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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第218条(鑑定の嘱託)

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  1. 裁判所は、必要があると認めるときは、官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は相当の設備を有する法人に鑑定を嘱託することができる。この場合においては、宣誓に関する規定を除き、この節の規定を準用する。
  2. 2.前項の場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、官庁、公署又は法人の指定した者に鑑定の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録の説明をさせることができる。
  3. 3.第一項の場合において、裁判所は、当事者に対し、同項の嘱託に係る鑑定の結果の提示をしなければならない。

この条文の基本情報

鑑定の嘱託とは何ですか?

定義鑑定の嘱託とは、民事訴訟法第218条に定められた規定で、「裁判所は、必要があると認めるときは、官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は相当の設備を有する法人に鑑定を嘱託することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第218条(鑑定の嘱託)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第218条の条文原文は「裁判所は、必要があると認めるときは、官庁若しくは公署、外国の官庁若しくは公署又は相当の設備を有する法人に鑑定を嘱託することができる。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第218条は第四節 鑑定に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第218条の前の条は民事訴訟法第217条です。
  7. 民事訴訟法第218条の次の条は民事訴訟法第219条です。
  8. 民事訴訟法第218条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第218条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第218条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/218

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法218条は、裁判所が官庁・公署・相当の設備を有する法人に鑑定を嘱託できると定める。宣誓の規定は準用されず、当事者は組織を反対尋問できない。

Q · 裁判所が大学病院や鑑定機関に意見を頼む「嘱託鑑定」って、個人の鑑定人とどう違うの?

組織に頼む鑑定で、宣誓なし・反対尋問もできない

民事訴訟法218条の嘱託鑑定は、官庁・公署・相当の設備を有する法人(大学病院や鑑定機関など)に鑑定を委ねる制度です。個人の鑑定人と違い宣誓に関する規定が準用されず、組織そのものを反対尋問することもできません。当事者にできるのは、組織が指定した担当者に鑑定書の説明を求めることだけです(2項)。組織の報告書は重い証拠として扱われるため、勝負どころは報告書が出た後ではなく、どの機関に・どんな鑑定事項で嘱託するかを決める段階にあります。

解説

親子関係を争う裁判、土地の境界や評価額でもめる訴訟、医療ミスの因果関係。これらの勝敗は、しばしば「専門家が何と言うか」で決まる。ところが裁判所は、宣誓をして法廷で質問に答える個人の鑑定人を呼ぶとは限らない。218条を使えば、官公庁や相当の設備を持つ法人、つまり大学病院や鑑定機関といった「組織」に意見を丸投げできる。この嘱託鑑定には宣誓の規定が適用されず、組織そのものを反対尋問することもできない。せいぜい組織が指定した担当者に説明させられるだけだ(2項)。つまり、組織の報告書が一度出てくると、その内容は重い証拠として扱われ、後から覆すのは至難になる。あなたが本当に力を発揮できるのは、報告書が出た後ではない。どの機関に、どんな鑑定事項で頼むかを決める、その瞬間だ。

法的な位置づけ

民事訴訟法218条は鑑定の嘱託を定める規定であり、裁判所が官庁・公署・外国の官庁公署または相当の設備を有する法人に鑑定を委ねることを認める。個人鑑定人による鑑定(同法212条)と異なり、宣誓に関する規定は準用されず、組織への嘱託という性質上、反対尋問に代えて指定者による鑑定書の説明が用意される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.専門的争点なら早期に嘱託鑑定を申し出る 専門的な事実が勝敗を分ける事案では、私的な意見書だけで戦わず、争点整理手続の段階で裁判所に218条の嘱託鑑定を申し出る。時機に後れると却下されうる(民訴157条)ため早めに動く
  2. 2.鑑定事項(問いの文言)案を自分で用意する 嘱託が決まる前の打ち合わせで、自分に有利な問いの立て方を提案する。問いの設計は報告書を読む段階より十倍効く一手で、ここで枠組みを取れば結論は出る前から傾く
  3. 3.嘱託先機関の中立性・利害関係を確認する 嘱託先の機関に相手方との利害関係や偏りがないかを確認し、不適切なら異議を出す。相手が連れてきた私的鑑定と並ぶときは、中立機関への嘱託を求める
  4. 4.報告書の前提・手法を精査し説明請求で突く 報告書が出たら結論だけでなく前提条件・手法・サンプルの妥当性を専門家に検証させる。弱点があれば指定者への説明請求(2項)で論理の穴を引き出し、その矛盾を武器に再鑑定を申し立てる

よくある質問 AI による整理

Q1嘱託鑑定とは何ですか?

裁判所が個人ではなく官庁・公署・相当の設備を有する法人に鑑定を委ねる制度です。民事訴訟法218条が根拠で、大学病院や鑑定機関への嘱託が典型例です。

Q2嘱託鑑定と鑑定人の鑑定の違いは何ですか?

個人鑑定人(212条)は宣誓し反対尋問の対象になりますが、嘱託鑑定(218条)は組織への委託で宣誓規定が準用されず、反対尋問もできません。

Q3嘱託鑑定に宣誓は必要ですか?

不要です。218条は宣誓に関する規定を明文で準用から除外しています。組織への嘱託であり、個人鑑定人のような虚偽鑑定罪の構造が外れます。

Q4嘱託鑑定の結果に反対尋問できますか?

組織そのものへの反対尋問はできません。裁判所が必要と認めれば、法人等が指定した者に鑑定書の説明をさせることができるにとどまります(2項)。

Q5私的鑑定書と嘱託鑑定はどちらが強いですか?

一般に中立な嘱託鑑定が重く扱われます。相手が顧問医などの私的意見書を出してきたら、中立機関への嘱託鑑定を申し出ると裁判官の心証が傾きやすくなります。

Q6鑑定事項は誰が決めますか?

最終的には裁判所ですが、当事者は嘱託前の打ち合わせで鑑定事項(問いの文言)案を提案できます。問いの設計が報告書の結論を左右する最大の勝負所です。

Q7嘱託鑑定はどの機関に頼めますか?

官庁・公署・外国の官庁公署のほか、相当の設備を有する法人に嘱託できます。大学病院、不動産鑑定機関、工学系鑑定機関、DNA 鑑定機関などが対象です。

Q8嘱託鑑定の費用は誰が負担しますか?

原則として鑑定を申し出た当事者が鑑定費用を予納します。最終的な負担は訴訟費用として敗訴者負担の原則に従って分配されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判所が頼んだ鑑定機関の結果が明らかにおかしいとき、やり直してもらえますか?

再鑑定は可能ですが、採用するかは裁判所の裁量です(民事訴訟法218条、215条)。「結論が不満」では動かず、鑑定の手法・前提・データに具体的な誤りを示す必要があります。実務のポイント:実務では、いきなり再鑑定を求めるより、まず担当者への説明請求(2項)で報告書の論理の穴を引き出し、その矛盾を武器に再鑑定を申し立てる方が通りやすい

Q2DNA鑑定を裁判所から求められたら、拒否できますか?

強制はできませんが、正当な理由なく拒めば、裁判所はあなたに不利な事実を推認できます(民事訴訟法218条の嘱託、親子関係の事件では事実上の証明妨害)。実務のポイント:人事訴訟の親子関係事件では、検体提出を拒んだ側に不利な認定がされる運用が定着している。「拒否すれば証拠がないから負けない」という発想は逆効果で、拒否そのものが心証を決める

間違えやすい点 AI による整理

  • 「鑑定人は宣誓して責任を持って判断するから信頼できる」と思われがちだが、218条の嘱託鑑定では宣誓の規定が明文で除外されている。組織に対する嘱託だからだ。個人鑑定人なら虚偽鑑定罪のプレッシャーがかかるが、組織嘱託ではその構造が外れる
  • 嘱託鑑定の結果に不満なら反対尋問すればいい、と考える人は、その手段の弱さを知らない。あなたができるのは、組織が指定した担当者に「説明」を求めることだけ(2項)。証人に対するような厳しい弾劾はできず、書面の結論を揺るがすのは想像以上に難しい
  • 「鑑定をやり直してほしい」と裁判所に頼めば再鑑定してもらえる、という前提がそもそも誤っている。再鑑定を採用するかは裁判所の裁量で、一度出た嘱託鑑定を覆すには、その鑑定手法や前提に具体的な誤りを示さねばならない。「結論が気に入らない」では動かない
比較の観点この条文ほかの条文
鑑定の主体218条:官庁・公署・相当の設備を有する法人(組織)212条:個人の鑑定人
217条:専門知識により知り得た事実を述べる鑑定証人
宣誓宣誓に関する規定は準用されない(明文除外)宣誓を要する
証人として宣誓
反対尋問・弾劾の手段組織への反対尋問不可、指定者への説明請求のみ(2項)鑑定人に対する尋問が可能
証人尋問の手続による
虚偽への制裁構造組織嘱託のため虚偽鑑定罪の構造が外れる虚偽鑑定罪のプレッシャーがかかる
偽証罪の対象

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第340条

台湾も法院が機関・団体に鑑定を囑託できる機関鑑定制度を持ち、日本の嘱託鑑定と構造が近い。

韓国
대한민국 민사소송법 제341조

韓国も公共機関・団体・外国機関への감정촉탁(鑑定嘱託)を認め、日本法の影響を受けた枠組みを採る。

ドイツ
ZPO § 404 ff.

ドイツは Sachverständigenbeweis を個人鑑定人中心に構成しつつ、官庁・機関による鑑定も許容する。日本法はこの母法を継受した。

アメリカ
Federal Rules of Evidence Rule 706

米国は裁判所選任の専門家証人制度を持つが、当事者対抗主義のもと反対尋問が広く保障される点で、組織嘱託で反対尋問を制限する日本法と性格が異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、相手が「うちの顧問医に診断書を書かせた」と主張してきたら? それは一方が金を払った私的な意見書にすぎない。あなたが裁判所に218条の嘱託鑑定を申し出て、中立な大学病院に因果関係を判断させれば、相手の顧問医の意見は一気に色あせる
  • 土地の評価額で兄弟と相続争い。互いに連れてきた不動産鑑定士の評価額が二千万円も食い違う。裁判所が中立の鑑定機関に嘱託すれば、その数字がほぼ最終回答になる
  • 親子関係不存在を訴えられた側のあなた。DNA鑑定の嘱託が決まり、検体提出の期日まであと二週間。ここで提出を拒めば、裁判所はあなたに不利な事実を推認する。鑑定に応じるか争うかの判断を、今夜中に弁護士と詰める必要がある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 専門的事実が争点なら、私的な意見書だけで戦わず、早い段階で裁判所に218条の嘱託鑑定を申し出る2. 鑑定事項(問いの文言)の案を自分で用意し、相手や裁判所と詰める。ここが最大の勝負所3. 嘱託先の機関に利害関係や偏りがないか確認し、不適切なら異議を出す4. 報告書が出たら、結論だけでなく前提条件と手法を精査し、弱点があれば担当者への説明請求(2項)で突く

訴えられた側:1. 不利な嘱託鑑定が見込まれるなら、鑑定事項の段階で「問いの立て方が一方的だ」と争い、中立的な文言に修正させる2. 検体提出やDNA鑑定を求められた場合、拒否は事実上の不利推認につながる点を踏まえ、応否を慎重に判断する3. 出てきた報告書は手法・前提・サンプルの妥当性を専門家に検証させ、誤りがあれば再鑑定を申し立てる4. 担当者の説明(2項)を求め、報告書の論理の穴を記録に残す

時効(請求できる期限):鑑定の申出や採否に特定の時効はないが、証拠調べは口頭弁論終結前に行う必要があり、争点整理手続の段階で申し出るのが実務上の鉄則。攻撃防御方法の提出が時機に後れると却下されうる(民事訴訟法157条、時機に後れた攻撃防御方法の却下)

学説

通説:218条の嘱託鑑定は、設備と専門性を備えた組織に鑑定を委ねることで迅速・信頼性ある判断を可能にする一方、宣誓規定を外し反対尋問の対象としない。当事者の弾劾手段は指定者への説明請求(2項)にとどまり、その証拠力は個人鑑定と同様に裁判所の自由心証に委ねられると解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、鑑定の節の中に嘱託鑑定の規定として現行218条が整理された。官庁・公署・相当の設備を有する法人への嘱託と、宣誓規定の不準用が明確化された。
  2. 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に関する改正の一環として、鑑定を含む証拠調べ手続全般がデジタル対応に合わせて見直された(条文の趣旨自体は維持)。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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