民事訴訟法 第197条
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- 次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。
- 一第百九十一条第一項の場合
- 二医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、弁護人、公証人、宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合
- 三技術又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合
- 2.前項の規定は、証人が黙秘の義務を免除された場合には、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第197条は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第197条の条文原文は「次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第197条は第二節 証人尋問に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第197条の前の条は民事訴訟法第196条です。
- 民事訴訟法第197条の次の条は民事訴訟法第198条です。
- 民事訴訟法第197条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第197条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第197条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/197
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法197条は、医師・弁護士・宗教者などが職務上知った秘密や技術・職業の秘密について証言を拒める権利を定める。ただし秘密の本人が同意すれば拒絶権は失われる。
Q · 弁護士や医師に話した秘密、相手が裁判でその専門家を証人に呼んだら、中身を全部喋らされちゃうの?
いいえ、専門家は証言を拒めます。ただしあなたが同意すれば盾は外れます
民事訴訟法197条により、医師・弁護士・宗教者などが職務上知り得た秘密、また技術又は職業の秘密については、証人として証言を拒むことができます。法廷も相手方も、これを強制できません。ただしこの拒絶権を握るのは証人である専門家であり、秘密を託したあなた自身ではありません。さらに秘密の主体であるあなたが黙秘義務を免除すれば、盾は外れます(197条2項)。なお税理士・会計士は列挙職に入らず、3号の「職業の秘密」として主張する別ルートになります。
解説
弁護士に相談した内容、医師に話した病歴、宗教者に打ち明けた告解。これらが裁判で証拠として引きずり出されることはない。民訴197条が、特定の職業者に「証言を拒む権利」を与えているからだ。対象は医師、歯科医師、薬剤師、助産師、弁護士、弁理士、公証人、宗教・祈祷・祭祀の職にある者。彼らが職務上知った秘密について、法廷は証言を強制できない。さらに「技術又は職業の秘密」も対象になり、ここに報道記者の取材源も含まれうる。あなたが知っておくべきは、この権利は「証人になった専門家」のものであって、秘密を打ち明けた「あなた」が直接行使するものではないという点。そして専門家が黙秘義務を免除されれば、つまりあなたが同意すれば、この盾は外れる。誰の同意で盾が外れるのか、それを握っているのは多くの場合あなた自身だ。
法的な位置づけ
民事訴訟法197条は証言拒絶権を定める規定であり、医師・歯科医師・薬剤師・助産師・弁護士・弁理士・公証人・宗教職等が職務上知り得た事実、および技術又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合に、証人として証言を拒むことを認める。秘密の主体が黙秘の義務を免除した場合には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手の証人申請が秘密に触れるか確認 相手方があなたの医師・弁護士・宗教者などを証人申請したら、まずその尋問事項が「職務上知り得た秘密」または「技術又は職業の秘密」に当たるかを確認する
- 2.尋問前に書面で証言拒絶対象だと主張 当たるなら、証人尋問が始まる前に裁判所へ「証言拒絶権の対象である」旨を書面で主張し、専門家本人にも拒絶の意思を伝えておく。尋問開始後に慌てるより、申請段階で楔を打つ
- 3.免除と取られる言動を絶対にしない 秘密の主体であるあなたが黙秘義務を免除すれば盾は外れる(197条2項)。相手方代理人に「ご本人は構わないですよね」と誘導されても、安易に頷かず、自ら『免除しない』と明確にしておく
- 4.列挙外の専門家は3号ルートで準備 税理士・会計士・社労士など列挙職でない場合は、1項2号の名指し保護がない。3号の「技術又は職業の秘密」として証言拒絶を主張する準備を尋問前夜から始める
- 5.自分が証人なら期日内に理由を疎明 あなた自身が証人として職務上の秘密を尋問されたら、答える前にその場で証言を拒む意思を明示し、理由を疎明する(民訴198条)。沈黙のタイミングを一拍ずらすことで守れる秘密が変わる
よくある質問 AI による整理
Q1証言拒絶権とは何ですか?
証人が一定の事項について証言を拒める権利です。民事訴訟法197条が根拠で、専門職の職務上の秘密や技術・職業の秘密が対象になります。
Q2証言拒絶できる職業は?
医師・歯科医師・薬剤師・助産師・弁護士・弁理士・公証人、宗教・祈祷・祭祀の職にある者です。税理士・会計士は列挙に入っていません。
Q3医師は患者のカルテについて証言を拒めますか?
拒めます。診療で知り得た秘密は職務上の秘密にあたり、197条1項で証言を拒否できます。ただし患者が黙秘義務を免除すれば拒めません。
Q4証言を拒める範囲はどこまでですか?
職務上知り得た秘密と、技術又は職業の秘密に限られます。職務と無関係な事実や、本人が同意した秘密は対象外です。
Q5証言拒絶の理由はいつ述べる必要がありますか?
尋問を受けるその場で、証言を拒む理由を疎明する必要があります(民訴198条)。答え始めると事後撤回はできません。
Q6正当な理由なく証言を拒むとどうなりますか?
10万円以下の過料などの制裁を受ける可能性があります(民訴192条)。拒絶事由の有無は慎重に判断する必要があります。
Q7証言拒絶が認められるか誰が判断しますか?
受訴裁判所が当事者を審尋して決定します(民訴199条)。この決定には即時抗告ができます。
Q8文書提出義務でも職業の秘密は守られますか?
守られる余地があります。職業の秘密を記載した文書は、民訴220条4号ハで提出義務の除外対象になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士に相談した内容って、相手が裁判で「何を相談したか言え」と弁護士に迫ったら、本当に守られるんですか?
守られます。弁護士が職務上知り得た秘密について、197条1項2号で証言を拒めます。あなたが黙秘義務を免除しない限り、相手方も裁判所も証言を強制できません。実務のポイント:守られるのは「弁護士が知った秘密」であって、あなた自身が証人として呼ばれて聞かれた場合は別です。あなた本人は197条の列挙職ではないので、自分に不利な事実でも答えを迫られることがある。盾を持つのは専門家側で、あなた自身ではない、という非対称をまず理解しておく
Q2記者に内部告発の情報を渡したら、裁判で「誰から聞いた」と記者が言わされることはないですか?
原則として記者は「職業の秘密」(197条1項3号)を理由に取材源の開示を拒めます。最高裁も取材源の秘匿を重要な利益と認めました(最決平成18.10.3)。ただし絶対ではなく、公正な裁判の実現との比較衡量で例外的に開示が命じられる余地もあります。実務のポイント:職業の秘密は「保護に値する秘密」かどうかが争われます。取材源は手厚い方ですが、すべての職業秘密が同等に守られるわけではない。匿名で告発したいなら、渡す相手が法的にどこまで踏ん張れる立場かを最初に見極める
Q3税理士に相談した節税の話は、税務訴訟で税理士が証言させられちゃうんですか?
税理士は197条1項2号の列挙職に入っていないため、医師や弁護士のような名指しの保護はありません。ただし3号の「技術又は職業の秘密」として証言拒絶を主張できる余地はあります。実務のポイント:弁護士・医師・宗教者は条文に名指しで守られるのに、税理士・会計士・社労士は明文にない。これは多くの人が知らない列挙の穴です。重大な秘密を相談するなら、相手の職業が名指しで守られているかを意識すると、リスクの読みが変わる(最新の改正状況をご確認ください)
Q4黙秘義務を免除するって、誰がどうやってするんですか?うっかり外れたりしないですか?
秘密の主体、つまりその秘密で守られる本人(依頼者・患者など)が同意すれば免除されます(197条2項)。明示の同意だけでなく、状況によっては黙示の同意と解されることもあります。実務のポイント:相手方代理人が尋問の場で「ご本人は構わないとおっしゃっていますよね」と巧みに確認を取ろうとすることがある。安易に頷くと免除と扱われ、盾が外れます。専門家の秘密を守りたいなら、自分から『免除しない』と明確にしておくのが安全だ
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「弁護士は私の秘密を守る義務がある」だが、法律から見れば197条はあくまで証人である弁護士に拒絶『権』を与えているだけ。義務違反はまた別の条文(刑法134条の秘密漏示罪、各士業法の守秘義務)の話だ。権利と義務は別軌道で動いており、この落差を理解しないと「なぜ守ってくれなかった」と的外れな怒りをぶつけることになる
- 「証言拒絶できる職業に税理士や会計士も入っているはず」という前提が、そもそも間違っている。197条1項2号の列挙は医師・弁護士・宗教者などに限られ、税理士・公認会計士・社会保険労務士は明文にない。彼らの秘密を守るには3号の「職業の秘密」という別ルートを通すしかなく、保護の確実性が一段下がる
- 「黙秘義務が免除されれば証言する」ことは知っていても、誰が免除できるのかの深刻さを知らない人が多い。秘密の主体であるあなたが同意すれば免除される。相手方代理人があなたから巧みに同意を取り付けたり、あなたが安易に「話していい」と口にした瞬間、盾は永久に外れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 拒絶できる事項 | 197条:職務上の秘密・技術又は職業の秘密 | 196条:自己や近親者の刑事訴追・恥辱に関する事項 191条:公務員の職務上の秘密(監督官庁の承認が必要) |
| 保護される主体 | 専門職本人(その背後に秘密を託した依頼者・患者) | 証人本人とその近親者 公務上の秘密と公益 |
| 盾が外れる条件 | 秘密の主体が黙秘義務を免除したとき(197条2項) | 本人が任意に証言を選んだとき 監督官庁が承認したとき |
| 行使のタイミング | 尋問の場で理由を疎明(198条)、当否は199条で裁判 | 尋問の場で拒絶の意思を表示 尋問前に承認の有無を確認 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も医師・弁護士・宗教者等を列挙し、職務上の秘密について証言拒絶を認める。日本の197条と同型の列挙構造を持つ
韓国も職業上知り得た秘密について証言拒否を認める。本人の同意で拒否権が外れる点も日本と類似する
ドイツは職業上の理由による証言拒絶権を定め、日本法の母法にあたる。守秘義務を負う職業者が秘密について証言を拒める
米国は包括規定 FRE 501と判例法・州法で各種 privilege を構成。列挙方式ではなく privilege ごとに発達した点が大陸法系と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚訴訟で、相手があなたの精神科通院歴を証明しようと、主治医を証人申請してきた。だが医師は197条で証言を拒める。あなたのカルテの中身が法廷に流れ出るのを止める盾が、ここにある。問題は、その盾を主張するタイミングを逃さないこと
- もし、あなたが内部告発の情報を記者に渡したとしたら、その記者は法廷で「情報源は誰か」と問われて、あなたの名を明かす義務があるのか。職業の秘密として拒める可能性がある。最高裁も取材源の秘匿を重要な利益として認めた(最決平成18.10.3)
- 顧問弁護士があなたの会社の機密を知っている。相手方がその弁護士を証人に呼んだ。弁護士は職務上の秘密として証言を拒める
- 証人尋問の期日まであと5日。相手があなたの取引先の経理担当を呼び、自社の原価構造を聞き出そうとしている。それが「職業の秘密」にあたると主張するなら、証言拒絶の理由を疎明する準備を今夜から始めないと間に合わない
- あなたが税理士に相談した節税スキーム。税務訴訟で国側がその税理士を証人申請してきた。ところが税理士は197条の列挙に入っていない。弁護士・医師なら名指しで守られるが、税理士の秘密は「職業の秘密」として別ルートで主張するしかない。この列挙の穴を知らないと足元をすくわれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手方があなたの医師・弁護士・宗教者などを証人申請したら、まずその尋問事項が「職務上知り得た秘密」に当たるかを確認2. 当たるなら、証人尋問の前に裁判所へ「証言拒絶権の対象である」旨を書面で主張し、専門家本人にも拒絶の意思を伝えておく3. 自分が黙秘義務を免除したと受け取られる言動(「話していい」等)を絶対にしない、免除すれば盾は外れる4. 税理士・会計士など列挙外の専門家の場合は「技術又は職業の秘密」(3号)として主張する準備をする
訴えられた側:1. 証人として呼ばれ職務上の秘密を尋問されたら、その場で証言を拒む意思を明示し、理由を疎明する(民訴198条) 2. ただし秘密の主体が黙秘義務を免除していれば拒めない(197条2項)、依頼者・患者の同意の有無を確認する3. 列挙職でなくても「職業の秘密」として拒否を主張できる余地がある4. 正当な理由なく拒むと過料等の制裁(民訴192条)があるため、拒絶事由の有無を慎重に判断する
時効(請求できる期限):証言拒絶そのものに特定の時効はない。ただし証言拒絶は尋問を受けるその場で理由を疎明して行使する必要があり(民訴198条)、尋問に応じて証言を始めてしまうと事後的に撤回できない。守るべきタイミングは尋問の瞬間そのものだ
学説
通説:197条1項2号の列挙職の保護と3号の職業の秘密は、専門職への信頼関係維持という公益のための制度と理解される。3号の「職業の秘密」該当性は、秘密の公開が当該職業の遂行に深刻な影響を与え職業の維持を困難にするかで判断され、さらに保護に値する秘密か否かを比較衡量するのが通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文番号を再編し現行197条に。公務員の秘密、専門職の職務上の秘密、技術・職業の秘密を整理して証言拒絶権の対象を定めた。なお助産婦から助産師への用語変更等、付随的改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.明治23年(1890年) 新設:旧民事訴訟法が独逸民事訴訟法(ZPO)を範として制定され、専門職の証言拒絶権の原型が置かれた
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により条文番号を再編し現行197条に。公務員の秘密、専門職の職務上の秘密、技術・職業の秘密を整理して証言拒絶権の対象を定めた
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