民事訴訟法 第134条の2(証書真否確認の訴え)
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確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。
この条文の基本情報
証書真否確認の訴えとは何ですか?
定義証書真否確認の訴えとは、民事訴訟法第134条の2に定められた規定で、「確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第134条の2(証書真否確認の訴え)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第134条の2の条文原文は「確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第134条の2は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第134条の2の前の条は民事訴訟法第134条です。
- 民事訴訟法第134条の2の次の条は民事訴訟法第135条です。
- 民事訴訟法第134条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第134条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第134条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/134_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法134条の2は、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するための確認の訴えを認める。確定できるのは作成者が本人かという一点で、記載内容の有効性は対象外である。
Q · 遺言書や借用書が偽物だと思ったら、その真偽だけを裁判で確定できる?
作成者が本人か、その一点だけを独立の訴えで確定できる
民事訴訟法134条の2により、法律関係を証する書面(契約書・遺言書・借用書など)の成立の真否を確定するための確認の訴えを起こせます。確認の訴えは現在の法律関係に限るのが原則ですが、本条はその例外として、書面が名義人本人によって作成されたか否かという一点に限って独立の訴えを認めます。ただし確定されるのは「誰が作ったか」であって「中身が正しいか」ではなく、内容の有効性は別の訴えで争います。
解説
裁判で「この署名は本人のものか」「この借用書は偽造か」を、それ単独で確定してもらう。普通はできない。確認の訴えで争えるのは現在の法律関係に限る、というのが民事訴訟の大原則だからだ。だが民事訴訟法134条の2は、たった一つの「事実」について例外を開く。法律関係を証する書面、つまり契約書・遺言書・借用書などが、本当にその名義人によって作成されたものか(成立の真否)。この一点だけは、独立した訴えで確定できる。注意すべきは、確定されるのは『誰が作ったか』であって『中身が正しいか』ではない点だ。遺言書が本物だと確定しても、その遺言が有効かどうかは別問題。あなたが手にするのは、紛争の入口にある一枚の紙の真偽を、本体の争いより先に決着させる権利である。
法的な位置づけ
民事訴訟法134条の2は証書真否確認の訴えを定める規定であり、確認の訴えの対象を現在の法律関係に限る原則の例外として、法律関係を証する書面の成立の真否、すなわち当該書面が名義人本人によって作成されたか否かという事実に限り、独立の訴えでの確定を認める。記載内容の真実性や有効性は対象に含まれない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.疑わしい書面の原本を確保し記録する 契約書・遺言書・借用書の原本を確保し、コピーと写真で状態を記録する。原本がないと成立の真否の立証が著しく困難になるため、まず物理的な確保を最優先する
- 2.筆跡・印影の鑑定資料を集める 本人の他の署名サンプルや、実印の印鑑登録証明書を集める。印影が本人の登録印と一致すれば二段の推定(民訴228条4項)が働き、立証の土台になる
- 3.確認の利益の有無を弁護士と検討する 成立の真否だけを切り出す証書真否確認の訴えが有効か、それとも遺言無効確認など本体の訴えで抜本解決すべきかを弁護士と検討する。遺言事案では本体訴訟が優先されることがある
- 4.本体紛争に入る前に成立の真否を固める 遺産分割協議や本体請求が本格化する前に、成立の真否を独立して確定するか書証として争点化する。先に土台を固めると相手の『偽造かもしれない』というカードを封じられる
よくある質問 AI による整理
Q1証書真否確認の訴えとは何ですか?
契約書・遺言書・借用書など法律関係を証する書面が、名義人本人によって作成されたか(成立の真否)を独立の訴えで確定する制度です。民事訴訟法134条の2が根拠です。
Q2遺言書の偽造は何条で争えますか?
遺言書の成立の真否は民訴134条の2で確定できます。ただし遺言の効力自体は遺言無効確認の訴えで争うため、何を確定したいかで使う手段が変わります。
Q3二段の推定とは何ですか?
印影が本人の実印によると認められると本人の押印が推定され、その押印から文書全体の真正な成立が推定される二段階の推定です(民訴228条4項)。
Q4確認の利益とは何ですか?
その確認判決が紛争の予防・解決に役立つかという要件です。証書真否確認の訴えでも、本体訴訟で足りる場合は確認の利益が否定されることがあります。
Q5証書真否確認の訴えと遺言無効確認の訴えはどう違いますか?
前者は遺言書を本人が作成したかを確定し、後者は遺言の効力を確定します。実務では抜本解決として後者が選ばれ、前者の確認の利益が否定される例があります。
Q6借用書が偽物だと言われたらどうすればよいですか?
原本を確保し作成時のやり取りやメールなど周辺証拠を集めます。印影が本人の登録印と一致すれば二段の推定で有利になり、偽造の立証責任は相手側に移ります。
Q7証書真否確認の訴えで確認の利益が認められないのはどんな場合ですか?
遺言無効確認など本体の訴えで紛争が抜本的に解決でき、書面の真否を切り出す独自の意味が乏しい場合です。最初の方針選択で判断が分かれます。
Q8文書の成立の真正はどうやって証明しますか?
署名・押印の存在、印影と登録印の対照、筆跡の対照(民訴229条)、作成時の事情証拠などで証明します。二段の推定が働く場面もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1遺言書が偽物だと思うんですが、いきなりこの訴えを起こせますか?
起こせますが、まず『確認の利益』があるかが入口になります。証書真否確認の訴え(民訴134条の2)は、その書面の真否を確定することが紛争の予防・解決に役立つ場合に認められます。実務のポイント:実務では、遺言の場合『遺言無効確認の訴え』を直接起こす方が抜本的解決になるとして、真否確認の訴えの確認の利益が否定されることがある。真偽だけを切り出すのが有効な場面か、本体ごと争うべきか、最初の方針選択で勝敗が分かれる
Q2『成立の真否』って、中身が正しいかどうかとは違うんですか?
違います。成立の真否とは、その書面を名義人本人が作成したか(形式的証拠力)の問題で、書いてある内容が真実か・有効かは別です(民訴228条)。本人が作った契約書でも、その契約が錯誤や詐欺で取り消せることはある。実務のポイント:訴状で『真否』と『内容の有効性』を混同して書くと、求めている確認の対象が不明確だとして訴えが却下されかねない。何を確定したいのかを最初に切り分けるのが鉄則
Q3ハンコさえ本人のものなら、もう偽造を疑われても安全ですか?
かなり有利になります。印影が本人の実印によるものと認められると、二段の推定(民訴228条4項)が働き、その文書全体が真正に成立したと推定されます。実務のポイント:この推定を覆すには、偽造を主張する側が『印鑑を盗用された』『預けていた印を無断使用された』などを具体的に立証しなければならず、ハードルが高い。逆に言えば、実印や登録印を安易に他人に預けると、知らぬ間に作られた文書の真正まで推定されてしまう
間違えやすい点 AI による整理
- 『この遺言は有効か無効か』を裁判所に決めてほしい、という問いの立て方そのものがずれている。134条の2で確定できるのは『その遺言書を本当に本人が作ったか(成立の真否)』だけ。本人が作ったと確定しても、内容が法的に有効かは別の訴え(遺言無効確認の訴えなど)で争う話だ。問いを分けないと、欲しい結論にたどり着けない
- 『書面が本物だと確定すれば、書いてある中身も真実だと認められる』と思われがちだが違う。確定するのは形式的な成立、つまり名義人が作成したという事実までだ。中身の意思表示が錯誤や詐欺で取り消せるか、といった実質判断は一切含まれない
- 確認の訴えは現在の法律関係に限る、という原則は知っていても、その例外がどれほど狭いかを知らない人は多い。確定できる『事実』は法律で『書面の成立の真否』のただ一点に絞られている。日記が本物か、写真が加工されていないか、そういう一般の事実確認はこの条文では一切できない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民訴134条の2:書面の成立の真否を独立の訴えで確定 | 民訴145条:訴訟係属中に法律関係の存否を確定する中間確認の訴え 民訴228条:文書の成立の真正の証明(二段の推定) |
| 対象 | 法律関係を証する書面が本人作成かという事実の一点 | 本体訴訟の判断の前提となる法律関係 書証として提出された文書の成立の真正 |
| 提起の形態 | 独立した確認の訴えとして提起可能 | 係属中の訴訟内で追加提起 訴え自体ではなく証拠調べ・立証の場面 |
| 得られる効果 | 書面の成立の真否について既判力を伴う確定 | 本体判決の前提問題に既判力 当該訴訟での文書の証拠力の確定(既判力なし) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も確認の訴えで証書の真偽を確認できる旨を明文化しており、日本と同様に書面の成立(真偽)を対象とする
韓国も証書の真正の有無を確認する訴えを明文で認め、日本法と構造が近い
ドイツは確認の訴え(Feststellungsklage)の対象として文書の真正・不真正(Echtheit oder Unechtheit einer Urkunde)を明示的に許容し、本条の源流に位置する
米国には文書の真否のみを確定する独立の訴えは一般的でなく、文書の真正は証拠法(authentication)の枠組みで処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が亡くなり、出てきた遺言書に『全財産を兄に』とある。筆跡が父のものとは思えない。本物かどうか、その一点だけを今すぐ裁判所に確定してもらえるか? 遺産分割の本体争いに入る前に、まず遺言書の成立の真否を134条の2で切り出して決着させる余地がある
- あなたが貸金返還を求めたら、相手が『この借用書はお前が勝手に作った偽物だ』と主張してきた。立場が一気に逆転する。借用書が真正に成立したことを確定できれば、相手の言い逃れの土台が崩れ、本体の請求が前に進む
- 会社の取締役会議事録に、出席していないはずのあなたの署名がある。その議事録の成立の真否を確認する訴えを起こせる。署名の真偽だけを切り出して争える
- 相続発生から遺産分割協議まで、もう時間がない。遺言書に偽造の疑いがあるなら、協議を成立させる前に真否確認で土台を固めるべきだ。偽物の遺言を前提に協議をまとめてしまうと、後から覆すのは何倍も骨が折れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 疑わしい書面の原本を確保し、コピー・写真で記録する。原本がないと真否の立証が困難になる2. 筆跡・印影の鑑定資料(本人の他の署名、実印の印鑑登録証明書)を集める3. 本体の紛争(遺産分割、貸金返還)に入る前に、証書真否確認の訴えで成立の真否を独立して確定するか、本体訴訟の中で書証として争うかを弁護士と検討する4. 二段の推定(民訴228条4項)を意識し、印影が本人のものか、その印影が本人の意思で押されたかを順に詰める
訴えられた側:1. その書面を真正に作成したことを示す周辺証拠を集める。作成時のやり取り、メール、立会人の証言2. 印影が本人の実印・登録印と一致すれば、二段の推定であなたが有利になり、相手が偽造を立証する側に回る3. 相手が真否確認の訴えを起こしてきたら、確認の利益(その訴えで紛争が抜本的に解決するか)が争点になりうるので、その点も検討する4. 文書偽造は刑事責任(刑法159条 私文書偽造等)にも触れうるため、安易な主張・反論は慎重に
時効(請求できる期限):証書真否確認の訴えそのものに出訴期間の定めはない。確認の利益が存続する限りで提起できるが、背後の権利(貸金返還請求権など)には一般の消滅時効(民法166条、債権は権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)が走るため、本体の権利が時効消滅すれば確認の利益も失われうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:証書真否確認の訴えで確定できるのは書面の形式的成立(名義人本人による作成)に限られ、記載内容の真実性・有効性は対象外。遺言事案では遺言無効確認の訴えが抜本的解決になるとして、本訴えの確認の利益が否定されることがある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法の証書真否確認に関する規定を現行134条の2(旧条文番号からの移行)として整理。確認の訴えの例外的対象として明文化。
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