商業登記法 第66条(取得請求権付株式の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記)
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取得請求権付株式(株式の内容として会社法第百七条第二項第二号ハ又はニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記の申請書には、当該取得請求権付株式の取得の請求があつたことを証する書面を添付しなければならない。
この条文の基本情報
取得請求権付株式の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記とは何ですか?
定義取得請求権付株式の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記とは、商業登記法第66条に定められた規定で、「取得請求権付株式(株式の内容として会社法第百七条第二項第二号ハ又はニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第66条(取得請求権付株式の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第66条の条文原文は「取得請求権付株式(株式の内容として会社法第百七条第二項第二号ハ又はニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。」で始まります。
- 商業登記法第66条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第66条の前の条は商業登記法第65条です。
- 商業登記法第66条の次の条は商業登記法第67条です。
- 商業登記法第66条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第66条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第66条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/66
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法66条は、取得請求権付株式の取得と引換えに新株予約権を交付した変更登記の申請書に、取得の請求があつたことを証する書面の添付を義務づける規定である。
Q · 株主が取得請求権付株式の買取りを請求して新株予約権をもらったとき、登記には何を出せばいいの?
取得の請求があつたことを証する書面を添付します
商業登記法66条により、取得請求権付株式(対価が新株予約権または新株予約権付社債であるもの)の取得と引換えに新株予約権を交付したことによる変更登記の申請書には、取得の請求があつたことを証する書面を添付します。取得請求権付株式の取得は株主の一方的な意思表示によって効力が生じるため、株主総会議事録や取締役会議事録は添付書面とされません。証明対象は「株主が請求した」という一点に絞られ、その書面が欠ければ申請は却下事由となります(商業登記法24条)。
解説
会社の登記簿を書き換えるとき、法務局は「本当にその事実があったのか」を紙で確認する。商業登記法66条が要求するのは、たった一枚の紙、株主が「この株式を新株予約権に換えてくれ」と請求したことを証明する書面である。取得請求権付株式とは、株主の側から会社に「買い取れ」と言える株式のこと。その対価として新株予約権(将来決まった価格で株を買える権利)を受け取る設計になっている場合、株主が請求ボタンを押した瞬間に効力が生じる。会社が承諾する必要はない。だからこそ登記の場面では、会社側の議事録ではなく「株主が請求した」事実だけが証明対象になる。あなたがスタートアップの管理部門にいて、投資契約に取得請求権付株式が組み込まれているなら、株主から届いたその一通のメールや書面が、後日そのまま法務局に提出する添付書面になる。捨ててはならない。
法的な位置づけ
商業登記法66条は、取得請求権付株式の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記について、その添付書面を定める規定である。対価が新株予約権または新株予約権付社債である類型に限って適用され、添付を要するのは取得の請求があつたことを証する書面のみとされる。会社側の意思決定を示す書類は要求されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.株主からの取得請求書面を受領日とともに確保する 郵送・電子いずれで届いた場合も、受領日を記録し原本(または電磁的記録)を保全する。対象株式の種類・数・請求日・請求の意思が読み取れるかをその場で確認する
- 2.対価の種類から適用条文を確定する 定款および発行要項に立ち返り、対価が新株予約権または新株予約権付社債(会社法107条2項2号ハ・ニ)かを確認する。この類型であれば商業登記法66条が適用され、添付書面は請求書面のみとなる
- 3.効力発生日を特定し2週間の登記期限を逆算する 取得請求が会社に到達した日を効力発生日として特定し、会社法915条1項の2週間以内という期限をカレンダーに落とす。司法書士への依頼日、書類の往復日数を差し引いて実作業の締切を決める
- 4.財源規制と原簿記載の整合を確認する 分配可能額の制限(会社法166条1項ただし書)に抵触していないかを確認し、新株予約権原簿への記載と登記申請内容が一致するよう整える
- 5.変更登記を申請し補正に備える 取得の請求があつたことを証する書面を添付して本店所在地の管轄法務局に変更登記を申請する。書面の体裁について不安があれば申請前に管轄法務局へ事前相談し、補正による差戻しを避ける
よくある質問 AI による整理
Q1取得請求権付株式とは何ですか?
株主の側から会社に対して株式の取得(買取り)を請求できる権利が付いた株式です。会社法107条2項2号に内容の定めがあり、対価として金銭・他の株式・新株予約権などが設計されます。
Q2商業登記法66条で必要な添付書面は何ですか?
当該取得請求権付株式の取得の請求があつたことを証する書面ただ一つです。株主総会議事録や取締役会議事録は要求されません。書面が欠ければ他に代替手段がありません。
Q3取得請求の効力はいつ発生しますか?
株主が会社に対して取得の請求をした時点で効力が生じます。会社の承諾は要件ではないため、会社が受領した日が変更登記の2週間期限の起算点となります。
Q4変更登記はいつまでにすればいいですか?
効力発生日から本店所在地において2週間以内です(会社法915条1項)。懈怠すると過料の対象となります(同976条1号)。
Q5対価が現金の場合も商業登記法66条ですか?
違います。66条は会社法107条2項2号ハ又はニ、すなわち対価が新株予約権または新株予約権付社債である類型に限られます。対価が異なれば適用条文も添付書面も変わります。
Q6登記を怠るとどうなりますか?
登記期間内に変更登記をしないと過料の制裁対象になります(会社法976条1号)。加えて登記簿と新株予約権原簿の不整合が残り、後の資金調達の調査で問題化します。
Q7請求書面はコピーでも大丈夫ですか?
実務では原本の提出を求められるのが通常です。手元にコピーしかない場合、株主への再発行依頼で申請が遅れます。受領時点で原本を確保しておくのが安全です。
Q8分配可能額が足りないときも請求できますか?
できません。取得請求権の行使には財源規制があり、分配可能額を超える部分については請求が制限されます(会社法166条1項ただし書)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株主の請求書って、決まったフォーマットがあるんですか?
法定の様式はない。対象株式が特定でき、請求の意思と請求日が読み取れれば足りる(商業登記法66条)。ただし法務局によっては記載の具体性を求められることがある。実務のポイント:申請前に管轄法務局へ事前相談すると、書面の体裁を先に確認してもらえる。この一手で補正による差し戻しを防げるが、司法書士は当然に行うため依頼者に説明しないことが多い
Q2会社が「その請求は受け付けない」と言ってきたら、どうなりますか?
取得請求権付株式の取得は株主の一方的意思表示で効力が生じるため、会社の受諾は要件ではない。会社が登記を怠れば過料の対象となる(会社法976条1号)。実務のポイント:ただし分配可能額の制限(会社法166条1項但書)に触れる場合、請求自体ができない。会社が拒む理由がここにあるかを先に確認すると、争点が一気に絞れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株式の内容を変えるのだから株主総会決議が要るはず」と考える人は多いが、問いの立て方が誤っている。取得請求権付株式の取得は、発行時点で既に決まっていた条件が発動しただけである。だから66条が要求する添付書面は決議録ではなく、請求があったことを示す書面ただ一つ。会社側の意思決定は、登記の場面では登場しない
- この条文を「添付書類が一枚だけで済む楽な手続」と読むのは、深刻度を見誤っている。添付書面が一種類しかないということは、その一枚が欠けたら申請が通る道が他にないということでもある。他の登記なら議事録や株主リストで補強できるが、ここには代替手段がない
- 取得請求権付株式は上場企業や大企業の話だと思われているが、実際にはスタートアップの資金調達で多用される。あなたが数名の会社の役員なら、投資契約書の中に既にこの仕組みが埋め込まれている可能性がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 商業登記法66条:取得請求権付株式の取得と引換えの新株予約権交付 | 商業登記法65条:取得条項付株式の取得に係る登記 商業登記法46条:添付書面としての議事録等の通則 |
| 誰が引き金を引くか | 株主(一方的意思表示で効力発生、会社の承諾不要) | 会社(あらかじめ定めた事由の発生・会社側の決定) 会社の機関(株主総会・取締役会の決議) |
| 中心となる添付書面 | 取得の請求があつたことを証する書面のみ | 取得事由の発生を証する書面等 株主総会議事録・取締役会議事録・株主リスト等 |
| 書面が欠けたとき | 代替手段がなく、申請却下事由となる(商業登記法24条) | 事由発生の立証方法を別途検討する余地がある 議事録の補正・株主リストの追完で補強できる場合がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特別股の権利内容を公司法157条で定め、変更登記の申請書類は公司登記辦法が規律する。日本のように対価の種類ごとに添付書面を条文で細分化する構造は採っていない
韓国は転換株式として構成し、株主の転換請求により効力が生じる点は日本と近い。登記手続は商業登記法・商業登記規則が規律する
ドイツは条件付資本の枠組みで転換権を処理し、権利行使に伴う資本変動を商業登記所へ届け出る。添付書面の設計思想は取引安全の公示という点で日本と共通する
米国は登記添付書面制度ではなく、州務長官への certificate の提出と会社内部の株式台帳管理で処理する。証明責任の所在が行政窓口ではなく会社側にある点が構造的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- シード期に発行した種類株式を、シリーズ A の直前に新株予約権へ切り替える設計になっていた。投資家から「請求します」という書面が届いた日から、会社には変更登記の義務が走り出す。その書面の原本をどこに保管したか、今すぐ言えるか
- もし株主が請求書面を郵送ではなく Slack の DM で送ってきたら、それは添付書面になるのか。実務上は請求の意思表示が特定できる書面(プリントアウトや電磁的記録)で足りるとされるが、法務局によって求める体裁が異なる場合があり、事前照会が安全である
- 登記申請の担当者として、あなたは司法書士から「株主の請求書、原本を送ってください」と言われた。手元にあるのはコピーだけ。株主に再発行を頼む一往復で、申請が二週間遅れる
- 取得請求から二週間。効力発生日から本店所在地で2週間以内に登記しないと過料の対象になる(会社法915条1項、976条1号)。あと数日という段階で、添付書面が一枚足りないことに気付く
取るべき行動
被害を受けた側:株主として請求する側なら、1. 請求は書面で行い、控えと送付記録(配達証明等)を残す2. 請求書には対象株式の種類・数・請求日を明記する3. 会社が変更登記を怠っている場合、登記簿と新株予約権原簿の記載を確認し、会社に是正を求める4. 会社が応じないときは、新株予約権原簿の記載請求(会社法251条)など権利保全の手段を検討する
訴えられた側:会社側なら、1. 請求書面の原本を受領日とともに確保する2. 効力発生日を特定し、2週間の登記期限を逆算する3. 添付書面が請求書面のみで足りるかを、対価の種類(会社法107条2項2号ハかニか)に立ち返って確認する4. 書面の記載が不十分なら、株主に補正を依頼するのは早いほどよい。期限は待ってくれない
時効(請求できる期限):変更登記は効力発生日から本店所在地において2週間以内(会社法915条1項)。懈怠は過料の対象(同976条1号)。この条文自体に特定の時効はないが、登記期限の起算点は取得請求の効力発生日である
学説
登記実務の通説:取得請求権付株式の取得は株主の一方的意思表示によって効力が生じ、会社の承諾を要しないという実体法の構造から、登記における証明対象も「請求があつた」事実に限定されると解されている。会社側の意思決定書類を添付書面としない本条の設計は、この理解の帰結として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)が制定され、それまで商法および非訟事件手続法等に分散していた商業登記の手続規定が単一の法律に整理された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、種類株式・新株予約権に関する登記手続の規定が再編され、取得請求権付株式の類型ごとに添付書面を書き分ける現在の構造が整えられた
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