商業登記法 第77条
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- 前条の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
- 一組織変更計画書
- 二定款
- 三会社法第七百七十九条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
- 四組織変更をする株式会社が株券発行会社であるときは、第五十九条第一項第二号に掲げる書面
- 五組織変更をする株式会社が新株予約権を発行しているときは、第五十九条第二項第二号に掲げる書面
- 六法人が組織変更後の持分会社を代表する社員となるときは、次に掲げる書面
- 一当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。
- 二当該社員の職務を行うべき者の選任に関する書面
- 三当該社員の職務を行うべき者が就任を承諾したことを証する書面
- 七法人が組織変更後の持分会社の社員(前号に規定する社員を除き、合同会社にあつては、業務を執行する社員に限る。)となるときは、同号イに掲げる書面。ただし、同号イただし書に規定する場合を除く。
- 八株式会社が組織変更をして合資会社となるときは、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第77条は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第77条の条文原文は「前条の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第77条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第77条の前の条は商業登記法第76条です。
- 商業登記法第77条の次の条は商業登記法第78条です。
- 商業登記法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法77条は、株式会社から持分会社への組織変更登記の申請書に添付する八つの書面を定める。債権者異議手続の完了を証する書面を欠けば登記は受理されない。
Q · 商業登記法77条の書類を全部そろえれば、組織変更の登記は通りますか?
通らない。総株主の同意書は77条ではなく46条1項が根拠です
商業登記法77条は組織変更の登記申請書に添付する書面として、組織変更計画書、定款、債権者異議手続の完了を証する書面、株券発行会社の株券提供公告書面など八号を列挙します。しかし組織変更に必須の総株主の同意書(会社法776条1項)は商業登記法46条1項が添付根拠であり、代理申請の委任状は同法18条です。77条は組織変更に固有の追加書面を並べた条文にすぎず、必要書類の全体像ではありません。さらに3号の書面を作るには官報公告と1か月以上の異議期間が前提になるため、実質的には日程表として機能します。
解説
株式会社をやめて合同会社になる。役員の任期も重任登記も決算公告もなくなり、維持コストが下がる。そう聞いて動き出したオーナーが最初につまずくのが、この77条である。条文には組織変更計画書、定款、債権者異議手続を終えたことを証する書面、株券発行会社なら株券提供公告の書面、と八つの添付書類が並ぶ。だが、この一覧を全部揃えても登記は通らない。組織変更には総株主の同意が必要で(会社法776条1項)、その同意書を要求しているのは77条ではなく商業登記法46条1項だからだ。さらに3号の書面を作るには、官報に公告を出して1か月以上待たなければならない。つまり77条は書類のリストの顔をした、あなたのスケジュール表である。効力発生日を先に決めてから逆算すると、ほぼ間に合わない。
法的な位置づけ
商業登記法77条は、組織変更による解散登記および設立登記の申請書に添付すべき書面を法定する規定である。組織変更計画書、定款、会社法779条2項の債権者異議手続を了したことを証する書面、株券発行会社および新株予約権発行会社の提供公告関係書面、法人が持分会社の社員となる場合の書面、合資会社となる場合の有限責任社員の既履行出資額を証する書面を列挙する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.効力発生日ではなく官報入稿日から逆算表を作る 官報の入稿から掲載までの日数、掲載日翌日から起算する異議期間1か月以上、効力発生日、登記申請期限2週間(会社法920条)を一本の線に並べる。効力発生日を先に固定すると、ほぼ確実に間に合わない
- 2.定款を読み、公告方法と株券発行会社の定めを潰す 定款の公告方法が官報のみなら、知れている債権者全員への個別催告が必要になる。日刊新聞紙または電子公告への定款変更を先に済ませれば二重公告で催告を省略できる(会社法779条3項)。株券発行会社の定めが残っていれば77条4号の書面が必要になる
- 3.官報公告を入稿し、異議期間を走らせる 会社法779条2項に従い官報公告を行い、必要な場合は個別催告を発送する。異議を述べた債権者があれば、弁済・相当の担保提供・信託のいずれかを実行し、その事実を証する書面を確保する。これが77条3号の添付書面になる
- 4.総株主の同意書と法人社員関係書面をそろえる 効力発生日の前日までに総株主の同意を取得する(会社法776条1項、添付根拠は商業登記法46条1項)。法人が組織変更後の持分会社を代表する社員となる場合は、77条6号の職務執行者の選任に関する書面等を準備する
- 5.効力発生日から2週間以内に同時申請する 株式会社の解散登記と持分会社の設立登記を同時に申請する(商業登記法76条)。合資会社となる場合は有限責任社員の既履行出資額を証する書面(77条8号)を追加する。代理申請なら委任状(同法18条)を忘れない
- 6.登記完了後に対外表示を一斉に切り替える 許認可の変更届、金融機関の口座名義、契約書の社名表記、請求書・印章・ウェブサイトの表記を洗い出して切り替える。法人格は途切れないが、対外的な名称と機関構成は一斉に動くため、登記完了の翌週に実務が止まる事故を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更とは何ですか?
法人格を維持したまま株式会社を持分会社(合名・合資・合同)へ、またはその逆へ組み替える手続です。会社法743条以下が規律し、登記手続は商業登記法76条・77条が定めます。
Q2株式会社から合同会社への変更にはどれくらいかかりますか?
債権者異議期間が1か月以上必要で(会社法779条2項)、官報の入稿から掲載までの日数も加わります。総株主の同意調整を含めると、実務上は2か月前後を見込むのが安全です。
Q3組織変更の登記はいつまでにすればよいですか?
効力発生日から2週間以内に、解散登記と設立登記を同時に申請します(会社法920条、商業登記法76条)。懈怠すると100万円以下の過料の対象になります(会社法976条1号)。
Q4総株主の同意書は77条に書いてありますか?
書かれていません。組織変更に総株主の同意を要求するのは会社法776条1項で、その同意書の添付根拠は商業登記法46条1項です。77条だけを読むと確実に漏らします。
Q5自分の会社が株券発行会社かどうか、どう確認しますか?
定款に「当会社の株式については株券を発行する」旨の定めがあるかを確認します。紙の株券を実際に刷っていなくても定めが残っていれば株券発行会社で、77条4号の書面が必要です。
Q6組織変更の登録免許税はいくらですか?
解散登記と設立登記の双方に課されます。区分と税額は登録免許税法別表第一の定めによるため、申請前に最新の税率と資本金額に応じた計算を必ず確認してください。
Q7債権者異議手続は省略できますか?
できません。官報公告と異議期間1か月以上は必須です。省略できるのは知れている債権者への個別催告のみで、定款で日刊新聞紙または電子公告を定めている場合の二重公告に限られます。
Q8組織変更が無効になるのはどんな場合ですか?
債権者異議手続が終了していなければ効力自体が生じません(会社法745条6項の準用構造)。効力を争う訴えは効力発生日から6か月以内に限られます(会社法828条1項6号)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1合同会社にすれば株主総会も決算公告もいらなくなるって本当ですか?
本当である。持分会社に決算公告義務はなく(会社法440条の義務は株式会社のみ)、役員任期もない。ただし組織変更には総株主の同意が必要で(会社法776条1項)、1株でも反対があれば実行できない。実務のポイント:だから実務では、相続で散った少数株式の集約を先に終わらせてから組織変更に着手する。順序を逆にして先に同意を取りに行き、名義株主の相続人との交渉が長引いて計画が空中分解する案件は珍しくない
Q2官報の公告って本当に出さないとダメなんですか? 費用も抑えたいんですが
必須である。会社法779条2項が官報公告と個別催告を求め、その完了を証する書面が77条3号として添付対象になる。省略できるのは個別催告だけで、定款で日刊新聞紙か電子公告を定めていれば二重公告で代替できる(同条3項)。実務のポイント:電子公告を選ぶと会社法941条の電子公告調査が義務になり、調査機関への費用が別途発生する。債権者が数社しかいない会社は、官報のみ+個別催告のほうが総額は安く済む
間違えやすい点 AI による整理
- 「組織変更に必要な書類は77条を読めば分かる」という問いの立て方自体が誤っている。総株主の同意書は商業登記法46条1項、司法書士に頼むなら委任状は同法18条、代表社員が法人なら登記事項証明書の扱いは商業登記規則が決めている。77条は必要書類の全体像ではなく、組織変更に固有の追加分を並べた条文にすぎない
- 債権者異議手続が要ることは知っていても、その深刻度を知らない人が多い。異議期間は1か月以上で短縮できず、手続が終了していなければ組織変更の効力そのものが生じない(会社法745条6項)。登記が遅れるのではなく、組織変更がなかったことになる。効力発生日を前提に組んだ税務・契約のスケジュールが丸ごと崩れる
- オーナーから見れば看板の掛け替えだが、登記簿から見れば株式会社の解散登記と持分会社の設立登記が同時に行われている(商業登記法76条)。法人格は途切れないのに、許認可の届出、金融機関の口座名義、契約書の社名表記が一斉に動く。この落差を読み違えると、登記が終わった翌週に実務が止まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法77条:組織変更に固有の添付書面八号を列挙 | 商業登記法76条:解散登記と設立登記の同時申請という申請の枠組み 商業登記法46条:総株主の同意など機関決定を証する書面の通則 |
| 欠けたときの結果 | 添付書面不備として却下、組織変更の登記が実現しない | 同時申請の構造を外すと申請自体が成り立たない 同意書欠落で却下。77条だけ読むと最も漏らしやすい |
| 誰の利益を守るか | 3号・8号を通じて債権者の責任財産への期待 | 登記簿の連続性と第三者の取引安全 少数株主を含む株主全員の意思 |
| 準備に要する時間 | 官報公告と異議期間で最低1か月以上 | 申請書作成と同時に整う 株主の所在調査と集約次第で数週間から数か月 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も組織変更(組織變更)に際し登記申請時の附具書面を法令で列挙する構造をとる。債権者保護は公司法上の通知・公告義務として別途規定される
韓国も株式会社と有限会社の間の組織変更を認め、登記申請の첨부서면を法定する。債権者保護手続の完了証明を要求する構造は日本と類似する
ドイツは組織変更を Formwechsel として組織再編法(UmwG)に統合し、商業登記所への Anmeldung に必要な添付書類を規定する。債権者保護は事後の担保請求権構成をとる点が日本と異なる
米国デラウェア州は Conversion として Certificate of Conversion の提出により実現し、債権者への事前公告や異議期間を要件としない。手続の速度は圧倒的に速い一方、債権者保護は詐害譲渡法理など事後救済に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決算期の翌日を効力発生日にしようと税理士に言われ、組織変更計画書を作った。残り5週間。だが官報は申込から掲載まで日数がかかり、掲載後さらに1か月以上の異議期間が要る(会社法779条2項)。この時点でもう間に合わない。効力発生日を後ろへずらす決議をやり直すか、今日中に公告を入稿するかの二択
- もし定款に「当会社の株式については株券を発行する」の一行が残っていたら? 実際に紙の株券を刷っていなくても、あなたの会社は株券発行会社である。77条4号の書面を用意しない限り、登記は一歩も前に進まない
- 取引先の株式会社が合同会社になるという官報公告を、経理担当が見つけてきた。あなたは2,000万円の売掛金を抱える債権者側だ。期間内に異議を述べれば、相手は弁済か担保提供か信託をしなければならない(会社法779条5項)。黙っていれば承認したものとみなされる(同条4項)。判断できる時間は1か月しかない
取るべき行動
被害を受けた側:債権者側に立った場合。1. 官報公告か個別催告を見つけた日に、異議期間の末日をカレンダーへ入れる(1か月以上、会社法779条2項)。2. 与信残高と担保の有無を洗い、無担保部分が大きければ書面で異議を述べる。3. 異議を述べれば、会社は弁済・相当の担保提供・信託のいずれかをしなければならない(同条5項)。4. 沈黙すれば承認したとみなされ(同条4項)、あとは組織変更無効の訴え(会社法828条1項6号)しか残らない
訴えられた側:組織変更を進める会社側の手順。1. 官報入稿、掲載、異議期間1か月以上、効力発生日、登記まで2週間(会社法920条)の逆算表を先に作る。2. 定款を読み、株券発行会社の定めと未消滅の新株予約権を潰す(77条4号、5号)。3. 総株主の同意書を確保する(商業登記法46条1項)。1株の反対で計画は成立しない。4. 法人を代表社員にするなら職務執行者の選任書面を準備(77条6号)。5. 効力発生日がずれる前提で書面の日付設計を司法書士と詰める
時効(請求できる期限):債権者の異議申述期間は1か月以上(会社法779条2項)。株券提供公告・新株予約権証券提供公告も効力発生日の1か月前までに必要(会社法219条、293条)。登記は効力発生日から2週間以内(会社法920条)、懈怠は100万円以下の過料(会社法976条1号)。組織変更無効の訴えは効力発生日から6か月以内(会社法828条1項6号)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(形式的審査主義):登記官は申請書と添付書面の形式的整合性のみを審査するため、77条各号の書面は実体審査の代替物として機能する。書面の完備が登記の可否を決し、実体上の適法性だけでは登記は実現しないと解されている
通説(債権者保護の実質担保):3号の書面は債権者異議手続の完了を、8号の書面は合資会社となる場合の有限責任社員の出資履行を証明させることで、形式的審査という制度枠のまま債権者保護の実質を確保する設計と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 会社法の制定により旧商法の組織変更規定が全面的に再編され、商業登記法の組織変更関係の添付書面規定も現行の構成へ組み替えられた。改正年次と各号の追加時期の詳細は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記に関する手続規定が商法から分離され、商業登記法として独立の法典が制定された
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定により旧商法の組織変更規定が全面的に再編され、商業登記法の組織変更関係の添付書面規定も現行の構成へ組み替えられた。各号の追加時期の詳細は人的検証が必要
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