民事訴訟法 第133条の2(秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則)
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- 秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出部分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。
- 2.前項の場合において、裁判所は、申立てにより、決定で、訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項又は秘匿事項を推知することができる事項が記載され、又は記録された部分(以下この条において「秘匿事項記載部分」という。)に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限ることができる。
- 3.前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該秘匿決定に係る秘匿対象者以外の者は、当該秘匿事項記載部分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができない。
- 4.第二項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.裁判所は、第二項の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等(電磁的訴訟記録又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項及び次項において同じ。)中当該秘匿事項記載部分につき、その内容を書面に出力し、又はこれを他の記録媒体に記録するとともに、当該部分を電磁的訴訟記録等から消去する措置その他の当該秘匿事項記載部分の安全管理のために必要かつ適切なものとして最高裁判所規則で定める措置を講ずることができる。
- 6.前項の規定による電磁的訴訟記録等から消去する措置が講じられた場合において、その後に第二項の申立てを却下する裁判が確定したとき、又は当該申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときは、裁判所書記官は、当該秘匿事項記載部分をファイルに記録しなければならない。
この条文の基本情報
秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則とは何ですか?
定義秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則とは、民事訴訟法第133条の2に定められた規定で、「秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出部分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第133条の2(秘匿決定があった場合における閲覧等の制限の特則)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第133条の2の条文原文は「秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出部分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。」で始まります。
- 民事訴訟法第133条の2は第八章 当事者に対する住所、氏名等の秘匿に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第133条の2の前の条は民事訴訟法第133条です。
- 民事訴訟法第133条の2の次の条は民事訴訟法第133条の3です。
- 民事訴訟法第133条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第133条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第133条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/133_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法133条の2は、秘匿決定があった場合に秘匿事項届出書面の閲覧を本人に限り、申立てにより記録中の住所推知部分の閲覧も制限できると定める。
Q · 秘匿決定を取れば、訴えても相手に住所はバレないの?
届出書面は守られるが記録の他部分は別途申立てが必要
民事訴訟法133条の2第1項により、住所・氏名を記した秘匿事項届出書面は秘匿対象者本人しか閲覧・謄写できなくなります。ただし記録の他の部分に住所を推知させる記載が残っていると、第2項の申立てをしない限り相手が閲覧できます。申立てがあれば、その裁判が確定するまで相手の閲覧は停止し(3項)、却下されても即時抗告で争えます(4項)。令和5年2月施行の比較的新しい制度です。
解説
DV の末に家を出て、別の街で名前も伏せて暮らし始めた。元配偶者を慰謝料で訴えたい。だが訴状を出せば、こちらの今の住所が相手の手元に渡る。それが怖くて泣き寝入りする人が、これまで山ほどいた。133条の2は、その壁を壊すために令和5年2月にできた仕組みの中核だ。裁判所が秘匿決定を出すと、あなたの住所や氏名を書いた届出書面は、あなた本人しか閲覧・謄写できなくなる。さらにこの条文の真価は2項にある。届出書面そのものだけでなく、訴訟記録の他の部分に住所を推知させる記載が紛れ込んでいても、申立てればその部分への相手のアクセスを止められる。加害者は、あなたを訴え返すことはできても、あなたの居場所だけは記録から拾えない。あなたが知っておくべきは、これが自動では発動しないという点だ。秘匿決定(133条)を申し立て、さらに記録の他部分は2項で別途申立てる。動かなければ守りは始まらない。
法的な位置づけ
民事訴訟法133条の2は、秘匿決定後の訴訟記録の閲覧制限を定める特則である。秘匿事項届出書面の閲覧・謄写は秘匿対象者本人に限られ、第2項は記録中の秘匿事項記載部分についても申立てにより閲覧を本人に限定できると規定する。訴訟記録の閲覧原則(91条)に対する例外を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提訴前に弁護士へ相談し秘匿決定を準備 普通に訴状を出すと記録が先に相手の閲覧対象になる。提訴と同時か先行して秘匿決定(133条)を申し立てる準備をし、DV・ストーカー・犯罪被害の疎明資料を整える
- 2.住所・氏名を秘匿事項届出書面に分離して提出 訴状本体に新住所を書かず、住所・氏名は秘匿事項届出書面に記載して別途提出する。これにより第1項の効果で本人以外の閲覧・謄写が止まる
- 3.記録の他部分の住所推知記載を点検し第2項で制限 添付資料・過去提出書面・封筒の差出地など、記録の別ページに住所を推知させる記載が残らないか確認する。残るなら133条の2第2項の申立てでその部分の閲覧も本人に限定する
- 4.相手方の即時抗告に備える 相手は制限決定や第2項申立ての却下に対し即時抗告(4項)で争える。秘匿の必要性を厚く疎明し、申立てから裁判確定まで閲覧が停止する効果(3項)を活用する
よくある質問 AI による整理
Q1秘匿決定とは何ですか?
DV・ストーカー・犯罪被害者等が住所や氏名を相手に知られず訴訟を追行できるよう、裁判所がこれらを秘匿事項として保護する決定です(民訴133条)。
Q2民事訴訟法133条の2はいつから施行されましたか?
令和4年法律第48号で新設され、令和5年(2023年)2月20日に施行されました。民事訴訟の IT 化改正のうち先行施行された部分です。
Q3秘匿事項届出書面とは何ですか?
秘匿対象者の住所・氏名など秘匿事項を記載して裁判所に届け出る書面です。133条の2第1項により、この書面は本人しか閲覧・謄写できません。
Q4DV 加害者に住所を知られずに訴える方法はありますか?
提訴前または提訴と同時に秘匿決定(133条)を申し立て、住所を秘匿事項届出書面に分離します。記録の他部分は133条の2第2項で別途制限します。
Q5秘匿決定や閲覧制限の申立てに費用はかかりますか?
申立て手数料は比較的低額ですが、疎明資料の準備や弁護士費用が実質的な負担になります。提訴の順番を誤ると保護が間に合わないため事前相談が重要です。
Q6秘匿事項記載部分とは何ですか?
秘匿事項届出書面以外の訴訟記録のうち、住所など秘匿事項やそれを推知させる事項が記載・記録された部分を指します(133条の2第2項)。
Q7秘匿決定の取消しはできますか?
秘匿の要件を欠くに至った場合などに、利害関係人が取消しを申し立てられます(民訴133条の4)。取消しが確定すると本人以外も閲覧できるようになります。
Q8閲覧制限の即時抗告はいつまでにすればよいですか?
第2項の申立てを却下した裁判への即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内です(民訴332条)。期間を過ぎると争えません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1秘匿決定を取れば、相手には私の住所が一切バレないんですか?
住所・氏名を書いた秘匿事項届出書面については、あなた本人以外閲覧できなくなります(133条の2第1項)。ただし記録の他の部分に住所を推知させる記載が紛れていると、そこは第2項の申立てをしない限り相手が見られます。実務のポイント:弁護士は秘匿決定だけでなく、過去に提出済みの書面・添付資料・封筒の差出地まで住所の痕跡を洗います。素人は届出書面さえ守れば安心と思いがちですが、防御の穴は記録の隅にある脇役の一枚に潜んでいます
Q2訴えられた側ですが、相手の住所が黒塗りで防御できません。どうすれば?
第2項による制限の却下を求めるか、制限決定に対して告知から1週間以内に即時抗告できます(133条の2第4項、332条)。防御に具体的に必要な理由を示すことが鍵です。実務のポイント:裁判所は「被害者の安全」と「相手の防御権」を天秤にかけます。漠然と全記録を要求しても通りませんが、送達や反訴に客観的に必要な範囲を絞って主張すると、一部開示が認められることがある。範囲を絞れる側が有利になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判を起こせば自分の住所は当然相手に渡る」と思い込んで提訴をためらう人が多い。だが令和5年2月以降、秘匿決定を取れば住所・氏名は本人限定の届出書面に分離される。問題は制度の存在を知っているかどうかで、知っている被害者と知らない被害者が、同じ状況で正反対の行動を取る
- 秘匿決定さえ取れば記録全体が安全だと誤解されがちだが、それは届出書面だけの話。記録の他の部分に住所を推知させる記載が残っていれば、そこは別途133条の2第2項の申立てをしない限り相手が閲覧できる。「決定が出た=完全に守られた」という安心が、実は最大の穴になる
- あなたから見れば「被害者を守る当然の制限」だが、訴えられた相手から見れば「防御に必要な情報を奪われた手続」になる。この落差を理解しないまま申立てると、相手の即時抗告(4項)で制限が覆され、かえって安全だと油断していた住所が開示される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 133条の2:秘匿決定後の記録閲覧を本人に限る特則 | 133条:秘匿決定そのものの申立て・要件 91条:訴訟記録の閲覧等の原則(誰でも閲覧可) |
| 保護の対象 | 秘匿事項届出書面(1項)+記録中の秘匿事項記載部分(2項) | 住所・氏名等の秘匿事項そのもの 制限なし(公開が原則) |
| 発動方法 | 1項は秘匿決定で自動、2項は別途申立てが必要 | 秘匿対象者の申立て+裁判所の決定 請求すれば閲覧可 |
| 不服申立て | 2項却下に即時抗告可(4項)、申立て中は閲覧停止(3項) | 133条の4で取消し申立てが可能 — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は家庭内暴力被害者の秘密住居所保護と、裁判所による記録閲覧の制限を組み合わせて対応する。条文単位の統一的な秘匿制度は日本ほど体系化されていない。
韓国も秘密保護のために訴訟記録の閲覧を制限する規定を持ち、被害者保護の文脈で活用される。日本の133条の2と機能的に近い。
米国は連邦統一規定ではなく、州ごとの住所秘匿プログラムや裁判所による記録の封印(sealing)・仮名(pseudonym)利用で対応する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ストーカーから逃げて転居し、損害賠償を起こしたい。もし訴状に新住所を書いて提出したら、それは相手に届く記録になるのか。秘匿決定を先に取れば、住所欄は届出書面に分離され、あなた本人以外は閲覧できなくなる。提訴の順番を間違えると、最初の一通で居場所が漏れる
- 離婚調停が決裂し人事訴訟へ移行。家裁から地裁へ舞台が変わる局面で、過去に出した書面に新住所が残っていないか。秘匿事項を推知させる記載が記録の別ページに紛れていたら、133条の2第2項の申立てでその部分も封じる。記録は何十枚もあり、どこに住所の痕跡があるかは弁護士でも見落とす
- あなたが訴えられた側で、相手の住所や勤務先が記録から黒塗りになっている。防御に必要だと感じても閲覧できない。この制限はあなたの即時抗告で争える(4項)。ただし告知から1週間が勝負。期間を過ぎれば、記録の一部が見えないまま審理が進む
- 犯罪被害者が加害者に民事で賠償請求する。住所を知られれば報復が怖い。秘匿決定と133条の2で記録ごと守る。提訴前に弁護士へ相談するのが分水嶺
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提訴前に弁護士へ相談し、秘匿決定(133条)の申立てを提訴と同時か先行して準備する。普通に訴状を出してしまうと記録が先に相手の閲覧対象になる2. 住所・氏名は秘匿事項届出書面に分離して提出、これで本人以外の閲覧が止まる3. 訴訟記録の他の部分に住所を推知させる記載が残らないか確認し、残るなら133条の2第2項の申立てでその部分も制限する4. 相手が即時抗告(4項)で争う可能性に備え、秘匿の必要性(DV・ストーカー被害の疎明資料)を厚く準備する
訴えられた側:1. 記録の一部が閲覧制限されていて防御に必要だと判断したら、第2項の申立てを却下させる、または制限決定に対し即時抗告(4項)を検討する2. 即時抗告は決定の告知から1週間の不変期間内、これを逃すと制限が固まる3. 自分の防御に本当にその情報が必要かを具体的に主張、抽象的な「全部見たい」では通らない4. 相手の秘匿の必要性が乏しいと考えるなら、秘匿決定自体の取消し(133条の4)を申し立てる道もある
時効(請求できる期限):第2項の申立てを却下した裁判への即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内(民事訴訟法332条)。秘匿決定の申立て自体に特定の期限はないが、記録が相手に閲覧される前に動くことが実質的な期限。申立て後はその裁判が確定するまで秘匿対象者以外の閲覧が停止する(3項)
学説
通説:133条の2は、訴訟記録の閲覧原則(91条)に対し、被害者の安全確保のために設けられた特則である。1項は秘匿決定の効果として当然に生じるが、2項の秘匿事項記載部分の制限は別途の申立てと裁判所の判断を要し、相手方の防御権との調整は即時抗告(4項)によって担保されると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)新設・令和5年(2023年)2月20日施行 民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)により新設。DV・ストーカー・犯罪被害者等が住所・氏名を相手方に秘匿したまま訴訟を追行できる秘匿制度(133条から133条の4)の一環。本条は秘匿決定後の記録閲覧を秘匿対象者に限る特則を定めた。IT化改正のうち先行施行された部分
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)により、DV・ストーカー・犯罪被害者等が住所・氏名を相手方に秘匿して訴訟を追行できる秘匿制度(133条〜133条の4)の一環として新設。令和5年2月20日に先行施行。
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