民事訴訟法 第109条の2(電子情報処理組織による送達)
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- 電磁的記録の送達は、前条の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、送達すべき電磁的記録に記録されている事項につき次条第一項第一号の閲覧又は同項第二号の記録をすることができる措置をとるとともに、送達を受けるべき者に対し、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用して当該措置がとられた旨の通知を発する方法によりすることができる。ただし、当該送達を受けるべき者が当該方法により送達を受ける旨の最高裁判所規則で定める方式による届出をしている場合に限る。
- 2.前項ただし書の届出をする場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、同項本文の通知を受ける連絡先を受訴裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
- 3.第一項本文の通知は、前項の規定により届け出られた連絡先に宛てて発するものとする。
この条文の基本情報
電子情報処理組織による送達とは何ですか?
定義電子情報処理組織による送達とは、民事訴訟法第109条の2に定められた規定で、「電磁的記録の送達は、前条の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、送達すべき電磁的記録に記録されている事項につき次条第一項第一号の閲覧又は同項第二…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第109条の2(電子情報処理組織による送達)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第109条の2の条文原文は「電磁的記録の送達は、前条の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、送達すべき電磁的記録に記録されている事項につき次条第一項第一号の閲覧又は同項第二…」で始まります。
- 民事訴訟法第109条の2は第三款に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第109条の2の前の条は民事訴訟法第109条です。
- 民事訴訟法第109条の2の次の条は民事訴訟法第109条の3です。
- 民事訴訟法第109条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第109条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第109条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/109_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法109条の2は、電磁的記録の送達を、閲覧等をできる措置と電子情報処理組織による通知の発信で行えると定める。ただし本人が届出をしている場合に限られる。
Q · 裁判所からの書類、メールの通知が来ただけで「届いた」ことになるんですか?
自分で届出をした場合に限り、通知を発する方法で送達できます
民事訴訟法109条の2により、電磁的記録の送達は、閲覧等をできる措置をとったうえで、電子情報処理組織を使用してその旨の通知を発する方法によることができます。ただし1項ただし書により、送達を受けるべき者が最高裁判所規則で定める方式による届出をしている場合に限られます。届出をする際は通知を受ける連絡先を受訴裁判所に届け出る必要があり、送達受取人を併せて届け出ることもできます(2項)。通知は届け出られた連絡先に宛てて発せられます(3項)。
解説
裁判所からの書類は紙で届く、そう思い込んでいないだろうか。民事訴訟法109条の2は、訴状も判決書も「システム上に置きました」という通知だけで送達を完了させる仕組みを作った。ただし絶対条件がある。あなた自身が「その方法で受け取ります」と裁判所に届出をしていること。届出をしていなければ、電子送達は使えない。逆に言えば、一度届出をした瞬間から、あなたの通知先メールアドレスは法的な送達の入口になる。届け出た連絡先が使われなくなったアドレスだったら、あるいは迷惑メールフォルダに振り分けられていたら、あなたが気付かないまま次条の期間が進み、答弁書の提出期限も控訴期間も走り始める。紙の封筒なら家族が受け取ってくれるが、システムの通知は誰も代わりに見てくれない。あなたが届け出た一行のメールアドレスが、あなたの訴訟のライフラインになる。
法的な位置づけ
民事訴訟法109条の2は、電磁的記録の送達についていわゆるシステム送達を定める規定であり、閲覧等をできる措置をとることと、電子情報処理組織を使用して当該措置がとられた旨の通知を発することの二つを内容とする。適用は送達を受けるべき者が最高裁判所規則所定の方式で届出をしている場合に限られ、通知先および送達受取人は当該届出により特定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届出をするかどうかを受信体制から判断する 電子送達の届出は義務ではなく選択である。届け出れば通知先が唯一の入口になるため、便利さではなく「そのアドレスを毎日誰かが確実に見るか」「2年後も生きているか」を基準に決める
- 2.通知先を個人ではなく組織アドレスで設計する 2項により通知を受ける連絡先を受訴裁判所に届け出る。担当者個人のアドレスではなく、法務部門の共有アドレスやグループアドレスを選び、担当者一人の受信環境に訴訟の命運を預けない
- 3.送達受取人を併せて届け出る 2項後段は送達受取人をも届け出ることができると定める。訴訟代理人や法務担当を受取人に指定し、個人アドレスの管理リスクを組織側へ移す
- 4.受信環境を整備しフィルタから除外する 届け出たアドレスで裁判所ドメインを迷惑メールフィルタの除外リストに登録し、受信ログを保存する。転送設定を組む場合も、元アドレスでの保存を止めない
- 5.担当者交代・連絡先変更の当日に変更届を出す 3項は届け出られた連絡先に宛てて発すると定めるだけで、裁判所に到達確認の義務はない。人事異動やアドレス変更が生じたら、住所変更届と同じタイミングで通知先の変更届も提出する
よくある質問 AI による整理
Q1電子送達とは何ですか?
裁判所が電磁的記録を閲覧等できる状態にし、その旨の通知を電子情報処理組織で発することによる送達方法です。民事訴訟法109条の2が根拠で、届出をした者だけが対象になります。
Q2電子送達の届出はどこにするのですか?
受訴裁判所に対して行います。1項ただし書の届出に加え、2項により通知を受ける連絡先も届け出る必要があり、方式は最高裁判所規則で定められています。
Q3電子送達はいつ効力が生じますか?
109条の2は送達の方法を定めるだけで、効力発生時点は次条109条の3が定めます。閲覧等をした時のほか、通知が発せられた日から一定期間の経過も基準となります。
Q4送達受取人とは何ですか?
本人に代わって送達を受ける者として届け出る相手方です。2項後段により、届出の際に併せて届け出ることができ、弁護士や法務部門を受け皿にできます。
Q5電子送達の届出をしていないとどうなりますか?
109条の2は使えません。1項ただし書が届出をしている場合に限ると明記しているため、前条109条の原則的な方法による送達になります。
Q6会社が電子送達を届け出るときの注意点は?
担当者の個人アドレスを届け出ると異動や退職で失効します。複数人が確認する共有アドレスを選び、送達受取人の届出も併用し、人事異動時に変更届を出す運用が要ります。
Q7届け出た連絡先に通知が届かない場合はどうなりますか?
通知を発することができない場合の取扱いは109条の4が定めています。3項は届け出られた連絡先に宛てて発すると定めるだけで、到達の確認までは求めていません。
Q8電子送達だと控訴期間はいつから数えますか?
起算点は送達の効力が生じた時であり、その時点は109条の3が定めます。そこから控訴期間2週間(285条)などの不変期間が進行します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電子送達の届出って、一度したら取り消せないんですか?
届出の方式や変更・撤回の手続は最高裁判所規則で定められており、2項も届出内容の変更を想定した制度設計になっている。担当者交代やアドレス失効の場面では変更届が実務上の要になる。実務のポイント:多くの人が住所変更届は出すのに通知先の変更届を忘れる。3項は届け出られた連絡先に宛てて発すると定めるだけなので、裁判所は古いアドレスに発し続け、それは法的に有効な通知になる(最新の規則をご確認ください)
Q2通知メールを見ていなくても、送達されたことになるんですか?
本条が定める送達の要件は、閲覧等をできる措置をとることと、届け出られた連絡先に通知を発することであり、受信者の開封は要件に入っていない。効力がいつ生じるかは次条(109条の3)が定める。実務のポイント:紙の送達には不在票・再配達・同居者受領といった気付きの機会が何重にもあったが、電子送達ではそれが消える。届出をする前に、そのアドレスを毎日誰かが確実に見る体制があるかを確認しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判の IT 化で、これからは全員がオンラインで書類を受け取ることになる」という理解は、本条に関する限り誤りである。1項ただし書が明確に、電子送達を受ける旨の届出をしている者に限ると限定している。届出をしない当事者には従来どおりの送達方法が使われる。オンライン化は原則ではなく、当事者の選択によって開かれる扉である
- 電子送達を「便利になった」という利便性の話として受け取っている人が多いが、深刻さの度合いを見誤っている。紙の送達には郵便配達員という第三者の関与、不在票、再配達、家族の受領といった何重もの気付きの機会があった。通知メール一通に置き換わるということは、その冗長性がすべて消えるということである。便利さと引き換えに失ったものの大きさを、届出をする前に計算しておくべきだ
- 「送達を受けたかどうかは、自分がメールを開いたかで決まる」と考えるのは、問いの立て方そのものが違う。本条が定めるのは閲覧等をできる措置をとることと通知を発することであり、あなたの開封は要件に含まれない。効力発生の時点は次条(109条の3)が定める。読んだか読んでいないかではなく、いつ効力が生じるかを条文の側から把握しなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 109条の2:閲覧等の措置+通知の発信による送達方法 | 109条:電磁的記録の送達の原則規定 109条の3:本条による送達の効力発生時点 |
| 適用の前提 | 送達を受けるべき者の届出があること(1項ただし書) | 届出の有無を問わず適用される原則 109条の2による送達がされたこと |
| 当事者の選択余地 | 届出をするかどうかを本人が選べる | 選択の余地はなく原則的方法による 選択の余地なし、時点は法定 |
| 実務上の管理対象 | 通知先アドレスと送達受取人の維持管理 | 書類の受領体制 期間の起算と不変期間の管理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も科技設備による送達を認め、プラットフォーム利用の同意を前提とする点で日本と発想が近い
韓国は電子訴訟専用法で電子送達を規律し、登録利用者に対する送達という枠組みを採る
ドイツは2022年施行の改正で電子的受領確認による送達を整備し、弁護士等には電子的受領義務を課す点で日本より強制度が高い
米国連邦民訴規則も電子的送達に当事者の同意を要件とし、同意の範囲内で送達が完了する構造をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社の法務担当として訴訟対応の効率化のため電子送達の届出をした。半年後、その担当者が退職し、届け出た個人アドレスが失効。裁判所は規定どおり通知を発したが誰も見ていない。届出の名義と連絡先の管理を人事異動と連動させていなかったことが、そのまま訴訟上の不利益になる
- もし届け出たメールアドレスが迷惑メール判定されていたら、何が起きるだろうか。本条は「通知を発する方法」による送達であり、あなたが実際に読んだかどうかは要件ではない。通知が発せられ、次条の定める時点が到来すれば送達の効力は動き出す。受信環境の整備は、あなた側の責任範囲にある
- 本人訴訟で原告になった。裁判所から電子送達の届出を勧められたが、内容がよく分からないまま用紙にチェックを入れた。以後、判決書もこの経路で届く。あと14日で控訴期間が切れる、そう気付いたのは通知メールを10日後に開いたときだった
- 被告として訴えられた側。あなたはまだ届出をしていない。この場合、本条は使えず、前条109条の原則どおり書類の交付送達になる。つまり電子送達を受けるかどうかは、被告であっても自分で選べる。訴えられた瞬間に自動的にオンライン化されるわけではない
- 訴訟中に引っ越して連絡先を変えた。住所変更は届け出たが、通知先アドレスの変更を届け出るのを忘れた。本条3項は「届け出られた連絡先に宛てて発する」と定める。裁判所は古いアドレスに送り続け、その通知は法的には有効に発せられている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 電子送達の届出をするかどうかを、便利さではなく受信体制で判断する。個人アドレス単独は避け、複数人が見る共有アドレスを選ぶ2. 届出と同時に、2項後段の送達受取人の届出も検討し、弁護士や法務担当を受け皿にする3. 届け出たアドレスを迷惑メールフィルタの除外リストに登録し、裁判所ドメインを許可する4. 訴訟係属中に担当者交代・アドレス変更が生じたら、その日のうちに変更届を提出する
訴えられた側:1. まだ届出をしていないなら、電子送達は使えない。前条の原則的な送達方法によることを確認し、届出をするかどうかを弁護人・代理人と相談してから決める2. すでに届出をしている状態で通知を見落とし期限が迫っている場合、次条が定める効力発生時点を確認し、追完(民事訴訟法97条の訴訟行為の追完)の余地があるかを直ちに検討する3. 見落としの原因が受信環境にあった場合、その事実関係と記録を保存しておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし本条による送達がされると、次条(民事訴訟法109条の3)の定める時点で送達の効力が生じ、そこから答弁書提出期限、控訴期間2週間(民事訴訟法285条)、上告期間2週間(同313条)といった不変期間が起算される。届出はその起算点の入口を自ら設定する行為である(施行状況および最高裁判所規則の詳細は最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟法等の一部を改正する法律により新設。民事裁判手続の IT 化に伴い、電磁的記録の送達について、閲覧等をできる措置と電子情報処理組織による通知の発信を組み合わせた方法を、届出をした者に限り認める規定が設けられた
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