民事訴訟法 第213条(鑑定人の指定)
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鑑定人は、受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官が指定する。
この条文の基本情報
鑑定人の指定とは何ですか?
定義鑑定人の指定とは、民事訴訟法第213条に定められた規定で、「鑑定人は、受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官が指定する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第213条(鑑定人の指定)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第213条の条文原文は「鑑定人は、受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官が指定する。」で始まります。
- 民事訴訟法第213条は第四節 鑑定に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第213条の前の条は民事訴訟法第212条です。
- 民事訴訟法第213条の次の条は民事訴訟法第214条です。
- 民事訴訟法第213条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第213条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第213条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/213
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法213条は、鑑定人を受訴裁判所・受命裁判官・受託裁判官が指定すると定める。当事者は鑑定人を選べず、私的鑑定は書証として扱われる。
Q · 自分で雇った専門家の意見書を、裁判の鑑定にできますか?
できません。鑑定人を指定するのは裁判所です
民事訴訟法213条により、鑑定人を指定するのは受訴裁判所、受命裁判官または受託裁判官であり、当事者ではありません。依頼した専門家の意見書は『私的鑑定』として書証(証拠書類)に扱われ、裁判所が指定した鑑定人の鑑定意見とは証明力が区別されます。専門的争点で結果を左右したいなら、人選そのものより、何を鑑定させるか(鑑定事項)の設定と、不公正な候補への忌避(214条)のタイミングに力を注ぐのが実務上有効です。
解説
医療ミスで家族を失い、知り合いの医師に「これは明らかな過失だ」という意見書を書いてもらった。これで勝てると思っている。だが日本の民事裁判では、その意見書は『鑑定』ではない。213条がはっきり定めている。鑑定人を選ぶのは、あなたでも相手でもなく、裁判所(受訴裁判所)または裁判官だ。アメリカのドラマのように、双方が自分の専門家を法廷で対決させる構図は、日本の鑑定制度には存在しない。あなたが連れてきた専門家の意見書は『私的鑑定』と呼ばれ、扱いは一段下の書証(証拠書類)にすぎない。裁判所が指定した鑑定人の意見こそが、判決を左右する正式な鑑定だ。つまり、誰が鑑定人になるか、何を鑑定させるか、その入口を握っているのは裁判所であって、あなたではない。この一点を知らずに訴訟に臨むと、立証戦略の土台から崩れる。
法的な位置づけ
民事訴訟法213条は鑑定人の指定権を定める規定であり、訴訟上の鑑定人は受訴裁判所、受命裁判官または受託裁判官が指定するとする。当事者には鑑定人を選任する権限はなく、当事者が私的に依頼した専門家の意見は私的鑑定として書証に位置づけられ、裁判所指定の鑑定人による鑑定意見と区別される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.鑑定事項の案を具体的に練る 鑑定の申出をする前に、何を判断してもらうか(鑑定事項)の案を具体的に作成する。ここが結果を左右するため、人選を気にする前にまず質問設計に集中する
- 2.私的鑑定意見書を先に提出する 正式な鑑定の前に質の高い私的鑑定意見書を書証として提出し、裁判所が鑑定事項を組み立てる際の土台を作る。これにより鑑定人への質問を有利な方向へ誘導できる
- 3.鑑定費用の予納を見込む 鑑定を申し出る当事者が費用を予納する。建築・医療では数十万円規模になることもあるため、予算と費用対効果を事前に確認し、敗訴リスクも織り込む
- 4.鑑定人候補の利害関係を確認し忌避を検討 鑑定人候補が示されたら、相手方との利害関係や師弟・派閥関係を早めに調べ、公正を妨げる事情があれば、候補が鑑定事項を陳述する前に214条の忌避を申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定人は誰が決めるのですか?
民事訴訟法213条により、訴訟の鑑定人を指定するのは受訴裁判所、受命裁判官または受託裁判官です。当事者が自分で鑑定人を選任することはできません。
Q2私的鑑定とは何ですか?
当事者が自ら専門家に依頼して作成させた意見書を私的鑑定といいます。裁判所指定の鑑定とは異なり、証拠としては書証(証拠書類)として扱われます。
Q3鑑定費用は誰が負担するのですか?
原則として鑑定を申し出た当事者が費用を予納します。建築や医療の鑑定は数十万円規模になることもあり、敗訴すると自己負担になりうるため事前見積もりが重要です(最新運用をご確認ください)。
Q4鑑定人の忌避はどうすればできますか?
鑑定人に公正を妨げる事情がある場合、民事訴訟法214条により忌避を申し立てられます。鑑定人が鑑定事項について陳述する前に申し立てる必要があります。
Q5鑑定と私的鑑定意見書はどちらが強いですか?
両者がぶつかれば原則として裁判所指定の鑑定が重視されます。ただし鑑定意見の評価は自由心証主義に委ねられ、裁判所を絶対的に拘束するわけではありません。
Q6鑑定の申出はどうやって行うのですか?
鑑定を求める当事者が、鑑定事項の案とともに鑑定の申出を行います。裁判所が必要性を判断し、相当と認めれば鑑定人を指定します(213条)。
Q7鑑定事項は誰が決めるのですか?
最終的には裁判所が定めますが、当事者は鑑定事項の案を提出できます。早めに具体的な案を出すことが、結果を自分に有利に導く実務上の要点です。
Q8鑑定人の意見に納得できないときは?
鑑定人質問(215条の2等)で内容を確認・弾劾し、私的鑑定意見書を書証として提出して反論できます。場合により再鑑定を求める余地もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分で雇った専門家の意見書って、裁判で意味ないんですか?
意味はあります。ただし『鑑定』ではなく『書証(私的鑑定意見書)』として扱われます。裁判所が指定する鑑定人(213条)の意見と比べると証明力は一段下がりますが、鑑定事項の設定や鑑定書への反論材料として有効です。実務のポイント:正式な鑑定を申し立てる前に質の高い私的鑑定意見書を出しておくと、裁判所がそれを参考に鑑定事項を組み立てるため、結果的に自分に有利な質問を鑑定人へ投げさせられる。鑑定の入口は、こうして間接的に動かせる
Q2裁判所が選んだ鑑定人が、相手寄りに見える場合はどうすれば?
鑑定人が当事者と特別な利害関係や個人的関係を持つ場合、忌避(民事訴訟法214条)を申し立てられます。ただし『判断が気に入らない』だけでは忌避できず、公正を妨げる具体的事情が必要です。実務のポイント:忌避は鑑定人が鑑定事項を陳述する前というタイミングが命。学会の派閥や師弟関係は外形上分かりにくいので、候補者が示されたら専門分野の人脈を早めに調べる。鑑定書が出てから騒いでも、原則として手遅れになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「どうやって自分の鑑定人を法廷に立たせるか」と考えている時点で、問いそのものがずれている。日本の制度では鑑定人を立てるのは裁判所であって当事者ではない。あなたが本当に考えるべきは『裁判所が選ぶ鑑定人に、自分に有利な鑑定事項をどう設定させるか』だ
- 「私的鑑定意見書も証拠だから同じ効力がある」と思われているが、私的鑑定は書証として扱われ、裁判所指定の鑑定人の意見とは重みが違う。両者がぶつかれば、原則として正式な鑑定が重視される
- 鑑定人は裁判所が選ぶ、ここまでは知っていても、その鑑定費用を負担するのが鑑定を申し出た当事者だという深刻さを知らない人が多い。建築や医療の鑑定費用は数十万から百万円規模になることもあり、敗訴すれば自腹になりうる(最新の運用をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 213条:鑑定人を誰が指定するか(裁判所側) | 214条:鑑定人の忌避(不公正な候補の排除) 218条:鑑定の嘱託(個人でなく機関に委ねる) |
| 当事者の関与 | 鑑定人の選任権はなく、鑑定事項の案を出せるにとどまる | 公正を妨げる事情があれば忌避を申立て可能 官公署・相当機関への嘱託を求めることが可能 |
| タイミング | 鑑定の申出後、裁判所が必要性を判断して指定 | 鑑定人が鑑定事項を陳述する前まで 鑑定人の人選が困難・大量の場合の代替手段 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も鑑定人は受訴法院が選任し、その人数を定めるとする。当事者は合意で鑑定人を選ぶ余地が一部あるが、選任の主導権は裁判所側にある点で日本と近い
韓国も鑑定人は裁判所が指定する。専門知識の中立性確保という制度趣旨は日本と共通する
ドイツでは鑑定人の選任は原則として受訴裁判所が行う。日本の鑑定人指定制度の沿革的な範となった規定
米国は当事者主導の専門家証人(party expert)が原則で、裁判所選任の鑑定人(court-appointed expert)は例外的。双方の専門家が法廷で対決する構図が基本で、日本とは出発点が逆
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、建築した自宅に欠陥が見つかり施工会社を訴えたら、どうなるか。あなたが依頼した一級建築士は『重大な施工不良』と判断した。だが裁判所が別の建築士を鑑定人に指定したら、その人物の判断があなたの専門家の意見より重く扱われる。鑑定人が誰になるかで、勝敗が動く
- あなたが医師で、医療過誤で訴えられた側。原告が連れてきた医師の意見書に過剰に怯える必要はない。それは私的鑑定にすぎず、裁判所が指定する鑑定人の中立的判断が本命だ。鑑定人候補に専門領域のずれがないか、忌避(214条)の余地がないかをまず確認する
- 鑑定の申出をするとき、何を判断させるか(鑑定事項)の案を出せる期限がある。ここを逃すと、相手が組んだ質問だけで鑑定が進む。残り時間は次回期日まで
取るべき行動
被害を受けた側:1. 鑑定の申出をする前に、何を判断してもらうか(鑑定事項)の案を具体的に練る、ここが結果を左右する2. 補強として私的鑑定意見書を先に提出し、鑑定事項の土台を作る3. 鑑定費用(数十万円規模になることもある)の予納が必要なことを織り込む4. 鑑定人候補が示されたら経歴と利害関係を確認、問題があれば214条の忌避を期日前に申し立てる
訴えられた側:1. 相手の私的鑑定意見書に過剰反応しない、それは正式な鑑定ではない2. 裁判所指定の鑑定人候補に偏りがあれば忌避(214条)を検討3. 鑑定事項に自分の主張する論点を追加するよう求める4. 不利な鑑定書が出たら、私的鑑定意見書を書証として提出し、鑑定人質問(215条の2等)で弾劾する
時効(請求できる期限):鑑定そのものに消滅時効はないが、鑑定人の忌避は、鑑定人が鑑定事項について陳述する前に申し立てなければならない(民事訴訟法214条)。陳述後に忌避の原因を知った場合を除き、タイミングを逃すと忌避権を失う
学説
通説:鑑定人の選任権を裁判所に集中させるのは、専門的事項の判断に中立性と公正を確保するためである。当事者が私的に依頼した専門家の意見は私的鑑定として書証に位置づけられ、裁判所指定の鑑定意見とは証明力が区別されるが、いずれも最終的な評価は自由心証主義(247条)に服する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の鑑定人指定に関する規律を整理し、現行213条として受訴裁判所・受命裁判官・受託裁判官による指定を明文化
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