雇用保険法 第78条(診断)
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行政庁は、求職者給付の支給を行うため必要があると認めるときは、第十五条第四項第一号の規定により同条第二項に規定する失業の認定を受け、若しくは受けようとする者、第二十条第一項の規定による申出をした者又は傷病手当の支給を受け、若しくは受けようとする者に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
診断とは何ですか?
定義診断とは、雇用保険法第78条に定められた規定で、「行政庁は、求職者給付の支給を行うため必要があると認めるときは、第十五条第四項第一号の規定により同条第二項に規定する失業の認定を受け、若しくは受けようとする者、第…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第78条(診断)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第78条の条文原文は「行政庁は、求職者給付の支給を行うため必要があると認めるときは、第十五条第四項第一号の規定により同条第二項に規定する失業の認定を受け、若しくは受けようとする者、第…」で始まります。
- 雇用保険法第78条は第七章 雑則に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第78条の前の条は雇用保険法第77条の2です。
- 雇用保険法第78条の次の条は雇用保険法第79条です。
- 雇用保険法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法78条は、行政庁が求職者給付の支給に必要と認めるとき、傷病手当や受給期間延長などの申請者に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じられると定める規定である。
Q · 主治医の診断書を出したのに、指定された医師の診断を受けろと言われたら断れますか?
行政庁の命令なので原則断れず、無視すれば不支給や罰則につながります
雇用保険法78条により、行政庁は求職者給付の支給を行うため必要と認めるとき、指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができます。対象は、15条4項1号により証明書で失業の認定を受ける(受けようとする)者、20条1項で受給期間の延長を申し出た者、傷病手当を受ける(受けようとする)者の三種類です。これは依頼ではなく命令であり、無断で受診しなければ支給判断が保留・不支給に傾くほか、罰則の対象にもなりえます。受診が難しい事情がある場合は、放置せず期限内に安定所へ申し出て記録に残すことが重要です。
解説
傷病手当の申請書に主治医の証明をもらった。認定日に行けないので診断書を添えた。受給期間の延長を申し出た。ここまでは自分の主治医が書いた紙で完結すると思っている人がほとんどだ。雇用保険法78条は、その前提を静かに崩す。行政庁(雇用保険では厚生労働大臣、権限委任を受けた都道府県労働局長や公共職業安定所長が実務を担う)は、求職者給付の支給を行うため必要と認めるときは、あなたに「その指定する医師の診断を受けろ」と命じることができる。対象は三種類、15条4項1号で疾病・負傷を理由に証明書で失業の認定を受ける(受けようとする)者、20条1項で受給期間の延長を申し出た者、そして傷病手当を受ける(受けようとする)者。つまり、病気を理由に何らかの扱いを求めた瞬間、あなたは指定医の前に座る可能性を同時に引き受けている。命令を無視すれば、給付の判断が止まるだけでなく、罰則の対象にもなりうる。
法的な位置づけ
雇用保険法78条は、求職者給付に関する行政庁の診断命令権を定める規定である。行政庁は、支給を行うため必要があると認めるときに、証明書により失業の認定を受ける者、受給期間の延長を申し出た者、傷病手当を受ける者に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。治療内容には介入せず、支給要件の認定資料を得るための手続的権限として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書の四点を最初に確定する 受診命令の書面を受け取ったら、発出者、対象となる給付(失業の認定・受給期間の延長・傷病手当のいずれか)、指定医療機関、受診期限の四点を確認する。次の認定日との前後関係を必ず突き合わせる
- 2.受診できない事情は期限内に記録化する 予約が取れない、通院が困難といった事情があれば、無断欠席にせず期限内に安定所へ連絡する。可能なら書面で提出し、受付日が残る形にする。拒否ではなく調整として扱われるかの分岐点になる
- 3.主治医の診断書を厚く作り直す 就労可否、療養見込み期間、通院頻度まで明記した診断書を主治医に追加で作成してもらう。命令前に提出できれば診断命令の必要性自体が薄れ、命令後でも指定医受診時の持参資料になる
- 4.指定医を受診し資料を持参する 指定医療機関を受診する際、主治医の診断書と通院履歴を持参する。指定医は治療方針を決める立場ではなく認定資料を作る立場であるため、症状と就労可否を事実ベースで伝えることに集中する
- 5.不支給処分が出たら審査請求で争う 受診結果を踏まえて不支給や支給停止の処分が出た場合、雇用保険審査官への審査請求(雇用保険法69条)で争う。通知書の教示欄に記載された期限を必ず確認し、期限内に申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険法78条とは何ですか?
行政庁が求職者給付の支給を行うため必要と認めるとき、申請者に対して指定する医師の診断を受けるよう命じられると定めた規定です。主治医の証明とは別に、行政側の資料で支給要件を確認する仕組みです。
Q2指定医の受診命令は誰に対して出されますか?
三種類です。15条4項1号により証明書で失業の認定を受ける(受けようとする)者、20条1項で受給期間の延長を申し出た者、そして傷病手当を受ける(受けようとする)者です。
Q3受診命令の書面が届いたら何を確認すればいいですか?
発出者、対象となる給付が失業の認定・受給期間の延長・傷病手当のどれか、指定医療機関、受診期限の四点をまず確認します。期限は認定日との関係で給付の空白を左右します。
Q4受診期限に間に合わないときはどうすればいいですか?
無断で放置せず、期限内に安定所へ連絡し事情を記録に残します。「拒んだ」のか「調整中」なのかで、その後の処分の評価が変わります。可能なら書面で提出してください。
Q5指定医の診断は主治医の診断を覆せますか?
指定医は治療方針を否定する立場ではなく、行政庁が支給要件を認定するための資料を作る立場です。争う相手は指定医ではなく、その診断を根拠に出された支給・不支給の処分になります。
Q6傷病手当をもらうには何日以上働けない必要がありますか?
雇用保険法37条の傷病手当は、疾病または負傷のため職業に就くことができない状態が一定日数以上continue する場合を前提とします。78条の診断命令は、その状態を行政が独自に確認する回路です。
Q7受診命令をきっかけに出た不支給処分は争えますか?
争えます。雇用保険審査官への審査請求(雇用保険法69条)が窓口です。78条の命令そのものではなく、命令を踏まえて出された処分を対象に不服を申し立てます。通知書の教示欄の期限を確認してください。
Q8受給期間の延長申出でも受診命令は来ますか?
来ます。20条1項の申出をした者は78条の対象に明記されています。延長を選ぶことと、行政庁が指定医の診断を命じうることは同じ書類の表と裏の関係にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1主治医がちゃんと診断書を書いてくれてるのに、なんで別の医者に行かないといけないんですか?
雇用保険法78条が、行政庁は求職者給付の支給を行うため必要と認めるとき、指定する医師の診断を命じられると定めているためである。主治医を疑うというより、支給要件を行政側の資料で確認する仕組みだ。実務のポイント:命令が出る前に、就労可否と療養見込み期間まで書き込んだ診断書を提出しておくと、命令の必要性そのものが薄れる。空欄を埋めただけの診断書とは、その後の手間が大きく違う
Q2指定された病院に行かなかったら、どうなるんですか?
まず求職者給付の支給判断が進まず、保留や不支給に傾く。加えて雇用保険法の罰則章は、78条の命令に違反して診断を受けなかった場合の制裁も用意している(具体的な罰条と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務で効くのは「拒否」と「調整」の区別だ。受診できない事情を期限内に伝えた記録があれば命令違反の評価にはなりにくい。無断の欠席だけが最も重い結論を招く
間違えやすい点 AI による整理
- 受診命令が来ることは知っていても、その重さを見誤っている人が多い。これは「できればお願いします」ではなく行政庁の命令である。従わなければ求職者給付の支給判断が保留・不支給に傾くうえ、雇用保険法の罰則章は診断命令に違反して診断を受けなかった場合の制裁も用意している。「行けなかった」では済まない場面がある(具体的な罰条と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
- 「指定医に主治医の診断を覆す権限があるのか」という問いの立て方そのものが誤っている。指定医はあなたの治療方針を否定する立場ではなく、行政庁が支給要件を認定するための資料を作る立場だ。だから争うべき相手は指定医ではなく、その診断を根拠に出された支給・不支給の処分である。窓口は78条ではなく、雇用保険審査官への審査請求(69条)の世界に移る
- 「どの医師にかかるかは自分の自由」はその通りだが、給付を受ける場面では意味がずれる。治療を受ける自由は誰にも奪われない。だが給付要件の認定資料として何を採用するかを決めるのは行政庁だ。自由は手元に残ったまま、給付だけが止まる。この落差に足をすくわれる人が多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行政庁が求めるもの | 78条:指定する医師の診断を受けること(身体そのものの検証) | 76条:報告・文書の提出(書面による情報提供) 15条4項1号:本人が用意する証明書の提出 |
| 対象者 | 証明書で失業の認定を受ける者、受給期間の延長を申し出た者、傷病手当を受ける者 | 受給資格者・事業主など報告義務を負う関係者 疾病・負傷により認定日に出頭できない受給資格者 |
| 目的 | 求職者給付の支給要件を行政側の医学的資料で検証する | 給付・保険関係の事実関係を書面で把握する 本人の申請を成り立たせる(申請者側の立証) |
| 従わない場合 | 支給判断の保留・不支給に加え、罰則の対象にもなりうる | 報告義務違反として制裁の対象になりうる 証明書がなければ認定自体が受けられない |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では保険者が現金給付の審査に必要と認めるとき、別に指定する医院または医師による再検査を求めうるとされ、被保険者側に受検の協力が求められる点で日本の78条と同型の構造をとる
ドイツは社会法典第一編の協力義務(Mitwirkung)の一環として、給付申請者・受給者に検診受診を求める。協力を欠いた場合の給付制限も同編に明文化されており、日本より効果側の規定が体系的である
米国の失業保険は州法が中心だが、連邦の社会保障障害給付では、提出資料で判断できない場合に行政側が指定する医師による consultative examination を指示できる。費用負担を行政側が持つ点が制度設計上の差異
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 主治医の証明書を出したのに、別の医師の診断を受けろと命じられたら、断れるのか? 認定日の前日に高熱で動けず、証明書で失業の認定を受けた。その翌週、安定所から指定医の受診を求める書面が届く。指定医療機関は電車で一時間、予約枠は十日後しか空いていない。次の認定日まで残り六日。動かなければ、その期間の基本手当は宙に浮く
- 傷病手当を三か月請求し続けている。ある日、指定医の受診命令が届く。主治医の診断が疑われたのではなく、15日以上職業に就くことができない状態かを行政が独自に確認する仕組みが作動しただけである
- 妊娠を理由に受給期間を延長し、その後に体調不良で延長事由を積み増した。安定所は延長の妥当性を確かめるため、指定医の診断を命じることができる。ここで「主治医が言っているのだから十分だ」と拒めば、延長申出そのものの信用が揺らぐ。逆に、不正受給を疑われている局面では、指定医の診断はあなたの主張を裏づける材料になる。命じられる側にとって、この命令は攻撃であると同時に防御でもある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 命令書の発出者、対象となる給付(失業の認定・受給期間の延長・傷病手当のどれか)、指定医療機関、受診期限を最初に確認する2. 期限内に受診できないなら無断で放置せず、安定所へ連絡して事情を記録に残す3. 主治医に、療養見込み期間と就労可否を明記した診断書を追加で作ってもらい、指定医受診時に持参する4. 受診後に不支給や支給停止の処分が出たら、雇用保険審査官への審査請求(69条)で争う。通知書の教示欄にある期限を必ず確認する
訴えられた側:1. 命令の必要性そのものを争うより、まず受けて結果を見るほうが実務上は安全である。拒否は不支給と罰則の二重の risk を同時に背負う2. 心身の状態で受診が困難なら、その事情を書面で提出し記録化する3. 不正受給を疑われている局面では、指定医の診断はむしろあなたの主張を裏づける材料になりうる4. すでに支給された給付の返還・納付を命じられた場合は、10条の4が定める「偽りその他不正の行為」の要件を本当に満たすのか、個別に検討する
時効(請求できる期限):78条の受診命令自体に固有の時効はない。効いてくるのは命令書に記載された受診期限である。命令を踏まえた処分(不支給・支給停止)に不服がある場合、雇用保険審査官への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(雇用保険法69条、最新の改正状況をご確認ください)。失業等給付の支給を受ける権利自体は2年で時効消滅する(雇用保険法74条、最新の改正状況をご確認ください)
- 雇用保険法 第15条証明書による失業の認定、受診命令の対象者を画定
- 雇用保険法 第20条受給期間延長の申出、受診命令の対象者を画定
- 雇用保険法 第37条傷病手当の支給要件、就労不能状態の認定資料
- 雇用保険法 第69条審査請求・再審査請求、処分を争う不服申立ての受け皿
- 雇用保険法 第76条報告・文書提出命令、行政庁の調査権の並列規定
- 行政手続法 第2条不利益処分の定義、受診命令の処分性判断(実務上、解釈が分かれている)
- 行政事件訴訟法 第3条抗告訴訟の対象、命令に基づく処分の取消訴訟
- 個人情報の保護に関する法律 第2条病歴は要配慮個人情報、診断結果の取扱い規律
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