廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第19条の8
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- 第十九条の五第一項に規定する場合において、生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあり、かつ、次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、都道府県知事は、自らその支障の除去等の措置の全部又は一部を講ずることができる。この場合において、第二号に該当すると認められるときは、相当の期限を定めて、当該支障の除去等の措置を講ずべき旨及びその期限までに当該支障の除去等の措置を講じないときは、自ら当該支障の除去等の措置を講じ、当該措置に要した費用を徴収する旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
- 一第十九条の五第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命ぜられた処分者等が、当該命令に係る期限までにその命令に係る措置を講じないとき、講じても十分でないとき、又は講ずる見込みがないとき。
- 二第十九条の五第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命じようとする場合において、過失がなくて当該支障の除去等の措置を命ずべき処分者等を確知することができないとき。
- 三第十九条の六第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命ぜられた排出事業者等が、当該命令に係る期限までにその命令に係る措置を講じないとき、講じても十分でないとき、又は講ずる見込みがないとき。
- 四緊急に支障の除去等の措置を講ずる必要がある場合において、第十九条の五第一項又は第十九条の六第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずるいとまがないとき。
- 2.都道府県知事は、前項(第三号に係る部分を除く。)の規定により同項の支障の除去等の措置の全部又は一部を講じたときは、当該支障の除去等の措置に要した費用について、環境省令で定めるところにより、当該処分者等に負担させることができる。
- 3.都道府県知事は、第一項(第三号に係る部分に限る。)の規定により同項の支障の除去等の措置の全部又は一部を講じたときは、当該支障の除去等の措置に要した費用について、環境省令で定めるところにより、当該排出事業者等に負担させることができる。
- 4.都道府県知事は、第一項(第四号に係る部分に限る。)の規定により同項の支障の除去等の措置の全部又は一部を講じた場合において、第十九条の六第一項各号のいずれにも該当すると認められるときは、当該支障の除去等の措置に要した費用の全部又は一部について、環境省令で定めるところにより、当該排出事業者等に負担させることができる。この場合において、当該排出事業者等に負担させる費用の額は、当該産業廃棄物の性状、数量、収集、運搬又は処分の方法その他の事情からみて相当な範囲内のものでなければならない。
- 5.前三項の規定により負担させる費用の徴収については、行政代執行法第五条及び第六条の規定を準用する。
- 6.第一項の規定により同項の支障の除去等の措置の全部又は一部を講じた場合において、当該支障の除去等の措置が特定産業廃棄物最終処分場の維持管理に係るものであるときは、都道府県知事は、当該特定産業廃棄物最終処分場に係る第十五条の二の四において読み替えて準用する第八条の五第六項に規定する者(以下この項において「設置者等」という。)及び機構にあらかじめ通知した上で、当該支障の除去等の措置に要した費用に充てるため、その費用の額の範囲内で、当該特定産業廃棄物最終処分場に係る維持管理積立金を当該設置者等に代わつて取り戻すことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8は、日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律に含まれる条文です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8の条文原文は「第十九条の五第一項に規定する場合において、生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあり、かつ、次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、都道府県知…」で始まります。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8は第四章 雑則に置かれています。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の公布日は昭和45年12月25日です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8の前の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の7です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8の次の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の9です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第19条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 - 本サイト収録
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第19条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000137/19_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点廃棄物処理法19条の8は、処分者等が措置命令に従わない場合や不明な場合、緊急時などに知事が自ら支障除去を行い、その費用を処分者等や排出事業者等に負担させることを定める。
Q · 不法投棄された産廃を県が撤去したら、その費用は誰が払うの?
処分者等か、要件を満たす排出事業者等に請求される
廃棄物処理法19条の8により、知事が自ら撤去等を行った場合、その費用は処分者等(第2項)に、排出事業者等が措置命令に従わなかった場合や緊急時で19条の6第1項の要件を満たす場合は排出事業者等(第3項・第4項)に負担させることができます。緊急時の排出事業者等への負担は「相当な範囲」に限られます。費用は行政代執行法6条の準用により国税滞納処分の例で徴収され、判決なしで差押えが可能です。
解説
不法投棄の山を行政が片付けてくれた。多くの人はそこで話が終わったと思う。実際は、そこから請求書の話が始まる。廃棄物処理法19条の8は、都道府県知事が自ら撤去などの「支障の除去等の措置」を行える場面を四つ定めている。処分者が撤去命令を無視したとき、処分者が誰か分からないとき、排出事業者が命令を無視したとき、緊急で命令を出す余裕がないときである。そのうえで、かかった費用を処分者等や排出事業者等に負担させることができる。ここで重要なのは徴収の方法だ。第5項が行政代執行法5条・6条を準用しているため、費用は国税滞納処分の例で徴収される。つまり役所は裁判を起こさずに、あなたの預金や不動産を差し押さえられる。しかも国税・地方税に次ぐ順位の先取特権(他の債権者より先に回収できる優先権)が付く。捨てた業者が逃げても、ゴミを出した側の財布に請求が回ってくる可能性がある。その分かれ目になるのは、委託したときに払った料金が適正だったかどうか、そして契約書とマニフェストが手元に残っているかどうかだ。
法的な位置づけ
廃棄物処理法19条の8は、産業廃棄物の不適正処分により生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、都道府県知事が自ら支障の除去等の措置を講じる権限と、その費用を処分者等または排出事業者等に負担させ、行政代執行法の例により強制徴収する仕組みを定める規定である。
手順
- 1.通知の根拠条項を特定する 届いた費用負担の通知が本条第2項(処分者等)、第3項(排出事業者等・命令不履行)、第4項(排出事業者等・緊急時)のどれに基づくかを確認する。根拠によって争える要件が変わる
- 2.不服申立ての期限を押さえる 処分を知った日の翌日から3か月以内の審査請求、6か月以内の取消訴訟の期限をカレンダーに記録する。放置すると争う機会を失ったまま滞納処分が進む
- 3.委託当時の資料を集める 委託契約書、マニフェスト(産業廃棄物管理票)、支払記録、見積書、当時の処理単価の相場資料を集め、19条の6第1項の要件(適正な対価、不適正処分の予見可能性)に該当しないかを検証する
- 4.費用の範囲を精査し弁護士と対応を決める 緊急措置(第4項)の場合は性状・数量・処理方法からみた「相当な範囲」を超えていないか、費用明細を情報公開請求等で取得して精査する。審査請求か、分納協議かを弁護士と決める
よくある質問 AI による整理
Q1廃棄物処理法の代執行とは?
不適正に処分された産業廃棄物について、責任者に代わって都道府県知事が自ら撤去等を行う制度です。根拠は廃棄物処理法19条の8で、費用は責任者に負担させます。
Q2産廃の代執行費用 払えないとどうなる?
行政代執行法6条の準用により国税滞納処分の例で徴収されます。督促を経て、裁判なしで預金・売掛金・不動産などが差し押さえられる可能性があります。
Q3排出事業者 代執行費用 負担 要件は?
措置命令(19条の6)に従わなかった場合、または緊急措置で19条の6第1項各号に該当する場合です。適正な対価を負担していない、不適正処分を知り得た等が典型です。
Q4措置命令の期限に間に合わない場合どうする?
期限前に撤去計画と進捗を書面で示し、行政と協議するのが実務です。「講ずる見込みがない」と判断されると、知事による代執行と費用請求に進みます。
Q5処分者が不明でも県は撤去できる?
できます。第1項第2号により、過失なく処分者等を確知できない場合は、相当の期限を定めた事前公告を経て知事が自ら措置を講じられます。
Q6代執行費用に時効はある?
行政代執行法6条により国税滞納処分の例で徴収されるため、公法上の債権として扱われます。消滅時効の起算点・期間は個別に弁護士へ確認してください。
Q7緊急時は命令なしで撤去される?
はい。第1項第4号により、命令を出すいとまがない緊急時は、措置命令を経ずに知事が撤去できます。費用請求は事後に行われます。
Q8最終処分場の維持管理積立金は使われる?
特定産業廃棄物最終処分場の維持管理に係る措置であれば、知事は設置者等と機構に通知したうえで、費用の範囲内で維持管理積立金を代わりに取り戻せます(第6項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1業者にちゃんとお金を払って委託したのに、なんでうちが撤去費用を払わされるの?
払った金額が「適正な対価」だったかが問われるためである。19条の6は、処分者等に資力がなく、排出事業者が適正な対価を負担していなかったり、不適正処分を知り得たりした場合に、排出事業者を措置命令の対象にする。本条第3項・第4項はその費用負担の根拠である。実務のポイント:行政が最初に見るのは契約書よりも「単価」である。相場の半額以下という記録が残っていると、それだけで知り得たと推認されやすい
Q2県から費用の請求が来たけど、裁判を起こされるまで放っておいていい?
危険である。第5項が行政代執行法6条を準用しているため、費用は国税滞納処分の例で徴収され、判決なしで預金や不動産を差し押さえられる。優先順位も国税・地方税に次ぐ高さである。実務のポイント:争うのであれば、不服申立ての期限内に審査請求を出すのが先である。放置すれば、争う機会を失ったまま差押えだけが進む
Q3不法投棄した人が分からないとき、県は本当に片付けてくれるの?
第1項第2号により、過失なく処分者等を確知できない場合でも、知事は自ら除去等の措置を行える。ただし事前に期限を定めた公告が必要である。実務のポイント:県の予算は限られており、生活環境への支障の程度が優先順位を決める。住民側が汚水の流出や火災の危険を具体的に記録して提出すると、案件は後回しの棚から前に出てくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「処理業者に委託して料金を払った以上、責任は業者に移った」と考える事業者は多い。実際には、処分者等が撤去できないとき、適正な対価を払っていなかった排出事業者や、不適正処分を知り得た排出事業者は措置命令の対象になり(19条の6)、それに従わなければ知事が代わりに撤去して費用を負担させる(本条第3項)。委託した時点で責任が消えるわけではない
- 行政の費用請求は「民事の請求書」と同じだと思われがちだが、その深刻さは別次元である。行政代執行法6条が準用されるため、国税滞納処分の例によって、裁判所の判決を経ずに財産を差し押さえられる。放っておけば役所が裁判を起こしてくるだろう、という感覚で様子見していると、気付いたときには口座が止まっている
- 近隣住民は「県が動かないのは権限がないからだ」と考えがちだが、それは前提から誤っている。処分者が不明でも、命令が無視されても、緊急時でも、知事には自ら除去する権限が与えられている。論点は権限の有無ではなく、知事が「生活環境の保全上の支障、またはそのおそれ」があると認定するだけの材料が揃っているかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 19条の8:知事が自ら支障除去を行い、費用を負担させる | 19条の5:処分者等への措置命令 19条の6:排出事業者等への措置命令 |
| 名宛人 | 処分者等・排出事業者等(費用負担者) | 不適正処分を行った処分者等 要件を満たす排出事業者等 |
| 発動の前提 | 命令不履行・処分者不明・緊急時など第1項各号 | 処理基準に適合しない処分と生活環境上の支障またはそのおそれ 処分者等の資力不足等+適正対価の不負担・予見可能性など |
| 義務の実現手段 | 行政代執行法6条準用の強制徴収(滞納処分の例) | 命令違反に刑事罰(25条)、不履行なら本条で代執行 命令違反に刑事罰(25条)、不履行なら本条第3項で代執行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関が責任者に代わって清除・処理を行い、費用を求償できる。事業者と受託業者の連帯責任を明文化している点が特徴
韓国も措置命令の不履行時に行政代執行法による代執行を認め、費用を義務者から徴収する
ドイツは個別命令と州法上のErsatzvornahmeの組合せで対応し、費用は義務者に請求される
米国Superfundは発生者を含む潜在的責任当事者に厳格・連帯責任を課す点で、日本の要件限定型より責任範囲が広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社は三年前、相場の半額で産廃処理を引き受けてくれる業者に委託した。その業者が山林に不法投棄して倒産。県が撤去を行い、数千万円の費用負担の通知があなたの会社に届く。安く委託したこと自体が、19条の6の「適正な対価を負担していない」に当たるかどうかが争点になる
- 近所の空き地に積み上がった廃棄物の山から、夏になって悪臭と汚水が流れ出した。業者は行方不明。住民として何ができるのか? 処分者を確知できない場合(第1項第2号)でも、知事は公告を経て自ら撤去できる。動かすには、住民からの具体的な被害の記録が要る
- 豪雨の予報が出ている。崩れかけた廃棄物の山が河川に流れ込みかねない。命令を出す時間はなく、県は第4号の緊急措置で即日重機を入れた。費用の請求は後から来る
- 産廃処分業者として措置命令を受けたが、期限までに撤去が間に合わない。あと二週間で期限。知事が代わりに撤去すると、その費用は滞納処分の例で徴収され、事業用の口座や土地が差し押さえられうる。期限前に、段階的な撤去計画を書面で出して協議するかどうかで、その後の展開が変わる
- 解体工事の元請として、下請に廃材の運搬を任せていた。下請が勝手に捨てた先の支障除去について、なぜ元請の自分が責任を問われるのか。建設工事では元請業者が排出事業者とみなされる(21条の3)ため、請求の矛先は最初からあなたに向いている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 悪臭、汚水、崩落の危険などを日付入りの写真と動画で記録し、健康被害があれば受診記録も残す2. 都道府県(政令市)の産業廃棄物担当課に書面で申し出て、生活環境の保全上の支障があることを具体的に示す3. 措置命令や代執行の検討状況は情報公開請求で確認する4. 行政が動かない場合は、非申請型義務付け訴訟(行政事件訴訟法37条の2)という手段があることを弁護士に相談する
訴えられた側:1. 通知がどの号・どの項に基づくかを特定する(処分者等か、排出事業者等か) 2. 排出事業者として請求された場合は、委託契約書、マニフェスト、支払記録、当時の相場資料を集め、19条の6第1項の要件(適正な対価の負担、不適正処分を知り得たか)を検証する3. 金額が第4項の「相当な範囲」を超えていないか精査する4. 費用負担の決定は行政処分にあたる可能性が高いため、審査請求・取消訴訟の期限を最初に押さえる
時効(請求できる期限):費用負担の決定に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。措置命令の段階では、命令に書かれた履行期限が事実上の締切になる。命令違反には刑事罰がある(25条1項5号、5年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金またはその併科。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条は行政代執行法2条の一般要件(他の手段による履行確保の困難、放置が著しく公益に反すること)に対する特則であり、処分者不明や緊急時にも命令を経ずに代執行を可能にする点に意義がある。費用負担の決定は行政処分として不服申立ての対象になると解されている
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