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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第237条(職権による証拠保全)

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裁判所は、必要があると認めるときは、訴訟の係属中、職権で、証拠保全の決定をすることができる。

この条文の基本情報

職権による証拠保全とは何ですか?

定義職権による証拠保全とは、民事訴訟法第237条に定められた規定で、「裁判所は、必要があると認めるときは、訴訟の係属中、職権で、証拠保全の決定をすることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第237条(職権による証拠保全)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第237条の条文原文は「裁判所は、必要があると認めるときは、訴訟の係属中、職権で、証拠保全の決定をすることができる。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第237条は第七節 証拠保全に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第237条の前の条は民事訴訟法第236条です。
  7. 民事訴訟法第237条の次の条は民事訴訟法第238条です。
  8. 民事訴訟法第237条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第237条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第237条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/237

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法237条は、訴訟の係属中に裁判所が必要と認めるとき、職権で証拠保全を決定できると定める。当事者の申立て(234条)を待たずに証拠を凍結できる点が特徴である。

Q · 証拠保全って、裁判所が自分から動いてくれることはあるの?

あります。訴訟係属中なら裁判所が職権で証拠保全を決定できます(民訴237条)。

民事訴訟法237条により、訴訟が係属している間は、裁判所が必要と認めるとき、誰の申立てもなしに職権で証拠保全を決定できます。これは当事者の申立てによる証拠保全(234条)とは別ルートです。申立てには「あらかじめ証拠調べをしなければ使用が困難になる事情」の立証が必要で、これを満たしにくい場面でも、訴訟中なら裁判所に職権発動を促す上申という手が残ります。ただし職権発動は実務上多くなく、証拠消失リスクを具体的に裁判所へ伝えることが鍵です。

解説

訴訟が始まったあと、相手が都合の悪い証拠を握りつぶそうとしている、その気配を感じたことはないだろうか。診療記録、勤怠サーバーのアクセスログ、社内メール。時間が経てば消える、あるいは書き換えられる証拠は山ほどある。民事訴訟法237条は、こうした局面で裁判所自身が動ける根拠だ。「裁判所は、必要があると認めるときは、訴訟の係属中、職権で、証拠保全の決定をすることができる」。証拠保全といえば、普通は当事者が申し立てる手続(234条)を思い浮かべる。だが237条は違う。訴訟が係属している間は、裁判所が自分の判断で、誰の申立てもなしに証拠を凍結できる。あなたが当事者なら、申立ての要件を満たしにくいときでも、裁判所に「職権を発動してほしい」と促す道が残されている。証拠が消えるか残るかは、この一手の存在を知っているかどうかで分かれることがある。

法的な位置づけ

民事訴訟法237条は職権による証拠保全を定める規定であり、訴訟の係属中、裁判所が必要と認めるときに当事者の申立てを要せず職権で証拠保全の決定をなしうる旨を規律する。申立てによる証拠保全(234条)に対する補充的かつ並行的な制度として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.消えそうな証拠を特定しリスクを具体化 保全したい証拠(カルテ、勤怠ログ、社内メール等)を特定し、保存期間・上書き周期・改ざんの兆候を抽象論ではなく具体的事実として洗い出す
  2. 2.提訴前は申立て、訴訟中は職権発動を促す上申を選ぶ まだ提訴していなければ234条の証拠保全の申立て、すでに訴訟が係属していれば、その申立てに加え237条の職権発動を促す上申書の提出を検討する
  3. 3.証拠消失の危機を裁判所に的確に伝える 「あらかじめ証拠調べをしなければ使用が困難になる事情」を、保存期間・上書き周期・改ざんの兆候という具体的事実で示し、裁判官に切迫性を理解させる
  4. 4.決定後、相手の不協力を本案で主張できるよう記録 証拠保全の決定が出ても直接の強制力はないため、相手が正当な理由なく証拠調べに応じなかった経緯を記録し、本案での証明妨害の主張に備える

よくある質問 AI による整理

Q1証拠保全とは何ですか?

将来の証拠調べが困難になる前に、証拠を裁判所があらかじめ確保しておく手続です。当事者が申し立てる234条と、裁判所が職権で動く237条の二つの入口があります。

Q2申立てによる証拠保全と職権の証拠保全はどう違う?

234条は当事者が申し立てる手続、237条は訴訟係属中に裁判所が自ら職権で動く手続です。職権は申立て要件を満たしにくい場面の受け皿になります。

Q3証拠保全の費用はいくらかかりますか?

申立手数料のほか、検証や鑑定を伴う場合は鑑定費用や弁護士費用がかかります。事案により数万円から数十万円規模になることがあります。

Q4カルテの証拠保全はどうやるの?

医療機関に予告せず裁判所の決定でカルテ原本を保全するのが一般的です。改ざんや廃棄の前に動く必要があり、提訴前は234条の申立てが基本です。

Q5証拠保全はいつまでにすべきですか?

固有の期限はありませんが、証拠が物理的に消える前が勝負です。デジタルログは数か月で上書きされ、診療記録も保存期間経過後は廃棄されえます。

Q6証拠保全の決定に不服申立てはできますか?

できません。民事訴訟法238条が証拠保全の決定に対する不服申立てを認めていないため、決定そのものを争う手段はありません。

Q7証拠保全に相手が応じないと罰則はありますか?

直接の強制力や罰則はありませんが、正当な理由なく協力しなかった事実は本案で裁判官の心証に不利に働きます(証明妨害の法理)。

Q8証拠保全は提訴前でもできますか?

できます。提訴前は234条の申立てによります。237条の職権は訴訟が係属している間に限られる点が違いです。

この条文についての質問 AI による整理

Q1証拠保全って、自分で申し立てないと裁判所はやってくれないんですか?

原則は当事者の申立てによります(民事訴訟法234条)。ただし訴訟が始まっていれば、237条で裁判所が職権で証拠保全を決定できます。とはいえ実務上、職権発動は多くなく、当事者が証拠消失のリスクを具体的に上申して裁判所を動かすのが現実的です。実務のポイント:弁護士は「職権発動を促す上申書」という形で、申立ての要件を満たしにくい場面でも裁判所に動機づけを与える。正式な申立てが難しくても、諦める前にこのルートが残っている

Q2証拠保全の決定が出たのに、相手が証拠を出さなかったらどうなりますか?

決定に直接の強制力はなく、相手が応じなくても物理的に取り上げることはできません。ただし、正当な理由なく証拠調べに協力しなかった事実は、本案訴訟で裁判官の心証形成に響きます(証明妨害の法理)。実務のポイント:証拠保全の真の威力は「証拠が取れること」より「相手が出し渋った事実が記録に残ること」にある。出さなかった側が、後の本案でその不作為を正面から突かれる

間違えやすい点 AI による整理

  • 証拠保全という制度があることは知っていても、申立て(234条)と職権(237条)が別ルートだと知る人は少ない。申立てには「あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠の使用が困難となる事情」という要件があり、これを立証できなければ却下される。だが訴訟係属中なら、裁判所の職権発動を促すという別の道がある。要件で詰まったとき、選択肢が一つしかないと思い込むのが落とし穴だ
  • 「証拠保全は自分が申し立てるもの」という前提でいると、237条の意味を見落とす。問いの立て方が裏返っている。訴訟が始まっていれば、裁判所が自ら証拠消失の危機を察知して動く余地がある。あなたがすべきは完璧な申立書を一人で組み上げることではなく、裁判官に証拠消失のリスクを的確に伝えることかもしれない
  • 「証拠保全の決定が出れば、相手は必ず証拠を出す」と思われがちだが、決定そのものに直接の強制力はない。ただし、正当な理由なく証拠調べに協力しなかった事実は、後の本案審理で裁判官の心証に重くのしかかる(証明妨害の法理)。決定が出たという事実より、応じなかったという事実の方が効いてくる
比較の観点この条文ほかの条文
発動の主体237条:裁判所が職権で発動234条:当事者が申立てで発動
238条:決定に対する不服申立ての可否を規律
発動できる時期訴訟の係属中に限られる提訴前・提訴後を問わず可能
—(決定後の局面)
要件裁判所が「必要があると認めるとき」あらかじめ証拠調べをしなければ使用が困難になる事情
—
不服申立て決定に対する不服申立て不可(238条)却下決定への対応は別途検討
証拠保全の決定に対する不服申立てを認めない

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第368条以下・第372条

台湾も証拠保全を申立てによるのが原則だが、第372条で裁判所が必要と認めるとき職権で保全証拠の裁定をなしうる点が日本237条と近い

韓国
대한민국 민사소송법(증거보전)

韓国も証拠保全制度を持ち、訴訟係属中の保全が認められる。日本法の影響を受けた構造を残す

中国
中華人民共和国民事訴訟法 第84条

中国は当事者の申請に加え、人民法院が必要と認めるとき職権で証拠保全をなしうると規定し、職権発動を広く認める

ドイツ
ZPO § 485 ff.

ドイツの selbständiges Beweisverfahren は独立した証拠調べ手続で、訴訟前後を問わず利用できる。日本の証拠保全制度の母法的位置にある

アメリカ
Federal Rules of Civil Procedure Rule 27

米国は提訴前・上訴中の証言保全を Rule 27で規律し、Rule 34の文書開示(ディスカバリ)と組み合わせて証拠確保を図る点が大陸法と異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 提訴して間もなく、相手企業がサーバーの勤怠ログを「定期メンテナンス」の名目で消そうとしている。あと何日でログが上書きされるか分からない。この状況で、あなたは証拠保全をどう動かすべきか。正式な申立てが間に合わないなら、裁判所に職権発動(237条)を促す上申が次の一手になる
  • あなたが被告側で、原告が証拠保全を申し立ててきた、あるいは裁判所が職権で証拠保全を決めた。慌てて証拠を隠せば、その隠匿行為自体が後で決定的に不利に働く。むしろ冷静に応じ、証拠の解釈や評価で争う方が筋がいい
  • 医療訴訟の途中、カルテに不自然な追記が見つかった。裁判所が職権で原本の証拠保全を決定する。改ざん前の状態がその場で固定される

取るべき行動

被害を受けた側:1. 消えそうな証拠を特定し、保存期間・上書き周期・改ざんリスクを具体的事実として洗い出す2. 提訴前なら234条の申立て、訴訟係属中ならその申立てに加え、237条の職権発動を促す上申も検討3. 申立書には「あらかじめ証拠調べをしなければ使用が困難になる事情」を抽象論ではなく具体的事実で立証4. 医療記録やデジタルログなど消失の早い証拠は、気付いた瞬間に動く。数日の遅れが致命傷になる

訴えられた側:1. 証拠保全の申立てや決定を受けても、絶対に証拠を隠滅・改ざんしない。隠匿行為は後の本案で決定的に不利になる2. 証拠の存在自体は認めたうえで、その解釈・評価で争う戦略に切り替える3. 証拠調べに正当に応じた記録を残し、誠実な対応を可視化する4. 保全対象が営業秘密や個人情報を含む場合、対象範囲の限定を裁判所に求める

時効(請求できる期限):証拠保全自体に固有の出訴期間はないが、本質は時間との戦いである。証拠が物理的に消える、または上書きされる前に動く必要がある。デジタルログは数か月で循環し、診療記録も法定保存期間(医師法上5年)経過後は廃棄されうる。証拠消失のタイミングが事実上の期限となる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:237条の職権証拠保全は、234条の申立てによる証拠保全を補完する制度であり、訴訟係属中に証拠の散逸・改ざんの危険が認められる場合に裁判所の裁量で発動される。実務上の発動例は限られ、当事者が職権発動を促す上申を行うのが現実的とされる。

通説:証拠保全の決定自体に直接の強制力はないが、正当な理由なく証拠調べに応じない当事者の態度は、証明妨害の法理を通じて本案の心証形成に反映されうると解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、従前の証拠保全制度を整理し現行237条に職権による証拠保全を規定。申立て(234条)と職権の二元的構造を明確化した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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