民事訴訟法 第169条(弁論準備手続の期日)
クイックジャンプ
- 弁論準備手続は、当事者双方が立ち会うことができる期日において行う。
- 2.裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。ただし、当事者が申し出た者については、手続を行うのに支障を生ずるおそれがあると認める場合を除き、その傍聴を許さなければならない。
この条文の基本情報
弁論準備手続の期日とは何ですか?
定義弁論準備手続の期日とは、民事訴訟法第169条に定められた規定で、「弁論準備手続は、当事者双方が立ち会うことができる期日において行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第169条(弁論準備手続の期日)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第169条の条文原文は「弁論準備手続は、当事者双方が立ち会うことができる期日において行う。」で始まります。
- 民事訴訟法第169条は第二款 弁論準備手続に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第169条の前の条は民事訴訟法第168条です。
- 民事訴訟法第169条の次の条は民事訴訟法第170条です。
- 民事訴訟法第169条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第169条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第169条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/169
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法169条は、弁論準備手続を当事者双方が立ち会える期日に非公開で行うと定める。当事者が申し出た者は、支障がない限り傍聴が許される。
Q · 「弁論準備手続に付します」と言われたけど、傍聴席のない部屋に移されるのは不利なの?
不利ではなく、争点整理の本番に入った合図です
民事訴訟法169条により、弁論準備手続は当事者双方が立ち会える期日に、公開法廷ではなく準備室などで非公開に行われます。これは負けの兆候ではなく、裁判所が腰を据えて争点整理に入ったサインです。傍聴は裁判所の裁量ですが、当事者が申し出た家族・知人・専門家は、手続に支障が生じるおそれがある場合を除き、裁判所は傍聴を許さなければなりません(169条2項但書)。ここでの主張立証の組み立てが裁判官の心証を形作るため、終結前に出し切ることが重要です。
解説
テレビドラマの法廷シーンには傍聴席があり、裁判官が壇上にいて、双方が立って主張する。だが現実には、あなたの民事事件で勝敗を実質的に分ける議論は、その公開法廷ではなく、廊下の奥の小さな準備室で行われることが多い。それが弁論準備手続だ。民事訴訟法169条は、この手続を当事者双方が立ち会える期日に行うと定める。押さえるべき点は二つ。第一に、ここは公開法廷ではない。憲法82条が保障する裁判の公開は判決と対審に及ぶが、争点を整理するこの準備段階は非公開でよいとされる。第二に、傍聴は裁判所の裁量だが、あなたが申し出た人(家族、知人、専門家)は、手続に支障が生じるおそれがある場合を除き、裁判所は傍聴を許さなければならない。多くの当事者はこの権利を知らず、たった一人で準備室の扉を開ける。
法的な位置づけ
民事訴訟法169条は弁論準備手続の実施方式を定める規定であり、争点整理を当事者双方が立ち会える期日に行うこと、および傍聴の許否を規律する。口頭弁論とは異なり非公開を原則とするが、当事者が申し出た者の傍聴については、手続に支障が生じるおそれがない限り、裁判所に許可義務が課される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.弁論準備手続を争点整理の本番と捉える 「弁論準備手続に付します」と言われたら、不安になるのではなく、ここが勝敗を分ける本番だと心得る。準備書面で主張を体系的に整理し、争点を明確にする
- 2.書証を早めに提出する 手元の契約書・領収書・メールなどの書証は、終結前に提出し切る。終結後の提出は遅延理由の説明を求められ(174条が準用する167条)、心証で不利に働く
- 3.傍聴人を事前に申し出る 一人で臨むのが不安なら、169条2項により家族・知人・専門家の傍聴を事前に申し出る。手続に支障が生じるおそれがない限り、裁判所は原則として許可しなければならない
- 4.裁判官の関心をメモし次回までに補強 準備室では裁判官の疑問や関心が口頭でにじみ出る。この心証の気配を必ずメモし、次回期日までに主張・証拠の穴を埋める
- 5.終結前に主張立証を出し切る 弁論準備手続の終結期日が実務上の分水嶺。それまでに主張と証拠を出し切り、後出し扱いによる不利を避ける
よくある質問 AI による整理
Q1弁論準備手続とは何ですか?
民事訴訟で争点と証拠を整理するための非公開手続です。民事訴訟法169条が根拠で、当事者双方が立ち会える期日に準備室などで行われ、口頭弁論の準備段階にあたります。
Q2弁論準備手続と口頭弁論の違いは何ですか?
口頭弁論は公開法廷で行う対審ですが、弁論準備手続は非公開の準備室で争点整理に専念します。判決や証人尋問の核心は口頭弁論で公開されます。
Q3弁論準備手続はどこで行われますか?
公開法廷ではなく、裁判所内の準備室や会議室などで行われます。傍聴席はなく、裁判官と当事者双方が近い距離で争点を整理します。
Q4弁論準備手続に付されたら不利ですか?
不利ではありません。むしろ争点整理が必要な複雑な事件ほど付されます。裁判所が腰を据えて審理に入ったサインと捉えるべきです。
Q5弁論準備手続にウェブ会議で参加できますか?
民事訴訟法170条3項により、電話会議やウェブ会議による参加が認められています。ただし和解打診など重要局面は出頭が望ましい場合もあります。
Q6弁論準備手続はいつ終わりますか?
争点と証拠の整理が完了した段階で終結します。終結後は口頭弁論で結果を陳述し(173条)、新たな攻撃防御方法の提出には説明義務が生じます。
Q7弁論準備手続で和解はできますか?
できます。非公開で当事者との距離が近いため、裁判官が和解を打診しやすい場でもあります。判決まで争うか和解かを早めに試算しておくと有利です。
Q8弁論準備手続を欠席したらどうなりますか?
正当な理由なく欠席すると、争点整理が一方的に進み不利になる可能性があります。期日変更が必要なら事前に裁判所へ連絡することが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁論準備手続って、傍聴席のある法廷でやらないんですか。公開じゃないのは不公平では。
公開法廷ではなく準備室などで行われます。憲法82条の裁判公開は「対審と判決」に及びますが、争点整理にすぎない弁論準備手続は非公開でよいとされています(民訴169条)。実務のポイント:非公開だからこそ裁判官は本音の心証や和解の打診を口にしやすい。公開法廷では言いにくいことが準備室では出てくる。だから準備室での裁判官の一言一句を聞き逃さない当事者が、和解のタイミングを的確につかむ
Q2一人で準備室に入るのが不安です。知り合いについてきてもらえますか。
できます。169条2項但書により、あなたが申し出た人は、手続に支障が生じるおそれがある場合を除き、裁判所は傍聴を許さなければなりません。単なる許可のお願いではなく、原則として認めさせられる権利です。実務のポイント:本人訴訟の当事者ほどこの権利を知らず、孤立したまま準備室で不利な譲歩をしがち。法律に詳しい知人や、将来証人になる予定のない関係者を傍聴に入れるだけで、心理的な圧が大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判は公開だから誰でも傍聴できる」という前提で考える人が多い。だがその問いの立て方が、弁論準備手続には当てはまらない。ここは非公開が原則で、傍聴は裁判所の許可制(169条2項)。公開法廷のルールをそのまま持ち込むと足元をすくわれる
- 「準備室に呼ばれたのは軽く扱われているからだ」と感じる人がいるが、実際は逆。複雑で争点整理が必要な事件ほど弁論準備手続に付される。あなたの事件が重要だからこそ、裁判所は腰を据えて整理しようとしている
- 傍聴の申出ができることは知っていても、それが「原則として許可しなければならない」強い権利だと知る人は少ない。169条2項但書は、支障がない限り裁判所に許可義務を課す。単なるお願いではなく、押し返せる権利である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 169条:弁論準備手続の実施方式と傍聴 | 168条:弁論準備手続に付する開始要件 170条:手続でできる訴訟行為とウェブ会議 |
| 公開・非公開 | 非公開が原則、傍聴は裁判所の許可制 | 付するかの判断段階(手続前) 電話・ウェブ会議による非対面参加が可能 |
| 当事者の関与 | 双方が立ち会える期日、申出者の傍聴に許可義務 | 当事者の意見を聴いて付する 証拠の申出・文書の提出等が可能 |
| 終結後の効果 | 整理結果が後続審理の基礎になる | — 173条で結果陳述、174条で提出制限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も準備手続(準備程序)で争点と証拠を整理する制度を持つ。受命裁判官による整理が活用される点で日本と類似する。
韓国の変論準備節次(변론준비절차)も非公開の争点整理を行う。日本法を継受した構造を残しつつ、書面準備を重視する運用がある。
ドイツは早期第一回期日方式と書面準備方式を選択し、口頭弁論を集中的に行う準備を裁判所主導で進める。日本の母法にあたる。
米国の Pretrial Conference は争点整理・証拠開示の管理・和解打診まで広く担う。当事者主導のディスカバリーと結びつく点で大陸法系と性格が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの貸金返還請求訴訟が、第一回口頭弁論のあと「弁論準備手続に付します」と告げられた。次回からは法廷ではなく準備室、傍聴席もない。これは負けの兆候か。違う。むしろ裁判所が腰を据えて争点整理に入ったサインだ。ここでの主張立証の組み立てが、最終的な裁判官の心証を作っていく
- あなたが被告として訴えられ、弁論準備手続で相手の準備書面に反論する立場。準備室では裁判官との距離が近く、裁判官の関心や疑問が口頭でにじみ出る。この「心証の気配」を読み取れるかどうかが、和解に応じるべきか判決まで争うべきかの判断を左右する
- 心細い本人訴訟。あなたは法律に詳しい知人を連れて行きたい。169条2項により、申し出れば裁判所は原則として傍聴を許す。一人で臨む必要はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁論準備手続は争点整理の場と心得る。準備書面で主張を整理し、書証は早めに提出する2. 心細ければ169条2項で傍聴人(家族・知人・専門家)を事前に申し出る、原則として許可される3. 裁判官が口頭で示す疑問や関心を必ずメモし、次回までに穴を埋める4. 終結前に主張立証を出し切る、終結後の後出しは不利になる(174条が準用する167条)
訴えられた側:1. 訴えられた側でも準備室での発言は記録され心証に直結する、感情的な反論より争点に絞る2. 相手の準備書面には認否を明確にし、争う点を具体的に示す3. 弁論準備手続は和解を打診される場でもある、判決まで争うか和解かの損得を早めに試算する4. ウェブ会議による参加(170条3項)も選べるが、重要局面は出頭して裁判官の反応を直接読む
時効(請求できる期限):弁論準備手続そのものに時効はない。ただし手続が終結すると、その後に新たな攻撃防御方法を提出する際、相手の求めに応じて提出が遅れた理由を説明する義務が生じる(民訴174条が準用する167条)。実務上の分水嶺は「終結期日」であり、それまでに出し切るのが鉄則
学説
通説:弁論準備手続が非公開でよいのは、憲法82条の裁判公開原則が「対審と判決」に及ぶのに対し、争点整理にすぎない本手続はその対象外と解されるためである。非公開とすることで充実した争点整理を可能にし、2項の傍聴規律が密室化への歯止めとなる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 弁論準備手続が新たな争点整理手続として創設され、本条で当事者双方が立ち会える期日に行うこと、傍聴の許否を定めた。ただし条文番号の沿革および令和4年(2022年)IT化改正による本条への影響の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により、新たな争点整理手続として弁論準備手続が創設され、当事者双方が立ち会える期日に行うことと傍聴の許否が定められた。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に関する改正により、ウェブ会議等による期日参加(170条3項関連)の整備など、争点整理手続の運用が現代化された(本条への影響の有無は条文沿革の人的検証を要する)。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める