要点商業登記法59条は、取得条項付株式・新株予約権の取得による株式交付の変更登記に、事由発生を証する書面と証券提出公告を証する書面の添付を求める。
Q · 会社が取得条項を使って株式を取り上げたとき、登記では何をチェックされるの?
事由発生の証明と公告の証明、二つの書面です
商業登記法59条により、取得条項付株式または取得条項付新株予約権の取得と引換えに株式を交付したことによる変更登記の申請書には、二種類の書面を添付します。第一に、会社法107条2項3号イ(新株予約権は236条1項7号イ)の事由が発生したことを証する書面。第二に、株券発行会社であれば会社法219条1項の株券提出公告をしたことを証する書面、新株予約権については293条1項の公告を証する書面、または当該証券を発行していないことを証する書面です。公告関係の書面が欠ければ登記は受理されません。
会社が発行した株式や新株予約権の中には、あらかじめ決めた事由が起きた瞬間、会社が強制的にそれを取り上げ、代わりに別の株式を渡すという設計のものがある。ベンチャーで優先株を持たされた人、ストックオプションを受け取った従業員、あなたが持っているその紙切れは、実はそういう仕掛け付きかもしれない。商業登記法59条は、その取り上げが実行された後、登記所が何を確認するかを定めている。ポイントは添付書面が二つで一組だという点だ。一つは「決めた事由が本当に発生した」ことの証明、もう一つは「株券や新株予約権証券を持っている人に、ちゃんと知らせた」ことの証明である。後者が抜けていると登記は通らない。つまり、あなたに一言も伝えずに株式を取り上げる会社は、その事実を登記の窓口で自ら露呈することになる。裏を返せば、あなたのもとに届いた見慣れない公告や通知は、権利が入れ替わる直前の最後のサインである。
商業登記法59条は、取得条項付株式および取得条項付新株予約権の取得と引換えにする株式の交付による変更の登記の申請書に添付すべき書面を定める規定である。添付書面は、会社法所定の取得事由の発生を証する書面と、証券提出公告の実施を証する書面または当該証券を発行していないことを証する書面の二種で構成される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
定款で定めた事由が発生したとき、会社が株主の同意なく株式を取得できる株式です。会社法107条2項3号・108条2項6号に定めがあり、対価として別の株式を交付する設計も可能です。
事由の発生を証する書面と、株券提出公告(会社法219条1項)をしたことを証する書面、または当該株式について株券を発行していないことを証する書面の二種類です。
効力発生日から2週間以内に本店所在地で変更登記を申請します(会社法915条1項)。懈怠すると100万円以下の過料の対象になります(会社法976条1号)。
会社法219条1項により、取得日の1か月前までに公告し、株主および登録株式質権者に個別通知します。期間満了で株券は無効になります(同条3項)。
公告は不要で、当該株式の全部について株券を発行していないことを証する書面を添付します。実務では代表者作成の証明書を用い、株主名簿と発行控えで裏付けます。
商業登記法59条2項が規律します。会社法236条1項7号イの事由発生を証する書面と、293条1項の公告を証する書面または証券不発行を証する書面を添付します。
不要です。定款所定の事由が発生すれば会社法170条1項により当然に効力が生じます。ただし別に取締役会等で取得日を定める設計の場合はその決定書面が要ります。
58条は取得請求権付株式(株主側が請求)、59条は取得条項付株式(会社側が事由発生で取得)に関する登記です。59条だけが公告関係の書面を要求します。
定款に取得条項が定められ、その事由が発生した以上、法律上は当然に効力が生じる(会社法170条1項)。ただし既存株式に取得条項を後付けする定款変更には、その種類株主全員の同意が必要である(会社法111条1項)。業界裏話ヒント:多くの株主は設立時や増資時の定款に何が書かれたかを確認せずに出資している。取得条項の有無は登記事項なので、登記簿謄本を600円取るだけで他人の会社の分でも確認できる
公告期間が満了すると株券は無効になる(会社法219条3項)。ただし株式そのものを失うわけではなく、株主名簿に記載があれば地位は残る。問題は新株式の交付手続や名義書換で手間と証明負担が跳ね上がる点である。業界裏話ヒント:公告は官報または定款所定の方法で行われるが、実際に官報を毎日見ている個人株主はほぼいない。非上場会社の株を持っているなら、官報検索サービスに社名で通知設定をかけておくのが最も安価な防御になる
そうとは限らない。登記官の審査は原則として形式的審査で、添付書面が揃い記載が整合していれば受理される(商業登記法24条各号の却下事由に該当しない限り)。事由が実際に発生したかの実質判断までは踏み込まない。業界裏話ヒント:登記が完了していても、株式取得の効力自体は別途訴訟で争える。逆に言えば「登記済み」を根拠に諦めさせようとする説明は、法的には正確ではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 取得の主導権 | 商業登記法59条:会社側(定款所定の事由の発生で当然に取得) | — |
| 中核となる添付書面 | 事由の発生を証する書面+公告を証する書面または証券不発行証明 | — |
| 公告の要否 | 株券発行会社は会社法219条1項、新株予約権は293条1項の公告が必要 | — |
| 証券保有者へのリスク | 公告期間の経過で株券・新株予約権証券が無効になる | — |
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