商業登記法 第67条(取得条項付株式等の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記)
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- 取得条項付株式(株式の内容として会社法第百七条第二項第三号ホ又はヘに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記の申請書には、第五十九条第一項各号に掲げる書面を添付しなければならない。
- 2.取得条項付新株予約権(新株予約権の内容として会社法第二百三十六条第一項第七号ヘ又はトに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記の申請書には、第五十九条第二項各号に掲げる書面を添付しなければならない。
この条文の基本情報
取得条項付株式等の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記とは何ですか?
定義取得条項付株式等の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記とは、商業登記法第67条に定められた規定で、「取得条項付株式(株式の内容として会社法第百七条第二項第三号ホ又はヘに掲げる事項についての定めがあるものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第67条(取得条項付株式等の取得と引換えにする新株予約権の交付による変更の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第67条の条文原文は「取得条項付株式(株式の内容として会社法第百七条第二項第三号ホ又はヘに掲げる事項についての定めがあるものに限る。」で始まります。
- 商業登記法第67条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第67条の前の条は商業登記法第66条です。
- 商業登記法第67条の次の条は商業登記法第68条です。
- 商業登記法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法67条は、取得条項付株式・取得条項付新株予約権の取得と引換えに新株予約権を交付した変更登記の添付書面を、同法59条各号に委ねる規定である。
Q · 会社が株を取り上げて新株予約権に差し替えたとき、登記には何を出すの?
会社法上の取得手続を証する59条の書面を添付します
商業登記法67条により、取得条項付株式または取得条項付新株予約権の取得と引換えに新株予約権を交付したときの変更登記の申請書には、同法59条1項各号または2項各号の書面を添付します。中核となるのは、取得の事由が発生したことを証する書面、株主・新株予約権者への通知または公告を証する書面、交付する新株予約権の内容を定めた決議書面です。登記期限は効力発生日から2週間(会社法915条1項)で、懈怠すると代表者が過料の対象になります。
解説
会社が「一定の事由が起きたら、株主が持っている株式を強制的に取り上げる」と定めておくことができる。それが取得条項付株式だ。ただしタダで取り上げるわけではなく、引換えに何かを渡す。その「何か」が新株予約権(将来決まった価格で株を買える権利)である場合、会社の登記簿は書き換わり、あなたの持ち分は株式から権利へと姿を変える。商業登記法67条が定めているのは、その書き換えを法務局に届け出るときに何を添付するかだ。1項は株式の取得、2項は取得条項付新株予約権の取得。どちらも59条に添付書面を丸投げしている。ここで押さえるべきは、この登記は「あなたの同意なしに進む」という点である。取得条項は定款や新株予約権の内容にあらかじめ書き込まれており、事由が発生した瞬間に効力が生じる。あなたが気付くのは、登記が済んで通知が届いた後かもしれない。
法的な位置づけ
商業登記法67条は、取得条項付株式(会社法107条2項3号ホ・ヘ)または取得条項付新株予約権(会社法236条1項7号ヘ・ト)の取得と引換えに新株予約権を交付した場合の変更登記における添付書面を定める規定であり、その内容を同法59条1項各号・2項各号に全面的に委ねる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款と新株予約権の内容で取得条項の根拠を特定する 定款の株式の内容または新株予約権の募集事項に、会社法107条2項3号ホ・ヘ、236条1項7号ヘ・トに該当する定めがあるかを確認する。ここが67条1項と2項のどちらを使うかの分岐点になる
- 2.取得の事由が発生したことを証する書面を確定する 事由が「取締役会が定める日の到来」型なら、取締役会議事録と到来日を証する書面の二段構えで揃える。事由が客観的事実型なら、その事実を証する客観的資料を添える
- 3.株主・新株予約権者への通知または公告を実施し記録を残す 会社法170条・275条に基づく通知または公告を行い、発送記録、官報掲載紙、電子公告の調査結果など、実施を証する書面を保存する。ここが欠けると補正になりやすい
- 4.効力発生日から2週間以内に変更登記を申請する 本店所在地の法務局に、商業登記法59条1項各号(株式の場合)または2項各号(新株予約権の場合)の書面を添付して変更登記を申請する。添付不備は24条の却下事由になるため、事前に司法書士のチェックを入れる
- 5.登記完了後に登記事項証明書で記録内容を検証する 完了後の登記事項証明書を取得し、新株予約権の内容(行使価額、行使期間、行使条件)と発行済株式総数の変動が申請どおりに記録されているかを照合する。誤記があれば更正登記を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1取得条項付株式とは何ですか?
一定の事由が発生したときに、会社が株主の同意なく株式を取得できる旨を定款に定めた株式です。会社法107条2項3号・108条に根拠があります。
Q2取得条項付株式と取得請求権付株式の違いは?
取得の主導権が逆です。取得条項付株式は会社が事由の発生により取得し、取得請求権付株式は株主が会社に取得を請求します。定款のどちらの類型かで立場が変わります。
Q3取得条項付株式の変更登記はいつまでですか?
取得の効力発生日から2週間以内に本店所在地で申請します(会社法915条1項)。懈怠すると代表者が100万円以下の過料の対象になります。
Q4取得条項は後から定款に追加できますか?
既存の株式に取得条項を新設する定款変更は、その株式を有する株主全員の同意が必要です(会社法110条・111条1項)。通常の多数決だけでは追加できません。
Q5商業登記法67条と66条は何が違いますか?
取得と引換えに交付する対価が違います。66条は株式を交付する場合、67条は新株予約権を交付する場合の変更登記の添付書面を定めています。
Q6取得条項の事由が来たら株主の同意は必要ですか?
改めての同意は不要です。同意は取得条項を定款に定めた時点で取得済みと扱われ、事由の発生により効力が生じます。争うなら定款変更の段階が勝負です。
Q7取得の変更登記を忘れるとどうなりますか?
代表者に100万円以下の過料が科されます(会社法976条1号)。登記簿と実体が食い違い、資金調達や M&A のデューデリジェンスで支障が出ます。
Q8取得条項付新株予約権とは何ですか?
新株予約権の内容として、一定の事由が生じたら会社が取得できる旨を定めたものです(会社法236条1項7号)。ストックオプションの回収条項として使われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記が終わってしまったら、もう取り上げられた株は取り返せないんですか?
登記は公示の手続であって、権利関係を確定させるものではない。取得の事由が発生していなかった、通知がなかったなど実体上の瑕疵があれば、株主の地位確認の訴えで争える。実務のポイント:登記申請書とその添付書面は、利害関係を疎明すれば法務局で閲覧できる。会社が主張する決議日や事由発生日を、会社の説明ではなく提出書面そのもので確認できる
Q267条は59条を引いているだけですが、結局何を持っていけばいいんですか?
1項は59条1項各号、2項は59条2項各号の書面である。取得条項の事由の発生を証する書面、株主または新株予約権者への通知・公告を証する書面、交付する新株予約権の内容を定めた書面が中核になる(商業登記法59条)。実務のポイント:事由が「取締役会が定める日の到来」型の場合、決議の日と到来日の二段構えで書面が要る。ここを一枚で済ませようとして補正になる例が実務で最も多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「株式を取り上げられるなら株主総会の特別決議が必要だろう」と考えがちだが、問いの立て方が違う。取得条項付株式の場合、株主の同意を取るタイミングは取得の瞬間ではなく、その条項を定款に定めた時点にさかのぼる。既存株式に取得条項を付ける定款変更は株主全員の同意が必要(会社法110条)だが、一度定まれば事由の発生で自動的に効力が生じる。戦うべき場面は事前であって事後ではない
- 取得条項付株式と取得請求権付株式を混同する人は多い。前者は会社側が取得する権利、後者は株主側が請求する権利で、主導権が真逆である。同じ「取得」の二文字で括られているため、投資契約書を読むときに読み違える。定款のどちらの類型かで、あなたが握っているのは引き金かハンドルか、どちらでもないかが決まる
- 登記は形式手続だから中身は関係ないと思われがちだが、深刻さは逆方向にある。登記申請の添付書面が揃わないということは、実体法上の手続(事由発生の確定、通知、対価の決定)のどこかに漏れがあるということだ。登記が通らない案件は、後から取得そのものの効力が争われる火種を抱えている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる取得 | 商業登記法67条:取得条項付株式・取得条項付新株予約権の取得 | 商業登記法66条:取得と引換えに株式を交付する場合 商業登記法65条:新株予約権の発行そのもの |
| 交付される対価 | 新株予約権 | 株式 対価概念なし(新規発行) |
| 添付書面の所在 | 同法59条1項各号(1項)・59条2項各号(2項)に全面委任 | 取得と株式交付に対応する各号書面 65条各号に個別列挙 |
| 不備の帰結 | 補正、または商業登記法24条による却下。実体上の取得の効力も争われうる | 同左 同左 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特別株の収回を会社法典内で規律し、登記手続は公司登記の枠組みで処理する。日本のように登記手続を独立法で切り出し、添付書面を条文単位で列挙する構造は採っていない
韓国も償還株式(상환주식)の制度を持ち、変更登記義務を商法内に置く。日本の商業登記法のような手続専用法典は存在せず、商業登記法規は非訟事件手続と登記規則に分散する
ドイツは株式の強制消却(Zwangseinziehung)を定款の授権に基づいて行い、商業登記簿(Handelsregister)への登記で公示する。登記所の審査密度は日本より高く、実体審査に踏み込む余地が広いとされる
米国デラウェア州法は redeemable stock を certificate of incorporation の記載事項とし、州務長官への届出で足りる。日本のように取得ごとに添付書面を伴う変更登記を義務づける仕組みはない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- スタートアップに初期から出資して優先株を持っている。定款には「IPO 申請時には優先株を取得し、新株予約権を交付する」と書いてある。上場準備が始まった通知が届いた時点で、あなたの株主としての地位は既に変わる方向で動いている。登記申請書の添付書面を見れば、いつの取締役会決議で誰が何を決めたかが分かる
- もし会社から「あなたの持株を取得します、代わりに新株予約権を交付します」という通知が突然届いたら? まず定款と株式の内容を確認する。取得条項付株式でなければ、会社に一方的な取得権限はない。事由の発生日と取得日、そして交付される新株予約権の行使価額と行使期間を照合する
- 登記実務を担う司法書士として申請を受けた場合、59条各号の書面が揃っているかが勝負。取得条項の事由が到来したことを証する書面、株主への通知を証する書面、新株予約権の内容を定めた書面。一つ欠けると補正になる
- 会社の管理部門にいて、取得条項の事由が来週発生する。効力発生日から2週間以内に本店所在地で変更登記を申請しなければならない(会社法915条1項)。あと数日で書面を揃えなければ、代表者が過料の対象になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取得の通知が届いたら、定款と株式の内容(登記事項証明書で確認可能)を取り寄せ、本当に取得条項付株式かを照合する2. 取得の事由が定款どおりに発生したか、日付と決議を確認する3. 交付される新株予約権の内容(行使価額、行使期間、行使条件)を書面で求める4. 手続に瑕疵があれば、変更登記の完了前に会社へ書面で異議を出す。登記後でも取得の効力自体は民事訴訟で争える
訴えられた側:1. 会社側として登記を進めるなら、59条各号の書面(事由発生を証する書面、通知または公告を証する書面、新株予約権の内容を定めた決議書面など)を効力発生前から揃える2. 効力発生日から2週間以内に本店所在地で変更登記を申請する(会社法915条1項) 3. 株主への通知または公告の記録を保存する4. 対価の算定根拠を取締役会議事録に残す。後日の善管注意義務違反の主張への防御になる
時効(請求できる期限):変更登記は効力発生日から2週間以内(会社法915条1項)。懈怠すると代表者に100万円以下の過料(会社法976条1号)。取得の効力自体を争う場合、この条文に特定の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される
学説
通説(形式的審査主義):商業登記における登記官の審査権は、申請書と添付書面の形式的整合性の範囲にとどまる。67条が59条各号の書面添付を要求する意味は、実体手続の適法性を書面という外形に落とし込み、事後の検証可能性を確保する点にあると理解されている。
実務通説(事前同意の擬制):取得条項付株式における株主の同意は、事由発生時ではなく取得条項を定款に定めた時点で与えられたものと扱われる。既存株式への取得条項の新設に全員同意(会社法110条)を要求する構造が、この擬制を正当化していると説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商法から商業登記に関する規定を分離独立させ、商業登記法(昭和38年法律第125号)として制定。会社の登記手続と添付書面の体系が整理された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、本条の引用先が会社法107条2項3号・236条1項7号へと組み替えられ、取得条項付株式・取得条項付新株予約権を前提とする現行の条文構造となった
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