要点商業登記法 77 条は、株式会社から持分会社への組織変更登記の申請書に添付する八つの書面を定める。債権者異議手続の完了を証する書面を欠けば登記は受理されない。
Q · 商業登記法 77 条の書類を全部そろえれば、組織変更の登記は通りますか?
通らない。総株主の同意書は 77 条ではなく 46 条 1 項が根拠です
商業登記法 77 条は組織変更の登記申請書に添付する書面として、組織変更計画書、定款、債権者異議手続の完了を証する書面、株券発行会社の株券提供公告書面など八号を列挙します。しかし組織変更に必須の総株主の同意書(会社法 776 条 1 項)は商業登記法 46 条 1 項が添付根拠であり、代理申請の委任状は同法 18 条です。77 条は組織変更に固有の追加書面を並べた条文にすぎず、必要書類の全体像ではありません。さらに 3 号の書面を作るには官報公告と 1 か月以上の異議期間が前提になるため、実質的には日程表として機能します。
株式会社をやめて合同会社になる。役員の任期も重任登記も決算公告もなくなり、維持コストが下がる。そう聞いて動き出したオーナーが最初につまずくのが、この 77 条である。条文には組織変更計画書、定款、債権者異議手続を終えたことを証する書面、株券発行会社なら株券提供公告の書面、と八つの添付書類が並ぶ。だが、この一覧を全部揃えても登記は通らない。組織変更には総株主の同意が必要で(会社法 776 条 1 項)、その同意書を要求しているのは 77 条ではなく商業登記法 46 条 1 項だからだ。さらに 3 号の書面を作るには、官報に公告を出して 1 か月以上待たなければならない。つまり 77 条は書類のリストの顔をした、あなたのスケジュール表である。効力発生日を先に決めてから逆算すると、ほぼ間に合わない。
商業登記法 77 条は、組織変更による解散登記および設立登記の申請書に添付すべき書面を法定する規定である。組織変更計画書、定款、会社法 779 条 2 項の債権者異議手続を了したことを証する書面、株券発行会社および新株予約権発行会社の提供公告関係書面、法人が持分会社の社員となる場合の書面、合資会社となる場合の有限責任社員の既履行出資額を証する書面を列挙する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
法人格を維持したまま株式会社を持分会社(合名・合資・合同)へ、またはその逆へ組み替える手続です。会社法 743 条以下が規律し、登記手続は商業登記法 76 条・77 条が定めます。
債権者異議期間が 1 か月以上必要で(会社法 779 条 2 項)、官報の入稿から掲載までの日数も加わります。総株主の同意調整を含めると、実務上は 2 か月前後を見込むのが安全です。
効力発生日から 2 週間以内に、解散登記と設立登記を同時に申請します(会社法 920 条、商業登記法 76 条)。懈怠すると 100 万円以下の過料の対象になります(会社法 976 条 1 号)。
書かれていません。組織変更に総株主の同意を要求するのは会社法 776 条 1 項で、その同意書の添付根拠は商業登記法 46 条 1 項です。77 条だけを読むと確実に漏らします。
定款に「当会社の株式については株券を発行する」旨の定めがあるかを確認します。紙の株券を実際に刷っていなくても定めが残っていれば株券発行会社で、77 条 4 号の書面が必要です。
解散登記と設立登記の双方に課されます。区分と税額は登録免許税法別表第一の定めによるため、申請前に最新の税率と資本金額に応じた計算を必ず確認してください。
できません。官報公告と異議期間 1 か月以上は必須です。省略できるのは知れている債権者への個別催告のみで、定款で日刊新聞紙または電子公告を定めている場合の二重公告に限られます。
債権者異議手続が終了していなければ効力自体が生じません(会社法 745 条 6 項の準用構造)。効力を争う訴えは効力発生日から 6 か月以内に限られます(会社法 828 条 1 項 6 号)。
本当である。持分会社に決算公告義務はなく(会社法 440 条の義務は株式会社のみ)、役員任期もない。ただし組織変更には総株主の同意が必要で(会社法 776 条 1 項)、1 株でも反対があれば実行できない。業界裏話ヒント:だから実務では、相続で散った少数株式の集約を先に終わらせてから組織変更に着手する。順序を逆にして先に同意を取りに行き、名義株主の相続人との交渉が長引いて計画が空中分解する案件は珍しくない
必須である。会社法 779 条 2 項が官報公告と個別催告を求め、その完了を証する書面が 77 条 3 号として添付対象になる。省略できるのは個別催告だけで、定款で日刊新聞紙か電子公告を定めていれば二重公告で代替できる(同条 3 項)。業界裏話ヒント:電子公告を選ぶと会社法 941 条の電子公告調査が義務になり、調査機関への費用が別途発生する。債権者が数社しかいない会社は、官報のみ+個別催告のほうが総額は安く済む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法 77 条:組織変更に固有の添付書面八号を列挙 | — |
| 欠けたときの結果 | 添付書面不備として却下、組織変更の登記が実現しない | — |
| 誰の利益を守るか | 3 号・8 号を通じて債権者の責任財産への期待 | — |
| 準備に要する時間 | 官報公告と異議期間で最低 1 か月以上 | — |
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