民事訴訟法 第370条(一期日審理の原則)
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- 少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。
- 2.当事者は、前項の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。
この条文の基本情報
一期日審理の原則とは何ですか?
定義一期日審理の原則とは、民事訴訟法第370条に定められた規定で、「少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第370条(一期日審理の原則)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第370条の条文原文は「少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第370条は第六編 少額訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第370条の前の条は民事訴訟法第369条です。
- 民事訴訟法第370条の次の条は民事訴訟法第371条です。
- 民事訴訟法第370条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第370条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第370条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/370
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法370条は、少額訴訟では特別の事情がある場合を除き最初の期日で審理を完了し、当事者はその期日までにすべての主張と証拠を提出しなければならないと定める。
Q · 少額訴訟って本当に1回の期日で終わるの?証拠は後から出せないの?
原則1回で判決。証拠は当日までに全部出す必要がある
民事訴訟法370条により、少額訴訟は特別の事情がある場合を除き、最初の口頭弁論期日で審理を完了します。そして当事者は、その期日前または当日に、すべての攻撃防御方法(主張と証拠)を提出しなければなりません(370条2項)。普通訴訟のように「次回までに準備します」は通らず、二度目のチャンスはありません。ただし被告が通常手続への移行を申し立てた場合(373条)や特別の事情がある場合は、続行されることがあります。
解説
貸した10万円が返ってこない。フリマで売った代金5万円を踏み倒された。退去時に敷金8万円が戻らない。こういう少額のトラブルで「弁護士を雇うほどでもないし、面倒だから泣き寝入り」と諦めてきた人にこそ、民事訴訟法370条が効く。少額訴訟は、原則としてたった一回の期日で審理を終え、その日のうちに判決が出る(374条)。普通の裁判のように何か月も期日を重ねない。だが、この速さには裏の顔がある。370条2項は「当事者は、その期日前またはその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない」と定める。つまり、証拠も主張も全部、最初の一回に出し切らないと二度目のチャンスはない。普通訴訟なら「次回までに準備します」が通るが、ここでは通らない。一回で決着する強みは、準備を一回に賭ける覚悟とセットになっている。法廷に立つ前に勝負はほぼ決まっている、その準備をどこまで詰められるかがあなたの勝敗を分ける。
法的な位置づけ
民事訴訟法370条は少額訴訟の一期日審理の原則を定める規定であり、特別の事情がある場合を除き最初の口頭弁論期日で審理を完了すべきこと、および当事者がその期日前または当日にすべての攻撃防御方法を提出すべき義務を負うことを規律する。即日判決を定める374条と一体で機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.簡易裁判所で少額訴訟の申立書を入手・作成 相手の住所地または自分の住所地を管轄する簡易裁判所で、少額訴訟用の定型申立書を入手する。訴額60万円以下の金銭請求であることを確認し、請求の趣旨と原因を記載する(368条)
- 2.即時取調べ可能な証拠を全部そろえる 契約書・借用書の原本、振込記録、催促した LINE やメールのスクショ、写真、見積書を準備する。証人を使うなら期日当日に同行できる人に限る。後日尋問は原則できない(371条、372条)
- 3.証拠説明書を添えて論点を整理 A4一枚に時系列と証拠番号をまとめた証拠説明書を添付し、裁判官が一回の期日で心証を固めやすくする。だらだらと感情を述べるより、事実と証拠を構造化した方が通りやすい
- 4.期日当日に主張も証拠も出し切る 最初の口頭弁論期日で、すべての攻撃防御方法を提出する(370条2項)。二度目のチャンスはない覚悟で臨む。判決はその日に言い渡される(374条)
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟とは何ですか?
60万円以下の金銭支払いを求める簡易裁判所の特別手続です。原則として1回の期日で審理を終え、その日に判決が出ます(民訴368条、370条、374条)。
Q2少額訴訟はいくらまで使えますか?
訴額が60万円以下の金銭の支払い請求に限られます(民訴368条1項)。それを超える請求や金銭以外の請求は通常訴訟になります。
Q3少額訴訟の費用はいくらですか?
収入印紙は訴額に応じ数千円程度(例:30万円なら3,000円)、ほかに郵便切手代が数千円かかります。弁護士なしでも申立て可能です。
Q4少額訴訟に必要な書類は?
訴状(定型用紙)、契約書や借用書の原本、振込記録、やり取りの記録、写真や見積書など、当日に即時取調べできる証拠(371条)をそろえます。
Q5少額訴訟は弁護士なしの本人訴訟でできますか?
できます。簡易裁判所には定型の申立書と記載例があり、書記官が手続を案内します。多くの利用者が本人で申立てしています。
Q6少額訴訟のデメリットは何ですか?
証拠を1回で出し切る必要があり(370条2項)、被告に通常手続への移行権がある(373条)こと、判決に控訴できない(377条)ことです。
Q7少額訴訟の判決に控訴できますか?
控訴はできません(377条)。不服がある場合は、判決送達から2週間以内に同じ簡易裁判所へ異議を申し立てます(378条)。
Q8少額訴訟は年に何回まで使えますか?
同一の簡易裁判所で同一年に10回までという制限があります(368条3項)。業者による濫用を防ぐための回数制限です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟って、本当に一日で終わるんですか?途中で何回も呼ばれたりしませんか?
原則として最初の口頭弁論期日で審理を完了し、その日のうちに判決が出ます(370条、374条)。普通訴訟のように期日を重ねません。ただし「特別の事情がある場合」は続行されることがあり、被告が通常手続への移行を申し立てれば一日では終わりません(373条)。実務のポイント:裁判官は当日に判決を書くため、論点が整理され証拠がそろった側に圧倒的に有利です。だらだら感情を述べる人より、A4一枚に時系列と証拠番号をまとめてきた人が勝つ。準備の見た目で心証が動く
Q2相手が少額訴訟を嫌がって普通の裁判にされたら、こっちが不利になりませんか?
被告は最初の期日で弁論をする前なら通常手続への移行を申し立てられ(373条)、これを止める方法はありません。移行すると審理は長期化しますが、あなたの請求が消えるわけではなく、争う土俵が変わるだけです。実務のポイント:被告が移行を申し立てる典型は、準備が間に合っていないか、弁護士をつけて本格的に争う構えのとき。逆に言えば、相手が移行しないなら反論材料が乏しいサインでもある。移行されても焦らず、普通訴訟用に証拠を厚くし直せばいい
間違えやすい点 AI による整理
- 「少額訴訟なら簡単だから、当日その場で説明すればなんとかなる」と思っている人が多いが、370条2項が要求するのは事前の全提出。当日に思いついたことを口頭で並べても、裏付ける証拠がその場になければ採用されない。簡単なのは手続であって、準備が軽くていいわけではない
- 原告だけが少額訴訟の主導権を握っていると思われがちだが、被告には通常手続への移行権という強力なカードがある(373条)。被告が一回勝負を拒否すれば、原告が望んだスピード決着は崩れる。「訴える側が有利」という前提そのものが、この手続では成り立たない
- 「判決に納得いかなければ控訴すればいい」と考えている人がいるが、少額訴訟判決には控訴できない(377条)。不服があるなら、同じ簡易裁判所への異議申立てしかない(378条)。上級審で争えると思って臨むと、一審の準備不足が取り返しのつかない結果になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審理回数 | 370条:原則1回の期日で審理完了(即日判決) | 373条:被告の申立てで通常手続へ移行、複数期日 374条:口頭弁論終結後直ちに判決言渡し |
| 証拠提出のタイミング | 370条2項:期日前または当日に全提出 | 371条:即時取調べ可能な証拠に限定 372条:証人尋問の簡略化(宣誓省略等) |
| 不服申立ての方法 | 370条の判決 → 控訴不可(377条) | 378条:同一簡裁への異議申立て(2週間以内) 368条:年10回の利用回数制限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も10万元以下の少額訴訟程序を設け、簡易・迅速な審理を志向する点で日本と機能的に共通する
韓国は独立した『少額事件審判法』を制定し、口頭での訴え提起や即日宣告を認めるなど日本より簡略化が進む面がある
ドイツは少額(現行600ユーロ以下)の事件で裁判所が手続を裁量で定められ、口頭弁論を省略できるなど柔軟性が高い
米国は州ごとに少額裁判所を設け、上限額や弁護士関与の可否が州により異なる。簡易・迅速な本人手続である点は共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知人に貸した15万円が期限を過ぎても返ってこない。借用書もある、LINE のやり取りも残っている。少額訴訟なら申立てから1回の期日で判決まで行ける。重要なのは、その日に借用書原本、振込記録、催促した LINE のスクショを全部そろえて持ち込むこと。一つでも忘れると、その場で取り調べられず不利になる
- もしあなたが被告として少額訴訟の呼出状を受け取ったら、どうする? 実はあなたには切り札がある。最初の期日で弁論をする前であれば、通常の手続への移行を申し立てられる(373条)。一回勝負の土俵が嫌なら、普通訴訟に引き戻して時間を稼げる。この一手を知っているかどうかで、準備不足の被告の運命が変わる
- 敷金を返さない大家を訴えたい。退去立会いの写真、原状回復費用の見積書、賃貸借契約書。これらを即時に取り調べられる証拠(371条)として期日に持参する。証人を呼ぶなら、その人もその日に法廷へ連れて行く。後日改めて尋問、は原則できない
- あと数日で時効が完成しそうな貸金がある。少額訴訟の申立書を簡易裁判所に出せば時効の完成猶予が働く。ただし期日当日に証拠を出し切る必要があるため、申立てと同時に証拠固めを始めないと、せっかくの一回が空振りに終わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 簡易裁判所の窓口または書記官に相談、少額訴訟用の定型申立書を入手(60万円以下の金銭請求が対象、368条) 2. 証拠を「即時に取り調べられる形」でそろえる:契約書・借用書の原本、振込記録、やり取りの記録、写真、見積書。証人を使うなら期日当日に同行できる人に限る(371条、372条) 3. 証拠説明書を添えて論点を整理、裁判官が一回で心証を取れるようにする4. 期日当日は主張も証拠も全部出し切る覚悟で臨む、二回目はない(370条2項)
訴えられた側:1. 呼出状が来たら、まず一回勝負で受けて立つか、通常手続へ移行するかを決める(373条) 2. 反論材料を期日までにそろえる時間が足りないなら、最初の期日で弁論をする前に通常手続への移行を申述、これは出廷直後の一言目で出す3. 受けて立つなら、相手の主張への反証(弁済済みの領収書、相殺の根拠、契約内容の食い違い)を即時取り調べ可能な形で全部用意4. 判決に不服なら控訴ではなく、判決送達から2週間以内に同じ簡裁へ異議申立て(378条)
時効(請求できる期限):少額訴訟自体に固有の出訴期限はないが、請求する債権そのものに消滅時効がある(民法166条、債権は権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)。判決後の異議申立ては、判決書送達の日から2週間以内(民事訴訟法378条)。この期間を過ぎると判決が確定する
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 少額訴訟制度を新設し、その中核として一期日審理の原則(370条)を創設。市民が少額の金銭紛争を簡易・迅速に解決できる手続を初めて法定した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により少額訴訟制度を創設。その中核として一期日審理の原則(370条)と全攻撃防御方法の事前提出義務を法定し、市民の少額金銭紛争の簡易・迅速な解決を可能にした
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