民事訴訟法 第186条(調査の嘱託)
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- 裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。
- 2.裁判所は、当事者に対し、前項の嘱託に係る調査の結果の提示をしなければならない。
この条文の基本情報
調査の嘱託とは何ですか?
定義調査の嘱託とは、民事訴訟法第186条に定められた規定で、「裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第186条(調査の嘱託)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第186条の条文原文は「裁判所は、必要な調査を官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第186条は第一節 総則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第186条の前の条は民事訴訟法第185条です。
- 民事訴訟法第186条の次の条は民事訴訟法第187条です。
- 民事訴訟法第186条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第186条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第186条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/186
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法186条は、裁判所が必要な調査を官庁・学校・商工会議所・取引所その他の団体に嘱託できると定める。当事者の申出も可能だが、回答を強制する罰則はない。
Q · 相手が隠している銀行口座や勤務先の記録、裁判所に調べてもらえるの?
裁判所が団体に調査を依頼する制度。当事者も申立て可能
民事訴訟法186条により、裁判所は必要な調査を官庁・公署・外国の官庁・学校・商工会議所・取引所その他の団体に嘱託できます。当事者の側からも証拠の申出(民訴180条)として申し立てられるため、相手が隠す取引履歴や気象記録など、個人では取得できない情報を裁判所経由で引き出せます。ただし本条には回答を強制する罰則がなく、特に金融機関は守秘義務を理由に難色を示すことがあります。回答を裁判で使うには口頭弁論に顕出する手続が必要です。
解説
訴訟で勝敗を分けるのは、決定的な証拠が相手の手元か、銀行や役所といった第三者の組織の奥にあって、自分の力では取り出せないときにどう動くかだ。民事訴訟法186条は、その壁を裁判所の権限で突破する道具である。裁判所は必要な調査を、官庁、役所、外国の官庁、学校、商工会議所、取引所、その他の団体に嘱託(組織への正式な照会依頼)できる。重要なのは、これを当事者であるあなたの側から申し出られるという点だ(民訴180条)。相手が隠している取引履歴、事故現場の気象記録、業界団体しか持たない統計。これらを個人で請求しても門前払いされるが、裁判所からの嘱託なら組織は原則として回答する。弁護士が水面下で最初に組み立てるのは、どの組織に何を嘱託させるかという証拠収集の設計図だ。この一手を知っているかどうかで、立証できる事実の範囲そのものが変わる。
法的な位置づけ
調査の嘱託とは、裁判所が事実認定に必要な調査を、官庁、公署、外国の官庁・公署、学校、商工会議所、取引所その他の団体に依頼する証拠調べの方法である。当事者の申出または職権により行われ、第三者組織が保有する情報を訴訟手続へ取り込む機能を担うが、回答を法的に強制する効力はない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.立証したい事実と嘱託先を特定する まず証明したい事実を一つに絞り、その情報を持つ組織を洗い出す。銀行、役所、病院、業界団体、ビル管理会社、気象庁など、どの団体に何を聞けば事実が固まるかを設計する
- 2.証拠の申出として調査の嘱託を申し立てる 訴訟係属中に、証拠の申出(民訴180条)として調査の嘱託を裁判所へ申し立てる。嘱託先の名称と照会事項を具体的に起案し、立証事実との関連性を明示する
- 3.口座など特定が必要なものは先に弁護士会照会で当たりをつける 銀行口座の支店特定など、嘱託前に下調べが要る情報は弁護士会照会(弁護士法23条の2)を併用して絞り込む。全銀行への一斉照会はできないため事前の絞り込みが鍵となる
- 4.回答を口頭弁論で顕出し主張に組み込む 嘱託の回答が届いたら口頭弁論に顕出し、相手に意見を述べる機会を与えたうえで、有利な部分を主張・立証に反映する。この手続を踏まないと回答が事実認定に使われない
よくある質問 AI による整理
Q1調査の嘱託とは何ですか?
裁判所が官庁や団体に必要な調査を依頼する証拠調べの方法です。民事訴訟法186条が根拠で、当事者からも証拠の申出として申し立てられます。
Q2調査の嘱託と文書送付の嘱託の違いは何ですか?
調査の嘱託(186条)は団体に照会して回答を得る方法、文書送付の嘱託(226条)は既存の文書そのものを取り寄せる方法です。求める対象が情報か文書かで使い分けます。
Q3調査の嘱託は誰が申し立てますか?
裁判所が職権で行えるほか、当事者も証拠の申出(民訴180条)として申し立てられます。嘱託先と照会事項を具体的に起案して申し立てます。
Q4調査の嘱託に費用はかかりますか?
嘱託先の作成費用や手数料が生じる場合があり、申立てた当事者が負担するのが一般的です。金融機関などは所定の照会手数料を求めることがあります。
Q5調査の嘱託を拒否されたらどうなりますか?
本条に回答を強制する罰則はないため、拒否されても制裁はありません。文書提出命令や第三者からの情報取得手続など別の手段を検討します。
Q6調査の嘱託と弁護士会照会の違いは何ですか?
調査の嘱託は訴訟係属中に裁判所を通す制度、弁護士会照会(弁護士法23条の2)は訴訟外で弁護士会を通す制度です。提訴前は弁護士会照会で当たりをつける実務が多いです。
Q7調査の嘱託はいつまでに申し立てるべきですか?
事実審の口頭弁論終結までに申し立てる必要があります。通信ログや映像は保存期間が短いため、提訴と同時に組むのが安全です。
Q8調査の嘱託の結果は証拠としてどう使いますか?
回答を口頭弁論に顕出し、相手に意見を述べる機会を与えたうえで主張に組み込みます。この手続を踏まないと事実認定に使われません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が銀行口座を隠してるんですけど、裁判所が調べてくれるんですか?
可能です。民訴186条で裁判所から金融機関に取引履歴や残高の調査を嘱託できます。ただし「どの銀行のどの支店か」をある程度絞り込む必要があり、全銀行への一斉照会はできません。実務のポイント:判決確定後に相手の財産を探すなら、民事執行法207条の『第三者からの情報取得手続』の方が強力で、裁判所を通じて金融機関から口座情報を取得できます。訴訟中の調査嘱託と、判決後の情報取得手続を二段階で使い分けるのが実務の定石です(最新の改正状況をご確認ください)
Q2調査の嘱託の結果が自分に不利だったら、無視できますか?
無視はできません。嘱託の結果が口頭弁論に顕出されれば、裁判所の心証形成の材料になります。ただし内容に誤りや別の解釈があれば、反証を出して争えます。実務のポイント:調査の嘱託の結果は、その組織の作成者を証人尋問できないため、信用性に争いがある場合は『この回答だけでは事実認定の根拠にならない』と弾劾する余地があります。回答書の前提条件や作成経緯を突くのが、不利な嘱託結果を崩す典型的な手法です
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠は当事者が自分で集めて提出するもの」と思われているが、第三者の組織が持つ情報は本条で裁判所に取り寄せてもらえる。自分の手では集められないから立証を諦める、というのは誤った前提に立っている
- 調査の嘱託が便利な制度だと知っていても、その回答が証拠としてそのまま効くとは限らないことまでは知られていない。嘱託の結果を裁判で使うには、口頭弁論に顕出し、相手に意見を述べる機会を与える必要がある。この手続を踏まないと、せっかくの回答が事実認定に使われないまま終わる
- 「裁判所が嘱託すれば組織は必ず答える」と期待しがちだが、本条には回答を強制する罰則がない。組織が回答を拒んでも制裁はなく、特に金融機関は守秘義務を理由に難色を示すことがある。あなたから見れば当然の照会でも、組織から見れば任意の協力にすぎない。この落差が立証計画を狂わせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取得対象 | 186条 調査の嘱託:団体への照会に対する回答(情報) | 226条 文書送付の嘱託:既存の文書そのもの 218条 鑑定の嘱託:専門的知見に基づく鑑定意見 |
| 嘱託先 | 官庁・公署・外国官庁・学校・商工会議所・取引所その他の団体 | 文書の所持者(官公署・団体・私人) 官庁・公署・相当の設備を有する法人等 |
| 強制力 | 回答を強制する罰則なし(任意の協力) | 送付を強制する罰則なし(任意の協力) 鑑定受託は任意、ただし専門組織に限定 |
| 申出根拠 | 職権または証拠の申出(民訴180条) | 職権または当事者の申立て 職権または当事者の申立て |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所が機関・団体に必要な調査を嘱託できると定める。日本の186条と機能はほぼ同一で、強制力の弱さも共通する
韓国民事訴訟法も日本同様に裁判所による調査嘱託を規定。継受関係を反映し条文構造が近い
ドイツでは裁判所が訴訟準備として官庁から書面による情報を取得できる。日本186条の母法的位置にある
米国は第三者に対する subpoena が強い強制力を持ち、不履行に制裁がある点で、罰則のない日本186条と性質が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚調停で相手が財産を隠している疑いがあるとしたら、どう暴く? 相手名義の口座をある程度特定できていれば、裁判所から金融機関へ調査を嘱託し、残高や取引履歴を取り寄せられる。ただし「どの銀行のどの支店か」が絞れていることが前提で、動きが遅いと相手が資金を別口座へ移してしまう
- あなたが会社側で、元従業員から未払い残業代を請求された場面。相手はタイムカードのコピーを証拠に出してきたが、改ざんを疑っている。逆にあなたの側から、入退館記録を管理するビル管理会社へ調査の嘱託を申し立て、客観的な在館時間を引き出せる。証拠収集は相手だけの武器ではない
- 交通事故で過失割合が争点になった。事故時刻の天候や路面状況が決め手になる。気象庁への調査の嘱託で、当日の降雨記録が客観証拠として手に入る
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず立証したい事実を一つに特定し、その証拠を持つ組織を洗い出す(銀行、役所、病院、業界団体、ビル管理会社など) 2. 訴訟係属中に、証拠の申出(民訴180条)として調査の嘱託を裁判所に申し立て、嘱託先と照会事項を具体的に起案する3. 銀行口座など特定が必要なものは、先に弁護士会照会(弁護士法23条の2)で当たりをつける4. 回答が届いたら口頭弁論で顕出し、有利な部分を主張に組み込む
訴えられた側:1. 相手が申し立てた調査の嘱託の照会事項を精査し、立証事実と関係ない過度に広い照会には異議を述べる2. 自社が嘱託先になった場合、守秘義務や営業秘密に関わる部分は回答範囲を限定できる。本条に回答を強制する罰則はない3. 不利な嘱託結果が出たら、回答の前提条件や作成経緯を突いて信用性を争う4. 別の組織への反対嘱託を申し立て、客観証拠で対抗する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし証拠の申出は事実審(第一審・控訴審)の口頭弁論終結までに行う必要があり、終結後は新たな調査の嘱託を申し立てられない。さらに組織側の記録保存期間(銀行取引履歴は通常10年、通信ログや防犯カメラ映像は数か月)が事実上の締め切りになる(最新の保存実務をご確認ください)
学説
通説:民訴186条の調査の嘱託は証拠調べの一方法であり、職権でも当事者の申出でも行えるが、本条には回答を強制する効力や罰則がなく、嘱託先の協力は任意であると解されている。回答を事実認定に用いるには口頭弁論への顕出を要する。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の調査嘱託規定から条文番号が整理され、現行186条に。近年の IT 化関連改正で電子的手続の影響を受けた可能性があり、改正回数と内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法の調査嘱託規定が整理され現行186条となった。改正回数・細部の沿革は人的検証が必要。
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