民事訴訟法 第245条(中間判決)
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裁判所は、独立した攻撃又は防御の方法その他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間判決をすることができる。請求の原因及び数額について争いがある場合におけるその原因についても、同様とする。
この条文の基本情報
中間判決とは何ですか?
定義中間判決とは、民事訴訟法第245条に定められた規定で、「裁判所は、独立した攻撃又は防御の方法その他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間判決をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第245条(中間判決)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第245条の条文原文は「裁判所は、独立した攻撃又は防御の方法その他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間判決をすることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第245条は第五章 判決に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第245条の前の条は民事訴訟法第244条です。
- 民事訴訟法第245条の次の条は民事訴訟法第246条です。
- 民事訴訟法第245条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第245条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第245条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/245
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法245条は、裁判所が中間の争いや請求の原因が熟したとき、その点だけ先に中間判決をできると定める。中間判決には羈束力があるが単独で控訴はできない。
Q · 裁判は最後の判決まで何も決まらないの?途中で責任だけ先に決められない?
民訴245条で責任など中間の争いだけ先に決着できる
民事訴訟法245条により、裁判所は独立した攻撃防御方法(時効・相殺など)その他中間の争いが判断に熟したとき、その点だけ先に中間判決をすることができます。とりわけ損害賠償では『被告に責任があるか(原因)』だけを先に確定させ、金額の審理を後回しにする使い方が重要です。中間判決には羈束力があり、裁判所自身が後の終局判決で覆せません。ただし中間判決は単独で控訴できず、終局判決への控訴とまとめて争うことになります。
解説
裁判は最後に一回だけ判決が出る、そう思っている人がほとんどだ。だが民事訴訟法245条は、裁判所が審理の途中で「中間判決」を出せると定めている。独立した攻撃防御方法(例えば消滅時効の成立や相殺の抗弁、つまり勝てば一発で決着がつく単独の言い分)や、責任の有無といった中間の争いが判断できる状態(熟したとき)になれば、裁判所はその点だけ先に決着をつけられる。とりわけ重要なのが「原因」と「数額」を分ける使い方だ。損害賠償請求で、まず『被告に責任があるか』だけを中間判決で確定させ、いくら払うかの審理は後回しにする。あなたが原告で責任の中間判決を勝ち取れば、相手の和解姿勢は一変する。逆に被告のあなたが時効の中間判決で負ければ、その点はもう蒸し返せない。裁判官は自分が出した中間判決に拘束される(羈束力、出した判断を自分で覆せない縛り)からだ。
法的な位置づけ
中間判決とは、裁判所が独立した攻撃防御方法その他中間の争い、または請求の原因が裁判をするのに熟したときに、その争点についてのみ先行して言い渡す判決をいう(民事訴訟法245条)。事件全体を終結させる終局判決と異なり、後の終局判決の前提を確定し、裁判所自身を拘束する羈束力を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.争点が『熟した』かを早期に見極める 責任論と損害額が両方激しく争われ、損害の立証や鑑定に多大な費用・時間がかかると見込まれるなら、どの争点が今すでに判断に熟しているかを弁護士と整理する
- 2.『原因について中間判決を』と裁判所へ上申 責任論が熟していると判断したら、その点だけ先に判断するよう裁判所に上申する。請求権はないため、争点が熟していることを具体的に示して促す
- 3.有利な中間判決の羈束力を和解交渉に活用 原因について有利な中間判決を得たら、羈束力で覆らない事実を背景に和解交渉に入る。重い損害立証や鑑定に入る前に金額だけの決着を目指す
- 4.不利でも単独控訴できないため終局判決まで戦略維持 不利な中間判決が出ても単独で控訴はできない。終局判決の送達から2週間以内の控訴期間に、中間判決の当否も併せて主張できるよう争点を維持する
よくある質問 AI による整理
Q1中間判決とは何ですか?
事件全体を終わらせず、時効や責任の有無など中間の争点だけを先に決着させる判決です(民訴245条)。後の終局判決の前提を確定します。
Q2中間判決はどんな場合に出されますか?
独立した攻撃防御方法(時効・相殺など)その他中間の争い、または請求の原因が、裁判をするのに『熟した』ときに裁判所の判断で出されます。
Q3中間判決を裁判所に請求できますか?
当事者に請求権はありません。出すか否かは裁判所の裁量です。できるのは『この争点はもう熟している』と上申して促すことだけです。
Q4中間判決が出ると和解交渉はどう変わりますか?
責任ありの原因判決が出れば羈束力で覆らないため、相手の和解姿勢が一変します。残るは金額交渉だけになり主導権がこちらに移ります。
Q5損害賠償で責任だけ先に判断してもらえますか?
可能です。『原因(責任の有無)』のみ中間判決で確定させ、いくら払うかの審理を後回しにできます。重い鑑定費用の前に和解できます。
Q6中間判決はどんな種類の事件で使われますか?
製品事故・医療・建設・交通事故など、責任論と損害額の双方が激しく争われ審理が長期化する事件で原因判決として活用されます。
Q7中間判決と決定・命令はどう違いますか?
中間判決は口頭弁論を経た判決で羈束力を持ちます。決定・命令は簡易な手続上の裁判で、性質も不服申立ての方法も異なります。
Q8行政訴訟でも中間判決はありますか?
あります。行政事件訴訟法7条により民事訴訟法が準用され、行政訴訟でも中間の争いについて中間判決をすることができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1中間判決って、結局ただの裁判所の途中の意見ですよね?
違う。中間判決には羈束力があり、裁判所自身が後の終局判決でその判断を覆せない(民事訴訟法245条)。責任ありと中間判決が出れば、あとは金額だけの勝負になる。実務のポイント:実務では中間判決はあまり多用されず、裁判所は和解や終局判決で一気に片付けることが多い。だからこそ当事者側から『原因について中間判決を』と積極的に上申すると、裁判所が応じて流れが一変することがある。受け身で待つ人とは結果が変わる
Q2中間判決で負けたら、その時点で控訴して取り返せますか?
できない。中間判決は単独では上訴の対象にならず、終局判決に対する控訴とまとめて上級審の判断を受ける(民事訴訟法283条)。その場で確定するわけではないので、戦いは続く。実務のポイント:中間判決で不利な判断が出ても、終局判決までに新たな証拠や主張で全体の心証を動かせる余地は残る。弁護士は『中間で負けても本番は終局判決』と腹をくくって戦略を組み替える。ここで諦める当事者が損をする
間違えやすい点 AI による整理
- 「中間判決が出たら、不服ならすぐ控訴できる」と思われがちだが、中間判決は単独では上訴できない(民事訴訟法283条)。終局判決を待ち、その控訴とまとめて争うしかない。途中で勝っても負けても、その場では確定しない
- 中間判決をただの『途中経過の意見表明』だと軽く見る人が多いが、その重みを知らない。裁判所自身がその判断に拘束され(羈束力)、後の終局判決で覆せない。途中の一勝が、実質的に勝敗を決めてしまうことがある
- 「中間判決を出すよう裁判所に請求できますか?」という問いそのものがややずれている。中間判決を出すか否かは裁判所の裁量であり、当事者に請求権はない。あなたにできるのは『この争点はもう熟している』と促すことだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 民訴245条 中間判決:中間の争い・請求の原因など一争点のみ | 民訴243条 終局判決:事件全体を終結させる裁判 民訴114条 既判力:確定判決の判断内容が後訴を拘束する効力 |
| 効力 | 羈束力(同一審級で裁判所自身を拘束、覆せない) | 終局判決の確定で既判力・執行力が生じる 後訴での再審理を遮断する既判力 |
| 上訴の可否 | 単独では控訴不可、終局判決の控訴とまとめて判断(民訴283条) | 送達から2週間以内に独立して控訴可(民訴285条) 確定済みで通常の上訴対象でない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も独立した攻撃防御方法および請求の原因について中間判決を認め、日本法と同じくドイツ法系の構造を維持する。
韓国も独立した攻撃防御方法・中間の争い・請求原因についての中間判決を規定し、日本法とほぼ同一の構造をとる。
ドイツは中間の争いの中間判決(§303)と、請求原因についての原因判決(§304 Grundurteil)を区別して規定する。日本245条はこの両者を一条にまとめた形である。
米国は中間判決の制度を持たないが、責任と損害を分けて審理する bifurcated trial(42(b))が機能的に近い。陪審制を前提に争点を分離する点で発想が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 製品事故で重傷を負い、メーカーを訴えた。責任論も損害額も激しく争われ、審理は長期化必至。ここで裁判所が『メーカーに欠陥責任あり』と原因の中間判決を出すと、残るは金額交渉だけになる。重い損害立証や鑑定に入る前に、メーカー側は一気に和解テーブルへ動く
- 被告として消滅時効を最大の武器に戦っていたら、裁判所が『時効は完成していない』と中間判決を出した。この一点はもう覆らない。時効頼みの防御線が崩れた今、本案でどう戦うかを即座に切り替える必要がある
- 中間判決に納得できなかったら、すぐ控訴して取り返せる? 答えはノー。終局判決が届いてから2週間の控訴期間に、その当否もまとめて主張するしかない。途中で負けても、その場で戦いは終わらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 責任論と損害額が両方激しく争われ、損害の立証に多大な費用・時間がかかると見込まれるなら、早期に『原因について中間判決を』と裁判所へ上申する2. 有利な原因判決が出れば羈束力で覆らないため、和解交渉の最強カードになる3. ただし単独控訴はできないので、不利な中間判決が出ても終局判決まで戦略を維持する4. 弁護士と『どの争点が今すでに熟しているか』を早期に整理しておく
訴えられた側:1. 時効・相殺・弁済など独立の防御方法に勝機があるなら、その一点だけ先に中間判決で判断を求める価値がある、勝てば訴訟が早期終結する2. 逆に不利な中間判決が出そうなら、争点が『まだ熟していない』と主張し判断を急がせない3. 中間判決で負けても羈束力が及ぶのは当審の裁判所のみ、控訴審で覆す余地は残る4. 終局判決の控訴期間内に、中間判決の当否も必ず併せて主張する
時効(請求できる期限):中間判決そのものに時効はない。注意すべきは上訴の時機。中間判決は単独で控訴できず(民事訴訟法283条)、終局判決の送達から2週間以内の控訴期間(民事訴訟法285条)に、中間判決の当否も併せて主張しなければ争えなくなる
学説
通説:中間判決には羈束力が認められ、これをした裁判所は後の終局判決で当該判断を覆せない。もっとも実務上、中間判決は多用されず、裁判所は和解や終局判決で一気に処理する傾向がある。それゆえ当事者からの積極的な上申が活用の鍵になると説かれる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から現行法への全部改正に伴い、中間判決の規定が現行245条に整理された。独立した攻撃防御方法・中間の争い・請求原因についての中間判決という枠組みは維持された
改正の年表
- 1.明治23年(1890年) 新設:旧民事訴訟法において、独立した攻撃防御方法・中間の争い・請求原因についての中間判決の枠組みがドイツ法を範として導入された。
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正に伴い、中間判決の規定が現行245条に整理された。独立した攻撃防御方法・中間の争い・請求原因についての中間判決という枠組みは維持された。
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