商業登記法 第44条(会社の支配人の登記)
クイックジャンプ
- 会社の支配人の登記は、会社の登記簿にする。
- 2.前項の登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。
- 一支配人の氏名及び住所
- 二支配人を置いた営業所
- 3.第二十九条第二項の規定は、第一項の登記について準用する。
この条文の基本情報
会社の支配人の登記とは何ですか?
定義会社の支配人の登記とは、商業登記法第44条に定められた規定で、「会社の支配人の登記は、会社の登記簿にする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第44条(会社の支配人の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第44条の条文原文は「会社の支配人の登記は、会社の登記簿にする。」で始まります。
- 商業登記法第44条は第四節 支配人の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第44条の前の条は商業登記法第43条です。
- 商業登記法第44条の次の条は商業登記法第45条です。
- 商業登記法第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法44条は、会社の支配人の登記を会社の登記簿にすると定め、登記事項を氏名・住所・営業所の三点に限定する。変更や消滅も29条2項の準用で申請義務となる。
Q · 支配人を登記すると、会社の登記簿には何が載るんですか?
氏名・住所・営業所の三点が会社の登記簿に載ります
商業登記法44条により、会社の支配人の登記は会社の登記簿にされ、登記事項は支配人の氏名及び住所と、支配人を置いた営業所の三点です。会社法上の支配人は事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為ができる包括代理権を持つため(会社法11条1項)、取引相手は登記事項証明書一枚で権限を確認できます。逆に会社側は、解任しても代理権消滅の登記を出すまで、その消滅を善意の第三者に対抗できません(会社法908条1項)。
解説
「支店長」の名刺を持つ相手と契約したとき、その人に本当に会社を動かす権限があるかを、あなたは登記簿一枚で確認できる。会社法上の支配人は、会社に代わって事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為ができる強力な代理人(社長並みの包括権限を持つ従業員)であり、商業登記法44条は、その支配人を会社の登記簿に載せると定める。載る内容は氏名・住所・置かれた営業所の三つだけ。だがこの三行は両方向に効く。取引相手から見れば、登記事項証明書を取るだけで権限の有無が確定する。会社から見れば、支配人を解任しても代理権消滅の登記を出すまで、その元支配人が結んだ契約を善意の第三者に否定できない(会社法908条1項)。44条3項が準用する29条2項は、住所の変更も営業所の変更も解任も、すべて登記申請の義務に変える。
法的な位置づけ
商業登記法44条は、会社の支配人に関する登記の場所と登記事項を定める規定である。会社の支配人の登記は会社の登記簿にされ、登記事項は支配人の氏名及び住所並びに支配人を置いた営業所の三点に限られる。同条3項は29条2項を準用し、登記事項の変更及び消滅について登記申請義務を課している。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.支配人を置く営業所と権限範囲を確定する 商業登記法44条2項2号の登記事項は「支配人を置いた営業所」であるため、どの営業所に置くかを先に決定する。あわせて、社内規程で設ける決裁制限は善意の第三者に対抗できず登記もできない(会社法11条3項)ことを前提に、包括代理権を与えてよい人物かを判断する
- 2.選任を証する書面を添付して選任の登記を申請する 商業登記法45条に従い、支配人の選任を証する書面を添付して、会社の登記簿への登記を申請する(44条1項)。登記事項は氏名・住所・営業所の三点であり、支配人本人の住所は住民票上の住所を記載する
- 3.支配人の印鑑を提出し、対外的な証明の二枚組を揃える 商業登記法12条に基づき支配人の印鑑を登記所に提出し、印鑑証明書を取得できる状態にする。取引先には登記事項証明書で権限を、印鑑証明書で押印の真正を示せるようになる
- 4.住所変更・営業所変更が起きたら変更の登記を申請する 44条3項が準用する29条2項により、登記事項に変更が生じたときは会社が変更の登記を申請する義務を負う。支配人本人が引っ越しただけでも申請義務が発生するため、人事情報と登記の突合を定期業務にする
- 5.解任・退任は決議当日に代理権消滅の登記へ走らせる 商業登記法45条2項の代理権の消滅を証する書面を決議前に準備しておき、解任を決めた当日に申請へ着手する。登記が完了するまで会社は代理権の消滅を善意の第三者に対抗できない(会社法908条1項)ため、同時に名刺・社内表示・メール署名から支配人相当の名称を回収する
よくある質問 AI による整理
Q1支配人の登記とは何ですか?
会社に代わって事業に関する一切の行為ができる支配人の氏名・住所・営業所を、会社の登記簿に公示する登記です。根拠は商業登記法44条で、外部から権限を確認できる状態をつくります。
Q2支配人の登記に必要な書類は?
選任の登記には支配人の選任を証する書面、代理権消滅の登記にはその消滅を証する書面を添付します(商業登記法45条)。印鑑を提出する場合は印鑑届書も併せて必要です。
Q3支配人の登記の費用はいくらですか?
登録免許税のほか、司法書士に依頼する場合は報酬がかかります。登記事項証明書の取得手数料は1通あたり数百円です。最新の税額と手数料は法務局の公表情報をご確認ください。
Q4支配人を解任したらどうすればいいですか?
代理権消滅の登記を申請します。登記が入るまで、会社は代理権が消えたことを善意の第三者に対抗できません(会社法908条1項)。解任決議の日から登記完了までが無防備な期間です。
Q5支配人の住所が変わったらどうなりますか?
住所は商業登記法44条2項1号の登記事項なので、変更の登記を申請する義務が生じます(44条3項による29条2項の準用)。申請義務を負うのは支配人本人ではなく会社側です。
Q6支配人の登記はいつまでにすればいいですか?
会社法918条は登記義務を定めますが、実質的な期限は登記するまで代理権消滅を善意の第三者に対抗できない点にあります。解任等を決めた日を起算点に、事実上は即日対応が安全です。
Q7支配人の印鑑証明書は取れますか?
取れます。支配人は登記所に印鑑を提出でき、その印鑑証明書の交付を受けられます(商業登記法12条)。登記事項証明書と印鑑証明書の二枚で、権限と押印の真正を固められます。
Q8支配人の登記をしないとどうなりますか?
登記していない事項は善意の第三者に対抗できず(会社法908条1項)、登記の懈怠は会社法976条1号の過料の対象になります。過料を負うのは会社ではなく代表者個人です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1支配人を登記すると、何がそんなに変わるんですか?
登記された支配人は、会社に代わって事業に関する一切の裁判上・裁判外の行為ができます(会社法11条1項)。社内で「1億円以上は本社決裁」と決めても、その制限は善意の第三者に対抗できません(同条3項)。実務のポイント:実務で支配人登記は「権限を与える」手続ではなく「撤回しにくい権限を公示する」手続として扱われます。個別の委任状で足りる支店長なら、そちらの方が権限の引き戻しは圧倒的に速い
Q2支配人の自宅住所まで登記簿に載るって、本当ですか?
本当です。商業登記法44条2項1号が氏名と住所を登記事項としており、会社の登記事項証明書は手数料さえ払えば誰でも取得できます。実務のポイント:令和6年(2024年)10月に始まった住所非表示措置の対象は代表取締役・代表執行役・代表社員であり、支配人は含まれません(最新の改正状況をご確認ください)。支配人就任を打診された段階でこの点を確認し、承諾するかを判断する人が実際にいます
間違えやすい点 AI による整理
- 「支配人を登記すべきかどうか」という問いの立て方自体が誤っている。会社法918条は、支配人を選任したら登記しなければならないと定める。判断すべきなのは「この人に包括代理権を与えるか」であって、与えると決めた瞬間に登記は義務として付いてくる。逆に、登記しないまま支店長・営業所長といった名称を与えれば、会社法13条の表見支配人として、登記がなくても会社が責任を負う場面が出る
- 支配人の代理権に社内で制限をかけられることは、多くの経営者が知っている。だがその制限が外部にどれだけ効かないかまでは把握されていない。会社法11条3項は、支配人の代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できないと定める。「5,000万円以上は本社決裁」という社内規程は、それを知らない相手には一切効かず、しかもその制限を登記簿に載せることもできない
- 会社から見れば、支配人の住所の登記は事務手続の一項目でしかない。だが支配人本人から見れば、自宅住所が誰でも取得できる登記事項証明書に載り続けるという話だ。令和6年(2024年)10月に始まった住所非表示措置の対象は代表取締役等であり、支配人はそこに含まれない。この落差を知らずに就任を承諾した人は、後から気付くことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記する簿冊 | 商業登記法44条1項:会社の登記簿にする | 商業登記法43条:会社以外の商人は商人の登記簿(支配人登記簿)による 商業登記法45条:簿冊ではなく添付書面を定める規定 |
| 定めている内容 | 登記の場所と登記事項(氏名・住所・営業所) | 会社以外の商人の支配人登記の申請と登記事項 選任の登記・代理権消滅の登記に添付すべき書面 |
| 変更・消滅時の扱い | 3項が29条2項を準用し、変更・消滅の登記申請義務を課す | 商人自身が申請義務を負う構造 消滅を証する書面の添付を要求(45条2項) |
| 実務で必要になる場面 | 会社が支店長級に包括代理権を与えるとき、解任するとき | 個人事業主・会社以外の商人が支配人を置くとき 登記申請書を組み立てるとき |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾の経理人は法律上、会社のために営業上の一切の行為をする権限を持ちうる点で支配人に近いが、その権限制限は善意の第三者に対抗できないとされる。登記による公示の位置づけは日本より弱く、確認手段が委任状や定款・内規に依存しやすい
韓国商法は、商人は支配人の選任とその代理権の消滅について、支配人を置いた本店または支店の所在地で登記しなければならないと定める。選任と消滅の双方を登記事項とする構造は日本法とほぼ同型
中国では経理の職権は法律及び定款で定められるが、商事登記において公示されるのは法定代表人が中心であり、経理の権限を登記簿で確認する仕組みは日本ほど整っていない
プロクラの授与は商業登記簿への登録を申請しなければならず、その消滅も登録される。代理権の範囲は法定され、内部的な制限は第三者に対抗できない。日本の支配人制度の直接の範型
フランスは商業・会社登記簿(RCS)に会社の代表者等を登録する制度を持つが、支配人に相当する包括的商事代理人を独立の登記事項として画一的に扱う構造は日本と異なる
米国には支配人登記制度がなく、代理権は apparent authority の法理で処理される。パートナーシップ等では Statement of Authority を州務長官に提出して権限を公示できるが、任意の制度であり日本の登記義務とは性格が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 支配人を解任した翌週、その元支配人が取引先と2,000万円の発注書を交わしていたと分かったら、どうなる? 代理権消滅の登記がまだ入っていなければ、会社法908条1項により、会社は権限が消えたことを善意の取引先に対抗できない。解任を決めた日から登記完了までの空白日数が、そのまま会社が丸ごと露出している期間になる。
- あなた自身が支配人として登記されている側。引っ越して住民票を移した、それだけで会社側に変更登記の申請義務が発生する(44条3項、29条2項準用)。誰も催促してこないが、怠った責任を負うのは会社の代表者だ。
- 1億円の売買契約書に押されていたのが代表印ではなく支配人の印だった。支配人の印鑑証明書は登記所で取得できる(商業登記法12条1項2号)。登記簿で支配人であることを、印鑑証明書で押印の真正を、二枚で固める。この二枚を揃えないまま決済日を迎える担当者は驚くほど多い。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約締結時点の履歴事項全部証明書を取得し、相手方の支配人登記がいつ入り、いつ消えたかを日付で押さえる2. 代理権消滅の登記が契約成立より後であれば、会社法908条1項により、会社は消滅を善意のあなたに対抗できない、この一点で会社本体に履行を求める3. そもそも支配人登記がない場合でも、支店長・営業所長などの名称が付されていれば会社法13条の表見支配人を主張する4. 名刺・メール署名・受付の役職表示の写真を直ちに保全する、名称使用の立証が勝敗を決める
訴えられた側:1. 解任・退任を決めた瞬間から代理権消滅の登記完了までを日単位で管理する、商業登記法45条2項の証明書面は決議前に用意しておく2. 名刺・社内表示・メール署名から支配人相当の名称を即日回収する、会社法13条の表見支配人責任は登記の有無と関係なく発生する3. 主要取引先には権限消滅を書面で個別通知し、相手方の悪意を作りにいく4. 登記の懈怠は代表者個人に対する100万円以下の過料の対象(会社法976条1号)、放置は会社ではなく個人の負担になる
時効(請求できる期限):支配人の選任および代理権消滅の登記について、会社法918条は登記義務のみを定め、期間を明示していない(2週間の期限を置く会社法915条1項は登記事項の変更登記に関する規定であり、この点は実務書によって説明が分かれている)。実質的な期限は別のところにあり、登記するまで代理権の消滅を善意の第三者に対抗できない以上(会社法908条1項)、起算点は解任等を決めた日、事実上の締切は即日。怠れば会社法976条1号の過料の対象にもなる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:支配人制度は、代理権の範囲を法律で画一的に定めたうえで登記により公示することで、取引相手が個別に権限を調査する負担を免れさせる制度と理解される。商業登記法44条の登記事項が氏名・住所・営業所の三点に限られるのも、権限内容が法定されており登記で示すべきは主体と場所の特定に尽きるためと説明される。
実務の理解:登記事項に代理権の制限を含めることはできず(会社法11条3項)、権限の引き戻しは代理権消滅の登記によるほかない。このため実務では、権限の柔軟な調整が必要な場面では支配人登記ではなく個別の委任状による授権を選択し、支配人登記は公示の必要が高い場合に限る運用が採られることが多い。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定により、それまで商法及び関連法令に置かれていた商業登記の手続規定が単行法として整理され、支配人の登記に関する規定も同法に置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、商業登記法の会社関係規定が再編され、会社の支配人の登記は会社の登記簿にする旨の現行の規律に整理された(最新の改正状況は e-Gov でご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める