保険業法 第54条の5(計算書類等の社員への提供)
クイックジャンプ
取締役は、定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会。以下この款において同じ。)の招集の通知に際して、内閣府令で定めるところにより、社員(総代会を設けているときは、総代。以下この款において同じ。)に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。
この条文の基本情報
計算書類等の社員への提供とは何ですか?
定義計算書類等の社員への提供とは、保険業法第54条の5に定められた規定で、「取締役は、定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第54条の5(計算書類等の社員への提供)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第54条の5の条文原文は「取締役は、定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会。」で始まります。
- 保険業法第54条の5は第二目 計算書類等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第54条の5の前の条は保険業法第54条の4です。
- 保険業法第54条の5の次の条は保険業法第54条の6です。
- 保険業法第54条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第54条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第54条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/54_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法54条の5は、相互会社の取締役が定時社員総会(総代会設置時は定時総代会)の招集通知に際し、社員(総代)へ計算書類・事業報告・監査報告を提供する義務を定める。
Q · 相互会社の総代会の招集通知には、決算書類も一緒に送られてくるのですか?
はい。計算書類・事業報告・監査報告の提供は法律上の義務です
保険業法54条の5により、取締役は定時社員総会(総代会設置会社では定時総代会)の招集通知に際して、社員(総代)に対し、54条の4第3項の承認を受けた計算書類および事業報告を提供しなければなりません。括弧書きにより監査報告・会計監査報告も提供対象に含まれます。提供方法は内閣府令の定めるところによります。総会当日に会場で配布する扱いは「招集の通知に際して」の要求を満たすか疑わしく、招集手続の瑕疵として決議の効力を争う材料になり得ます。
解説
保険会社が「情報を渡す義務」を負う瞬間が、法律上ここに固定されている。相互会社の取締役は、定時社員総会(総代会があればその総代会)の招集通知を出すとき、その通知に合わせて計算書類と事業報告、そこに付いた監査報告・会計監査報告まで、社員(総代)に届けなければならない。会議当日に配ればいい書類ではない。招集通知に「際して」と書かれている以上、あなたが検討時間を確保できるタイミングで届くことが法の要求である。あなたが相互会社の保険契約者なら、あなたは株主ではないが社員である。総代に選ばれれば、この条文があなたの手元に会社の財務諸表と監査人の意見書を運んでくる。届かなかった、あるいは総会直前に投げ込まれた場合、それは単なる事務ミスではなく、決議取消しを争う際の手続的瑕疵の材料になる。渡す側にとっては、内閣府令の定める方式(電子提供措置を含む)を外した瞬間に同じ穴が開く。
法的な位置づけ
保険業法54条の5は、相互会社における計算書類等の提供義務を定める規定である。取締役は、定時社員総会(総代会設置会社にあっては定時総代会)の招集の通知に際して、内閣府令の定めるところにより、社員(総代)に対し、承認を受けた計算書類および事業報告(監査報告または会計監査報告を含む)を提供する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.招集通知の到達日と同封物を確定する 封筒を開封した状態で写真に残し、消印または配達記録で到達日を押さえる。計算書類、事業報告、監査報告、会計監査報告の4点が揃っているかを一点ずつ照合する
- 2.電子提供措置が採られていないか確認する 招集通知に電子提供措置に関する記載がある場合、指定されたウェブサイトの掲載内容と掲載開始日を確認し、画面を保存する。紙で欠けていても電子で提供済みなら義務は履行されている可能性がある
- 3.総会前に会社へ書面で提供を求める 欠落している書類を特定し、総代会開催日より前に書面またはメールで提供を請求する。請求日と会社の回答を記録に残し、往復の経緯を証拠化する
- 4.総会当日に議事録化を意識した質問を行う 書類が提供されないまま議案の審議に入る場合、その事実を議場で指摘し、議事録に残るかたちで質問する。これにより後日の争いで手続の瑕疵を主張しやすくなる
- 5.決議の効力を争うか期間内に判断する 決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内という制約があるため、総会終了後すぐに弁護士へ相談し、瑕疵の重大性と提訴の可否を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社の計算書類提供義務とは何ですか?
保険業法54条の5が定める義務で、取締役が定時社員総会(総代会)の招集通知に際し、社員(総代)へ承認済みの計算書類と事業報告、監査報告を届けるものです。
Q2計算書類はいつまでに届く必要がありますか?
条文は「招集の通知に際して」と定めるため、招集通知と同時またはこれに準ずる時期の提供が必要です。総会当日の会場配布では義務の履行として不十分となる可能性があります。
Q3監査報告も提供対象に含まれますか?
含まれます。条文は括弧書きで「監査報告又は会計監査報告を含む」と明記しており、計算書類だけを送って監査報告を欠く提供は不完全です。
Q4総代会がある会社では一般の社員にも送られますか?
送られません。総代会設置会社では提供先は総代に限られます。一般社員は備置書類の閲覧・謄本交付請求など別の経路を使う必要があります。
Q5電子提供でも義務を果たせますか?
内閣府令の定めるところによる提供が要件であり、府令が認める電磁的方法によることができます。方式の要件を外すと提供義務違反となり得ます。
Q6書類が届かなかった場合どうすればよいですか?
封筒と同封物を開封時の状態で記録し、到達日を押さえたうえで会社に書面で提供を求めます。総会前に指摘するほど是正を求めやすくなります。
Q7提供義務違反は決議の取消事由になりますか?
招集手続の法令違反として決議取消しの訴えの対象となり得ます。ただし瑕疵の重大性と決議への影響を踏まえた個別判断となり、実務上の評価は分かれます。
Q8株式会社の保険会社にも同じ規定が適用されますか?
適用されません。54条の5は相互会社の規定です。株式会社形態の保険会社には会社法437条の株主提供義務が適用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1総代会がある会社だと、普通の契約者には何も送られてこないんですか?
54条の5が提供先とするのは総代会を設けている場合の総代であり、一般の社員への個別送付は義務づけられていない。ただし相互会社は計算書類等を本店等に備え置き、社員は閲覧・謄本交付を請求できる仕組みが別に用意されている。実務のポイント:総代の氏名や選出方法は会社ごとに公表方法が異なり、自分の地区の総代が誰かを把握している契約者はほとんどいない。総代に直接意見を伝える経路を持つかどうかで、同じ契約者でも会社への影響力がまったく変わる
Q2監査報告だけ入っていなかったら、それは違反になりますか?
条文は括弧書きで監査報告および会計監査報告を提供対象に含めているため、これを欠く提供は義務の履行として不完全である。もっとも決議の効力にどこまで影響するかは、瑕疵の重大性と決議への影響を踏まえた個別判断となり、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:欠落を指摘するなら総会の前が圧倒的に有利である。会社側は総会前なら追加提供で治癒しようとするが、決議後に持ち出すと軽微な瑕疵だという反論に回られる
間違えやすい点 AI による整理
- 「書類は総会の会場で配れば足りる」と考えている実務担当者は少なくない。条文は「招集の通知に際して」と定めており、通知と同時またはそれに準ずるタイミングでの提供を求めている。当日配布は提供義務の履行として危うく、社員の検討時間を奪った点が争点化しうる
- 提供義務の存在自体は知られているが、その射程の深刻度が見落とされている。提供対象には監査報告および会計監査報告が括弧書きで含まれる。計算書類だけ送って監査報告を欠いた発送は、量的には一部の欠落でも、社員が経営陣の説明を検証する唯一の外部意見を落としたという意味で、質的には中核部分の不提供である
- 「相互会社にも株主総会がある」という前提で調べ始める人がいるが、問いの立て方が誤っている。相互会社に株主は存在せず、保険契約者が社員となり、その意思決定機関は社員総会、規模の大きな会社ではこれに代わる総代会である。株式会社の枠組みで検索しても、自分に適用される条文には辿り着かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法54条の5:招集通知に際しての計算書類等の提供 | 保険業法54条の4:計算書類等の承認手続 保険業法54条の6:計算書類等の備置きと閲覧請求 |
| 名宛人・相手方 | 取締役が社員(総代会設置時は総代)へ提供 | 取締役会等が承認、社員総会への報告・承認へ接続 会社が備え置き、社員・債権者が閲覧等を請求 |
| 情報が届く経路 | 会社側からの能動的な送付(プッシュ型) | 社内手続として完結、社員には直接届かない 請求した者だけが取得(プル型) |
| 違反した場合の主な帰結 | 招集手続の瑕疵として決議取消しを争う材料 | 承認を欠く計算書類の提供という前提の瑕疵 閲覧請求の拒絶として是正を求める問題 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も相互保険組織を保険法で規律し、会計表冊の備置・査閲を株式会社法制に準じて設計している。社員への能動的な送付義務の明示という点で日本と構造が異なる
韓国は商法で財務諸表等の備置・公示を定める。相互会社形態の保険会社は日本ほど一般的でなく、株式会社形態を前提とした規律が中心となる
ドイツの相互保険組合(VVG a. G.)は保険監督法(VAG)に規律され、社員総会または代表者会議への情報提供が定められている。総代会に相当する代表者制度を持つ点で日本と近い
米国は州ごとに相互保険会社の規律が異なる。ポリシーホルダーが会員となる構造は日本の相互会社と同様だが、情報提供の範囲と方法は州法および定款に委ねられる部分が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 総代に選出されて初めての定時総代会。届いた封筒に招集通知だけが入っていて、計算書類も監査報告も見当たらない。会場で配ると言われたが、その場で数百ページを読んで議決権を行使できるはずがない。この時点で54条の5違反を指摘する足場がある
- 保険会社の総務・法務担当として招集通知の発送準備をしている側。会計監査人の監査報告が発送予定日に間に合わないと監査法人から連絡が入った。あと5日。監査報告を欠いたまま発送すれば提供義務違反、発送を遅らせれば招集期間(54条の3)を割る。どちらを取るかを役員会に上げる期限が今日である
- もし総代会の決議が終わったあとで、提供された事業報告に重大な記載漏れがあったと分かったら? 提供はされていたが内容が欠けていた場合、提供義務の履行と言えるのか。実務上、記載事項の欠落が決議の取消事由になるかは事案ごとの判断で、争い方が分かれている
- 相互会社の社員として、自分は総代ではない。総代会を設けている会社では、この条文が書類を届ける相手は総代であって一般の社員ではない。自分の会社の資産と負債がどうなっているかを知る経路は、別の閲覧請求の仕組みに切り替わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知の封筒と同封物を、開封時の状態で写真に残し、到達日を消印で押さえる2. 計算書類、事業報告、監査報告、会計監査報告のどれが欠けているかを一覧化する3. 総代会の前に会社へ書面で提供を求め、その往復を記録に残す4. 提供のないまま決議に至った場合、手続の瑕疵として決議の効力を争う余地があるため、総会日から逆算した提訴期間を弁護士と確認する
訴えられた側:1. 発送記録、印刷会社への入稿記録、電子提供措置を採った場合は掲載開始日のログを保全する2. 欠落が一部にとどまるのか中核部分かを切り分け、追加提供と説明で治癒できる範囲を判断する3. 招集期間と提供時期の双方を満たす発送日程を再設計し、監査報告の受領期限を監査法人と再交渉する4. 瑕疵が軽微であり決議に影響を及ぼさないという主張の材料を、提供済み書類の範囲から積み上げる
時効(請求できる期限):決議の取消しを求める訴えは、決議の日から3か月以内に提起しなければならない(会社法831条1項、保険業法により相互会社の社員総会・総代会に準用。最新の改正状況をご確認ください)。提供義務それ自体には特定の時効はないが、損害賠償を求める場合は一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)による
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める