、その抹消が登記官の職権ではなく、誰かの申請でしか動かないという事実の重みを見落としている人が多い。申請する者が現れない限り、実体を失った商号の登記は十年でも三十年でも記録に残り続ける。掃除する人がいない仕組みだからこそ、あなたの前に障害として現れる
- あなたから見れば中身のない幽霊の登記でも、登記官から見れば手続の相手方は生きた名義人である。準用される手続で名義人が異議を述べ、その異議に理由があると決定されれば、登記官はあなたの申請を却下しなければならない(33条3項、4項)。この落差を読み違えると、申請費用と数か月を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法33条:第三者による商号の登記の抹消申請 | 商業登記法27条:同一所在場所・同一商号の登記禁止 商業登記法29条:名義人自身による商号の変更・廃止の登記 |
| 動かす人 | 同一所在場所で同一商号を使おうとする第三者(名義人の同意不要) | 登記官(申請を受理しないという形で作用) 商号の登記をした本人 |
| 発動の前提 | 廃止・二年間の不使用・変更・営業所移転のいずれか+所要の登記の不履行 | 所在場所と商号がいずれも同一であること 商号を実際に変更・廃止した事実 |
| 止められる手段 | 名義人の異議に理由があるとの決定(33条4項で申請却下) | 商号の一部変更または所在場所の変更 本人が申請しない限り登記は動かない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も名称の重複を登記段階で制限するが、実体を失った登記の整理は主務機関の職権処分によるのが基本で、第三者が抹消を申請する明文の制度は置かれていない
韓国は正当な事由なく二年間商号を使用しない場合に廃止したものとみなす実体規定を商法に置き、登記の整理は商業登記手続で行う。二年という期間設定は日本33条1項2号と共通する
ドイツは商号の消滅・変更の登記義務を課したうえで、実体を失った商号の抹消を登記所の職権手続として構成する。私人の申請権を正面から認める日本33条とは発動主体が異なる
米国は商号登記の連邦統一制度を持たず、州ごとの登録と更新失効で整理される。名称の排他性は登記ではなく商標法上の使用主義で処理されるため、日本のような登記障害の構造が生じにくい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本店予定地に決めたレンタルオフィスで、同じ商号の登記が十五年前から残っていたらどうなる? 定款の認証は済み、出資金の払込みも終わっている。ここで商号を変えれば定款は作り直し、公証人手数料は戻ってこない。33条の抹消申請に賭けるか、商号を捨てて設立を優先するか、答えを出せる時間は数日しかない
- 名義人があなたの側になる場合。法務局から「あなたの商号の登記を抹消してよいか、一定の期間内に異議を述べよ」という趣旨の通知が届く。放置すれば、三十年使ってきた屋号の登記は消える
- 親の代からの商店を継ぎ、屋号は変えないまま店舗だけ十年前に隣町へ移した。営業所移転の登記(33条1項4号)を怠っていると、旧店舗の跡地に入った新しいテナントから、あなたの商号登記の抹消を申請されうる。移転登記の放置そのものが、他人に鍵を渡している状態だ
- 友人が起業準備で「この商号、同じビルの別会社が押さえてるらしい」と相談してきた。登記記録を見ると、その会社の本店は五年前に移転済みだった。33条1項4号がそのまま使える場面である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 本店または営業所の予定地の登記記録を取得し、同一商号の登記の有無と、その名義人の現況(本店移転の有無、法人なら休眠の兆候)を確認する2. 33条1項各号のどれに当たるかを特定する。廃止、二年の不使用、変更、営業所移転のいずれにも当たらなければ抹消申請の道はなく、商号か所在場所を変える判断へ切り替える3. 該当するなら、同一の所在場所で同一の商号を使おうとする者であることを証する書面(2項)を整えて申請する4. 会社設立と並行する場合は、抹消の完了時期が読めない前提でスケジュールを二本立てにしておく
訴えられた側:1. 登記所からの通知を受け取ったら、放置は最も危険な選択である。期間内に異議を述べなければ、実際に使用中の商号でも登記が抹消されうる2. 現に使用している事実(請求書、看板、契約書、取引履歴、ウェブサイト)を日付が分かる形で揃える3. 不使用が二年に達していないこと、または使用しないことに正当な事由があったことを、通知に定められた期間内に書面で主張する4. 変更や移転の登記を怠っていたなら、争うのと並行して速やかに本来すべき登記を申請し、申請の前提そのものを解消する
時効(請求できる期限):33条の抹消申請自体に申請期限はない。ただし1項2号は「正当な事由なく二年間当該商号を使用しないとき」を要件とするため、不使用の起算点は最後の使用時である。名義人側の異議には、準用される手続で登記所が定める期間(法文上は一月を超えない範囲)という期限があり、この期間を過ぎると抹消を止める手段は事実上失われる(最新の運用は管轄登記所に確認のこと)
学説
通説:33条は登記の公示が実体と乖離した状態を私人の申請によって是正する仕組みと解される。抹消の入口を四つの客観的事由に限定し、名義人に異議の機会を保障することで、公示の安定と後発者の営業開始の自由を調整している
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 従来の類似商号規制(同一市町村内で同一営業のための類似商号の登記を禁じる仕組み)が廃止され、登記上の障害が同一所在場所における同一商号に縮小された。これに伴い、抹消を申請できる者も当該営業所の所在場所において同一の商号を使用しようとする者に対応づけられた
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記に関する手続規定を商法から分離し、商業登記法として制定。商号の登記の抹消申請に関する規律もこの体系に組み込まれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により類似商号規制が廃止され、登記上の障害が同一所在場所における同一商号に縮小。これに対応して、抹消を申請できる者も当該営業所の所在場所で同一の商号を使用しようとする者に位置づけられた
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