雇用保険法 第52条(給付制限)
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- 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、その拒んだ日から起算して七日間は、日雇労働求職者給付金を支給しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
- 一紹介された業務が、その者の能力からみて不適当であると認められるとき。
- 二紹介された業務に対する賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いとき。
- 三職業安定法第二十条(第二項ただし書を除く。)の規定に該当する事業所に紹介されたとき。
- 四その他正当な理由があるとき。
- 2.日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者についての前項各号のいずれかに該当するかどうかの認定は、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
- 3.日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が、偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとしたときは、その支給を受け、又は受けようとした月及びその月の翌月から三箇月間は、日雇労働求職者給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、日雇労働求職者給付金の全部又は一部を支給することができる。
この条文の基本情報
給付制限とは何ですか?
定義給付制限とは、雇用保険法第52条に定められた規定で、「日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、その拒んだ日から起算して七日間は、日雇労働求職者給付金を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第52条(給付制限)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第52条の条文原文は「日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、その拒んだ日から起算して七日間は、日雇労働求職者給付金を…」で始まります。
- 雇用保険法第52条は第四節 日雇労働被保険者の求職者給付に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第52条の前の条は雇用保険法第51条です。
- 雇用保険法第52条の次の条は雇用保険法第53条です。
- 雇用保険法第52条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第52条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第52条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/52
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法52条は、日雇労働求職者給付金の受給者が紹介された業務への就労を拒むと7日間不支給と定める。ただし能力上不適当、不当に低い賃金、労働争議中の事業所などの例外がある。
Q · ハローワークで紹介された仕事を断ったら、日雇の給付金は本当に7日間止まるの?
原則7日止まるが、四つの例外に当たれば止まらない
雇用保険法52条1項により、日雇労働求職者給付金の受給資格者が公共職業安定所の紹介する業務への就労を拒むと、拒んだ日から7日間は支給されません。ただし①能力からみて不適当、②同一地域の同種業務・同程度技能の一般賃金水準に比べ不当に低い賃金、③職業安定法20条該当(労働争議中)の事業所への紹介、④その他正当な理由、のいずれかに当たれば制限されません。この認定は公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って行います(2項)。
解説
紹介された仕事を断ると、その日から7日間、日雇労働求職者給付金は出ない。ここまでは窓口でも説明される。説明されないのはその先だ。1項には四つの例外が並んでいて、三号は職業安定法20条を指している。ストライキやロックアウトが行われている事業所への紹介がこれにあたる。つまり争議中の現場に送り込まれ、それを断った日雇労働者は7日間の制限を受けない。二号も強い。紹介先の賃金が、同じ地域の同種業務・同程度の技能の一般水準に比べて不当に低ければ、断っても正当だ。そして2項が決定的で、この判断をするのは窓口の担当者ではなく公共職業安定所長であり、しかも厚生労働大臣の定める基準に従わなければならない。基準に当てはめずに出された不支給は、行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)として争える対象になる。
法的な位置づけ
雇用保険法52条は日雇労働求職者給付金の給付制限を定める規定である。1項は公共職業安定所の紹介する業務への就労拒否に対し7日間の不支給を課しつつ四つの除外事由を置き、2項は当該認定を公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って行うものとし、3項は不正受給に対し当該月およびその翌月から3か月間の不支給を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.紹介票の内容をその場で控える 紹介を受けた時点で、事業所名、作業内容、賃金額、就労日、紹介を受けた日時を書き留める。断るか受けるかを決める前に記録する。後の認定は紹介時点の事実で判断されるため、事後に思い出しても資料にならない
- 2.1項各号のどれに当たるかを特定する ①能力からみて不適当(1号)②同一地域の同種業務・同程度技能の一般賃金水準に比べ不当に低い(2号)③職業安定法20条該当事業所=労働争議中(3号)④その他正当な理由(4号)のどれに当たるかを言語化する。争議の有無は紹介時に窓口へ確認し、回答を日付入りで記録する
- 3.断る理由を窓口へ書面で伝える 拒否の意思表示だけでなく、該当する号と裏付け事実を書面で提出する。認定権者は公共職業安定所長であり、厚生労働大臣の定める基準に従う(2項)ため、基準に当てはめられる形の事実提示が有効
- 4.不支給決定が出たら根拠基準を書面で照会する 通知書を受け取ったら、処分の日付と理由欄を保存し、「どの基準のどの項目に当てはめたのか」を書面で問い合わせる。基準への当てはめの形跡が示されなければ、それ自体が処分を争う材料になる
- 5.3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求する 処分に不服がある場合、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求する(雇用保険法69条、労働保険審査官及び労働保険審査会法8条)。取消訴訟は審査請求前置のため、この期間を逃すと裁判所の入口も閉じる
- 6.生活資金の並行確保を手配する 7日間または3か月間を無収入で耐える前提を作らない。福祉事務所および生活困窮者自立支援の窓口へ同時に相談する。日雇労働求職者給付金は生活保護の収入認定に関わるため、申告内容の整合にも注意する
よくある質問 AI による整理
Q1日雇労働求職者給付金の給付制限とは?
雇用保険法52条に基づき、紹介された業務への就労を拒んだ日から7日間、給付金が支給されない措置です。不正受給の場合は当該月と翌月から3か月間に延びます。
Q2紹介を断ると何日止まる?
拒んだ日から起算して7日間です(52条1項本文)。ただし同項各号の除外事由に該当すれば、この7日間の不支給は発動しません。
Q3ストライキ中の職場を断っても大丈夫?
大丈夫です。52条1項3号は職業安定法20条(2項ただし書を除く)に該当する事業所への紹介を除外事由とし、労働争議中の現場を断っても給付制限を受けません。
Q4賃金が安い仕事は断れる?
同一地域における同種業務・同程度技能の一般賃金水準に比べ不当に低い場合、52条1項2号で断っても給付制限を受けません。相場を示す資料の確保が鍵です。
Q5給付制限は誰が決める?
公共職業安定所長です(52条2項)。しかも厚生労働大臣の定める基準に従う必要があり、窓口担当者の口頭説明がそのまま認定になるわけではありません。
Q6不正受給だと何か月止まる?
偽りその他不正の行為により受け、または受けようとした月およびその翌月から3か月間です(52条3項)。やむを得ない理由があれば全部または一部を支給できます。
Q7給付制限に不服がある場合どうする?
不支給決定は行政処分なので、雇用保険審査官へ審査請求できます(雇用保険法69条)。期間は処分を知った日の翌日から3か月以内です。
Q8白手帳の給付制限はいつから数える?
就労を拒んだ日から起算して7日間です。不正受給の場合は受給し、または受給しようとした月およびその翌月から3か月間となり、起算点が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仕事を断ったら7日止まるって聞いたけど、断らずに行って初日で辞めたらどうなるんですか?
就いた後に辞めることは52条1項の「就くことを拒んだ」には当たらない。ただし日雇労働求職者給付金は前2月の印紙納付日数が土台になる(雇用保険法45条)ので、就労日を捨てる方が翌月以降の受給に響きやすい。実務のポイント:断るか辞めるかで悩むより、紹介の段階で1項各号のどれに当たるかを窓口で言語化する方が安い。認定の材料は紹介時点の事実で決まる
Q2「不当に低い賃金」って、いくらからですか?
条文は「同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準」との比較としか書かず、金額は2項の厚生労働大臣の定める基準に委ねられている。基準は全国一律の額ではなく、あなたが働く地域の相場だ。実務のポイント:相場の立証を安定所が代わりにやってくれるわけではない。同じ日の他の紹介票、現場の掲示、仲間の日給を控えておけば、比較対象を自分の側から出せる
Q3窓口の人に「それは正当な理由にならない」って言われたら、それで終わりですか?
終わらない。1項各号の認定権者は公共職業安定所長であり、その判断は厚生労働大臣の定める基準に拘束される(2項)。不支給決定は行政処分なので、雇用保険審査官への審査請求ができる(雇用保険法69条)。実務のポイント:審査請求の期限は処分を知った日の翌日から3か月。しかも取消訴訟は審査官の決定を経た後でなければ起こせない審査請求前置なので、窓口の口頭説明を鵜呑みにして3か月を空費すると、裁判所の入口まで同時に閉じる
Q4不正受給だと言われました。3か月も止まったら生きていけません
3項にはただし書があり、やむを得ない理由がある場合は全部又は一部を支給できる。制限とは別に、10条の4により返還命令と、返還額と同額以下の納付命令が出せる(実務で「不正受給の3倍返し」と呼ばれる)。実務のポイント:不支給決定も返還命令も納付命令も、それぞれ独立した行政処分だ。まとめて諦めるのではなく、どれを争いどれを受け入れるかを分けて考える。不服申立ての期間も処分ごとに別々に進む
間違えやすい点 AI による整理
- 「7日くらい我慢すればいい」と軽く見られているが、日雇労働求職者給付金は月ごとの支給日数に上限がある構造で、前2月の印紙納付日数に応じて上限が決まる(雇用保険法50条、最新の改正状況をご確認ください)。7日の制限は、その月に実際に受け取れる日数を大きく削る。月単位の家計で見ると、7日は7日分の損失では済まない
- 「断る正当な理由が自分にあるか」を自力で判断しようとするのが、そもそも問いの立て方として誤っている。判断権者は公共職業安定所長であり、しかも厚生労働大臣の定める基準に拘束される(2項)。あなたがすべきは理由の自己採点ではなく、断った時点の事実(賃金額、作業内容、事業所名、断った日時)を、基準に当てはめられる形で残すことだ
- 3項の不正受給は「嘘をついて受け取ってしまった場合」だけだと思われがちだが、条文は「受け、又は受けようとしたとき」と書く。受け取れていなくても、申告した時点で3か月超の不支給が発動する。さらに10条の4の返還命令と納付命令は52条3項の給付制限とは別に走る。制限と金銭負担は二重に来る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 52条:日雇労働被保険者(日雇労働求職者給付金の受給資格者) | 32条:一般被保険者(基本手当の受給資格者) 34条:一般被保険者(不正受給の場合) |
| 制限の引き金 | 公共職業安定所の紹介する業務への就労拒否/不正受給 | 公共職業安定所の紹介する職業への就職拒否・職業訓練の受講拒否 偽りその他不正の行為による求職者給付・就職促進給付の受給 |
| 制限期間 | 拒んだ日から7日間(1項)/不正は当該月および翌月から3か月間(3項) | 拒んだ日から起算する一定期間の基本手当不支給 原則として以後の給付を支給しない(ただし書あり) |
| 除外・緩和 | 1項1〜4号の四つの除外事由+3項ただし書のやむを得ない理由 | 正当な理由がある場合の除外 やむを得ない理由がある場合の全部または一部支給 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も公立就業サービス機関の推介した就業を正当な理由なく拒否した場合、失業給付を支給しない構造。「正当な理由」に賃金が原就労賃金の6割未満であることを明記する点が日本より数値的
韓国も職業紹介・訓練の拒否に給付制限を課す。日雇(일용근로자)にも구직급여の枠組みが及ぶが、日本のような印紙納付+手帳方式の独立章立てはない
ドイツは就労拒否に対し原則3週間から12週間の Sperrzeit(停止期間)を課し、日本の7日より格段に重い。ただし「zumutbare Arbeit(期待可能な労働)」の概念で拒否の正当性を広く審査する
フランスは合理的な求人提案(offre raisonnable d'emploi)を反復拒否した場合、求職者名簿からの抹消(radiation)という形をとる。給付日数の一時停止ではなく資格そのものを外す設計
米国は連邦法が「労働争議中の職への就労拒否を理由に給付を拒否してはならない」旨を州法の要件として定めており、日本の52条1項3号と同趣旨の争議中立が連邦レベルで担保されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 紹介票に書かれた現場が、実はストライキの最中だったとしたら? 職業安定法20条は争議中の事業所への紹介そのものを禁じており、52条1項3号はそれを正当な拒否理由として取り込んでいる。ただし職業安定法20条2項ただし書に当たる場合は除かれるので、断る前に「争議中ですか」と一言確認し、その回答を日付入りで書き留めておく
- 手が痺れる持病があるのに、重量物の荷役に紹介された。断った。1項1号の「能力からみて不適当」は、まさにこの場面のためにある。
- 同じ地域の同じ荷役で日給1万2千円が相場なのに、紹介票の賃金は8千円。断れば7日間止まるかもしれない。家賃の引き落としまであと5日、判断は今日中だ。ここで効くのが1項2号で、同一地域・同種業務・同程度の技能の一般水準に比べて不当に低ければ給付制限はかからない。他の紹介票や現場の掲示を撮っておけば、後の認定で比較対象を自分の側から出せる
- 日払いの仕事に入った日を申告し忘れたまま給付を受けた。翌月、安定所から呼び出しが来る。3項の「偽りその他不正の行為」と認定されれば、その月と翌月から3か月間、給付は止まる。ただし3項にもただし書があり、やむを得ない理由があれば全部又は一部を支給できる。呼び出しに応じる前に、故意でなかったことを示す材料(就労先との連絡記録、体調、手帳の記載日)を揃える
- 一緒に現場に通っている仲間が「あそこは断ると7日止まるぞ」と言っている。だが4号の「その他正当な理由」は開かれた受け皿で、家族の入院や交通手段の途絶も入りうる。認定基準を定めるのは厚生労働大臣であり(2項)、窓口での口頭説明がその基準そのものとは限らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不支給決定の通知書を保存し、処分の日付と理由欄を確認2. 紹介票、賃金額、事業所名、断った日時を写真とメモで再構成3. 1項各号のどれに当たるかを特定し、窓口に書面で理由を提出4. 覆らなければ、処分を知った日の翌日から3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求(雇用保険法69条) 5. 生活が持たない場合は並行して福祉事務所と生活困窮者自立支援の窓口へ。7日または3か月を無収入で耐える前提を作らない
訴えられた側:1. 呼び出しに応じる前に、就労日と申告日を時系列で並べ、漏れの原因(体調、連絡ミス、手帳記載の遅れ)を特定2. 故意でなかったことを裏付ける材料を集める3. 3項ただし書の「やむを得ない理由」は、聴取の場で口頭ではなく書面で出す4. 返還命令・納付命令(10条の4)は給付制限とは別個の処分なので、金額と根拠を分けて確認5. 争う意思があるなら、聴取の場で安易に「不正でした」と書かれた書面に署名しない
時効(請求できる期限):給付制限の期間そのものは、紹介を拒んだ日から起算して7日間(1項)、不正受給は受給し又は受給しようとした月およびその翌月から3か月間(3項)。不支給決定に不服がある場合、雇用保険審査官への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(労働保険審査官及び労働保険審査会法8条)。取消訴訟は審査官の決定を経た後でなければ提起できない審査請求前置で、出訴期間は裁決を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:52条1項の給付制限は、早期就労を促す政策的制裁であると同時に、各号の除外事由により労働条件の底割れと争議破りへの動員を防ぐ機能を持つ。2項が認定を厚生労働大臣の基準に拘束させたのは、窓口裁量の統制を意図したものと理解されている
- 雇用保険法 第45条日雇労働求職者給付金の支給要件
- 雇用保険法 第32条一般被保険者の紹介拒否による給付制限
- 雇用保険法 第34条一般被保険者の不正受給による給付制限
- 雇用保険法 第10条の4不正受給の返還命令および納付命令
- 雇用保険法 第69条雇用保険審査官への審査請求
- 職業安定法 第20条労働争議中の事業所への紹介禁止
- 労働保険審査官及び労働保険審査会法 第8条審査請求期間の定め
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