民事訴訟法 第369条(反訴の禁止)
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少額訴訟においては、反訴を提起することができない。
この条文の基本情報
反訴の禁止とは何ですか?
定義反訴の禁止とは、民事訴訟法第369条に定められた規定で、「少額訴訟においては、反訴を提起することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第369条(反訴の禁止)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第369条の条文原文は「少額訴訟においては、反訴を提起することができない。」で始まります。
- 民事訴訟法第369条は第六編 少額訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第369条の前の条は民事訴訟法第368条です。
- 民事訴訟法第369条の次の条は民事訴訟法第370条です。
- 民事訴訟法第369条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第369条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第369条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/369
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法369条は、少額訴訟では反訴を提起できないと定める。反撃を望む被告は、通常手続への移行(373条)を申し立てる必要がある。
Q · 少額訴訟で訴えられたら、同じ裁判の中で言い返せないの?
反訴はできない。やり返すなら通常手続に移すか別訴で
民事訴訟法369条により、少額訴訟では被告が反訴を提起することはできません。反撃したい被告は、最初の口頭弁論期日で弁論をする前に通常手続への移行を申述するか(373条)、別に自分で訴えを起こす必要があります。なお、独立の請求である反訴は封じられますが、相殺などの抗弁として防御に使うことは別問題で、これは少額訴訟でも主張できます。
解説
敷金が返ってこない、フリーランスの報酬を踏み倒された。60万円以下なら、あなたは「少額訴訟」という一日で終わる簡易な裁判を選べる。だがこの土俵には、知らないと損をする仕掛けがある。民事訴訟法369条は「少額訴訟においては、反訴を提起することができない」と定める。反訴とは、訴えられた相手が同じ裁判の中で逆に「いや、お前こそ俺に金を払え」と打ち返す反撃カードのことだ。少額訴訟ではこのカードが封じられている。つまり、あなたが先に少額訴訟で訴えれば、相手はその場であなたに逆襲できない。ただし相手には抜け道がある。通常の裁判へ移してくれと申し出れば(373条)、狭い土俵そのものが広い通常訴訟に変わり、そこでは反訴が復活する。どちらの土俵で戦うかを最初に選ぶのは、訴える側のあなただ。
法的な位置づけ
民事訴訟法369条は、少額訴訟手続における反訴の禁止を定める規定である。反訴とは、被告が係属中の訴訟手続を利用して原告に対し独立の反対請求を提起する訴えをいうが、一期日審理を原則とする少額訴訟では争点の拡大を避けるためこれを一律に許さない。被告は通常手続への移行を経て初めて反訴を提起できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求が少額訴訟の対象か確認 請求が60万円以下の金銭支払請求かを確認する(368条)。これを超えると少額訴訟は使えない。同一簡易裁判所での年10回の利用制限も確認する
- 2.相手が独立の請求を返してきそうか見極める 相手が立替金・原状回復費などの独立した反対請求をぶつけてきそうな事件かを判断する。返してきそうなら、反訴を封じられる少額訴訟を選ぶことが原告に有利になる
- 3.簡易裁判所に少額訴訟の訴状を提出 簡易裁判所の窓口または郵送で少額訴訟の訴状と証拠を提出する。訴え提起の段階で少額訴訟手続による旨を申述する必要がある
- 4.被告の移行申述の可能性を織り込む 被告が最初の口頭弁論期日で弁論をする前に通常手続への移行を申述すると、少額訴訟の土俵は崩れる(373条)。移行された場合の追加コストと審理長期化を事前に試算しておく
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟とは何ですか?
60万円以下の金銭支払請求について、原則一期日で審理を終える簡易迅速な特別手続です(民訴368条)。簡易裁判所に申し立て、即日判決を狙えます。
Q2少額訴訟で反訴ができないのはなぜですか?
一期日審理という制度の根幹を守るためです。反訴を許すと争点と証拠調べが増え、一日で終わらせる迅速性が崩れるため、369条が一律に禁止しています。
Q3少額訴訟のデメリットは何ですか?
反訴を出せない、被告に通常手続へ移行されると一日決着の利点が消える、控訴ができず異議申立てのみ、年10回の利用制限がある、などです。
Q4少額訴訟はいくらまで使えますか?
請求額が60万円以下の金銭支払請求に限られます(民訴368条1項)。これを超える事件では少額訴訟は選べず、通常訴訟や通常の簡易裁判手続を使います。
Q5少額訴訟は年に何回まで使えますか?
同一の簡易裁判所で同一人が少額訴訟を求められるのは年10回までです。業者による乱発を防ぐ制限で、回数を浪費すると必要なときに使えなくなります。
Q6少額訴訟と通常訴訟の違いは何ですか?
少額訴訟は60万円以下・原則一期日・控訴不可・反訴禁止という制約があります。通常訴訟は金額無制限で反訴も可能ですが、審理は複数期日にわたります。
Q7少額訴訟で相殺は主張できますか?
できます。反訴という独立の請求は禁止されますが、防御方法としての相殺の抗弁は別問題で、少額訴訟でも主張でき、相手の請求額を削れる場合があります。
Q8少額訴訟の判決に不服がある場合はどうしますか?
控訴はできず、判決をした簡易裁判所への異議申立てによります。異議後は同じ簡易裁判所で通常手続により審理されます(民訴378条・379条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手に少額訴訟で訴えられたけど、こっちにも言い分があります。同じ裁判でやり返せないんですか?
反訴という形ではやり返せません(369条)。少額訴訟では相手に独立の請求をぶつける反訴が禁止されているからです。やり返したいなら、最初の期日で通常手続への移行を申し出て土俵を広げるか、別に自分で訴えるかの二択になります。実務のポイント:相殺の抗弁なら少額訴訟でも主張でき、相手の請求額を削れる場合があります。「反訴」と「抗弁としての相殺」は別物で、後者は封じられていない。やり返す=反訴と思い込まず、防御として相殺を使えないかをまず検討するのが実務の定石
Q2少額訴訟で訴えたら、相手が『通常の裁判に移す』と言い出しました。止められますか?
原則として止められません。被告が最初の期日までに通常手続への移行を申述すれば、当然に通常訴訟へ移ります(373条1項)。あなたが選んだ少額訴訟の土俵は崩れ、相手は反訴も持ち込めるようになります。実務のポイント:移行されると一日決着の利点は消え、審理は長期化します。だからこそ訴える前に、相手が移行してくる動機(反訴したい立替金などの有無)を読んでおくこと。移行が見えている事件なら、最初から通常訴訟で組み立てた方が結果的に早いこともある
間違えやすい点 AI による整理
- 「少額訴訟は簡単で早いから、迷わずこれを選べばいい」と思いがちだが、反訴が使えないのは諸刃の剣。あなたが被告側で、相手にも言い分を返したい立場なら、反訴禁止はあなたの武器を奪う。原告に有利な土俵だと知らずに巻き込まれると、こちらの請求は別の裁判でやり直す手間とコストが二重にかかる
- 「反訴ができないなら、相手の言い分は完全に無視される」と誤解されがちだが、そうではない。相手は反訴という形の独立した請求はできないが、抗弁(たとえば相殺の主張)として防御に使うことは別問題。あなたが原告でも、相手の相殺の抗弁で請求額が削られる可能性は残っている
- あなたが立てている問いが「どうやって反訴するか」だとしたら、その問い自体が少額訴訟では成立しない。正しい問いは「反訴したいなら、この土俵を通常手続に移すべきか、別訴を起こすべきか、どちらが安く早いか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 369条:少額訴訟における反訴の禁止 | 368条:少額訴訟の要件(60万円以下・年10回) 373条:通常の手続への移行 |
| 反訴の扱い | 提起できない(一律禁止) | 規定なし(入口の要件規定) 移行後は通常訴訟として反訴が可能 |
| 誰が動かすか | —(効果規定、当事者の行為を要しない) | 原告が少額訴訟による審理を選択・申述 被告が通常手続への移行を申述 |
| タイミング | 少額訴訟手続全体に妥当 | 訴え提起時 最初の口頭弁論期日で弁論をする前まで |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も10万元以下の金銭請求等について小額訴訟程序を設け、簡易迅速な解決を図る。簡易程序の規定を準用しつつ、審理の集中・簡略化を図る点で日本と共通する
韓国は少額事件審判法により3,000万ウォン以下の事件を簡易迅速に処理する。一回の弁論期日での審理終結を志向する点で日本の少額訴訟と類似する
ドイツは訴額600ユーロ以下の事件について、裁判所が裁量で手続を定める簡易手続を設ける。反訴を一律禁止する条文ではなく、手続の柔軟化という形で簡易化を図る点が日本と異なる
米国の少額裁判所制度は州ごとに上限額が異なり、被告の反訴も金額上限の範囲で認める例が多い。日本のような反訴の一律禁止ではなく、金額制限による調整が中心となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退去後に敷金20万円が返ってこない。大家を少額訴訟で訴えれば、相手は「原状回復費の方が高い、追加で払え」という反訴をその場で出せない。あなたは敷金返還という一点だけで、一日で決着を狙える
- あなたが少額訴訟で訴えられた被告だとして、実は相手にもこちらから請求したい立替金がある場合、この裁判の中で反訴して相殺・回収することはできない。やり返すには通常手続への移行を申し出るか、別に自分で訴えを起こすしかない
- もし相手が「通常の裁判に移したい」と言い出したら、あなたは止められるのか? 答えは原則ノー。被告の移行申述は権利であり、あなたが選んだ少額訴訟の土俵は崩れ、反訴も持ち込める広い裁判に変わる
- 最初の口頭弁論期日で被告が弁論を始めるまでが分水嶺。その瞬間を過ぎれば移行申述はできなくなり、土俵は少額訴訟のまま固定される。残された猶予はその一期日の冒頭だけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求が60万円以下の金銭支払いかを確認(368条)。これを超えると少額訴訟は使えない2. 相手が独立の請求(立替金・原状回復費など)を返してきそうか見極める。返してきそうなら、反訴を封じられる少額訴訟は有利3. 簡易裁判所に少額訴訟の訴状を提出、年10回の利用制限に注意4. 相手が通常手続への移行を申し出る可能性を織り込み、その場合の追加コストと時間も事前に試算しておく
訴えられた側:1. 少額訴訟で訴えられたら、自分にも相手への請求があるかを確認。あれば反訴はこの場でできないと理解する2. 反撃したいなら、最初の口頭弁論期日で弁論をする前に通常手続への移行を申述(373条)、土俵を広げて反訴を可能にする3. 移行せず少額訴訟のままなら、相殺などの抗弁で防御し、自分の請求は別訴で起こす4. どちらが安く早いか、移行コストと別訴コストを比較して決める
時効(請求できる期限):被告が通常手続への移行を求める申述は、最初の口頭弁論期日において弁論をし、又はその期日が終了するまでにしなければならない(民事訴訟法373条1項)。この時点を過ぎると少額訴訟手続が確定し、反訴を持ち込む道は閉じる
学説
通説:369条の反訴禁止は、少額訴訟の一期日審理(370条)と迅速処理という制度趣旨を担保するための手続的特則であると解される。反訴を許せば争点と証拠調べが拡大し、簡易迅速な解決という制度の根幹が損なわれるため、一回的解決の利益を犠牲にしてでも迅速性を優先したものと位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正(平成10年(1998年)施行) 少額訴訟手続が新設され、その特則の一つとして369条で反訴の提起が禁止された。一期日審理・迅速処理という制度趣旨を担保するための条文として、ゼロから創設された
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により少額訴訟手続が新設され、その特則の一つとして369条で反訴の提起が禁止された。一期日審理・迅速処理という制度趣旨を担保するための条文としてゼロから創設(施行は平成10年〔1998年〕)。
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