保険業法 第105条の3(指定損害保険業務紛争解決機関との契約締結義務等)
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- 損害保険会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
- 一指定損害保険業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が損害保険業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合一の指定損害保険業務紛争解決機関との間で損害保険業務に係る手続実施基本契約を締結する措置
- 二指定損害保険業務紛争解決機関が存在しない場合損害保険業務に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
- 2.損害保険会社は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定損害保険業務紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
- 3.第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
- 一第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなったとき第三百八条の二十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第三百八条の二十四第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
- 二第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定損害保険業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第三百八条の二十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定損害保険業務紛争解決機関の第三百八条の二第一項の規定による指定が第三百八条の二十四第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。)その認可又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
- 三第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなったとき第三百八条の二第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
この条文の基本情報
指定損害保険業務紛争解決機関との契約締結義務等とは何ですか?
定義指定損害保険業務紛争解決機関との契約締結義務等とは、保険業法第105条の3に定められた規定で、「損害保険会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第105条の3(指定損害保険業務紛争解決機関との契約締結義務等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第105条の3の条文原文は「損害保険会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。」で始まります。
- 保険業法第105条の3は第三章 業務に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第105条の3の前の条は保険業法第105条の2です。
- 保険業法第105条の3の次の条は保険業法第106条です。
- 保険業法第105条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第105条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第105条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/105_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法105条の3は、損害保険会社に対し、指定損害保険業務紛争解決機関との手続実施基本契約の締結と、その相手方名称の公表を義務付ける規定である。
Q · 保険金の支払を断られたら、裁判以外にどこへ持ち込めますか?
無料で使えるそんぽ ADR センターの窓口が法定されています。
保険業法105条の3により、損害保険会社は指定損害保険業務紛争解決機関(実務上は日本損害保険協会のそんぽ ADR センター)と手続実施基本契約を締結し、その名称を公表しなければなりません。契約を締結した会社は、申立てがあれば手続に応じ、資料を提出し、一定要件下では特別調停案を尊重する義務を負います(保険業法308条の7)。契約者側の費用は原則無料で、結論に納得できなければ訴訟へ進む道も残ります。
解説
保険金の支払を断られたとき、頭に浮かぶ選択肢はたいてい二つしかない。諦めるか、弁護士を雇って訴えるか。105条の3は、そのどちらでもない三本目の回路を、損害保険会社の側の義務として法律に埋め込んでいる。損保会社は、指定損害保険業務紛争解決機関(実務上は一般社団法人日本損害保険協会の「そんぽADRセンター」)との間で手続実施基本契約を締結しなければならず、締結した相手の名称を公表する義務まで負う(2項)。つまりあなたが加入している損保会社は、契約時点ですでに「紛争が起きたら第三者機関の手続に乗る」と約束させられている。そして手続実施基本契約を結んだ会社は、申立てがあれば手続に応じ、資料を提出し、一定の要件下では提示された特別調停案を受け入れなければならない(保険業法308条の7)。あなたの費用負担は原則ゼロ。この非対称を知っている契約者と知らない契約者とでは、同じ不払通知を受け取った後の三か月の使い方がまるで違う。
法的な位置づけ
保険業法105条の3は、損害保険会社に金融 ADR 体制の整備を義務付ける規定である。指定損害保険業務紛争解決機関が存在する場合は一の機関との手続実施基本契約の締結を、存在しない場合は苦情処理措置及び紛争解決措置を求め、締結先の名称公表義務(2項)と、指定機関の廃止・取消し・新設に伴う適用除外期間(3項)を併せて定める。
手順
- 1.不払・減額の理由を書面で確定させる 電話口の説明では争点が固まらない。支払を拒む根拠となった約款の条項番号と、鑑定結果の要旨を書面で交付するよう求める。回答期限を明示して請求するのが要点
- 2.時系列の証拠束を作る 発生日、通報日、鑑定日、担当者との通話日時、提出済み写真を一本の時系列に並べる。ADR は書面審理が中心のため、資料の網羅性より時系列の一貫性が効く
- 3.まず保険会社の苦情窓口へ書面で申し出る 社内の苦情窓口と外部 ADR は二段構え。書面で申出を行い、期限を切って回答を求めることで、案件が担当者個人の裁量から会社の紛争管理ラインへ移る
- 4.指定機関へ「紛争解決手続の申立て」と明示して持ち込む 窓口には苦情解決手続と紛争解決手続の二段階がある。最初の電話は苦情として処理されがちなため、紛争解決手続の申立てである旨を明示する。費用は原則無料
- 5.消滅時効の残期間から逆算して動く 保険給付請求権の消滅時効は原則3年(保険法95条)。ADR 申立てには完成猶予効があるが、完成後では戻らない。残月数を先に計算し、訴訟提起の判断期限も同時に置く
よくある質問 AI による整理
Q1指定損害保険業務紛争解決機関とは何ですか?
紛争解決等業務の種別が損害保険業務である指定紛争解決機関のことです。実務上は一般社団法人日本損害保険協会の「そんぽ ADR センター」がこれに当たります。
Q2手続実施基本契約とはどんな契約ですか?
損害保険会社と指定紛争解決機関が結ぶ基本契約で、手続への応諾義務、資料提出義務、一定要件下での特別調停案の尊重義務などが内容になります(保険業法308条の7)。
Q3保険会社が紛争解決機関の名称を公表しないのは違法ですか?
105条の3第2項は締結した指定機関の商号又は名称の公表を明文で義務付けています。未公表は同項違反となり、金融庁の監督上の問題となり得ます。
Q4指定紛争解決機関がなくなったらどうなりますか?
廃止認可や指定取消しの時点から、内閣総理大臣が定める期間は1項の適用が止まり(3項)、その間に会社は苦情処理措置・紛争解決措置へ切り替えます。
Q5生命保険の紛争はどこに申し立てますか?
生命保険会社については105条の2が同じ構造の義務を課しており、生命保険協会の指定機関が窓口になります。損保と生保で持ち込み先が分かれます。
Q6少額短期保険も同じ窓口が使えますか?
少額短期保険業者は別枠で、日本少額短期保険協会が指定機関とされています。証券の発行主体が損害保険会社かどうかで窓口が変わります。
Q7ADR 申立てで消滅時効は止まりますか?
指定紛争解決機関への申立てには時効の完成猶予効が用意されています。ただし完成後に申し立てても権利は戻らないため、残期間の計算が先です。
Q8相手方(加害者側)の保険会社にも ADR は使えますか?
相手方の損害保険会社も105条の3の義務を負います。ただし申立適格は事案類型ごとに異なるため、窓口で事案の該当性を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そんぽADRセンターって、結局その辺の消費者相談窓口と何が違うんですか?
決定的な違いは、相手方の保険会社があらかじめ手続実施基本契約で縛られている点です。締結した会社は手続への応諾、資料提出、一定要件下での特別調停案の尊重義務を負います(保険業法308条の7)。利用は原則無料です。実務のポイント:窓口には「苦情解決手続」と「紛争解決手続」の二段階があり、最初の電話は苦情として処理されがちです。「紛争解決手続の申立てをしたい」と明示するかどうかで、乗るレールが変わります
Q2申し立てても、保険会社が無視して出てこないんじゃないですか?
手続実施基本契約を締結した会社は、正当な理由なく手続を拒めません(保険業法308条の7)。実効性を支えているのは罰則ではなく公表の仕組みです。実務のポイント:会社が手続に応じない、あるいは特別調停案を受諾しない場合、指定紛争解決機関がその事実を公表できる建て付けになっています。金融機関にとって不応諾の公表は監督上も営業上も重い。だから多くの案件は席に着いた時点で動き出します
Q3弁護士に頼むのとADR、どっちが得なんですか?
請求額が数十万円から百万円台なら、費用ゼロのADRから入る方が期待値は高いことが多いです。結論に納得できなければ訴訟に進む道は残ります。実務のポイント:自動車保険や火災保険に「弁護士費用特約」が付いていて、本人が気付いていないケースが非常に多い。年間数千円の特約で弁護士費用が数百万円までカバーされます。ADRか訴訟かで悩む前に、まず自分の証券の特約欄を確認してください
Q4共済に入っているんですが、同じ窓口が使えますか?
使えない可能性が高いです。105条の3が義務を課すのは保険業法上の損害保険会社であり、JA共済や県民共済などの制度共済は根拠法も監督官庁も別だからです。実務のポイント:少額短期保険業者はさらに別枠で、日本少額短期保険協会が指定機関になっています。証券の発行元が「保険会社」「少額短期保険業者」「共済」のどれかで持ち込み先が三分岐する。まず証券の発行主体の法的種別を確認するのが最短ルートです
間違えやすい点 AI による整理
- ADRという窓口があること自体は知っていても、その拘束力が片側にしか効かないことまで知っている人は少ない。特別調停案は、契約者側が受諾すれば保険会社側は原則として拒めない一方、契約者は受け入れずに訴訟へ進める。片方だけが縛られる設計だと理解した瞬間、申し立てる価値の見え方が変わる(要件の詳細は保険業法308条の7)
- 「どのADR機関を選べばいいか」という問いの立て方が、そもそもずれている。1項1号は、指定機関が存在する場合に「一の」指定損害保険業務紛争解決機関と契約せよと定める。損害保険業務の指定機関は実務上一つであり、選ぶ余地はない。考えるべきは選択ではなく、いつ持ち込むかというタイミングである
- 条文を読むと1項2号の「苦情処理措置及び紛争解決措置」が本命の受け皿に見えるが、実務は逆だ。指定機関が存在する限り1号が常時作動し、2号は指定機関が消滅したときの予備回路にすぎない。3項が定める猶予期間は、その切替の瞬間に契約者が無防備になる空白を作らないための緩衝材である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う主体 | 105条の3:損害保険会社 | 105条の2:生命保険会社 308条の7:手続実施基本契約を締結した金融機関一般 |
| 規律の内容 | 指定機関との手続実施基本契約の締結、または苦情処理措置及び紛争解決措置 | 同一構造の措置義務(生命保険業務の指定機関) 応諾義務、資料提出義務、特別調停案の尊重義務など契約の中身 |
| 公表義務 | 締結先の指定機関の商号又は名称を公表(2項) | 同旨の公表義務 不応諾・不受諾の事実を指定機関側が公表し得る仕組み |
| 契約者から見た使い道 | 損保の不払・減額紛争を無料で第三者手続へ乗せる根拠 | 生保の給付紛争を同じ回路へ乗せる根拠 相手方が席に着かざるを得ない実効性の源泉 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も金融機関側に評議手続への応諾を求め、一定額以下の事案では評議決定が金融機関を拘束する片面的構造を採る。日本の特別調停案の尊重義務と設計思想が近い
韓国は監督官庁である金融監督院の内部に調停委員会を置く点で日本と異なる。少額紛争では金融会社側の訴訟提起を制限する仕組みがあり、片面性の発想は共通する
ドイツは業界団体が設立した保険オンブズマンを法が承認する形を採る。一定額以下ではオンブズマンの決定が保険会社を拘束するとされ、片面的拘束力の点で日本と近い
米国は連邦レベルの指定 ADR 機関制度を持たず、州保険庁への苦情申立てと不公正請求処理規制、さらに bad faith 訴訟による損害賠償で不払を抑止する構造になっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風で屋根が破損し、火災保険の風災補償を請求したら「経年劣化」と一行で断られたら、どう動く? その判断を出した鑑定人は、保険会社が選んだ鑑定人である。第三者の目を入れる回路が、この条文の先に法定されている
- 追突され、相手方の任意保険会社の担当者が折り返してこなくなった。相手方の会社もまた、この条文の義務を負う損害保険会社だ。窓口は自分の契約先だけではない(申立適格は事案ごとに確認が要る)
- 損保代理店を営むあなたのもとに、契約者から「ADRに申し立てる」と告げられた。争点が募集時の説明義務違反に移れば、代理店に残る面談記録や提案書がそのまま資料提出の対象になる。手続実施基本契約は会社を縛るが、その資料要求は現場の代理店まで降りてくる
- 保険給付請求権の消滅時効は原則3年(保険法95条)。不払通知から交渉を重ねて2年半、あと半年で権利そのものが消えるのに、まだ社内の相談窓口を回っている。ADR申立てには時効の完成猶予効が用意されているが、完成してからでは戻せない
- 親から、地震保険の査定が「一部損」止まりで金額に納得できないと相談された。損害区分の争いはADRの典型事案で、鑑定の見直しに至った例もある。あなたが窓口の名前を出せるかどうかで、親が諦めるかどうかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不払・減額の理由を必ず書面で出させる。口頭説明のままでは争点が固まらない2. 保険証券、事故報告書、写真、鑑定結果、担当者との通話日時メモを時系列で整理3. まず保険会社の苦情窓口へ書面で申出、期限を切って回答を求める4. 解決しなければ、指定機関へ「苦情」ではなく「紛争解決手続の申立て」として明示的に持ち込む。費用は原則無料5. 消滅時効までの残月数を先に計算し、逆算で動く
訴えられた側:1. 保険会社側は、指定機関との手続実施基本契約の締結状況と、2項の公表義務の履行状態(サイト表記・約款・パンフレット)を点検2. 代理店・募集人の面談記録や提案書は資料提出の対象になりうるため、保存期間と検索性を先に整える3. 申立てを受けたら不応諾は選択肢にならない前提で、社内の決裁ラインと和解権限枠を先に設計4. 指定機関が廃止・取消しとなった場合は3項の猶予期間内に1項2号の措置へ移行する
時効(請求できる期限):105条の3の措置義務は保険会社に常時課されるもので、それ自体に期限はない。時計が動くのは請求権の側である。保険給付を請求する権利の消滅時効は原則3年(保険法95条1項、起算点は権利を行使できる時)、自賠責保険の被害者請求権も3年(自動車損害賠償保障法16条・19条)。ADR申立てには時効の完成猶予効が認められるが、完成後の申立てでは復活しない。3項の各猶予期間は内閣総理大臣が定めるため、切替時は最新の告示をご確認ください
学説
制度理解(一般的説明):金融 ADR は、指定機関との手続実施基本契約を通じて金融機関側だけに応諾義務と特別調停案の尊重義務を負わせ、顧客側は結果を拒んで訴訟へ進める片面的設計を採る。実効性は罰則ではなく、不応諾・不受諾の公表という評判制裁に支えられていると説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)改正・平成22年(2010年)施行 金融ADR制度の創設に伴い新設された条文とされる。業態ごとに指定紛争解決機関を置き、金融機関に手続実施基本契約の締結を義務付ける枠組みが、保険業法にも導入された。改正法の法律番号・施行日・その後の改正回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成21年(2009年)改正・平成22年(2010年)施行 新設:金融分野の裁判外紛争解決制度(金融 ADR)の創設に伴い新設されたとされる。業態ごとに指定紛争解決機関を置き、金融機関に手続実施基本契約の締結を義務付ける枠組みが保険業法にも導入された。改正法の法律番号・施行日・その後の改正回数は人的検証が必要
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