民事訴訟法 第257条(判決の更正決定)
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- 判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。
- 2.前項の更正決定に対しては、即時抗告をすることができる。ただし、判決に対し適法な控訴があったときは、この限りでない。
- 3.第一項の申立てを不適法として却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。ただし、判決に対し適法な控訴があったときは、この限りでない。
この条文の基本情報
判決の更正決定とは何ですか?
定義判決の更正決定とは、民事訴訟法第257条に定められた規定で、「判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第257条(判決の更正決定)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第257条の条文原文は「判決に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第257条は第五章 判決に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第257条の前の条は民事訴訟法第256条です。
- 民事訴訟法第257条の次の条は民事訴訟法第258条です。
- 民事訴訟法第257条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第257条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第257条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/257
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法257条は、判決の計算違いや誤記など明白な誤りを、裁判所が申立て又は職権でいつでも更正決定で訂正できると定める。判断の誤りは対象外で控訴による。
Q · 判決書の名前や金額が一字・一桁違っていたら、裁判をやり直すの?
やり直し不要。明白な誤りは更正決定で直せます。
民事訴訟法257条により、判決の計算違い・誤記その他これらに類する明白な誤りは、裁判所が申立て又は職権でいつでも更正決定により訂正できます。判決が確定した後でも可能です。ただし更正で直せるのは「明白な誤り」だけで、裁判所が本来の判断を誤った(金額の認定そのものが違う等)場合は更正の対象外であり、控訴・上告で争う必要があります。更正決定に不服があるときは即時抗告ができます。
解説
勝訴判決を受け取って中身を確認したら、債務者の名前の漢字が一字違っていた、あるいは認容金額の計算が一桁ずれていた。多くの人はここで青ざめ、もう一度裁判をやり直すのかと絶望する。だが257条を知っていれば話は別だ。判決に計算違い、誤記、その他これらに類する明白な誤りがあるとき、裁判所は申立てにより、あるいは職権で、いつでも更正決定で直せる。判決が確定した後でも構わない。重要なのは、これは「明白な誤り」専用の入口だという点。裁判所が中身の判断を間違えた(本来200万円なのに100万円しか認めなかった)場合は更正では直せず、控訴で争うしかない。この線引きを間違えると、更正を申し立てている間に控訴期間の2週間が過ぎ、取り返しがつかなくなる。そしてもう一つ、誤記のある判決書はそのままでは強制執行で躓く。更正決定こそ、あなたが勝ち取った金を実際に回収できるかどうかの最後の関門だ。
法的な位置づけ
更正決定とは、判決に計算違い・誤記その他これらに類する明白な誤りがある場合に、裁判所が申立て又は職権により判決の表示を訂正する裁判をいう。民事訴訟法257条が根拠で、判決確定後でもいつでも可能であり、裁判所の判断内容そのものを変更しない点で控訴・上告と区別される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決書を原本・登記と一字ずつ照合 判決書を受け取ったら、当事者の氏名・住所、認容金額、物件目録を、戸籍・住民票・登記事項証明書と一字ずつ照合し、誤記や計算違いがないか確認する
- 2.誤りが「明白な誤り」か「判断の誤り」かを仕分け 見つけた食い違いが計算違い・誤記などの明白な誤り(更正の対象)か、裁判所の認定そのものの誤り(控訴の対象)かを見極める。後者は更正できないため控訴期間2週間を死守する
- 3.更正決定の申立書を提出 判決をした裁判所に更正決定の申立書を提出する。誤記箇所・正しい表示・根拠資料を添付する。費用は低額で、訴訟のやり直しは不要
- 4.強制執行・登記の前に更正を済ませる 強制執行や登記申請を予定しているなら、申立て前に更正決定を取得する。執行の現場で表示不一致により止められると、その間に債務者が財産を移す時間を与えてしまう
- 5.更正決定に不利益があれば即時抗告 受け取った更正決定が「明白な誤り」の範囲を超えて実質的に不利益へ動いたと考える場合、告知から1週間の不変期間内に即時抗告を申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1更正決定とは何ですか?
判決の計算違いや誤記など明白な誤りを、裁判所が訂正する裁判です。民事訴訟法257条が根拠で、判断内容そのものは変えません。
Q2更正決定はいつまで申し立てられますか?
期間制限はなく「いつでも」可能です。判決が確定した後でも、強制執行の直前でも申し立てられます。職権でも更正できます。
Q3更正決定の費用はいくらですか?
更正決定の申立て自体は申立手数料がほぼかからず、低額です。書面作成と郵券程度で、訴訟をやり直す費用は不要です。
Q4判決の誤記はどうやって訂正しますか?
判決をした裁判所に更正決定の申立書を提出します。誤記箇所と正しい表示、根拠(原本・登記等との不一致)を示します。
Q5更正決定への即時抗告の期限は?
告知を受けた日から1週間の不変期間内です(民訴332条)。ただし判決に適法な控訴があるときは即時抗告できません。
Q6判決が確定した後でも訂正できますか?
できます。更正決定は確定後でも「いつでも」可能で、明白な誤りであれば裁判所が職権でも訂正できます。
Q7更正決定はどの裁判所に申し立てますか?
原則としてその判決をした裁判所に申し立てます。判決原本を保管し誤りを把握できる裁判所が訂正を行います。
Q8更正の対象になる「明白な誤り」とは何ですか?
計算違い、当事者名や金額の誤記、物件目録の地番違いなど、判決の趣旨から見て一見して明らかな表示上の誤りを指します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決の金額が少なすぎる気がします。更正決定で増やしてもらえますか?
できません。更正決定(民事訴訟法257条)が直せるのは計算違いや誤記など「明白な誤り」だけで、裁判所が法的に判断した金額そのものへの不服は対象外です。それは控訴で争う領域です。実務のポイント:弁護士は判決書を受け取った瞬間、まず「これは更正で済む誤記か、控訴すべき判断の誤りか」を仕分けます。ここを取り違えて更正を申し立てている間に控訴期間の2週間が過ぎると、もう手遅れ。迷ったら控訴期間を先に確保するのが鉄則です
Q2判決書の相手の名前が一字違うだけなんですが、このまま強制執行できますか?
そのままでは止まる可能性が高いです。強制執行は債務名義(民事執行法22条)の当事者表記と、登記簿や住民票の表記が一致していることが前提で、一字でも食い違うと執行裁判所や法務局で弾かれます。更正決定を取ってから申し立ててください。実務のポイント:経験のある債権回収の実務家は、訴状を出す段階から相手の氏名・住所を住民票・登記どおりに正確に書きます。判決後の更正は時間のロスになるので、入口で誤記を作らないのが最善の防御です
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決の金額が納得いかないから更正で直してもらおう」という発想そのものが間違っている。更正決定が直せるのは計算違いや誤記など「明白な誤り」だけ。裁判所が法的判断として出した金額への不服は、更正ではなく控訴・上告の領域だ。問いの立て方を誤ると、救済の窓口を丸ごと取り違える
- 「判決が確定したら、もう一文字も直せない」と思われているが、逆だ。更正決定は「いつでも」できる。確定後だろうと、強制執行の直前だろうと、明白な誤りであれば裁判所は職権でも直せる
- 誤記なんて些細な問題だと軽く見られがちだが、その些細さこそが致命傷になる。債務者名の漢字一字、口座番号、認容額の桁、どれか一つでもずれていれば、強制執行の現場で手続が止まり、回収が宙に浮く。「たかが誤字」が、数百万円の回収可否を左右する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 訂正・補充の対象 | 257条:計算違い・誤記など明白な誤りの訂正 | 256条:判決の法令違反の是正(変更判決) 258条:請求の一部の裁判の脱漏(追加判決) |
| 時間的制限 | いつでも(判決確定後も可) | 言渡し後1週間以内に限る 訴訟が裁判所に係属している間 |
| 裁判の形式 | 更正決定 | 変更の判決 追加判決 |
| 不服申立て | 即時抗告(民訴332条、ただし適法な控訴があれば不可) | 控訴等 控訴等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も判決の誤写・誤算その他類する明白な誤りを裁判所が随時更正できる点で日本とほぼ同旨。更正裁定に対する不服も認められる
韓国は判決の誤りを当事者の申請または職権で更正(경정)できると定め、即時抗告に相当する不服申立てを認める。日本法と構造が酷似する
ドイツは判決の誤記・計算違い・明白な不正確を裁判所がいつでも職権で更正できると定める。日本257条の制度的源流に位置づけられる
米国連邦規則は判決等の事務的誤り(clerical mistakes)を裁判所が職権または申立てでいつでも訂正できるとする。実質的判断の変更は60(b) 等別の手続による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸金返還で勝訴したのに、判決書の債務者名が「斉藤」ではなく「齊藤」になっていた。このまま強制執行を申し立てても、債務名義と戸籍・登記の名義が一致せず手続が止まる。更正決定こそが、一字の食い違いで回収が頓挫する事態を救う。
- 判決書を読んだら認容額が自分の計算と違う。これは計算違いの「更正」案件なのか、それとも裁判所が判断を誤った「控訴」案件なのか。見極めを誤れば、更正を申し立てているうちに控訴の2週間が静かに過ぎ去る。残された時間で見分けがつくか
- 敗訴側のあなたに、ある日「更正決定」の通知が届く。よく見ると認容額があなたに不利な方向へ動いていた。職権でも更正はできるからだ。即時抗告は告知から1週間、机に放り投げている暇はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決書を受け取ったら、当事者の氏名・住所、認容金額、物件目録を原本や登記と一字ずつ照合する2. 明白な誤記・計算違いを見つけたら、判決をした裁判所に更正決定の申立書を出す(費用はほぼかからない) 3. 強制執行や登記を予定しているなら、執行・申請の前に更正を済ませる4. ただし金額そのものへの不満が「判断の誤り」なら更正ではなく控訴へ、2週間の控訴期間を死守する
訴えられた側:1. 「更正決定」の通知が届いたら、何がどう変わったかを元の判決書と並べて確認する2. 単なる誤記の訂正で自分に不利益がないなら静観でよい3. もし更正によって認容額や範囲が実質的に不利へ動いたと感じるなら、それは「明白な誤り」の範囲を超えている可能性がある、即時抗告で争う4. 即時抗告は告知を受けてから1週間の不変期間、過ぎれば確定する
時効(請求できる期限):更正決定の申立て自体に期間制限はなく「いつでも」可能(判決確定後も)。ただし更正決定に対する即時抗告は、告知を受けた日から1週間の不変期間内(民事訴訟法332条)。判決に適法な控訴があるときは即時抗告できず、控訴審で一括して処理される
学説
通説:更正決定は判決の明白な誤りを訂正する制度であり、確定力を害さない範囲で表示を正す。判断内容の当否は更正の対象外で、控訴・上告に委ねられる。更正の効力は元の判決の時点に遡及し、利息・遅延損害金の起算等は当初判決どおり維持される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法の更正決定規定が現行257条として整理された。明白な誤りの訂正と即時抗告による不服申立てを定める。
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