民事訴訟法 第377条(控訴の禁止)
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少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
この条文の基本情報
控訴の禁止とは何ですか?
定義控訴の禁止とは、民事訴訟法第377条に定められた規定で、「少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第377条(控訴の禁止)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第377条の条文原文は「少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。」で始まります。
- 民事訴訟法第377条は第六編 少額訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第377条の前の条は民事訴訟法第376条です。
- 民事訴訟法第377条の次の条は民事訴訟法第378条です。
- 民事訴訟法第377条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第377条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第377条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/377
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法377条は、少額訴訟の終局判決に対して控訴をすることができないと定める。不服がある場合は、判決をした簡易裁判所への異議に限られる。
Q · 少額訴訟で負けたら、控訴して高裁で争えるの?
控訴はできない。同じ簡裁への異議だけが残る
民事訴訟法377条により、少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができません。地方裁判所での「やり直し」は存在しません。残された手段は、判決書の送達を受けた日から2週間以内に、判決をした簡易裁判所へ異議を申し立てること(378条)だけです。異議が出れば同じ簡裁で通常の手続として審理し直されますが、その判決にも控訴はできず、憲法違反を理由とする特別上告(327条)の余地が残るのみです。速さと引き換えに、審級の利益という保険を手放す構造になっています。
解説
敷金が返ってこない、貸した5万円を踏み倒された、給料の未払いが20万円ある。こうした少額の金銭トラブルのために用意された武器が少額訴訟だ。原則一回の期日で審理が終わり、その日のうちに判決が出る。弁護士なしでも戦える手軽さが最大の売りである。だが377条は、その手軽さの裏にある代償を定めている。少額訴訟の判決には控訴ができない。つまり地方裁判所での「やり直し」が存在しない。負けても上の裁判所に持ち込めない。あなたに残された道は、同じ簡易裁判所への異議(378条、判決を出した裁判所に「もう一度審理し直して」と求める手続)だけだ。速さと引き換えに、敗者復活の一回戦を丸ごと差し出している。この構造を知らずに少額訴訟を選ぶと、不利な判決が出た瞬間に逃げ場を失う。
法的な位置づけ
民事訴訟法377条は、少額訴訟の終局判決に対する控訴を禁止する規定である。少額訴訟は60万円以下の金銭請求を原則一回の期日で審理し即日判決する簡易迅速な手続であり、本条はその迅速性を担保するため、通常訴訟で認められる控訴を一律に排除し、不服申立てを同一簡易裁判所への異議に限定している。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.控訴ができないことをまず確認 少額訴訟で敗訴したら、まず民事訴訟法377条により控訴ができないことを確認する。地方裁判所への「やり直し」は存在しないため、控訴を待つのではなく異議の準備に切り替える
- 2.異議の期限を計算する 判決書の送達を受けた日を起点に2週間以内が異議の期限(378条)。送達日を必ず控え、期限を過ぎると判決が確定して異議も控訴もできなくなる点を厳守する
- 3.異議申立書を簡易裁判所へ提出 判決をした簡易裁判所宛てに異議申立書を作成し、期限内に提出する。事件番号、当事者、異議の趣旨を記載し、追加で主張する証拠も整理しておく
- 4.通常手続での再審理に備える 異議後は同一簡裁で通常の手続として審理し直される(379条)。一回の期日で終わらないため、契約書・振込記録・やり取りの履歴など証拠を改めて整える。なお異議後の判決にも控訴はできず、憲法違反のみ特別上告(327条)の余地が残る
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟とは何ですか?
60万円以下の金銭支払を求める訴えを、原則一回の期日で審理し即日判決する簡易な手続です。弁護士なしでも利用しやすいのが特徴です。
Q2少額訴訟は控訴できますか?
できません。民事訴訟法377条が控訴を禁止しています。不服がある場合は判決をした簡易裁判所への異議(378条)に限られます。
Q3少額訴訟の異議とは何ですか?
控訴の代わりに、判決をした同じ簡易裁判所へ再審理を求める不服申立てです。異議後は通常の手続として審理し直されます(378条・379条)。
Q4少額訴訟の異議はいつまでに出せますか?
判決書の送達を受けた日から2週間以内です(378条)。この期間を過ぎると判決が確定し、異議の道も閉じます。
Q5少額訴訟のデメリットは何ですか?
控訴ができず審級の利益を失う点です。一回の期日で結論が出るため、証拠が薄いと挽回できないまま敗訴が確定します。
Q6少額訴訟と通常訴訟の違いは何ですか?
少額訴訟は一回の期日で即決し控訴不可、通常訴訟は複数期日で審理し控訴・上告まで三回争えます。請求額や証拠の状況で選びます。
Q7請求額が60万円を超えたら少額訴訟は使えますか?
使えません。少額訴訟は60万円以下の金銭支払請求に限られます(368条)。超える場合は通常訴訟を選ぶことになります。
Q8少額訴訟は何回まで使えますか?
同一の簡易裁判所で同一年に10回までという回数制限があります(368条3項)。業者の濫用を防ぐための制限です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟で負けたら、本当にもう何もできないんですか?
控訴はできませんが、終わりではありません。判決書が届いた日から2週間以内に、判決をした簡易裁判所へ「異議」を申し立てられます(378条)。異議が出れば、同じ簡裁で通常の手続として審理がやり直されます。実務のポイント:異議後の判決も控訴はできませんが、憲法違反を理由とする特別上告(327条)だけは最高裁に持ち込める。ほぼ使われない裏口だが、存在は知っておく価値がある
Q2相手も控訴できないなら、こっちが勝てばそれで安心ですよね?
安心とは限りません。相手も控訴はできませんが、あなたと同じく異議(378条)を出す権利があります。判決の翌日に異議を出されれば、勝ち取った判決は確定せず、同じ簡裁で審理がやり直しになります。実務のポイント:少額訴訟の「一回で終わる」は、相手が異議も通常移行もしない場合の話。相手に争う意思があるなら、結局は通常訴訟と同じ時間がかかる。早さを当てにして証拠準備を手抜きするのが一番危ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「勝てば控訴の話は関係ない」と思いがちだが、控訴できないのは負けた側だけの話ではない。相手も控訴はできない代わりに、異議(378条)という手が残されている。異議を出されれば、あなたが勝ち取った判決も同じ裁判所で審理やり直しになる。一発で終わったと思った勝訴が、振り出しに戻る
- 控訴できないことは知っていても、その深刻さを過小評価している人が多い。通常訴訟なら一審で負けても高裁、最高裁と争える。少額訴訟はその二度目、三度目のチャンスを最初から手放す選択だ。請求額が60万円近くあるなら、本当に一発勝負でいいのか、選ぶ前に立ち止まる価値がある
- 「少額訴訟で負けたら、もう終わり」と諦める人がいるが、その問いの立て方自体が間違っている。控訴はできないが異議はできる。判決書を受け取って2週間以内に異議を申し立てれば、同じ簡裁で通常手続として審理し直す。終わりではなく、別の扉が開いている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 377条:少額訴訟判決への控訴を禁止 | 378条:判決をした簡裁への異議(控訴の代替) 373条:通常手続への移行(控訴禁止を回避) |
| 申立ての時期 | 控訴自体ができない | 判決書送達から2週間以内 第一回期日で弁論する前 |
| 再審理の場所 | 上級審なし | 同一の簡易裁判所 同一簡裁の通常訴訟へ切替 |
| 上訴の可否 | なし | 異議後判決も控訴不可、憲法違反のみ特別上告(327条) 移行後は通常訴訟として控訴・上告まで可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の小額程序では第一審裁判に対し地方法院へ上訴できるが、違背法令を理由とする場合に限定され、事実審のやり直しは認められない点で日本より上訴の余地がやや広い
韓国の少額事件審判法も上告・再抗告を大きく制限する。法令違反等の限られた事由でのみ上級審に持ち込める
ドイツは少額事件を簡易手続(§ 495a)で処理し、控訴は利益額600ユーロ超または許可がある場合に限る。額による門前制限の発想が共通する
米国の少額裁判所は州により扱いが分かれ、上訴を禁止する州、被告のみに上訴を認める州、デノボ審理を認める州など多様
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退去後に敷金18万円が返ってこず、大家を少額訴訟で訴えた。証拠は口頭のやり取りだけで契約書の特約を読み込んでいなかった。一回の期日で「原状回復費用に充当済み」と認定され敗訴。控訴はできない。証拠が薄いまま一発勝負に出たことが、そのまま結果になった
- もしあなたが少額訴訟で訴えられた被告だったら、どう動くべきか。第一回期日の前に「通常手続に移したい」と申し立てれば(373条)、控訴できる普通の裁判に切り替わる。この一手を打つかどうかで、負けたあとに高裁で争えるかが決まる
- フリマアプリで売った商品の代金8万円が未回収。相手を少額訴訟で訴えたが、判決の翌日に相手が異議を出してきた。あなたの勝訴は確定せず、同じ簡裁で審理がやり直しになる。一発で終わると思った勝ちが、振り出しに戻った
- 判決書を受け取って今日で12日目。控訴はできないと知って諦めかけているが、異議の期限は送達から2週間。あと2日。今夜動かなければ、その判決は永久に確定する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴える前に、控訴できない一発勝負に耐える証拠が揃っているか確認(契約書、領収書、振込記録、やり取りのスクショ)。証拠が薄ければ通常訴訟を選ぶ2. 少額訴訟は同一簡裁で年10回までの回数制限がある点に注意(368条3項) 3. 万一敗訴したら、判決書送達から2週間以内に異議を申し立て(378条)、同じ簡裁で通常手続として審理し直す4. 異議後の判決も控訴はできないが、憲法違反があれば特別上告(327条)の余地が残る
訴えられた側:1. 訴状を受け取ったら、控訴できる通常訴訟に切り替えたいか判断2. 控訴の機会を残したいなら、第一回期日で弁論をする前に「通常手続への移行」を申し立てる(373条1項)。これは被告の権利で、理由を問われない3. そのまま少額訴訟で受けて立つ場合も、敗訴後2週間以内に異議を出せる(378条) 4. 通常移行か少額訴訟続行かで、負けたあとの選択肢が根本から変わるので、初回までに決める
時効(請求できる期限):判決に対する控訴はできない(本条)。ただし判決書の送達を受けた日から2週間以内であれば、判決をした簡易裁判所に異議を申し立てられる(378条1項)。この2週間を過ぎると判決が確定し、異議の道も閉じる
学説
通説:377条の控訴禁止は、少額紛争に上級審の労力を費やすことの不合理を避け、簡易迅速な救済を実現する趣旨に基づく。控訴の代替として同一簡裁への異議(378条)が用意され、最小限の是正機会は確保されていると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正、平成10年(1998年)施行 少額訴訟制度の新設に伴い、本条が新たに設けられた。簡易迅速な少額紛争解決のため、控訴を禁止し、代わりに同一簡裁への異議申立て(378条)を不服申立ての手段とした
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により少額訴訟制度が創設され、本条が新設された。簡易迅速な少額紛争解決のため控訴を禁止した。
- 2.平成10年(1998年) 改正:改正民訴法の施行により少額訴訟制度が実際に運用開始。控訴禁止と異議(378条)による不服申立ての枠組みが稼働した。
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