商業登記法 第34条(会社の商号の登記)
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- 会社の商号の登記は、会社の登記簿にする。
- 2.第二十八条、第二十九条並びに第三十条第一項及び第二項の規定は、会社については、適用しない。
この条文の基本情報
会社の商号の登記とは何ですか?
定義会社の商号の登記とは、商業登記法第34条に定められた規定で、「会社の商号の登記は、会社の登記簿にする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第34条(会社の商号の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第34条の条文原文は「会社の商号の登記は、会社の登記簿にする。」で始まります。
- 商業登記法第34条は第二節 商号の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第34条の前の条は商業登記法第33条です。
- 商業登記法第34条の次の条は商業登記法第35条です。
- 商業登記法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法34条は、会社の商号の登記を会社の登記簿にするとし、営業所ごとの商号登記や商号譲渡による変更登記(28条〜30条)を会社には適用しないと定める。
Q · 会社の商号だけを単独で登記したり、他社に譲渡する登記ってできるんですか?
できません。会社の商号は会社の登記簿の一項目です
商業登記法34条1項により、会社の商号の登記は会社の登記簿にされ、商号だけを独立して登記することはありません。同条2項は28条・29条・30条1項2項を会社に適用しないと定めるため、会社には「商号の譲渡による変更の登記」という手続が存在しません。屋号ごと事業を売る場合は、譲渡側の商号変更登記と譲受側の商号変更登記という二本立てになります。なお27条(同一所在場所・同一商号の登記禁止)は除外されておらず、会社にもそのまま適用されます。
解説
登記簿は一種類ではない。商号登記簿、株式会社登記簿、合同会社登記簿、外国会社登記簿と分かれている。商業登記法34条1項は、会社の商号がどこに載るのかを一行で決めている。会社の商号は独立した商号登記簿ではなく、会社そのものの登記簿の一欄として登記される。ここまでは事務的な話に見える。効いてくるのは2項だ。個人商人向けに用意された手続、営業所ごとの商号登記(28条)、商号の変更・廃止の登記(29条)、商号の譲渡・相続による変更の登記(30条1項2項)が、会社には丸ごと適用されない。つまりあなたの会社がブランド名を他社に売っても、「商号を譲渡しました」という登記は窓口に存在しない。売った側は定款を変更して自分の商号を変え、買った側も自分の商号を変える、別々の二本の変更登記になる。そして本当に見落とされているのは、除外されなかった条文のほうだ。27条(他人の商号と同一かつ本店所在場所も同一なら登記できない)は、会社にもそのまま生きている。
法的な位置づけ
商業登記法34条は、会社の商号の登記に関する規律を定める規定である。1項は会社の商号を商号登記簿ではなく会社の登記簿に登記すべきものとし、2項は個人商人を前提とする28条、29条並びに30条1項及び2項の適用を会社について排除する。会社の商号は法人格の名称として、会社の登記簿に一体的に公示される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本店予定地の住所で商号調査をかける 商号案が固まった段階で、法務局の窓口または登記情報提供サービスを使い、本店予定地の所在場所に同一商号の会社が既に登記されていないかを確認する。商業登記法27条は34条2項の除外対象外なので、会社にもそのまま適用される
- 2.商標データベースで同一・類似名称を確認 登記が通ることと社名を安全に使えることは別問題である。J-PlatPat で商号案と同一・類似の登録商標を、指定商品・役務の区分まで含めて確認する。登記所は商標を一切審査しない
- 3.調査を通過した商号で定款を作成し認証を受ける 株式会社の商号は定款の絶対的記載事項(会社法27条2号)であるため、調査前に定款を確定させると、重複判明時に公証人の認証をやり直すことになる。順序を逆にしないことが費用と日程を守る要点
- 4.設立登記を申請し、商号は会社の登記簿に登記される 設立登記の申請により、商号は独立した商号登記簿ではなく会社の登記簿の一項目として登記される(商業登記法34条1項)。以後、商号を変更した場合は効力発生日から2週間以内に変更登記を行う(会社法915条1項)
- 5.事業譲渡で屋号を移すときは二本の変更登記を同日で組む 商号の譲渡による変更の登記(30条1項)は34条2項により会社には適用されない。譲渡側が定款変更で商号を変え、譲受側も商号を変える二本の変更登記を同日申請する条項を、契約書段階で組み込む
よくある質問 AI による整理
Q1会社の商号の登記とは?
会社の商号を独立した商号登記簿ではなく、会社の登記簿の登記事項として公示する仕組みです。商業登記法34条1項が根拠で、商号だけを単独で登記する申請は存在しません。
Q2商号登記簿と会社登記簿の違いは?
商号登記簿は個人商人の商号を登記する帳簿、会社登記簿は会社ごとの登記事項をまとめた帳簿です(商業登記法6条)。会社の商号は後者の一欄に記載されます。
Q3商号調査はどこでできますか?
法務局の窓口や登記情報提供サービスで、本店予定地の住所と商号の組み合わせを確認します。定款を作成する前に調べるのが実務の順序です。
Q4商号変更の登記期限は?
会社が商号を変更した場合、効力発生日から2週間以内に本店所在地で変更登記が必要です(会社法915条1項)。懈怠は100万円以下の過料の対象になります。
Q5会社に商号の廃止の登記はありますか?
ありません。商号の変更・廃止の登記を定める29条は、34条2項により会社に適用されません。会社は商号だけを廃止できず、商号変更の登記か会社自体の消滅の登記によります。
Q6会社の商号は支店ごとに登記が必要ですか?
不要です。営業所ごとの商号登記を定める28条は34条2項で適用除外です。会社の商号は会社の登記簿に一体的に記載され、支店所在地における登記制度自体も2022年に廃止されました。
Q7商業登記法34条2項が除外している条文は?
28条(営業所ごとの商号登記)、29条(商号登記事項の変更・廃止)、30条1項2項(商号の譲渡・相続による変更)です。27条は除外されていません。
Q8商号が登記できても商標権侵害になりますか?
なり得ます。登記所は商標の有無を審査しないため、登記が通っても他人の商標権を侵害する可能性があります。設立前に J-PlatPat での確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同じ社名の会社って、作れないんですか?
作れます。商業登記法27条が禁じているのは、他人が既に登記した商号と同一で、かつ本店の所在場所まで同一という場合だけです。34条2項も27条は除外していません。実務のポイント:登記が通ることと、その社名を安全に使えることは別問題です。登記所は商標を一切チェックしません。既に商標登録されている名称でも登記は普通に通り、その数か月後に警告書が届く
Q2うちの会社の屋号を別の会社に売りたいんですが、どう登記すればいいですか?
商号の譲渡による変更の登記(商業登記法30条1項)は、34条2項によって会社には適用されません。実務は、譲渡側が定款変更で自社の商号を変え、譲受側も自社の商号を変える、二本の変更登記になります。実務のポイント:この二本を同日に申請するのが定石です。譲渡側の商号変更が遅れると同じ名前の会社が並存する期間が生まれ、会社法22条の商号続用による債務承継のリスクが顔を出す
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社の商号登記はどうやるのか」という問いの立て方そのものが成り立っていない。会社の商号は独立して登記する対象ではなく、設立登記や変更登記の一項目として会社の登記簿に載る。だから「商号だけを登記する」「商号だけを抹消する」という申請書は存在しない。34条1項はそのことを宣言している
- 34条2項が28条から30条までを除外していることは、条文を読めば誰でも分かる。深刻なのは、除外されなかった27条を誰も見ていないことだ。バーチャルオフィスやレンタルオフィスの住所には、数十社が同一の本店所在場所として登記されている。そこで商号が一つでもかぶれば、あなたの会社は生まれる前に止まる
- あなたから見れば「うちの商号は登記済みだから守られている」だが、商業登記法から見れば守られているのは「同一所在場所での同一商号」という極めて狭い範囲だけである。隣の番地に同じ社名の会社ができても、登記法は一切止めない。止めたいなら会社法8条(不正の目的による商号使用の差止め)か不正競争防止法に舞台を移すしかない。この守備範囲の錯覚が、対応の初動を丸ごと遅らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に適用されるか | 34条:会社(商号は会社の登記簿に登記) | 28条〜30条:個人商人のみ(会社には適用除外) 27条:個人商人と会社の双方に適用 |
| 商号を単独で動かせるか | 34条2項により、会社は商号だけの譲渡・廃止の登記ができない | 30条により、個人商人は商号の譲渡・相続による変更の登記ができる 27条は登記の可否の問題であり、移転の可否は規律しない |
| 登記できないケース | 34条自体は登記の場所を定めるだけで、拒絶事由は置いていない | 28条〜30条は会社に適用がないため、会社の拒絶事由にならない 27条:他人の登記商号と同一で、かつ本店所在場所も同一なら登記不可 |
| 実務で効いてくる場面 | 事業譲渡で「商号譲渡の登記」を約束してしまう事故の防止 | 個人事業主の屋号売買、法人成り前の商号廃止の要否 バーチャルオフィス・同一ビル設立時の商号重複による登記停止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会社(公司法)と個人商業(商業登記法)で名称登記の建付けを分ける。ただし台湾は主務機関による名称の事前予査(預查)制度があり、住所が違えば同一名称でも登記できる日本より重複規制が広い
韓国も商業登記法を独立法として持ち、会社の商号は会社の登記記録に記録される。日本の34条に相当する分岐構造を共有する
ドイツは商号の登記申請義務を課したうえで、§ 30が同一の市町村における既登記商号との識別性を要求する。日本の27条が本店所在場所の同一性という極めて狭い範囲でしか止めないのと対照的に、地域単位で識別性を要求する点が広い
米国は州単位で商号の distinguishable 要件を審査し、住所ではなく州内全域で同一・類似名称を排除する。連邦商標との調整は別途行われる点は日本と同じ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同じビルの同じ住所に、すでに同じ商号の会社が登記されていたらどうなる? あなたの設立登記は通らない。株式会社なら商号は定款の絶対的記載事項(会社法27条2号)なので、社名を変えれば公証人の定款認証からやり直しになり、認証手数料(資本金の額に応じて3万円から5万円)と数日が消える。定款を作る前に本店予定地の住所で商号を調べていれば、全部避けられた損失である
- あなたの会社が屋号ごと事業を売った。買主の担当者は「では商号譲渡の登記をお願いします」と言ってくる。その登記手続は会社には存在しない、と決済のテーブルでその場で説明できるかどうかが、契約の信用を左右する
- 株主総会で社名変更を決議した。変更登記は効力発生日から2週間以内(会社法915条1項)。期限を過ぎても登記そのものは受理されるが、100万円以下の過料(会社法976条1号)の対象になる。しかもその過料通知は会社宛てではなく、代表取締役個人の自宅に届く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社の商号と本店所在地の組み合わせを登記情報で確認し、同一所在場所に同一商号の他社がいるかを特定する2. 所在場所が違うなら商業登記法27条では止められない。会社法8条の差止請求と不正競争防止法2条1項1号・2号(周知表示・著名表示の保護)に土俵を移す3. J-PlatPat で商標登録の有無を確認する。商標権があれば差止めと損害賠償まで射程が伸びる4. 交渉を始める前に相手の登記事項証明書を取り、設立年月日で先後関係を固定しておく
訴えられた側:1. 商号の重複で登記が止まりそうなら、本店所在場所の特定方法を確認する。ただしビル名や部屋番号まで登記した場合に別の所在場所と扱われるかは実務上の判断が分かれるため、必ず管轄登記所へ事前照会する2. 商号を修正する場合、株式会社なら定款の絶対的記載事項なので認証のやり直しが必要。費用と日程を先に見積もる3. 既存会社が社名変更を迫られたら、株主総会の特別決議(会社法309条2項11号)を経て2週間以内に変更登記する
時効(請求できる期限):商号の登記そのものに固有の期限はない。ただし会社が商号を変更した場合、本店所在地では変更が生じた日から2週間以内に変更登記が必要(会社法915条1項)。起算点は株主総会決議で効力発生日を定めたならその日、定めなければ決議の日。懈怠は100万円以下の過料(会社法976条1号)の対象となる
学説
通説:会社の商号は法人格そのものの名称であり、営業から切り離して単独で処分することはできないと解される。34条2項が個人商人向けの商号譲渡登記を会社に適用しないのは、この実体法上の理解を登記手続に反映したものと説明される
通説:34条2項の適用除外は28条から30条1項2項に限定されており、27条の同一所在場所・同一商号の規律は会社にも及ぶ。したがって会社設立時の商号選択は、本店の所在場所とセットで検討する必要があるとされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商法から商業登記の手続規定を分離して商業登記法を制定。個人商人の商号登記と会社の商号登記を分岐させ、会社の商号は会社の登記簿に登記する建付けが置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、会社に関する登記の規律が会社法と商業登記法に再配置された。会社の商号の実体的根拠は会社法6条、登記手続は商業登記法という役割分担が明確になった
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