民事訴訟法 第171条(受命裁判官による弁論準備手続)
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- 裁判所は、受命裁判官に弁論準備手続を行わせることができる。
- 2.弁論準備手続を受命裁判官が行う場合には、前二条の規定による裁判所及び裁判長の職務(前条第二項に規定する裁判を除く。)は、その裁判官が行う。ただし、同条第五項において準用する第百五十条の規定による異議についての裁判及び同項において準用する第百五十七条の二の規定による却下についての裁判は、受訴裁判所がする。
- 3.弁論準備手続を行う受命裁判官は、第百八十六条第一項の規定による調査の嘱託、鑑定の嘱託、文書(第二百三十一条に規定する物件を含む。)を提出してする書証の申出及び電磁的記録を提出してする証拠調べの申出並びに文書(第二百二十九条第二項及び第二百三十一条に規定する物件を含む。)及び電磁的記録の送付の嘱託についての裁判をすることができる。
この条文の基本情報
受命裁判官による弁論準備手続とは何ですか?
定義受命裁判官による弁論準備手続とは、民事訴訟法第171条に定められた規定で、「裁判所は、受命裁判官に弁論準備手続を行わせることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第171条(受命裁判官による弁論準備手続)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第171条の条文原文は「裁判所は、受命裁判官に弁論準備手続を行わせることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第171条は第二款 弁論準備手続に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第171条の前の条は民事訴訟法第170条です。
- 民事訴訟法第171条の次の条は民事訴訟法第172条です。
- 民事訴訟法第171条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第171条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第171条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/171
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法171条は、合議事件でも受命裁判官一人に弁論準備手続を行わせることを認める。ただし訴訟指揮への異議と攻撃防御方法の却下の裁判は受訴裁判所に留保される。
Q · 合議事件のはずなのに、弁論準備手続に行ったら裁判官が一人だけ。これって大丈夫なの?
問題ありません。受命裁判官一人での争点整理は法が認めています
民事訴訟法171条により、合議事件でも裁判所は受命裁判官(合議体のうちの一人)に弁論準備手続を行わせることができます。受命裁判官は争点整理、調査・鑑定の嘱託、書証の申出についての裁判を単独で担います。ただし、訴訟指揮に対する異議の裁判(150条準用)と、時機に後れた攻撃防御方法の却下の裁判(157条の2準用)だけは、当事者の言い分を封じる重い判断であるため、受訴裁判所(合議体)に留保されます。判決の土台となる争点と証拠の枠組みは、この一人の前で固まっていきます。
解説
民事裁判が三人の裁判官(合議体)で審理される事件でも、本番の口頭弁論に入る前の争点整理は、そのうち一人に任せることができる。それを定めるのが本条であり、この一人を受命裁判官と呼ぶ。受命裁判官は争点を絞り、証拠を整理し、調査や鑑定の嘱託、書証の取調べまで一人で仕切れる。あなたが知っておくべきは、その権限に明確な天井があることだ。受命裁判官の訴訟指揮に対する異議についての裁判(150条準用)と、時機に後れた攻撃防御方法の却下についての裁判(157条の2準用)だけは、一人では決められず合議体(受訴裁判所、その事件を担当する裁判所全体)に戻される。なぜこの二つだけ留保されるのか。どちらも当事者の言い分を封じる、手続上もっとも重い判断だからだ。つまりあなたの事件の骨格は一人の裁判官の前で組み上がるが、あなたの主張を門前払いにする決定だけは三人で審査される構造になっている。
法的な位置づけ
民事訴訟法171条は、合議事件の弁論準備手続を受命裁判官に行わせる制度を定める規定である。受命裁判官は争点整理、調査・鑑定の嘱託、書証の申出および文書送付の嘱託についての裁判を単独で行えるが、訴訟指揮に対する異議の裁判と時機に後れた攻撃防御方法の却下の裁判は受訴裁判所に留保される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.弁論準備手続を「本丸」と認識して臨む 弁論準備手続を本番前の打ち合わせと軽視せず、自分の請求・反論の争点が確定する場だと認識する。期日前に主張と証拠の対応関係を整理した一覧を準備する
- 2.受命裁判官の整理が自分の主張を反映しているか毎回確認 受命裁判官が口頭で「この点は争いがないですね」と整理していく内容が、自分の主張を正しく反映しているかその場で確認する。誤りがあればその期日のうちに指摘する
- 3.不利になりうる点は即答せず書面で留保 認否を求められて不利になりうる点は即答せず、「次回までに書面で整理して提出します」と一拍を置く。口頭の確認が動かせない前提として固定される前に書面化のワンクッションを挟む
- 4.訴訟指揮に異議があればその期日のうちに述べる 受命裁判官の訴訟指揮にどうしても納得できないときは、その期日において遅滞なく異議を述べる。この異議の裁判は受命裁判官本人ではなく受訴裁判所(合議体)が行う(150条準用、171条2項但書)
- 5.決定的な防御方法は早い期日に書面で提出 反論材料はできるだけ早い期日で書面化して提出記録を残す。争点整理の終結間際や終結後に出すと、時機に後れた攻撃防御方法として却下されうる(157条の2)
よくある質問 AI による整理
Q1受命裁判官とは?
合議体のうち、争点整理などの手続を単独で行うよう裁判所から命じられた一人の裁判官です。民事訴訟法171条が根拠で、弁論準備手続を担当します。
Q2弁論準備手続とは何ですか?
本番の口頭弁論に入る前に、争点と証拠を整理する非公開の手続です。判決の土台となる枠組みがここで固まるため、前座ではなく本丸です。
Q3弁論準備手続では何が決まるのですか?
事件の争点、当事者が認める事実、取り調べる証拠の範囲が確定します。ここで整理された内容が合議体の判決の前提として使われます。
Q4弁論準備手続はいつ終わりますか?
争点と証拠の整理が完了した時点で終結します。終結後に新たな主張や証拠を出すと、時機に後れたものとして却下される余地があります。
Q5弁論準備手続で出せなかった主張は後で出せますか?
原則できますが、終盤や終結後に出すと時機に後れた攻撃防御方法として却下されうります(157条の2)。却下の裁判は受訴裁判所が行います。
Q6受命裁判官は判決も書くのですか?
判決自体は合議体三人で出します。ただし受命裁判官が整理した争点と証拠が判決の骨格になるため、実質的な影響力は大きいです。
Q7弁論準備手続はウェブ会議でできますか?
できます。電話会議・ウェブ会議方式が認められており、当事者は遠隔地から参加できます。画面越しでも争点整理の効果は同じです。
Q8受命裁判官が整理した争点は変更できますか?
終結前であれば書面で補充・訂正を求められます。ただし安易に認めた点は後で蒸し返しにくいため、その場での即答は避けるのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁論準備手続って、行ったら裁判官が一人しかいませんでしたが大丈夫なんですか?
問題ありません。合議事件でも、争点整理を一人の受命裁判官に任せられると法律で定められています(民訴171条)。判決自体は三人の合議体で出しますが、その土台になる争点と証拠の整理はこの一人が仕切ります。実務のポイント:受命裁判官が整理した内容が判決の骨格になるため、合議体の他の二人は基本的にその整理を信頼します。つまり一人の理解を取りこぼすと、三人全員が誤解したまま判決に進むリスクがある。専門的な事件ほど、その一人にきちんと理解してもらう努力が効く
Q2準備手続で裁判官のやり方に納得いかないとき、文句は言えるんですか?
言えます。受命裁判官の訴訟指揮に異議があれば、その期日で異議を述べられます(民訴150条準用)。重要なのは、この異議についての裁判は受命裁判官本人ではなく合議体(受訴裁判所)が行う点です(171条2項但書)。実務のポイント:一人の裁判官の判断を三人に再評価させられる、数少ない仕組みです。ただし期日を過ぎると「遅滞なく」の要件を欠いて異議は通りません。その場で言うか、黙って受け入れるかの二択しかないと考えておく
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば弁論準備手続は「裁判官との事前打ち合わせ」だが、裁判官から見れば判決の争点と証拠の枠組みを確定させる本丸である。この落差が怖い。重要な主張を「後で本番の法廷で言えばいい」と温存しているうちに整理が終結し、後出しは却下されうる
- 弁論準備手続が非公開で行われることは知っていても、その期日で争点が事実上固まり、後から新しい主張や証拠を出すと却下されうるという深刻さまでは意識されていない。非公開の和やかな場が、実は最も後戻りの利かない場である
- 受命裁判官は判決を書く人ではないから影響力は小さい、と思われがちだが逆である。合議体の他の二人は、受命裁判官が整理した争点と証拠をベースに判決を組み立てる。一人の整理が三人の結論を方向づける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争点整理・釈明・訴訟指揮 | 受命裁判官が単独で行う(171条2項) | 弁論準備手続の開始・方法は裁判所が定める(169・170条) — |
| 調査・鑑定の嘱託、書証の申出の裁判 | 受命裁判官ができる(171条3項、186条) | — — |
| 訴訟指揮に対する異議の裁判 | 受命裁判官は不可、受訴裁判所に留保(150条準用) | 受訴裁判所(合議体)が判断 — |
| 時機に後れた攻撃防御方法の却下の裁判 | 受命裁判官は不可、受訴裁判所に留保(157条の2準用) | 受訴裁判所(合議体)が判断 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も合議審判事件で裁判所が必要に応じ庭員一人を受命法官として準備手続を行わせる点で日本とほぼ同一の構造を持つ
韓国も受命法官(수명법관)による弁論準備手続を採用し、争点整理を単独で担わせる枠組みは日本と類似する
ドイツの受命裁判官(beauftragter Richter)制度が日本の源流。合議体の一人に証拠調べ等を委ねる発想を共有する
米国は pretrial conference や magistrate judge による争点整理が機能的に対応するが、判事個人への委任構造はやや異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本番の法廷だと思って気を抜いていた弁論準備手続で、裁判官が「この点はもう争いがない、ということでよろしいですね」と確認してきた。ここで安易に頷くとどうなるか。その争点はもう蒸し返せない。一人の裁判官の前での何気ない一言が、合議体三人が書く判決の前提として固定される
- あなたが被告として、決定的な反論材料を見つけたのが弁論準備手続のかなり後だった。今さら出せば「時機に後れた攻撃防御方法」として却下されかねない。ただしその却下を決めるのは目の前の受命裁判官ではなく合議体だ。一人の裁量で門前払いにはされない安全弁がある。とはいえ次の期日で争点整理は終わる
- 電話会議やウェブ会議の画面越しに進む弁論準備手続。向こうにいるのは裁判官ひとり。あなたの事件の骨格は、この非公開のやり取りで静かに組み上がっていく
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが原告(訴える側)の場合。1. 弁論準備手続はあなたの請求の争点が確定する場だと認識し、漫然と臨まない2. 受命裁判官が口頭で整理していく争点が、あなたの主張を正しく反映しているか毎回その場で確認する3. 認否を求められて不利になりうる点は即答せず「書面で整理します」と留保4. 受命裁判官の訴訟指揮に疑問があれば、その期日のうちに異議を述べる。判断は合議体(受訴裁判所)が行う(150条準用)
訴えられた側:あなたが被告(訴えられた側)の場合。1. 反論材料はできるだけ早い期日で出す。終盤で出すと「時機に後れた攻撃防御方法」として却下されうる(157条の2) 2. ただしその却下を決めるのは目の前の受命裁判官ではなく合議体(受訴裁判所)。一人の裁量だけで門前払いにはされない安全弁があると知っておく3. 争点整理が終結する前に、決定的な防御方法は書面化して提出記録を残す
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし受命裁判官の訴訟指揮に対する異議は、その期日において遅滞なく述べる必要がある(民訴150条準用)。期日を過ぎてから蒸し返すことは原則できず、争点整理の終結後に新たな主張や証拠を出せば却下されうる
学説
通説:171条は、合議事件の争点整理を受命裁判官に委ねることで審理を機動的にする一方、訴訟指揮への異議と攻撃防御方法の却下という当事者の手続的権利を直接左右する判断を受訴裁判所に留保することで、効率性と直接主義・合議制の保障の均衡を図る規定と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行の弁論準備手続が新設され、受命裁判官にこれを行わせる本条が置かれた。旧法の準備手続を再構築したもの。その後の条文番号調整や IT 化改正(令和4年)に伴う関連規定の変動の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行の弁論準備手続が新設され、これを受命裁判官に行わせる本条が置かれた。旧法の準備手続を再構築したもの。その後の条文番号調整や令和4年 IT 化改正に伴う関連規定の変動の有無は人的検証を要する。
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