民事訴訟法 第226条(文書送付の嘱託)
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書証の申出は、第二百十九条の規定にかかわらず、文書の所持者にその文書の送付を嘱託することを申し立ててすることができる。ただし、当事者が法令により文書の正本又は謄本の交付を求めることができる場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
文書送付の嘱託とは何ですか?
定義文書送付の嘱託とは、民事訴訟法第226条に定められた規定で、「書証の申出は、第二百十九条の規定にかかわらず、文書の所持者にその文書の送付を嘱託することを申し立ててすることができる。ただし、当事者が法令により文書の正本又は謄…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第226条(文書送付の嘱託)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第226条の条文原文は「書証の申出は、第二百十九条の規定にかかわらず、文書の所持者にその文書の送付を嘱託することを申し立ててすることができる。ただし、当事者が法令により文書の正本又は謄…」で始まります。
- 民事訴訟法第226条は第五節 書証に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第226条の前の条は民事訴訟法第225条です。
- 民事訴訟法第226条の次の条は民事訴訟法第227条です。
- 民事訴訟法第226条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第226条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第226条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/226
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法226条は、文書の所持者にその文書を裁判所へ送付するよう嘱託する申立てを認める規定。強制力はないが、病院・銀行・役所など第三者は通常応じる。
Q · 相手や病院が握っている書類、裁判で取り寄せることはできるの?
民訴226条の送付嘱託で第三者の文書を裁判所経由で取り寄せられる
民事訴訟法226条により、文書の所持者に対し、その文書を裁判所へ送付するよう嘱託する申立てができます(文書送付嘱託)。文書提出命令(223条)と違い強制力はありませんが、病院・銀行・役所・保険会社といった中立的な第三者は裁判所からの嘱託にほぼ応じます。ただし、戸籍謄本や登記事項証明書のように、あなた自身が法令により正本・謄本を直接取得できる文書は対象外(ただし書)。証拠は手元にあるものだけで戦う必要はありません。
解説
交通事故の相手が握っているドライブレコーダーの映像、医療ミスを疑う病院のカルテ、貸金返還の決め手になる銀行の取引履歴。決定的な証拠ほど、なぜか自分の手元にはなく、相手や第三者が握っている。ここで多くの本人訴訟の当事者は「他人の持ち物を出せとは言えない」と諦める。だが民事訴訟法226条は、文書の所持者にその文書を裁判所へ送ってもらうよう申し立てる回路を用意している。これが文書送付の嘱託だ。文書提出命令(219条以下)のような強制力はないが、病院、銀行、役所、保険会社といった組織は、裁判所からの嘱託にはほぼ応じる。ただし、戸籍謄本や登記事項証明書のように、あなた自身が法令で正本や謄本を直接取れる文書は対象外(ただし書)。あなたが知っておくべきは、証拠は手元にあるものだけで戦うのではない、ということだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法226条は文書送付嘱託を定める規定であり、書証の申出について、書証申出の原則方法(民訴219条)にかかわらず、文書の所持者に対しその文書を裁判所へ送付するよう嘱託する申立てを認める旨を規定する。ただし、当事者が法令により正本または謄本の交付を直接求められる文書は除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.欲しい文書と所持者を特定する 何という文書(カルテ、取引履歴、ドライブレコーダー映像、実況見分調書など)を、誰(病院名、銀行名、役所、保険会社)が持っているかを具体的に特定する。曖昧だと嘱託先が探せない
- 2.保存期限を確認し優先順位をつける ドライブレコーダーは数日〜数週間、診療録は原則5年、預金取引記録は概ね10年。期限が迫る証拠から先に動く。消える証拠を後回しにすると永久に取得不能になる
- 3.文書送付嘱託の申立書を作成・提出する 民事訴訟規則99条に従い、文書の表示・趣旨・所持者を明記した申立書を作成し裁判所に提出する。提訴前であれば訴え提起前の証拠収集処分(民訴132条の4)の活用も検討する
- 4.改ざん懸念・拒否時の代替手段を準備する 医療記録など改ざんの懸念が強い文書は、嘱託より先に証拠保全(234条)を打つ。所持者が嘱託を拒否した場合は文書提出命令(223条)への切替えや、弁護士会照会(弁護士法23条の2)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1文書送付嘱託とは何ですか?
当事者が自力で入手できない文書について、裁判所から所持者へ送付を依頼してもらう申立てです。民事訴訟法226条が根拠で、第三者の客観的記録を取り寄せる手段です。
Q2文書送付嘱託にかかる費用はいくらですか?
申立て自体に高額な費用はかかりませんが、所持者がコピー代・郵送費を実費請求する場合があります。病院のカルテ開示などは別途数千〜数万円かかることもあります。
Q3文書送付嘱託の申立書はどう書きますか?
民事訴訟規則99条に従い、文書の表示(何という書類か)・文書の趣旨(何を立証するか)・所持者(病院名・銀行名)を明記して裁判所に提出します。
Q4カルテは文書送付嘱託で取り寄せられますか?
取り寄せられます。病院は中立的第三者として嘱託に応じることが多いです。ただし改ざんの懸念が強い場合は、先に証拠保全(234条)を打つ判断もあります。
Q5ドライブレコーダーの映像も送付嘱託の対象ですか?
対象になりえます。ただしドラレコ映像は数日〜数週間で上書きされるため、保存期限が迫る証拠は申立てを最優先する必要があります。
Q6戸籍謄本は文書送付嘱託できますか?
原則できません。226条ただし書により、当事者が法令で正本・謄本の交付を直接請求できる文書(戸籍謄本・登記事項証明書など)は対象外です。自分で取得します。
Q7文書送付嘱託にかかる期間はどのくらいですか?
嘱託先が回答するまで数週間から数か月かかります。保存期間の短い証拠は、申立てが遅れると物理的に消滅するため、訴訟の早い段階で動くことが重要です。
Q8提訴前でも文書送付嘱託は使えますか?
使えます。訴え提起前の証拠収集処分(民訴132条の4)として送付嘱託を利用でき、相手が証拠を隠す前に客観記録を押さえられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1送付嘱託と文書提出命令って、どっちを使えばいいんですか?
握っているのが誰かで決めます。相手当事者本人が持つ不利な文書を強制的に出させたいなら文書提出命令(民事訴訟法223条)、病院・銀行・役所など中立的な第三者の客観記録が欲しいなら送付嘱託(226条)が定石です。実務のポイント:弁護士はまず争いの少ない送付嘱託から打ちます。提出命令は所持者が「提出義務がない」と争えば220条の該当性をめぐる審理で何か月も止まる。第三者の銀行や病院は嘱託に素直に応じるので、強制力がなくても実務上はこちらの方が速くて確実なことが多い
Q2嘱託したのに、相手の会社が『出せません』と拒否したらどうなりますか?
送付嘱託は依頼であって命令ではないため、所持者が拒否しても罰則はなく、強制はできません。その場合は文書提出命令(223条)への切り替えや、別ルートを検討します。実務のポイント:拒否されたときの隠れた一手が弁護士会照会(弁護士法23条の2)です。弁護士に依頼すれば、訴訟外でも所属弁護士会を通じて企業や役所に照会をかけられる。送付嘱託が空振りでも、照会なら回答が得られるケースがある。本人訴訟で詰まったら、この一点だけでも弁護士に依頼する価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「他人が持っている書類を出せとは要求できない」と思い込んでいる人が多いが、立てた前提そのものが誤っている。送付嘱託は『あなたが要求する』のではなく『裁判所が所持者に依頼する』仕組み。だから相手の同意も、所持者との交渉も要らない。あなたがやるのは、裁判所に申立書を出すことだけだ
- 送付嘱託と文書提出命令を同じものだと考えがちだが、両者は性質が違う。提出命令(223条)は強制力があり拒否すれば制裁があるが、争いになりやすく時間がかかる。送付嘱託は強制力こそないが、病院や銀行のような中立的第三者は素直に応じる。相手当事者本人が握る不利な文書を出させたいなら提出命令、第三者の客観記録が欲しいなら送付嘱託、と使い分けるのが実務の常識
- 「送付嘱託さえ出せば必ず証拠が手に入る」と楽観する人がいるが、その深刻なリスクを見落としている。嘱託は依頼であって命令ではないため、所持者が拒否しても罰則はない。さらに記録には保存期間がある。カルテは原則5年、ドラレコ映像は数日。申立てが遅れた瞬間、証拠は物理的に消滅する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 民訴226条:所持者への送付嘱託(依頼、強制力なし) | 民訴219条:書証申出の原則(自ら所持する文書の提出) 民訴223条:文書提出命令(強制力あり) |
| 適する場面 | 病院・銀行・役所など中立的第三者の客観記録が欲しいとき | 自分が持っている文書を証拠提出するとき 相手当事者本人が握る不利な文書を強制的に出させたいとき |
| 拒否されたとき | 罰則なし、提出命令や弁護士会照会へ切替え | 自己所持のため拒否の問題は生じない 提出義務(220条)違反として真実擬制等の制裁あり |
| 対象外となる文書 | 法令で正本・謄本を直接取得できる文書(戸籍謄本等、ただし書) | — 220条の提出義務がない文書(自己利用文書等) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は第三者への文書提出命令(第346条)と調査嘱託(第290条)で類似機能を担う。送付嘱託に純粋対応する非強制の依頼類型は明確でない
韓国は『文書送付의 嘱託』を明文で規定し、日本と極めて近い制度設計。中立的第三者への送付依頼という構造も共通する
ドイツは裁判所が文書提出を命じる § 142と、公的機関からの文書取寄を定める § 432で機能をカバー。送付嘱託のような非強制の依頼類型は § 432が近い
米国は第三者に対する文書提出のサピーナで対応。ただし米国のサピーナは強制力を伴い、日本の非強制の嘱託とは性質が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 交差点で出会い頭に衝突され、相手は「そっちが飛び出した」と主張。あなたの言い分を裏付けるのは相手車のドライブレコーダーだけ。相手は任意に出さない。だがドラレコの記録は数日から数週間で上書きされる。あと何日で消えるか分からない映像を、送付嘱託で警察や相手保険会社経由で押さえられるかどうかが、過失割合の分かれ目になる
- もし、手術後に容態が急変して家族を亡くし、病院の説明に納得がいかなかったら、どう証拠を集めるか。カルテ、看護記録、検査画像はすべて病院の中。送付嘱託で取り寄せられるが、改ざんの懸念があるケースでは、抜き打ちで保全する証拠保全(234条)を先に打つ判断もある。どちらを選ぶかで集まる証拠の質が変わる
- あなたが貸金返還で訴えられた側。原告が「あなたの口座にこの入金があったはずだ」と、銀行に取引履歴の送付嘱託を申し立てた。あなたに不利な記録が出てくる。第三者の銀行が握る客観的データは、当事者の言い分より重い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 欲しい文書を特定:何という文書(カルテ、取引履歴、ドラレコ等)を、誰(病院名、銀行名)が持っているかを明確にする2. 保存期限を確認:ドラレコは数日、カルテは原則5年、預金記録は概ね10年。期限が迫る証拠から優先3. 文書送付嘱託の申立書を作成(民事訴訟規則99条、文書の表示・趣旨・所持者を明記)し、裁判所に提出。提訴前なら132条の4の活用も検討4. 改ざんの懸念が強い文書(医療記録等)は、嘱託より先に証拠保全(234条)を打つ判断を弁護士と相談
訴えられた側:1. 相手が嘱託を申し立てたら、対象文書に自分に不利な記録が含まれるか即座に確認2. 嘱託の必要性・関連性に争いがあれば、意見書で「立証に不要」「範囲が広すぎる」と異議を述べる3. あなた自身が握る文書に関する送付嘱託では、第三者保持と異なり提出命令へ切り替えられる可能性があるため、安易に「ない」と回答しない4. 出てくる証拠が不可避なら、その記録に対する反論(別の解釈、前後の文脈)を先回りで準備する
時効(請求できる期限):送付嘱託の申立て自体に特定の時効はないが、証拠は適切な時期に提出すべきとされる(民事訴訟法156条、適時提出主義)。実質的な期限はむしろ文書の保存期間にある:ドライブレコーダー映像は数日から数週間、診療録は原則5年、預金取引記録は概ね10年(最新の保存実務をご確認ください)。記録が廃棄された後は嘱託しても取得不能
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文番号が再編され、文書送付の嘱託が現行226条として整理された。本案当事者が法令により正本・謄本の交付を直接求められる場合を除外するただし書を伴う
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法から条文番号が再編され、文書送付の嘱託が現行226条として整理された。当事者が法令により正本・謄本の交付を直接求められる場合を除外するただし書を伴う
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