要点回路配置法 22 条は、回路配置利用権者が侵害者に対し侵害の停止・予防を請求できる差止請求権を定める。相手の過失を問わず、侵害品や製造設備の廃棄も併せて請求できる。
Q · 登録したチップの回路配置をパクられたら、相手の生産を止められますか?
相手の過失がなくても生産を止められます
回路配置法 22 条により、回路配置利用権者・専用利用権者は、侵害者や侵害のおそれがある者に対し、侵害の停止・予防(差止)を請求できます。損害賠償(民法 709 条)と違い相手の故意・過失を問わず、客観的に侵害が成立していれば止められます。さらに 2 項では、侵害品そのものに加え、それを製造したマスク・金型・製造装置の廃棄まで請求できます。ただし前提として 3 条による設定登録が必要で、未登録では差止請求権は発生しません。
半導体チップの中身は、肉眼では見えない微細な回路の配置設計でできている。あなたの会社が何年もかけて作り上げたその配置を、競合が剥がして写し取り、そっくりのチップを半額で売り始めたとする。22条が握らせるのは、金を取り返す権利ではない。相手の生産と販売そのものを止める権利だ。「侵害の停止又は予防を請求することができる」、この一文が差止請求権。決定的なのは、損害賠償(民法709条)と違って相手の故意や過失を問わない点だ。相手が知らずにやっていても、侵害が客観的に成立していれば止められる。さらに2項で、侵害品そのものに加え、それを作った金型やマスク、製造装置の廃棄まで請求できる。金より速く、金より重い、それが差止という一手だ。
回路配置法 22 条は差止請求権を定める規定であり、回路配置利用権者または専用利用権者が、自己の権利を侵害する者や侵害するおそれがある者に対し、侵害の停止または予防を請求できる旨を規定する。1 項が差止請求、2 項が侵害品・製造設備等の廃棄等の付帯請求を定め、相手の過失を要件としない点で損害賠償請求と区別される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
半導体集積回路の回路配置を独占的に利用できる権利です。3 条の設定登録により発生し、22 条の差止や損害賠償の前提となります。新規性は要求されず、模倣からの保護を目的とします。
差止請求権自体に固有の消滅時効はなく、侵害が続く限り行使できます。ただし回路配置利用権が設定登録の日から 10 年で消滅すると(10 条)、以後は差止できません。
できません。回路配置利用権は 3 条の設定登録によって初めて発生します。未登録のまま模倣されても 22 条の差止請求権は生じないため、出荷前の登録が重要です。
違法ではありません。回路配置法は解析・評価のためのリバースエンジニアリング自体を禁じておらず、22 条の差止が及ぶのは『写し取った』模倣の場合だけです。
特許の実体審査がない分、特許出願より低コスト・短期間で登録できるのが一般的です。具体的な登録料は指定登録機関の最新の料金表をご確認ください。
事案により異なりますが、本訴より迅速に判断されます。量産開始の直前など相手の損失が大きいタイミングを狙うと、交渉力が大きく高まります。
設定登録の日から 10 年です(10 条)。特許(出願から 20 年)より短く、製品ライフが短い半導体の実情に合わせた期間設計になっています。
知らず・過失なく取得した善意者には特例があり、差止・賠償が及ばない余地があります。適用には仕入れ経緯を示す記録が命綱になります。
勝てる。回路配置法は会社規模を問わず、設定登録さえあれば差止請求権が発生する(22条)。特許のような実体審査がなく、登録のハードルが低いのも強みだ。業界裏話ヒント:多くの中小・ファブレス企業は「特許は高くて取れない」と保護を諦めるが、回路配置の設定登録は特許より安く速い。チップを出荷する前に登録しておくだけで、模倣された日に生産を止めるカードが手に入る
本当に独自創作なら侵害にはならない。回路配置法は新規性を要求せず、模倣(写し取り)だけを禁じるので、争点は同一性ではなく「コピーしたか」になる。業界裏話ヒント:実務では、機能上は不要なのに配置に残っている冗長部分や設計者特有の癖が一致するかが決め手になる。意味のないパターンまで同じなら、偶然ではなく模倣の強力な状況証拠だ。解析業者はこの設計の指紋を探す
できる。差止(22条)と損害賠償(民法709条)は別個の権利で、同時に行使可能だ。ただし差止は相手の過失が要らず、賠償は過失が必要という違いがある。業界裏話ヒント:製品サイクルの短い半導体では、賠償金より差止のほうがはるかに効く。数か月でも生産を止められた競合はその世代の市場を失うため、交渉で「賠償はいくらでも払うから差止だけは勘弁してくれ」と相手が折れることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 相手の過失の要否 | 不要(侵害が客観的に成立すれば足りる) | — |
| 効果 | 侵害の停止・予防(生産・販売を止める) | — |
| 行使の前提 | 設定登録による回路配置利用権の発生(3 条) | — |
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