民事訴訟法 第215条の4(受命裁判官等の権限)
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受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第二百十五条の二第四項の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。
この条文の基本情報
受命裁判官等の権限とは何ですか?
定義受命裁判官等の権限とは、民事訴訟法第215条の4に定められた規定で、「受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第二百十五条の二第四項の規定による異議についての…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第215条の4(受命裁判官等の権限)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第215条の4の条文原文は「受命裁判官又は受託裁判官が鑑定人に意見を述べさせる場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第二百十五条の二第四項の規定による異議についての…」で始まります。
- 民事訴訟法第215条の4は第四節 鑑定に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第215条の4の前の条は民事訴訟法第215条の3です。
- 民事訴訟法第215条の4の次の条は民事訴訟法第216条です。
- 民事訴訟法第215条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第215条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第215条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/215_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法215条の4は、鑑定人質問を受命裁判官または受託裁判官が担当する場合、受訴裁判所と裁判長の職務をその裁判官が行うと定める。ただし異議の裁判は受訴裁判所が行う。
Q · 鑑定人の話を法廷で聞く裁判官と、判決を書く裁判官が違うことってあるの?
鑑定手続を一人の裁判官に委ねられるため、別人になることがあります
民事訴訟法215条の4により、鑑定人に意見を述べさせる手続は、合議体の一人である受命裁判官や、別の裁判所に嘱託された受託裁判官が担当できます。その場合、本来は受訴裁判所・裁判長が行う訴訟指揮等の職務を、その裁判官が代わって行います。判決を書く裁判官が鑑定人の生の証言に立ち会わないことが現実に起こり得ます。ただし鑑定人質問の制限に対する異議についての裁判だけは、必ず受訴裁判所に戻ります。
解説
鑑定人の話を法廷で聞く裁判官と、判決文を書く裁判官が別人になることがある。多くの当事者はこの事実を知らない。本来、民事の合議事件は三人の裁判官が顔をそろえて証拠を直接見聞きするのが原則だ。だが鑑定人に意見を述べさせる手続を、合議体の一人(受命裁判官)や、遠隔地にある別の裁判所の裁判官(受託裁判官)に委ねることができる。その場合、本来は合議体や裁判長が握っている指揮権を、その一人の裁判官が代わりに行使する。あなたが医療過誤や建築瑕疵で鑑定を頼りに争っているとき、鑑定人が言葉に詰まった一瞬、専門用語を補足した一言、そうした生のニュアンスを、判決を書く三人全員が聞いているとは限らない。彼らに届くのは調書という紙の記録だけのことがある。ただし、鑑定人質問の制限に対する異議だけは、その一人の裁判官では決められず、必ず本体の裁判所(受訴裁判所)に判断が戻る。手続を分担しても、争いの核心だけは合議体が握り続ける、という設計だ。
法的な位置づけ
民事訴訟法215条の4は、鑑定人に意見を述べさせる手続を受命裁判官または受託裁判官が担当する場合の権限配分を定める規定である。この場合、本来は受訴裁判所および裁判長が有する訴訟指揮等の職務をその裁判官が行使するが、鑑定人質問の制限に対する異議についての裁判のみは受訴裁判所に留保される。
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定人質問は誰の前で行われますか?
原則は受訴裁判所(合議体なら三人)の前ですが、民事訴訟法215条の4により受命裁判官一人、または別の裁判所の受託裁判官に委ねることができます。その場合、判決を書く裁判官が生の証言に立ち会わないことがあります。
Q2受託裁判官に手続を頼むのはどんなときですか?
鑑定人や証人が遠方に住み、本体の裁判所まで来られない場合が中心です。近くの地方裁判所の裁判官に鑑定人質問を嘱託し、地理的なハンディを手続面で補います(民事訴訟法215条の4・185条)。
Q3鑑定人質問の異議は誰が判断しますか?
目の前の受命裁判官が訴訟指揮を行いますが、鑑定人質問の制限に対する異議についての裁判は、必ず本体の受訴裁判所に戻ります(民事訴訟法215条の4ただし書・215条の2第4項)。
Q4鑑定人質問を合議体全員の前でやってもらえますか?
申し立てる余地があります。鑑定が勝敗を分ける事件では、直接主義を理由に合議体三人全員の面前での実施を早期に求める価値があります。受けるかは裁判所の裁量ですが、記録に残ります。
Q5調書だけで判決されると不利になりますか?
可能性はあります。判決を書く裁判官が鑑定人の生の証言に立ち会っていない場合、心証は鑑定書と質問調書という書面を通じて形成され、微妙なニュアンスが伝わりにくくなります。
Q6民事訴訟法215条の4はどんな条文ですか?
鑑定人に意見を述べさせる手続を受命裁判官・受託裁判官が担当する場合に、受訴裁判所と裁判長の職務をその裁判官が行うと定める権限規定です。異議の裁判だけは受訴裁判所に留保されます。
Q7受命裁判官の権限はどこまでですか?
鑑定人に意見を述べさせる手続の指揮(訴訟指揮等)を行えますが、勝敗を決める判断は行いません。鑑定人質問の制限に対する異議の裁判も受訴裁判所に戻るため、権限には明確な境界があります。
Q8鑑定が勝敗を分ける事件で気をつけることは?
鑑定人質問が受命裁判官一人に委ねられるか、合議体全員の前で行われるかを早期に確認することです。生の証言を判決を書く全員に届けたい場合は、本体での実施を代理人と相談します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1鑑定人の話を聞いた裁判官と、判決を書く裁判官が違うと、自分に不利になりませんか?
可能性はあります。判決を下す裁判官が鑑定人の生の証言に立ち会っていない場合、心証は鑑定書と質問調書という書面を通じて形成されます(民事訴訟法215条の4)。微妙なニュアンスが伝わりにくいのは確かです。実務のポイント:鑑定が勝敗の鍵を握る事件では、代理人を通じて鑑定人質問を合議体全員の面前で実施するよう求める申立てができる。裁判所がこれを受けるかは裁量ですが、直接主義を理由にした要請は記録に残り、後の上訴でも意味を持つことがある
Q2受命裁判官と受託裁判官って、何が違うんですか?
受命裁判官は、その事件を担当する合議体の中から指名された一人の裁判官です。受託裁判官は、別の裁判所に手続を嘱託したときに、その嘱託先で担当する裁判官を指します。どちらも鑑定人に意見を述べさせる手続では、本来の裁判所や裁判長の職務を代わりに行います(民事訴訟法215条の4本文)。実務のポイント:受託裁判官が使われるのは鑑定人や証人が遠方にいて本体の裁判所まで来られない場合が中心。地理的事情が証拠調べの形を決めているので、遠隔地の専門家に頼る事件では、この仕組みが日常的に動いていると知っておくと手続の流れが読める
間違えやすい点 AI による整理
- 「合議事件なら三人の裁判官が全員、鑑定人の話を直接聞いている」と信じている人は多いが、それは原則にすぎない。鑑定手続が受命裁判官に委ねられれば、判決を書く裁判官が鑑定人の生の証言に立ち会っていないことは現実に起こる。直接主義の建前と運用の落差を知らないと、なぜ自分の感じた手応えが判決に反映されないのかを永遠に理解できない
- 受命裁判官に手続が移ると「その裁判官が何でも一人で決める」と思われがちだが、そうではない。鑑定人質問の制限に対する異議という、争いの核心部分の判断だけは本体の受訴裁判所に留保されている。権限がどこまで移り、どこから戻るのか、その境界線を見誤ると異議の宛先を間違える
- 「受託裁判官は別の裁判所の人だから、自分の事件とは無関係な判断をする」と不安に思う当事者がいるが、受託裁判官が行うのはあくまで鑑定人に意見を述べさせる手続の指揮であって、勝敗を決める判断ではない。役割の射程を正しく捉えれば、過剰な不安は要らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる証拠調べ | 鑑定人質問(鑑定人に意見を述べさせる手続) | 証人尋問(民訴195条) 裁判所外における証拠調べ全般(民訴185条) |
| 職務を行う者 | 受命裁判官・受託裁判官 | 受命裁判官・受託裁判官 嘱託を受けた裁判官等 |
| 受訴裁判所に留保される判断 | 鑑定人質問の制限に対する異議の裁判(215条の2第4項) | 尋問の制限に対する異議等は受訴裁判所 個別規定による |
| 趣旨 | 直接主義の例外として鑑定手続を機動化 | 直接主義の例外として証人尋問を機動化 証拠調べの便宜・効率の確保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も受託法官・受命法官による証拠調べを認め、本案の判断は受訴裁判所に留保する構造が日本と類似する
韓国も受命法官・受託判事による証拠調べを認める点で日本と同系統。手続指揮と本案判断の分離も共通する
ドイツの委託裁判官(beauftragter Richter)・受託裁判官(ersuchter Richter)制度が日本法の母法にあたる
米国はマスター制度で証拠調べ等を補助者に委ねるが、受訴裁判所への留保構造や直接主義の位置づけは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 医療過誤訴訟で、あなた側の主張を支える鑑定人質問が、合議体三人ではなく指名された受命裁判官一人の前で行われることになった。鑑定人が現場の機微を語った場面を、判決を書く残り二人の裁判官は調書でしか知らない。心証形成の質が変わるこの分岐点を、当事者の多くは見過ごす
- 鑑定人が高齢で遠方に住んでおり、本体の裁判所まで来られない。そこで近くの地方裁判所の裁判官(受託裁判官)に鑑定人質問が嘱託された。手続は進むが、あなたが気にすべきは、その記録がどこまで丁寧に本体へ伝わるかだ
- もし鑑定人質問の最中、相手方代理人の質問が誘導的で不当だと感じたら、誰に異議を出し、誰がそれを裁くのか。目の前の受命裁判官が訴訟指揮はするが、その異議の最終判断は本体の合議体に戻る。この二段構えを知らないと、抗議の出しどころを間違える
学説
通説:民事訴訟法の基本原則である直接主義の例外として、鑑定手続の機動的な処理を認める規定と解される。もっとも、争いの核心となる鑑定人質問の制限に対する異議の裁判は受訴裁判所に留保され、評価の最終権限は合議体(受訴裁判所)が保持する点に本条の均衡がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行法が成立
- 2.平成15年(2003年) 新設:鑑定人質問制度(215条の2以下)の導入に伴い、受命裁判官・受託裁判官が鑑定手続を担当する場合の権限を定める215条の4が新設された
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