要点半導体回路配置の利用権は、下位に専用利用権者・通常利用権者・質権者がいる場合、その全員の承諾を得なければ放棄できない(回路配置法 20 条)。承諾を欠く放棄は無効となる。
Q · ライセンスを出した相手が「もうこの回路配置の権利を放棄する」と言ってきたら、自分のライセンスも消えてしまうの?
あなたの承諾なしには放棄できず、ライセンスは消えません
回路配置法 20 条 1 項により、回路配置利用権者は、専用利用権者・通常利用権者・質権者がいる場合、その全員の承諾を得たときに限り権利を放棄できます。承諾を欠いた放棄は成立しないため、ライセンシーや質権者であるあなたの一存が「拒否権」として働きます。同じ構造は階層的に続き、専用利用権者は通常利用権者・質権者の承諾を、通常利用権者は質権者の承諾を要します(同条 2 項・3 項)。相手の「権利を捨てる」という通告は、あなたの承諾なしには法的に空回りします。
半導体メーカーがあなたの会社に回路配置のライセンスを出した。数年後に両社が対立し、メーカー側が「もうこの権利は放棄する、あなたのライセンスごと消えてもらう」と通告してきたとする。ここで効いてくるのが20条だ。回路配置利用権者は、専用利用権者・通常利用権者・質権者がいる場合、その全員の承諾を得なければ権利を放棄できない。同じ構造が下にも続く。専用利用権者は通常利用権者・質権者の、通常利用権者は質権者の承諾がいる。つまり、誰かの権利の上に乗っている権利は、下にいる者を置き去りにして勝手に消すことができない。あなたが知財をライセンスされた側、あるいは担保に取った側なら、相手の一存で足場を崩されない拒否権を、法律から最初から渡されている。
回路配置法 20 条にいう利用権等の放棄とは、回路配置利用権・専用利用権・通常利用権の権利者が当該権利を一方的に消滅させる単独行為をいう。本条は、その権利の上に専用利用権・通常利用権・質権が設定されている場合、下位の各権利者の承諾を放棄の効力要件とし、上位権利者の単独処分による下位権利者の地位喪失を防ぐ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
回路配置利用権者が自分の権利を一方的に消滅させる単独行為です。ただし専用利用権者・通常利用権者・質権者がいる場合は、その全員の承諾を得なければ放棄できません(回路配置法 20 条 1 項)。
承諾を欠いた放棄は効力を生じません。下位の権利者は、その放棄が無効であることを主張し、必要に応じて放棄登録の抹消を求めることができます。
できません。回路配置法 20 条 1 項により、質権者の承諾がなければ回路配置利用権者は権利を放棄できないため、担保が一方的に消えることはありません。
必要です。回路配置法 20 条 2 項により、専用利用権者は通常利用権者・質権者がいる場合、その承諾を得たときに限り専用利用権を放棄できます。
倒産しても利用権が自動で放棄されるわけではありません。破産管財人が無価値として放棄しようとしても、20 条により利用権者・質権者の承諾が必要です。
経済産業大臣の指定する登録機関(ソフトウェア情報センター=SOFTIC)が回路配置の設定登録を扱います。利用権・質権の登録の有無が放棄の効力判断の前提になります。
後の紛争に備え、承諾は書面(承諾書)で取得するのが実務上の鉄則です。M&A や事業整理では関係者全員の承諾書を揃えないと放棄登録が進みません。
構造はほぼ同じです。回路配置法 20 条は特許法 97 条をモデルとしており、いずれも専用実施権者・通常実施権者・質権者の承諾を放棄の要件とします。
20条1項により、通常利用権者であるあなたの承諾がなければ、その放棄は成立しません。承諾なしに放棄登録が出されても無効で、あなたのライセンスは相手の一存では消えません。業界裏話ヒント:実務では契約書に「放棄には事前同意を要する」と重ねて書くことが多いが、契約がなくても20条が法律上の防壁として最初から効いている。交渉で相手にこの点を持ち出されても、法定の権利だと押し返せる。
止められます。質権者であるあなたの承諾なしに、回路配置利用権者は権利を放棄できません(20条1項)。担保の対象が勝手に消えることはありません。業界裏話ヒント:知財担保融資では、借り手の倒産時に管財人が「無価値だから放棄」としようとする場面がある。だが管財人も20条に縛られ、質権者の承諾が要る。融資契約の条項に頼る前に、この法定の同意権が担保を守っている。
要ります。20条2項により、専用利用権者が自分の専用利用権を放棄するには、その下の通常利用権者・質権者の承諾が必要です。権利は下から積み上がっており、上の者が抜けると下の足場が崩れるためです。業界裏話ヒント:サブライセンス網が複雑だと、放棄ひとつに何人もの承諾書が必要になる。M&Aや事業整理では、この承諾収集の手間を見落としてスケジュールが崩れることが多い。早めに権利関係図を作るのが鉄則。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 放棄できる主体 | 20 条 1 項:回路配置利用権者 | — |
| 承諾が必要な相手 | 専用利用権者・通常利用権者・質権者の全員 | — |
| 権利の根拠規定 | 設定登録(回路配置法 10 条)による回路配置利用権 | — |
| 承諾を欠いた場合の効果 | 放棄は無効、下位権利者は地位を維持 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。