民事訴訟法 第216条(証人尋問の規定の準用)
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第百九十一条の規定は公務員又は公務員であった者に鑑定人として職務上の秘密について意見を述べさせる場合について、第百九十七条から第百九十九条までの規定は鑑定人が鑑定を拒む場合について、第二百一条第一項の規定は鑑定人に宣誓をさせる場合について、第百九十二条及び第百九十三条の規定は鑑定人が正当な理由なく出頭しない場合、鑑定人が宣誓を拒む場合及び鑑定拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に鑑定人が正当な理由なく鑑定を拒む場合について準用する。
この条文の基本情報
証人尋問の規定の準用とは何ですか?
定義証人尋問の規定の準用とは、民事訴訟法第216条に定められた規定で、「第百九十一条の規定は公務員又は公務員であった者に鑑定人として職務上の秘密について意見を述べさせる場合について、第百九十七条から第百九十九条までの規定は鑑定人が鑑…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第216条(証人尋問の規定の準用)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第216条の条文原文は「第百九十一条の規定は公務員又は公務員であった者に鑑定人として職務上の秘密について意見を述べさせる場合について、第百九十七条から第百九十九条までの規定は鑑定人が鑑…」で始まります。
- 民事訴訟法第216条は第四節 鑑定に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第216条の前の条は民事訴訟法第215条の4です。
- 民事訴訟法第216条の次の条は民事訴訟法第217条です。
- 民事訴訟法第216条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第216条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第216条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/216
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法216条は、証人尋問の規定を鑑定人に準用する。拒絶手続や宣誓、不出頭への制裁は準用されるが、証人の勾引(194条)は準用されず、鑑定人を強制連行することはできない。
Q · 裁判所から鑑定人に指名されたら、証人と同じで絶対に断れないの?
いいえ。鑑定人には拒絶権があり、強制連行もされません
民事訴訟法216条は証人尋問の規定を鑑定人に準用しますが、すべてを準用するわけではありません。準用されるのは公務員の秘密(191条)、拒絶手続(197〜199条)、宣誓(201条1項)、不出頭等への制裁(192条・193条)です。決定的に異なるのは、証人を強制連行する勾引(194条)が準用されていない点で、鑑定人は法廷へ引きずられません。ただし裁判所が拒絶を理由なしと判断し確定した後も拒み続ければ、過料に加えて罰金という刑事罰が発動します。
解説
裁判所からある日、封筒が届く。「鑑定人として意見を求める」。あなたは医師、建築士、不動産鑑定士、あるいはエンジニア。専門家であるがゆえに、見知らぬ他人の訴訟に巻き込まれる。多くの人は「裁判所の命令だから断れない」と思い込む。だが216条が証人尋問の規定を鑑定人に準用する、その中身を読み解くと景色が変わる。準用されるのは拒絶権(197条以下)、宣誓(201条1項)、不出頭の制裁(192条、193条)。そして決定的に、証人を強制連行する勾引(194条)は準用されていない。証人は法廷へ引きずられるが、鑑定人は引きずられない。専門家は代替がきくからだ。あなたには、職務上の秘密や自己の不利益を理由に鑑定を拒む道がある。ただし、裁判所が拒絶を理由なしと判断し確定した後も断り続ければ、過料に加えて罰金という刑事罰が現実になる。
法的な位置づけ
民事訴訟法216条は、証人尋問に関する規定を鑑定人に準用する規定である。公務員の職務上の秘密(191条)、鑑定の拒絶手続(197条から199条)、宣誓(201条1項)、不出頭等に対する制裁(192条・193条)が準用される。他方、証人の勾引に関する194条は準用されず、鑑定人を強制的に出頭させることはできない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.鑑定依頼書面で準用条文を確認 裁判所から鑑定依頼の書面が届いたら、まず民訴216条が準用する条文(191・197〜199・201条1項・192・193条)を確認し、自分にどの義務と権利が及ぶかを把握する
- 2.拒絶事由の有無を精査 依頼内容が職務上の秘密、自己や近親者の不利益、利益相反にあたるかを準用される197条以下に照らして精査する。該当すれば拒絶する余地がある
- 3.公務員なら任命権者の承認手続を先に 公務員または元公務員が職務上の秘密について意見を求められた場合、準用される191条により、自分で判断せず任命権者(監督官庁)の承認手続を先に踏む
- 4.拒む場合は理由を疎明し裁判所の判断を仰ぐ 鑑定を拒む場合、準用される198条により拒絶理由を疎明する書面を準備し、199条により裁判所の判断を仰ぐ。確定前に正面から争うことで制裁リスクを避ける
- 5.引き受けるなら出頭日と宣誓を守る 鑑定を引き受ける場合は、準用される201条1項の宣誓と出頭日を守る。正当な理由で出頭できないときは事前に裁判所へ届け出て、192条の過料・193条の罰金を回避する
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定人とは何ですか?
専門知識を用いて裁判所に意見を述べる者です。医師・建築士・不動産鑑定士などが指名され、証人尋問の規定が民訴216条により準用されます。
Q2鑑定人は勾引されますか?
されません。証人の勾引を定める民訴194条は216条で準用されていないため、鑑定人を強制的に法廷へ連行することはできません。
Q3鑑定人の宣誓は義務ですか?
義務です。民訴201条1項が準用され、鑑定人は宣誓をします。正当な理由なく宣誓を拒むと192条の過料、193条の罰金の対象になります。
Q4民事訴訟法216条で準用される条文は何ですか?
191条(公務員の秘密)、197〜199条(拒絶手続)、201条1項(宣誓)、192条・193条(制裁)です。194条(勾引)は準用されません。
Q5鑑定人が出頭しないとどうなりますか?
正当な理由なく出頭しなければ、準用される192条で過料、193条で10万円以下の罰金又は拘留の対象となります。事前に理由を届け出れば回避できます。
Q6鑑定人と証人の違いは何ですか?
証人は事実を知る唯一の存在で勾引により強制連行されますが、鑑定人は代替可能なため勾引されません。立法が意図的に194条を準用から外しています。
Q7鑑定拒絶に正当な理由は必要ですか?
必要です。準用される197条以下の拒絶事由を疎明し(198条)、理由の有無を裁判所が判断します(199条)。理由なしと確定後も拒むと制裁が発動します。
Q8鑑定人の罰金はいくらですか?
準用される民訴193条により10万円以下の罰金又は拘留です。これは刑事罰で前科となりうる点が、行政上の過料(192条)と次元を異にします。
この条文についての質問 AI による整理
Q1鑑定人を引き受けたら、証人みたいに必ず法廷に行かなきゃダメですか?
出頭義務はありますが、証人と決定的に違う点があります。証人を強制的に連れてくる勾引(194条)は、216条で鑑定人に準用されていません。物理的に引きずられることはない。ただし正当な理由なく出頭しなければ準用される192条の過料、193条の10万円以下の罰金又は拘留があります。実務のポイント:鑑定人が代替可能だからこそ勾引が外された。裁判所も非協力的な専門家に固執せず別の鑑定人を選び直すことが多い。嫌なら正面から拒絶手続を踏む方が、ずるずる無視するより安全
Q2公務員ですが、仕事で知った情報について鑑定意見を求められました。話していいんですか?
自分の判断で話してはいけません。準用される191条により、職務上の秘密については任命権者(監督官庁)の承認が必要です。承認なく述べれば守秘義務違反の責任を自分で負います。これは退職後の元公務員にも及びます(条文が「公務員であった者」と明記)。実務のポイント:承認を求めると役所は原則として拒めず、公共の利益を著しく害する場合に限り拒否できる。「承認がないと述べられない」と返すのは責任回避として正当な一手
Q3頼まれた鑑定、利益相反があって断りたいんですが、罰せられますか?
正当な理由があれば罰せられません。準用される197条以下の拒絶事由やそれに準じる事情を疎明し(準用198条)、裁判所の判断を仰げます(準用199条)。罰則(準用192条、193条)が発動するのは、裁判所が拒絶を理由なしと判断し確定した後も、なお正当な理由なく拒み続けた場合だけです。実務のポイント:制裁は確定後の頑なな拒否に限られる。初動で拒絶理由をきちんと疎明しておけば争いの土俵に乗せられ、いきなり罰金ということはまずない
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判所から鑑定を命じられたら、証人と同じで拒否できない」と思われているが、準用される197条以下で鑑定人にも拒絶権がある。医師や弁護士の守秘義務、自己や近親者の不利益にかかわる事項は、正当に拒める
- 鑑定人にも過料や罰金の制裁があることは知られているが、その深刻さが見落とされている。準用される193条の罰金は刑事罰であり、前科として記録に残りうる。単なる行政上の過料(192条)とは次元が違う
- 「鑑定人が来ないなら、証人みたいに連れてくればいい」という問いの立て方自体が誤っている。証人に使える勾引(194条)は216条で準用されていない。鑑定人は強制連行できない。代替可能な専門家を無理やり連れてきても、誠実な鑑定は期待できないという立法判断だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 強制出頭(勾引) | 鑑定人(216条):194条は準用されず、強制連行できない | 証人:194条により勾引(強制連行)される |
| 拒絶権 | 鑑定人:197〜199条が準用され、秘密・不利益を理由に拒める | 証人:197条以下で証言拒絶権を有する |
| 宣誓 | 鑑定人:201条1項が準用され、宣誓義務がある | 証人:原則として宣誓義務がある |
| 制裁 | 鑑定人:192条の過料・193条の罰金が準用される | 証人:不出頭等に過料・罰金、加えて勾引もありうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
鑑定については別段の定めがない限り人証(証人)に関する規定を準用する点で日本216条と同型の立法技術を採る。
感定(鑑定)に特別の規定がなければ証人尋問の規定を準用すると定め、日本法と並行する構造をもつ。
専門家による証拠調べに証人尋問の規定を準用する旨を定める。日本216条の母法的位置にあたる。
裁判所が選任する専門家証人を規律。当事者選任の専門家証人が主流で、準用方式ではなく独立した規定群を置く点が大陸法系と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは不動産鑑定士。係争中の土地の評価を裁判所から鑑定依頼されたが、当事者の一方はあなたの古い取引先だ。利益相反を理由に断りたい。準用される197条以下で拒絶の理由を疎明し、199条の手続で裁判所の判断を仰げる。黙って放置するのと、正面から疎明するのとでは、後の制裁リスクが天と地ほど違う
- もし、あなたが公立病院の医師で、患者の診療情報を鑑定意見として求められたら? 職務上の秘密にあたるため、準用される191条により、任命権者(監督官庁)の承認がなければ意見を述べられない。あなた個人の判断で開示すれば、守秘義務違反の責任を一人で背負う
- あなたは一度鑑定を引き受けたが、本業が立て込んで出頭日に行けなかった。あと数日で次の期日。「正当な理由なく出頭しない」とされれば、準用される192条で過料、193条で10万円以下の罰金又は拘留。正当な理由を疎明する書面を、今夜のうちに整えなければならない
- あなたが訴訟の当事者で、相手方に有利な鑑定をしそうな専門家が指定された。その鑑定人が肝心な部分の意見を秘密だと拒んだら? 準用される199条で、拒絶に理由があるか裁判所が判断する。理由ありと認められれば、その論点は別の証拠で組み直すしかない
取るべき行動
被害を受けた側:鑑定人に指名された専門家の立場。1. 依頼内容が職務上の秘密、自己や近親者の不利益にかかわるか精査(準用197条以下) 2. 拒む場合は理由を疎明する書面を準備し(準用198条)、裁判所の判断を仰ぐ(準用199条) 3. 公務員なら任命権者の承認手続を先に踏む(準用191条) 4. 引き受けるなら出頭日と宣誓(準用201条1項)を守り、正当な理由で行けないなら事前に裁判所へ届け出て過料、罰金を回避する(準用192条、193条)
訴えられた側:鑑定人と向き合う当事者の立場。1. 相手方に有利そうな鑑定人が指定されたら、まず鑑定事項の範囲を確認2. 鑑定人が肝心な点を拒絶したら、その拒絶に理由があるか裁判所の判断を待つ(準用199条) 3. 鑑定人を強制連行はできない(194条は準用されない)ので、非協力的な鑑定人に固執せず、別の鑑定人の再指定や他の証拠での立証を検討4. 不出頭や不当な拒絶には、過料、罰金の制裁を裁判所に促せる(準用192条、193条)
時効(請求できる期限):鑑定拒絶については、裁判所が理由の有無を裁判し(準用199条)、その確定後も正当な理由なく拒むと制裁が発動する。鑑定そのものに固有の時効はないが、拒絶理由の疎明(準用198条)は拒絶の意思を示す時点で速やかに行う必要がある
学説
通説:216条が証人の勾引(194条)を準用から外したのは、証人が事実を知る唯一の存在で代替不可能であるのに対し、鑑定人は専門知識を提供するにすぎず代替可能だからと説明される。強制連行しても誠実な鑑定は期待できないという立法判断である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行216条が整備され、証人尋問規定の鑑定人への準用が条文上明確化された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正で、関連する証人尋問・宣誓手続が電磁的方式に対応した。
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