民事訴訟法 第192条(不出頭に対する過料等)
クイックジャンプ
- 証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、十万円以下の過料に処する。
- 2.前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
不出頭に対する過料等とは何ですか?
定義不出頭に対する過料等とは、民事訴訟法第192条に定められた規定で、「証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、十万円以下の過料に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第192条(不出頭に対する過料等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第192条の条文原文は「証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 民事訴訟法第192条は第二節 証人尋問に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第192条の前の条は民事訴訟法第191条です。
- 民事訴訟法第192条の次の条は民事訴訟法第193条です。
- 民事訴訟法第192条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第192条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第192条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/192
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法192条は、証人が正当な理由なく出頭しない場合、裁判所が決定で10万円以下の過料を科し、生じた訴訟費用の負担も命じると定める。決定には即時抗告できる。
Q · 証人として呼ばれたのに行かなかったら、どうなるの?
正当な理由なく欠席すると過料10万円以下が科されます
民事訴訟法192条により、証人が正当な理由なく出頭しないと、裁判所は決定で10万円以下の過料を科し、欠席で生じた訴訟費用の負担も命じます。この過料は前科の付かない秩序罰ですが、隣の193条には刑事罰、194条には勾引も用意されています。決定に不服があれば、告知から1週間以内に即時抗告で争えます。
解説
ある朝、見覚えのない封筒が届く。中身は裁判所からの「証人尋問期日呼出状」。あなたは事件の当事者ではない。たまたま交差点で事故を目撃しただけ、あるいは知人の貸し借りの場に居合わせただけだ。「自分は関係ない」と封筒を引き出しに放り込む、その判断が命取りになる。民事訴訟法192条は、正当な理由なく出頭しない証人に対し、裁判所が決定で過料10万円以下を科し、かつ欠席によって生じた訴訟費用まで負担させると定める。ここで知っておくべき決定的な点が二つある。第一に、この過料は刑罰ではない。だが隣の193条には別途「刑事罰」が用意されており、両方が同時に走りうる。第二に、不服があれば即時抗告で争えるが、その期間はわずか1週間。あなたが「関係ない」と思っている他人の裁判が、ある日あなたの財布と時間に直接手を伸ばしてくる。
法的な位置づけ
民事訴訟法192条は、証人の不出頭に対する制裁を定める規定であり、正当な理由なく出頭しない証人に対し、裁判所が決定で訴訟費用の負担を命じ、かつ10万円以下の過料を科すことを規律する。この過料は刑罰ではなく秩序罰であり、決定に対しては即時抗告による不服申立てが認められる。
よくある質問 AI による整理
Q1証人尋問を無視するとどうなりますか?
正当な理由なく出頭しないと、民事訴訟法192条により決定で10万円以下の過料が科され、欠席で生じた訴訟費用の負担も命じられます。さらに193条の刑事罰や194条の勾引もありえます。
Q2証人の過料はいくらですか?
10万円以下です。民事訴訟法192条が上限を定め、実際の額は裁判所が決定で定めます。あわせて不出頭で生じた訴訟費用の負担も命じられます。
Q3証人の即時抗告はいつまでにできますか?
過料決定の告知を受けた日から1週間の不変期間内です(民訴332条)。この期間を過ぎると過料は確定し、正当な理由があっても争えなくなります。
Q4証人の正当な理由とは何ですか?
入院・重病、海外出張、近親者の葬儀など、客観的に出頭できない事情を指します。期日前に証明資料を添えて届け出れば過料の対象になりません。
Q5証人の勾引とは何ですか?
正当な理由なく出頭しない証人を、裁判所が強制的に法廷へ連行する手続です(民訴194条)。過料や刑事罰とは別に、身柄確保のために使われます。
Q6過料の決定に従わないとどうなりますか?
過料は確定すると国の徴収手続により強制的に取り立てられます。財産の差押えに進むこともあり、放置しても支払義務は消えません。
Q7証人尋問は拒否できますか?
出頭は義務ですが、一定の場合に証言だけを拒める証言拒絶権があります(民訴196条・197条)。無断欠席ではなく、出頭した上で適法に拒絶するのが正しい対応です。
Q8証人費用は誰が負担しますか?
正当な理由なく出頭しなかった証人は、欠席によって生じた訴訟費用を自ら負担します(民訴192条1項後段)。通常の証人日当とは別の制裁的負担です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1当事者でもないのに証人で呼ばれました。本当に行かないとダメですか?
行く義務があります。証人義務は事件の当事者ではない一般国民に課される公的義務で(民訴190条)、「自分は関係ない」は欠席の理由になりません。正当な理由なく出頭しなければ192条の過料10万円以下、さらに193条の刑事罰の対象です。実務のポイント:実務では、どうしても日程が合わない場合、申請した当事者の代理人弁護士に連絡すると、期日変更や尋問方法の調整に動いてくれることが多い。裁判所に直接ぶつかる前に、まず呼んだ側に相談すると現実的な落としどころが見つかりやすい
Q2過料と罰金って、どう違うんですか?同じお金を取られるだけでは?
大きく違います。192条の過料は行政的な秩序罰で前科が付きませんが、隣の193条の罰金は刑事罰なので前科が付きます。不出頭という同じ行為に両方が適用されうるのが日本の証人制度の特徴です。実務のポイント:実際に重い刑事罰まで科されるケースは多くありませんが、悪質な無視が続くと裁判所は194条の勾引(強制的に法廷へ連行)まで使えます。「たかが証人の呼び出し」と侮ると、想定外の段階まで進むことがある
Q3病気で本当に行けないときも過料を取られるんですか?
「正当な理由」があれば過料の対象になりません。入院、重病、出張、近親者の葬儀などが典型例です。ただし鍵は事前に届け出ること。無断で欠席してから後で理由を述べても、裁判所の評価は厳しくなります。実務のポイント:診断書や搭乗券など客観的な資料を添えて期日前に届け出るかどうかで結論が分かれます。口頭で「体調が悪い」と言うだけでは弱い。証明できる紙を一枚添えるだけで、過料を回避できる可能性が一気に上がる(最新の運用は裁判所にご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「呼出状は無視しても罰金くらいだろう」と軽く考えている人が多いが、深刻さの桁が違う。192条の過料10万円に加えて、隣の193条は同じ不出頭に対して別途「刑事罰」(罰金または拘留)を用意している。さらに194条では裁判所があなたを強制的に連れて来る勾引まで可能。一回の無視が、過料・刑事罰・身柄拘束の三段ロケットを起動しうる
- 「自分は当事者じゃないから出頭義務はない」という思い込みは、前提から誤っている。証人義務は事件と無関係な第三者にこそ課される国民の義務であり(民訴190条)、当事者でないことは欠席の理由にならない。むしろ当事者でない第三者だからこそ、強制力を使ってでも証言させる必要があると法は考えている
- 過料と罰金を同じものと考えがちだが、決定的な違いがある。192条の過料は行政的な制裁で前科(犯罪歴)が付かない。一方、193条の罰金は刑事罰なので前科が付く。あなたから見れば「どっちもお金を取られるだけ」だが、法律から見れば人生の記録に残るかどうかの分かれ目。この落差を知らずに対応を誤ると、回避できたはずの前科を背負う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 過料10万円以下(秩序罰・前科なし) | 罰金または拘留(刑事罰・前科あり) 勾引(強制的に法廷へ連行、身柄確保) |
| 発動要件 | 正当な理由なき不出頭 | 正当な理由なき不出頭(刑事手続として) 正当な理由なき不出頭で出頭確保が必要な場合 |
| 不服申立て・手続 | 即時抗告(告知から1週間の不変期間) | 刑事手続による審理で争う 勾引状による執行(処分自体は出頭強制) |
| 前科の有無 | つかない | つく つかない(出頭強制であり刑罰ではない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も正当な理由なく出頭しない証人に対し裁判所が罰鍰(過料に相当)を科す。日本同様、訴訟費用の負担と制裁を組み合わせる構造をとる。
韓国も証人の不出席に対し過태료(過料)と訴訟費用負担を定め、さらに勾引(감치・구인)の制度を別途持つ点で日本と類似する。
ドイツは母法。出頭しない証人に Ordnungsgeld(秩序罰金)と費用負担を科し、再度の不出頭には Ordnungshaft(拘留)や勾引を段階的に用意する。日本の192〜194条の段階構造の原型。
米国は subpoena(召喚令状)に従わない証人を contempt of court(法廷侮辱)として制裁する。金銭制裁や身柄拘束を含むが、秩序罰と刑事罰を条文単位で峻別する大陸法と発想が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、知人同士の金銭トラブルの裁判で「あの場にいたあなたに証言してほしい」と呼び出されたら、どうなる? 面倒だからと無視すれば、当事者でもないあなたに過料10万円が科されうる。事件の勝ち負けと一円も関係ないのに、出頭しなかったという一点だけで財布が軽くなる
- あなたが目撃した交通事故で、加害者側・被害者側のどちらかから証人申請された。出たくない、巻き込まれたくない。だが「気が進まない」は正当な理由にならない。病気・出張・近親者の葬儀など客観的な事情がなければ、欠席は即192条の射程に入る
- 会社の同僚が会社を訴え、あなたが現場を見た唯一の人物として呼ばれた。証言すれば会社に睨まれる、行かなければ過料。板挟みのあなたに残された道は、出頭した上で証言拒絶権(民訴196条、197条)を正しく使えるか検討すること
- 呼出状を放置したまま期日が過ぎ、後日「過料10万円に処する」という決定書が届いた。即時抗告で争えるが、決定の告知を受けてから1週間以内。あと数日で期間が切れる。今夜、正当な理由を示す資料を揃えなければ、その10万円は確定する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手方や重要な事実を知る第三者が証人として必要なら、裁判所に証人申請を行い、呼出状を送ってもらう2. 相手が出頭を渋る場合、192条(過料)・193条(刑事罰)・194条(勾引)という強制手段が存在することを念頭に、裁判所へ制裁発動や勾引を上申する3. 証人が出頭せず審理が遅れた場合、それによって生じた費用は不出頭の証人に負担させられる(192条1項後段)ので、その点も裁判所に主張する4. 証言内容の証拠化のため、陳述書を事前に準備させる方法も並行検討
訴えられた側:1. 呼出状が届いたら、まず出頭日と裁判所名を確認、放置は最悪手2. どうしても行けない正当な理由(入院・出張・葬儀等)があるなら、期日前に証明資料を添えて裁判所へ不出頭の届出をする3. 証言内容で不利益や守秘義務違反が心配なら、出頭はした上で証言拒絶権(民訴196条、197条)の行使を検討、無断欠席ではなく適法な拒絶で対応する4. すでに過料決定が出てしまったら、告知から1週間以内に即時抗告(192条2項)を申し立て、正当な理由を立証する
時効(請求できる期限):過料決定に対する即時抗告は、決定の告知を受けた日から1週間の不変期間内(民訴332条)。この期間を過ぎると過料は確定し、争えなくなる。出頭できない場合の事前届出には法定の期限はないが、期日前のできるだけ早い時点で行うほど正当な理由として認められやすい
学説
通説:192条の過料は訴訟手続の秩序維持を目的とする秩序罰であり、刑罰ではないため前科が付かない。これに対し193条の罰金・拘留は刑事罰であり、両者は法的性質を異にするとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正(平成10年施行) 旧民事訴訟法の証人不出頭規定を現行192条に整理・条文番号を変更し、過料制裁と即時抗告による不服申立てを現行の形に明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正(平成10年施行)。旧法の証人不出頭規定を現行192条に整理し、過料制裁と即時抗告による不服申立てを現行の形に明文化した。
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