民事訴訟法 第238条(不服申立ての不許)
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証拠保全の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の基本情報
不服申立ての不許とは何ですか?
定義不服申立ての不許とは、民事訴訟法第238条に定められた規定で、「証拠保全の決定に対しては、不服を申し立てることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第238条(不服申立ての不許)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第238条の条文原文は「証拠保全の決定に対しては、不服を申し立てることができない。」で始まります。
- 民事訴訟法第238条は第七節 証拠保全に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第238条の前の条は民事訴訟法第237条です。
- 民事訴訟法第238条の次の条は民事訴訟法第239条です。
- 民事訴訟法第238条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第238条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第238条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/238
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法238条は、証拠保全を認める決定に対して不服を申し立てることができないと定める。不意打ちの実効性を守るため、相手方の抗告を封じた規定である。
Q · 証拠保全の決定が出たら、相手方は抗告して止められるの?
できません。民訴238条が不服申立てを禁じています
民事訴訟法238条により、証拠保全を認める決定に対しては抗告も異議も申し立てられません。理由は証拠保全の生命線である「不意打ち」を守るためです。もし相手方に即時の不服申立てを認めれば、その審理の間に証拠を加工・隠滅する時間を与えてしまいます。ただし相手方が完全に無防備になるわけではなく、保全された証拠の証明力や手続の適法性は、後の本案訴訟で正面から争うことができます。
解説
病院でミスがあったと疑っている。だがカルテの開示を正面から求めれば、その数日のあいだに都合の悪い記録へ注釈が足されるかもしれない。そこで使うのが証拠保全だ。裁判所が抜き打ちで現場に入り、カルテを撮影して証拠を凍結する。238条はその核心を守るたった一行である。証拠保全を認める決定が出ても、相手方(病院側)はそれに不服を申し立てられない。理由は単純だ。もし相手が「待った」をかけて抗告できれば、その審理の間に記録を加工する時間を与えてしまう。不意打ちの実効性を担保するために、法はあえて相手方の即時の反論機会を奪った。あなたが患者側なら、この一行があなたの最も鋭い武器になる。逆に医療機関や企業の側なら、証拠保全の通知が届いた瞬間、もうそれを止める手段は残っていないと知っておくべきだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法238条は、証拠保全を認める裁判所の決定に対し、不服申立て(抗告・異議)を許さない旨を定める規定である。証拠保全(同法234条)の不意打ち性を制度的に担保し、相手方による証拠の改ざん・滅失を防ぐため、抗告の一般原則(同法328条)の例外として、相手方の即時の反論機会を排除する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.改ざん・滅失の具体的危険を資料で疎明 電子カルテの修正可能性、施工のやり直し予定、サーバーログの上書きなど、証拠が失われる具体的な危険を客観資料で示す準備をする。抽象的な不安では民訴234条の必要性が認められない
- 2.管轄裁判所へ証拠保全を申し立てる 提訴前なら民訴235条により、尋問対象者や文書所持者の居所等を管轄する地裁・簡裁に申立書を提出する。対象物(カルテ・帳簿・現場)を特定し、証拠調べの方法(検証・文書の証拠調べ等)を明記する
- 3.相手に察知されないよう短期で執行へ 申立てから執行までを短期で組み、相手方に証拠を整理・加工する時間を与えない。238条により相手は決定を止められないため、勝負は申立ての完成度とスピードにある
- 4.執行当日は対象と撮影範囲を明確化 執行当日は対象物の特定と撮影範囲を明確にし、カメラマン・コピー業者を手配する。立会いの上で記録漏れがないよう確認し、保全結果を本訴の主張へ直結できる形で整理する
よくある質問 AI による整理
Q1証拠保全とは何ですか?
訴訟の前または途中で、改ざん・滅失の恐れがある証拠を裁判所が先に調べて固める制度です。民事訴訟法234条が根拠で、医療カルテや施工現場の保全に使われます。
Q2証拠保全の決定に抗告できますか?
できません。民訴238条が、証拠保全を認める決定への不服申立てを明文で禁じています。相手方が抗告で時間を稼ぎ証拠を加工することを防ぐためです。
Q3証拠保全の費用はいくらかかりますか?
申立手数料は数百〜数千円程度ですが、カメラマンやコピー業者の費用、弁護士費用が別途かかります。医療カルテの保全では実費込みで数十万円規模になることもあります。
Q4証拠保全はどこの裁判所に申し立てますか?
民訴235条により、提訴前は尋問を受ける者や文書所持者の居所等を管轄する地方裁判所・簡易裁判所に申し立てます。提訴後は受訴裁判所が管轄します。
Q5証拠保全の必要性とは何を疎明すればいいですか?
民訴234条の「あらかじめ証拠調べをしておかなければ証拠の使用が困難となる事情」、つまり改ざん・滅失の具体的危険を資料で示す必要があります。抽象的な不安では足りません。
Q6証拠保全と文書提出命令の違いは何ですか?
証拠保全は相手に知られる前に裁判所が証拠を固める不意打ちの手続です。文書提出命令は訴訟の中で相手に文書の提出を命じる手続で、相手は争う機会があります。
Q7証拠保全はいつ申し立てるのが効果的ですか?
相手が紛争を予期していない提訴前の段階が最も効果的です。相手が弁護士を立て身構えてからでは、証拠の整理や加工が済んでいることが多いためです。
Q8証拠保全の執行当日は何をしますか?
裁判官や書記官が対象場所に臨み、カルテや帳簿を撮影・コピーして証拠を固定します。申立人・相手方とも立会い、撮影範囲が申立ての範囲を超えていないかを確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院に証拠保全の通知が来たら、こちらはもう何もできないんですか?
決定自体は238条で争えない。だが証拠保全は写しを取る手続で、原本を奪われるわけではない。立会いの際に撮影対象が過剰でないか主張でき、本訴では保全記録の証明力も争える。実務のポイント:電子カルテは修正履歴が残るため、保全後の改ざんは必ず発覚し、本訴で過失の推認に直結する。下手な小細工が最大の自滅になる
Q2証拠保全を申し立てたのに却下されたら、その判断は争えないんですか?
238条が不服を禁じているのは『保全を認める決定』だ。却下された側が抗告できるかは実務上、解釈が分かれている。多くの運用では、申立人は要件を補強して再申立てする方が現実的とされる。実務のポイント:却下の本当の理由は『必要性(改ざんの恐れ)の疎明不足』が大半。最初の申立てで具体的な危険をどこまで資料で示せるかが分水嶺で、抽象的な不安では通らない
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠保全の決定が出ても、相手側だって争えるはずだ」と思いがちだが、238条はその道を正面から塞いでいる。相手方は抗告も異議も出せない。これは制度の欠陥ではなく、不意打ちの実効性を守るための設計である
- 証拠保全という制度の存在は知っていても、その時間的なシビアさを軽く見ている人が多い。電子カルテの修正可能性や施工のやり直しといった「改ざん・滅失の具体的危険」を疎明できて初めて認められる。疑いを抱いてから動き出すのが遅れるほど、必要性そのものが薄れて申立てが通らなくなる
- 「238条は証拠保全に関する判断すべてを争えなくする」と読むのは、問いの立て方が誤っている。本条が不服を禁じているのは『保全を認める決定』に限られる。申立てが却下された側が抗告できるかは別問題で、実務上、解釈が分かれている。多くの運用では、申立人は要件を補強して再申立てする方が現実的とされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 238条:保全を認める決定への不服申立てを禁止 | 234条:証拠保全制度そのものの根拠規定 235条:証拠保全の管轄裁判所を定める |
| 守る価値 | 不意打ちの実効性(相手の反撃を封じる) | 改ざん・滅失前の証拠確保 申立先の明確化・予測可能性 |
| 相手方の手続保障 | 即時の抗告・異議は不可、本訴で争う | 必要性の要件審査で間接的に保障 管轄違いは移送で調整 |
| 実務上の論点 | 却下決定への抗告可否は解釈が分かれる | 必要性(改ざんの危険)の疎明が分水嶺 提訴前後で管轄裁判所が変わる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も提訴前の證據保全を認める。保全裁定の不服可否の扱いは別途規律され、日本のように一律不可とする明文構造とは細部が異なる
韓国も証拠保全(증거보전)を制度化。改ざん・滅失の危険を要件とする点で日本と類似する
ドイツの独立証拠手続は鑑定を中心に、提訴前の証拠固定を広く認める。不意打ち的な抜き打ち執行とは運用思想が異なる
米国は証言の永続化(perpetuation)を中心とする手続で、ディスカバリ制度が強力なため日本型の抜き打ち証拠保全の必要性は相対的に低い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 手術後に容態が急変し、説明を聞いても腑に落ちない。だが病院にカルテ開示を求めれば、その数日で記録に後付けの注釈が入る恐れがある。そこで弁護士は提訴前に証拠保全を申し立て、裁判所が抜き打ちでカルテを撮影して固める。病院は238条により、この決定を止めることができない
- もし取引先が倒産しかけていて、未払いの証拠になる伝票やメールを処分しそうだとしたら? あなたに残された時間は数日かもしれない。提訴を待たずに証拠保全を打てば、相手は不服を申し立てる隙もないまま、記録を押さえられる
- ある朝、クリニックに裁判所の関係者と弁護士が現れ、カルテの証拠保全を告げる。院長は「待ってくれ、抗告する」と言うが、238条によりその道はない。できるのは立会いと、後の本訴での反論だけだ
- 購入したマンションに重大な施工不良が見つかった。施工会社が現場をやり直して証拠を消す前に、裁判所の検証による証拠保全で現状を記録する。会社側がこの決定に異議を唱えても、法はそれを受け付けない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証拠が改ざん・滅失する具体的な危険(例:電子カルテの修正可能性、施工のやり直し予定)を資料で疎明する準備をする2. 提訴前なら相手方の住所地等を管轄する地裁・簡裁に申し立てる(235条) 3. 相手に察知されないよう、申立てから執行までを短期で組む4. 執行当日は対象物の特定と撮影範囲を明確にし、保全結果を本訴の主張へ直結させる。238条により相手は決定を止められないので、勝負は申立ての完成度にある
訴えられた側:1. 証拠保全の通知が来ても、決定への不服申立て(抗告)は238条によりできないと知る2. 絶対に証拠を改ざん・廃棄しない。電子データは修正履歴が残り、隠蔽は本訴で致命傷になる3. 執行への立会いを確保し、撮影・検証の対象が申立ての範囲を超えていないかをその場で主張・記録する4. 反論の主戦場は本案訴訟。保全された証拠の証明力や手続の適法性はそこで正面から争う
時効(請求できる期限):決定に対する不服申立ては238条により最初から不可で、申立期間の問題は生じない。証拠保全の申立て自体に特定の時効はないが、234条の『あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情』(必要性)が要件であり、時間が経って改ざん・滅失の危険が薄れると認められにくくなる。早さそのものが要件に直結する
学説
通説:238条が証拠保全を認める決定への不服申立てを封じるのは、証拠保全の不意打ち性を担保し、相手方による証拠の改ざん・滅失を防ぐためである。相手方の手続保障は、保全された証拠の証明力や手続の適法性を本案訴訟で争うことで確保されると解される。
実務上の分岐論点:238条が不服を禁じるのは『保全を認める決定』に限られ、申立てを却下された側が抗告できるかは解釈が分かれている。多くの運用では、申立人は必要性の疎明を補強して再申立てする方が現実的とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から現行法への全部改正に伴い、証拠保全に関する規定が再編され、保全を認める決定への不服申立てを許さない本条の枠組みが現行の条番号に整理された。その後(令和の IT 化関連改正など)に本条が改められたかは要検証
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正に伴い証拠保全の規定が再編され、保全を認める決定への不服申立てを許さない本条の枠組みが現行の条番号に整理された。
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