商業登記法 第51条(本店移転の登記)
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- 本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。
- 2.前項の登記の申請と旧所在地における登記の申請とは、同時にしなければならない。
- 3.第一項の登記の申請書には、第十八条の書面を除き、他の書面の添付を要しない。
この条文の基本情報
本店移転の登記とは何ですか?
定義本店移転の登記とは、商業登記法第51条に定められた規定で、「本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第51条(本店移転の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第51条の条文原文は「本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第51条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第51条の前の条は商業登記法第48〜50条です。
- 商業登記法第51条の次の条は商業登記法第52条です。
- 商業登記法第51条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第51条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第51条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/51
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法51条は、本店の管轄外移転では新所在地分の登記申請を旧所在地の登記所を経由し、旧所在地分と同時に申請すべきと定める。新所在地分に添付書面は原則不要。
Q · 本店を別の法務局の管轄に移すとき、登記の申請はどこに出せばいいですか?
旧所在地の登記所に、新旧2通をまとめて同時に出します。
商業登記法51条により、新所在地における登記の申請は旧所在地を管轄する登記所を経由して行い(1項)、旧所在地における登記の申請と同時に提出しなければなりません(2項)。新所在地の法務局に直接持ち込んでも受け付けられず、片方だけ先に出しても同時性を欠くことになります。新所在地分の申請書には、18条の代理権を証する書面を除き他の添付書面は要りません(3項)。登記期限は移転日から2週間です(会社法915条・916条)。
解説
オフィスの引っ越し先が隣の区だった、それだけで登記の難易度が一段跳ね上がる。同じ法務局の管轄内なら申請書は1通で済むが、管轄をまたいだ瞬間、商業登記法51条が起動する。新所在地の登記所に出す申請書と、旧所在地の登記所に出す申請書、その2通を、旧所在地の登記所にまとめて同時に提出しなければならない。新しい住所の法務局に直接持ち込んでも扱ってもらえない。片方だけ先に出しても駄目で、同時性を欠けば却下される。ただし、この条文はあなたに救いも用意している。3項が、新所在地用の申請書には委任状(18条の書面)を除いて他の添付書類を一切要求しないと明言している。株主総会議事録も定款も、旧所在地用の1部だけでよい。実質的な審査は旧所在地の登記所が担い、新所在地はその判断を引き継ぐ。この分業構造を知っているかどうかで、準備する書類の量が半分変わる。
法的な位置づけ
商業登記法51条は、本店の管轄外移転における登記申請の方式を定める規定である。新所在地における登記の申請は旧所在地を管轄する登記所を経由してすることを要し(1項)、旧所在地における登記の申請と同時にしなければならない(2項)。新所在地分の申請書は、18条の書面を除き他の書面の添付を要しない(3項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.候補物件の管轄法務局を先に確認する 内見や契約の前に、候補地の住所を管轄する法務局を法務局サイトの管轄一覧で確認する。管轄をまたぐかどうかで申請通数、登録免許税、印鑑の取扱い、許認可の変更届までが連鎖的に変わる
- 2.定款を開いて決議レベルを判定する 定款の本店所在地の記載を確認する。最小行政区画を越えるなら定款変更が必要で株主総会の特別決議、同一区画内なら取締役会等の決議で足りる。ここで招集日程を逆算し、移転日を決める
- 3.決議を行い、旧所在地分の添付書面を揃える 株主総会議事録または取締役会議事録、株主リスト(商業登記規則61条)、代理申請なら委任状を用意する。実質審査は旧所在地の登記所が担うため、添付書面は旧所在地分にまとめる
- 4.新旧2通の申請書を旧所在地の登記所へ同時提出する 新所在地分の申請書には18条の委任状を除き添付書面を付けない(51条3項)。2通をまとめ、旧所在地を管轄する登記所へ同時に提出する。新所在地の法務局に直接持ち込まない
- 5.完了後、登記事項証明書を取得して各所の変更届を出す 登記完了を確認して登記事項証明書と印鑑証明書を取得し、税務署・都道府県税事務所・市区町村・年金事務所・労働保険・許認可官庁の変更届を期限内に出す
よくある質問 AI による整理
Q1本店移転登記とは何ですか?
会社の本店所在地を変更した際に、登記記録を書き換える手続です。管轄外に移る場合は商業登記法51条により、新旧2通の申請書を旧所在地の登記所へ同時に提出します。
Q2管轄外の本店移転の登録免許税はいくらですか?
旧所在地分と新所在地分でそれぞれ課され、合計は1件分の倍になります。管轄内移転なら1件分で済みます。税額は改正されることがあるため、申請前に最新の登録免許税法をご確認ください。
Q3本店移転登記の期限はいつまでですか?
移転の効力が生じた日から2週間以内です(会社法915条1項・916条)。起算点は取締役会等が定めた移転日であり、荷物を運んだ日や賃貸借契約の開始日ではありません。
Q4本店移転に定款変更は必要ですか?
定款に記載した最小行政区画(市区町村)を越えて移転する場合は必要で、株主総会の特別決議が要ります。同一市区町村内で番地だけ変わるなら、取締役会等の決議で足ります。
Q5同一管轄内の移転と何が違いますか?
同一管轄内なら申請書は1通で、登録免許税も1件分です。管轄外では51条が起動し、新旧2通を旧所在地経由で同時申請し、印鑑の取扱いも変わります。
Q6本店移転登記が遅れるとどうなりますか?
登記懈怠として100万円以下の過料の対象になります(会社法976条1号)。名宛人は会社ではなく代表取締役個人で、裁判所からの通知は自宅に届きます。
Q7管轄外移転で会社の印鑑は届け出し直しますか?
登記記録が新所在地の登記所に移るため、実務上は新所在地の登記所に印鑑(印鑑届書)を提出する扱いになります。運用は変動しうるため、管轄法務局に事前確認するのが確実です。
Q8本店移転登記の後に必要な手続は何ですか?
税務署・都道府県税事務所・市区町村への異動届、年金事務所・労基署・ハローワークの所在地変更、建設業や宅建業などの許認可の変更届が続きます。多くは登記事項証明書が添付書類です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1新しい住所の法務局に直接持って行っちゃダメなんですか?
扱ってもらえない。51条1項が旧所在地を管轄する登記所を経由せよと定めており、新所在地の登記所は経由されてきた申請しか処理できない。郵送で送れば往復で数日が消える。実務のポイント:司法書士が管轄外移転でまず詰めるのは議事録ではなく移転日の設定だ。3月末や9月末に寄せると補正のやり取りが繁忙期に重なり、2週間の期限が一気に細くなる
Q2新所在地の分にも議事録のコピーを付けた方が安全ですよね?
不要である。51条3項が、新所在地の申請書には18条の書面(代理人の権限を証する委任状)を除き他の添付書面を要しないと明言している。実質的な審査は旧所在地の登記所が行い、新所在地はその結果を引き継ぐ構造だ。実務のポイント:念のために添えた余分な書類が、かえって記載の食い違いを指摘される材料になることがある。条文が要らないと書いている書面は出さないのが最短経路
間違えやすい点 AI による整理
- 新所在地の登記なのだから新所在地の法務局に出す、という自然な発想が最初の落とし穴になる。51条1項は旧所在地を管轄する登記所を経由することを義務づけており、新所在地の登記所は経由されてきた申請しか扱えない。どこに出すかが、書類の中身と同じ重さで結果を決める
- 登記が2週間遅れる程度は大したことがない、と多くの経営者が考えている。深刻なのは金額ではなく名宛人だ。会社法976条1号の過料は会社ではなく代表取締役個人に科され、裁判所からの通知は自宅に届く。会社の経費で払えば役員に対する給与の扱いになり、税務上も別の問題が生える
- 「本店移転登記はいくらかかるか」という問いの立て方自体がずれている。管轄外移転の登録免許税は旧所在地分と新所在地分でそれぞれ3万円、合計6万円だが(最新の改正状況をご確認ください)、本当のコストを決めるのは定款だ。定款に番地まで書いてあれば株主総会の招集から始まり、必要な日数が桁ひとつ変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 商登法51条:管轄外移転の申請方式(経由・同時・添付省略) | 商登法52条:経由後の登記所間の処理と却下の手続 商登法24条:申請の却下事由(同時申請等を欠く場合を含む) |
| 申請人が守るべきこと | 旧所在地経由で新旧2通を同時提出する | 旧所在地の判断結果が新所在地に引き継がれるのを待つ 却下事由に当たらないよう形式要件を事前に点検する |
| 違反したときの帰結 | 経由・同時性を欠けば申請として扱われない | 旧所在地で却下されれば新所在地分も一体で処理される 却下され、登録免許税は還付請求、取下げなら再使用証明 |
| 添付書面の量 | 新所在地分は18条の書面のみ(3項) | 条文自体は添付書面を定めない 添付書面の不備が却下事由になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は登記機関が経済部およびその委任機関に一元化されており、管轄をまたぐ経由申請という発想自体が存在しない。所在地変更は変更登記事項として1回の申請で処理される点が日本と大きく異なる
韓国も旧所在地と新所在地の双方で登記を要する構造をとるが、登記事務の電算化が進み、経由申請の運用は日本とは異なりうる。実務上の窓口は現地の最新運用の確認が必要
ドイツも本店(Hauptniederlassung)の他の登記所管轄への移転について、旧所在地の登記所に届け出て、旧登記所が職権で新登記所へ送付する構造をとる。日本51条の経由主義と発想が同型
米国は州単位の登記であり、同一州内の登録事務所の変更は届出のみで足りる。州をまたぐ移転は再設立(domestication / conversion)という別の制度になり、日本の管轄外移転とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 移転日は今月末、株主総会は来週。もし新所在地の法務局に申請書を直接持ち込んだら、どうなる? 経由申請の要件を欠くため扱ってもらえず、書き直して旧所在地に出し直すことになる。その間も会社法上の2週間の期限は移転日から進み続けている。残された日数を数えながら、司法書士の空き状況を探す羽目になる
- 同時申請の片方に不備があった。旧所在地の分だけ通って新所在地が止まる、という中途半端な状態にはならない。2通は一体として扱われ、まとめて処理されるため、登録免許税をどう扱うかから確認し直しになる
- あなたが総務担当で、社長から「来月、隣の市の新オフィスに移るから登記よろしく」と言われた。定款を開くと「本店は○○市に置く」と書いてある。市をまたぐので定款変更が必要になり、つまり株主総会の特別決議が要る。取締役会の決議だけで書類を組んでも、旧所在地の段階で止まる。物件契約より先に定款を開いていれば、招集の日程を逆算できた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 却下や補正の通知が来たら、原因が経由・同時性なのか添付書面なのかを通知書の記載で切り分ける2. 経由や同時性の不備なら、2通を揃えて旧所在地の登記所に出し直す3. 却下された場合の登録免許税は還付を請求でき、取下げなら再使用証明を受けて次の申請に回せる4. 移転日から2週間の起算は止まらない。補正で足りる段階なら、取下げより補正を選んで日数を削る
訴えられた側:1. 過料の通知は会社ではなく代表取締役個人宛に届く。まず名宛人と、指摘されている懈怠期間を確認する2. 期間の計算や移転日の認定に争いがあるなら、過料の裁判に対して即時抗告ができる(非訟事件手続法)。期間は極めて短いので、通知を受け取った日を必ず記録する(最新の改正状況をご確認ください) 3. 争わない場合でも、未了の登記が他に残っていないか総点検する。役員変更の懈怠は本店移転より件数が多く、まとめて指摘されやすい
時効(請求できる期限):本店移転の日から2週間以内に、旧所在地と新所在地の両方の登記を申請する(会社法915条1項、916条)。起算点は取締役会等が定めた移転の効力発生日であり、荷物を運び出した日でも賃貸借契約の開始日でもない。懈怠には100万円以下の過料(会社法976条1号)
学説
通説(登記実務):51条の経由申請と同時申請は、管轄外移転で旧所在地の登記記録を閉鎖し新所在地で記録を起こす際の断絶や二重登記を防ぐための技術的要請であり、審査主体を旧所在地に一本化する趣旨と解される。3項の添付書面の省略は、その一本化の反面としての申請人の負担軽減と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定により、従前は商法および非訟事件手続法に置かれていた商業登記の手続規定が単行法に整理され、本店の管轄外移転に関する経由申請・同時申請の規律が51条として設けられた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、商業登記法の条文が会社法の用語・体系に合わせて整理された
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