民事訴訟法 第264条(和解条項案の書面による受諾)
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- 当事者の一方が出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官から提示された和解条項案を受諾する旨の書面を提出し、他の当事者が口頭弁論等の期日に出頭してその和解条項案を受諾したときは、当事者間に和解が調ったものとみなす。
- 2.当事者双方が出頭することが困難であると認められる場合において、当事者双方があらかじめ裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官から和解が成立すべき日時を定めて提示された和解条項案を受諾する旨の書面を提出し、その日時が経過したときは、その日時に、当事者間に和解が調ったものとみなす。
この条文の基本情報
和解条項案の書面による受諾とは何ですか?
定義和解条項案の書面による受諾とは、民事訴訟法第264条に定められた規定で、「当事者の一方が出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官から提示された和解条項案を受諾する旨…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第264条(和解条項案の書面による受諾)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第264条の条文原文は「当事者の一方が出頭することが困難であると認められる場合において、その当事者があらかじめ裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官から提示された和解条項案を受諾する旨…」で始まります。
- 民事訴訟法第264条は第六章 裁判によらない訴訟の完結に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第264条の前の条は民事訴訟法第263条です。
- 民事訴訟法第264条の次の条は民事訴訟法第265条です。
- 民事訴訟法第264条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第264条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第264条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/264
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法264条は、出頭が困難な当事者が裁判所提示の和解条項案を書面で受諾し、相手方が期日に出頭して受諾したとき、和解が成立したものとみなすと定める。
Q · 遠くて裁判所に行けないとき、出頭せずに和解で終わらせる方法はある?
ある。民訴264条の受諾和解が使える
民事訴訟法264条により、遠隔地居住など出頭が困難な当事者は、裁判所が提示した和解条項案を受諾する旨の書面を事前に提出しておけば、相手方が期日に出頭してその案を受諾した瞬間、自分が法廷にいなくても和解が成立したものとみなされます。成立した和解は267条により確定判決と同一の効力を持ちます。注意点は、受諾するのは裁判所が提示した条項案であって自分で条件を起草するのではないこと、そして相手方が期日で受諾すれば撤回できなくなることです。
解説
北海道に住むあなたが、東京地裁で起こされた貸金返還訴訟の被告になったとする。和解で終わらせたいが、期日のたびに飛行機で東京へ通うのは現実的でない。ここで効くのが民訴264条だ。遠隔地居住その他の事由で出頭が困難な当事者は、裁判所が提示した和解条項案を「受諾する」という書面を事前に出しておけば、相手方が期日に出頭してその案を受諾した瞬間、あなたが法廷にいなくても和解が成立したものとみなされる。通常の和解は両当事者が期日に揃って合意するのが原則だが、本条はその例外を作った。要点は三つ。第一に、受諾するのは「裁判所が提示した条項案」であって、あなたが自由に条件を書ける書面ではない。交渉は提出の前に終わっている。第二に、和解が成立すれば267条により確定判決と同一の効力を持つ。後から「やっぱりやめた」は効かない。第三に、書面を出した後に気が変わっても、相手方が期日で受諾すれば和解は成立する。出頭しない自由と引き換えに、撤回のタイミングを失うトレードオフがある。
法的な位置づけ
受諾和解とは、民事訴訟法264条が定める訴訟上の和解の特則であり、遠隔地居住その他の事由により出頭が困難な当事者が、裁判所等から提示された和解条項案を受諾する旨の書面を提出し、相手方が口頭弁論等の期日に出頭して同案を受諾した場合に、当事者間に和解が調ったものとみなす制度をいう。両当事者の期日同席を原則とする訴訟上の和解の例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭困難の事由を整理し裁判所に和解の意向を伝える 遠隔地居住・健康・介護など、出頭が困難である事由を具体的に整理し、裁判所または代理人を通じて訴訟上の和解を希望する旨と、出頭せずに進めたい意向を伝える
- 2.和解条件を期日前に詰めきる 受諾書面に書くのは裁判所が提示する条項案であり、条件の勝負はその前段階で終わる。代理人を通じて相手方と和解条件を期日前に交渉し、合意点を固める
- 3.裁判所提示の和解条項案を精査する 裁判所・受命裁判官・受託裁判官から提示された和解条項案を受け取り、金額・履行期・清算条項などが事前交渉どおりか、不利な文言が紛れていないかを精査する
- 4.受諾書面を提出する 条項案に納得できたら、当該案を受諾する旨の書面を裁判所に提出する。提出後は相手方の期日受諾で和解が成立し撤回不可となるため、提出のタイミングを慎重に決める
- 5.相手方の期日受諾で和解成立を確認する 相手方が口頭弁論等の期日に出頭して同案を受諾すれば和解成立とみなされる。成立した和解は267条で確定判決と同一の効力を持ち、後戻りできないことを確認する
よくある質問 AI による整理
Q1受諾和解とは何ですか?
出頭困難な当事者が裁判所提示の和解条項案を書面で受諾し、相手方が期日に出頭して受諾すれば和解が成立したとみなす制度です。民訴264条が根拠です。
Q2受諾和解と即決和解の違いは何ですか?
受諾和解(264条)は係属中の訴訟で出頭せず和解する手続、即決和解(275条)は訴え提起前に簡裁へ申し立てて和解する手続です。使う場面が異なります。
Q3受諾和解は確定判決と同じ効力がありますか?
あります。成立した和解は和解調書に記載され、民訴267条により確定判決と同一の効力を持ちます。後から内容を覆すのは原則できません。
Q4出頭が困難とはどんな場合ですか?
遠隔地居住が典型ですが、高齢・病気・介護など長距離移動や出頭が現実的に難しい事情も含まれます。事由を裁判所に説明する必要があります。
Q5ウェブ会議でも受諾和解は使えますか?
IT 化でウェブ会議による期日参加が可能な場合、出頭困難に当たるかは実務上解釈が分かれています。映像参加できるなら264条を使えない場合もあります。
Q6受諾和解の書面はどこに提出しますか?
事件が係属している裁判所、または和解を担当する受命裁判官・受託裁判官に提出します。提出方式の細目は民事訴訟規則に定めがあります。
Q7受諾和解の和解条項案は誰が作りますか?
裁判所、受命裁判官または受託裁判官が提示します。当事者が自由に条件を起草するのではなく、提示された案を受諾するかどうかを判断します。
Q8過払い金の和解でも受諾和解は使われますか?
地方在住の債務者の事案では、代理人弁護士が本人の出頭負担を省くため264条を活用することがあります。本人が気づかないうちに使われている場合もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所に一度も行かずに和解で終わらせるなんて、本当にできるんですか?
できる。民訴264条が正面から認めている。遠隔地居住など出頭が困難な事由があり、裁判所が提示した和解条項案を受諾する書面を事前提出し、相手方が期日に出頭して受諾すれば、あなたが不在でも和解成立とみなされる。実務のポイント:「出頭が困難」は厳密に立証を要するわけではなく、遠方居住や健康上の理由を疎明すれば実務上は柔軟に認められることが多い。代理人がついていれば、本人の出頭負担をこの条文で外すのは日常的に行われている
Q2受諾の書面を出したあと、気が変わったら取り消せますか?
相手方が期日で受諾する前なら撤回の余地があるが、相手が期日に出頭して受諾した瞬間に和解は成立し、それ以降は撤回できない(264条)。成立した和解は267条で確定判決と同一の効力を持つ。実務のポイント:書面を出すタイミングと相手方の期日がいつかを把握していないと、撤回の窓を逃す。実務では、相手方の出頭が見込まれる期日の直前まで書面提出を引っ張り、条件交渉の余地を最後まで残すのが定石とされる
間違えやすい点 AI による整理
- 「和解は当事者が顔を合わせて合意するもの」と思われているが、264条はその原則の例外を正面から認める。一方が出頭しなくても、書面受諾と相手方の期日受諾が揃えば和解は完成する
- 「書面を出しても期日まで自由に撤回できる」と軽く考えている人がいるが、撤回の窓は思うより狭い。相手方が期日で受諾した瞬間に和解は成立し、その後の翻意は一切効かない。出した書面がいつ確定するかを読み違えると、望まない条件で縛られる
- 「自分の希望する和解条件を書面に書けばいい」という問いの立て方そのものが誤っている。受諾するのは裁判所、受命裁判官または受託裁判官が提示した条項案であって、あなたが条件を起草するのではない。条件をめぐる勝負は、書面を出す前の交渉段階で決着している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の場面 | 民訴264条:係属中の訴訟で出頭せず和解 | 民訴265条:裁判所等が和解条項を定める裁定和解 民訴275条:訴え提起前の即決和解(簡裁) |
| 当事者の関与 | 出頭困難な当事者は書面受諾、相手方は期日出頭で受諾 | 当事者の共同申立てを受け裁判所が条項を定める 双方が簡裁に出頭して和解(民事上の争いの当事者) |
| 成立要件 | 受諾書面の提出 + 相手方の期日出頭・受諾 | 当事者双方の申立て + 裁判所の和解条項決定の告知 申立て + 期日における双方の合意 |
| 効力 | 和解成立とみなし、267条で確定判決と同一の効力 | 定められた和解条項が和解と同一の効力 和解調書が確定判決と同一の効力 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は当事者の和解意思が接近した場合に法院が和解方案を定め、または擬制的に和解成立とする制度を持ち、出頭せず和解を成立させる発想で日本の受諾和解と親和的
韓国は裁判所が職権で和解勧告決定を出し、一定期間内に異議がなければ確定する制度を採用。当事者の同席を要しない点で受諾和解と機能が近い
ドイツは当事者の書面による和解提案を裁判所が決定で確認する書面和解の制度を持ち、出頭を要しない和解成立という点で264条と最も対応する
米国は当事者が和解合意書を提出し裁判所が合意判決として確認する運用が一般的で、必ずしも法廷同席を要しない点が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 沖縄に住むあなたが、東京の元取引先から売掛金訴訟を起こされた。次の期日まであと10日、毎回上京する余裕はない。和解案で折り合えそうなら、法廷に行かずに終わらせる手はないか。264条の受諾書面がその答えになる
- あなたは期日に出頭する側。相手が受諾書面を先に提出している。あなたが期日で受諾すれば、その場で和解成立。受諾しなければ成立しない、主導権はあなたの手にある
- 高齢で長距離移動が体力的に困難な親が、遠方の不動産をめぐる訴訟の当事者になった。本人を法廷へ連れて行かなくても、裁判所が提示した和解条項案を書面で受諾させ、相手方の期日受諾で和解を成立させられる。介護と訴訟を同時に抱える家族にとって、出頭負担をゼロにできる意味は大きい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 和解の条件交渉を期日前に詰めきる。受諾書面に書くのは裁判所が提示する条項案であり、条件の勝負はその前段階で終わらせる2. 出頭困難の事由(遠隔地居住、健康、介護等)を裁判所に説明し、和解条項案の提示を求める3. 提示された条項案を精査し、本当に受け入れてよいか確認したうえで受諾書面を提出する4. 相手方が期日で受諾すれば撤回不可、267条で確定判決と同一の効力が生じる点を理解してから出す
訴えられた側:1. 相手方が受諾書面を出しているなら、あなたが期日で受諾するか否かに和解成立の主導権がある2. 提示された和解条項案が自分に不利でないか期日前に精査、不満があれば受諾せず条件の再交渉を求める3. 受諾すればその場で和解成立し確定判決と同一の効力が生じ、後戻りできないことを確認する4. 内容に確信が持てなければ、安易に期日で受諾せず次回期日への持ち越しも選択肢に入れる
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はないが、受諾書面の効力は相手方が口頭弁論等の期日に出頭して受諾した時点で和解成立として確定する。書面提出から相手方受諾までの間が、実質的な撤回可能期間となる。和解成立後は確定判決と同一の効力(267条)が生じるため、不服があれば再審等の例外的手段しか残らない
学説
通説:受諾和解は処分権主義の現れであり、当事者の和解意思を書面と相手方の期日受諾という形式で確認することで、出頭の便宜と意思確認の慎重さの均衡を図る制度と解されている。受諾の対象が裁判所提示の条項案に限定される点が当事者保護の担保となる。
通説:成立した受諾和解は和解調書に記載されることで民訴267条により確定判決と同一の効力を生じ、既判力・執行力を有するため、相手方の期日受諾後の翻意は原則として許されないと理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 現行264条は平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正で整備された受諾和解の規定と解されるが、新設か旧法からの承継・移動かの正確な区別は要確認
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により受諾和解(264条)を新設。出頭が困難な当事者の和解機会を保障する手続として整備された
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正の流れの中で、書面の電磁的記録による提出やウェブ会議の活用など、出頭困難の運用に影響する周辺規律が見直された(適用関係は要確認)
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