民事訴訟法 第379条(異議後の審理及び裁判)
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- 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。
- 2.第三百六十二条、第三百六十三条、第三百六十九条、第三百七十二条第二項及び第三百七十五条の規定は、前項の審理及び裁判について準用する。
この条文の基本情報
異議後の審理及び裁判とは何ですか?
定義異議後の審理及び裁判とは、民事訴訟法第379条に定められた規定で、「適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第379条(異議後の審理及び裁判)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第379条の条文原文は「適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。」で始まります。
- 民事訴訟法第379条は第六編 少額訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第379条の前の条は民事訴訟法第378条です。
- 民事訴訟法第379条の次の条は民事訴訟法第380条です。
- 民事訴訟法第379条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第379条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第379条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/379
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法379条は、少額訴訟判決への適法な異議があると、訴訟が口頭弁論終結前に復し通常の手続で審理し直すと定める。証拠調べの制限は外れるが、その判決に控訴はできない。
Q · 少額訴訟で負けて異議を出したら、その後の裁判はどうなるの?
通常の手続に戻り、証拠制限なしで審理し直されます
民事訴訟法379条により、少額訴訟判決への適法な異議があると、訴訟は口頭弁論終結前の程度に復し、同じ簡易裁判所で通常の手続として審理・裁判がやり直されます。一期日で終わる制約も、即時に取り調べられる証拠に限るという制限(371条)も外れ、証人や追加の書証、必要なら鑑定も提出できます。ただし、異議後の通常手続で再び負けても、その判決には控訴できません(380条1項)。残るのは憲法違反を理由とする最高裁への特別上告だけです。
解説
敷金が返ってこない、貸した10万円を踏み倒された、ネットで買った商品が偽物だった。60万円以下のこうした金銭トラブルで、あなたは少額訴訟という一日完結の制度を使えた。だが一日審理の手軽さには裏がある。負けても控訴ができない(377条)。多くの人はここで「もう終わりだ」と肩を落とす。それが落とし穴だ。判決書を受け取ってから二週間以内に同じ簡易裁判所へ異議を申し立てれば(378条)、379条が発動する。訴訟は口頭弁論終結前の状態に巻き戻り、今度は通常の手続として審理される。一日限定が解け、複数の期日が開かれ、即時に取り調べられる証拠しか出せなかった制限(371条)も外れる。あの日出せなかった証人も、追加の書証も、今度は出せる。ただし忘れてはならない。異議後の通常手続で再び負けても、その判決にもう控訴の道はない(380条)。少額訴訟は、簡裁で二度戦って終わる勝負だ。
法的な位置づけ
民事訴訟法379条は、少額訴訟判決に対する適法な異議の効果を定める規定である。異議があると訴訟は口頭弁論終結前の程度に復し、通常の手続によって審理及び裁判が行われる。少額訴訟特有の一期日審理や証拠調べの制限は適用されず、同一の簡易裁判所で通常手続として再審理される点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決書の送達日を真っ先に確認する 少額訴訟で敗訴判決(または判決に代わる調書)を受け取ったら、結論より先に送達日付を確認する。異議申立ては送達日から2週間の不変期間(378条)で、原則延長されない
- 2.判決をした簡易裁判所へ異議申立書を提出 判決を言い渡した同じ簡易裁判所に異議申立書を提出する。申立て段階で詳細な理由は必須でなく、まず期間内に出して通常手続に乗せることを最優先にする
- 3.通常手続に備えて証拠を組み直す 379条で通常手続に復帰すると証拠調べの制限(371条)が外れる。一期日審理で出せなかった証人、追加の書証、必要なら鑑定を準備し、準備書面で主張を固め直す
- 4.控訴できない前提で簡裁の一発勝負に全力投球 異議後の判決には控訴できない(380条1項)。簡裁での通常手続が事実上の最終戦と心得て全力で立証する。長期化と費用増を避けたいなら、この段階での和解協議も現実的な出口になる
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟の異議申立てはいつまでにできますか?
判決書または判決に代わる調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内です(378条)。この期間を過ぎると判決が確定し、異議も控訴もできなくなります。
Q2異議申立書には理由を書かないとダメですか?
申立て自体に詳細な理由は必須ではなく、後の準備書面で主張・立証を補えます。まず期間内に異議を出して通常手続に乗せることが優先です。
Q3異議後の通常手続でも証人を呼べますか?
呼べます。379条で通常手続に復帰すると、即時に取り調べられる証拠に限る制限(371条)が外れ、証人・書証・鑑定を提出できます。
Q4異議を出すと審理は最初からやり直しですか?
ゼロからの再審理ではありません。口頭弁論終結前の状態に巻き戻り、それまで積み上げた審理の上に通常手続を接ぎ木する形で続行されます。
Q5異議後の判決に不服があれば控訴できますか?
できません(380条1項)。残された手段は、憲法違反を理由とする最高裁への特別上告のみです。少額訴訟は簡裁で二度戦って終わる構造です。
Q6相手(勝った側)も異議を出せますか?
出せます。一部敗訴なら勝訴側からも異議を申し立てられます。異議は敗訴側だけの手段ではなく、双方に開かれた対等な救済です。
Q7異議後の通常手続で反訴はできますか?
できません。反訴禁止(369条)が379条2項で準用されます。相手に別の請求をしたい場合は、独立した新たな訴えを起こす必要があります。
Q8少額訴訟の代理は弁護士でないと頼めませんか?
簡易裁判所の事件は認定司法書士にも代理権があります。請求額が小さく弁護士費用が見合わない場合の現実的な選択肢になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟で負けたら、もう控訴できないって本当ですか?
本当です。少額訴訟の判決には控訴できません(377条)。ただし判決書送達から2週間以内なら、判決をした同じ簡易裁判所に異議を申し立てられ(378条)、379条により通常の手続として一から審理し直せます。実務のポイント: 異議後の通常手続で再び負けても、その判決にも控訴はできず(380条1項)、残るは憲法違反を理由とする最高裁への特別上告だけ。少額訴訟は最初から「簡裁で二回まで」と腹をくくって臨むのが実務感覚です
Q2異議を出したら、また一日で全部終わってしまうんですか?
いいえ。379条で通常の手続に戻るため、期日は複数回開かれ、少額訴訟特有の証拠調べの制限(371条、即時に取り調べられる証拠に限るルール)も外れます。実務のポイント: ただし反訴の禁止(369条)は異議後も準用で生き残ります(379条2項)。被告は通常手続に戻っても反訴を出せないので、相手に独立した請求をぶつけたいなら、別途新しい訴えを起こす必要があります
間違えやすい点 AI による整理
- 異議を出せば通常裁判に戻ることは知っていても、その先に控訴がないことまで知っている人は少ない。異議後の判決に対しては控訴できず(380条1項)、残されたのは憲法違反を理由とする最高裁への特別上告だけ。「通常手続に戻る=普通の裁判と同じ三審制が復活する」ではない
- 「異議を出すと判決がいったん取り消される」と考える人がいるが、問いの立て方が違う。異議は判決を取り消すのではなく、訴訟そのものを口頭弁論終結前の段階に巻き戻す。審理をゼロからやり直すのではなく、終結直前まで積み上げた審理の上に通常手続を接ぎ木する
- あなたから見れば異議は「負けた側の最後の悪あがき」に見えるかもしれない。だが法律から見れば、異議は原告も被告も使える対等な救済で、一部敗訴なら勝訴側からも出せる。この非対称の誤解が、相手の異議を油断して見過ごす原因になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 不服申立ての方法 | 379条:適法な異議で通常手続に復帰し再審理 | 377条:少額訴訟判決への控訴は禁止 380条:異議後の判決にも控訴不可、特別上告のみ |
| 証拠調べ | 制限解除(371条不適用)、証人・書証・鑑定が可能 | 少額訴訟では即時取調べ可能な証拠に限定(371条) 異議後判決は確定、追加立証の余地なし |
| 審級の到達点 | 同一簡裁での通常手続(一審のやり直し) | 少額訴訟判決が確定して終結 簡裁限りで終結、上級審には進まない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の小額訴訟は不服申立てを法令違背の主張に限定する点で、日本の異議による通常手続復帰とは構造が異なる。
韓国は独立の少額事件審判法で迅速処理を図る。簡易迅速性と不服機会の調整という発想は日本と共通する。
ドイツは少額事件で裁判所が裁量により手続を定められる。日本の一期日審理+異議という二段構えとは設計思想が異なる。
米国は州により扱いが大きく異なり、一部の州では de novo appeal(やり直し控訴)を認める。日本の通常手続復帰に近い発想の州もある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが敷金18万円の返還を求めた少額訴訟で、まさかの敗訴判決を受け取ったら? 控訴の道はない。だが送達日から二週間以内に同じ簡裁へ異議を出せば、通常手続で証拠制限なしに争い直せる。猶予は二週間、過ぎれば判決は確定する
- あなたが貸金の少額訴訟で訴えられ、一日審理であっという間に支払命令の判決。帰宅後、すでに一部返済していた証拠の振込明細を見つけた。即時取調べの壁で出せなかったその一枚も、異議後の通常手続なら堂々と提出できる
- 相手が少額訴訟であなたに勝った。あなたは異議を出す。一日で閉じたはずの戦線が、再び開く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決書(または判決に代わる調書)の送達日を即確認、異議は送達から2週間の不変期間(378条) 2. 異議申立書を判決をした簡易裁判所に提出、理由は後から準備書面で補える3. 通常手続では証拠制限が外れるので、一日審理で出せなかった証人、書証、必要なら鑑定を準備4. ただし異議後の判決に控訴はできない(380条)前提で、簡裁での一発勝負と心得て全力投球する
訴えられた側:1. 相手の異議で訴訟は口頭弁論終結前に巻き戻り通常手続になる、一日では終わらないと覚悟2. 準備書面で改めて主張立証を固め直す、相手が新証拠を出してくる前提で備える3. 反訴は禁止(369条準用)なので、相手に別の請求をしたいなら独立の訴えを検討4. 長期化と費用増を嫌うなら、この段階での和解協議も現実的な出口
時効(請求できる期限):異議申立ては、判決書または判決に代わる調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内(民事訴訟法378条1項)。この期間内に異議がなければ少額訴訟判決が確定し、異議も控訴もできなくなる。不変期間のため原則として延長されない
学説
通説:379条の異議は、判決を取り消すのではなく訴訟を口頭弁論終結前の程度に復させる効果を持つと解される。審理は通常手続として続行され、少額訴訟特有の一期日審理・証拠制限(371条)は適用されないが、反訴禁止(369条)は2項により準用されて存続する。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行民事訴訟法の制定に伴い少額訴訟制度を新設、本条もその一部として新たに設けられた(施行は平成10年/1998年)。60万円以下の金銭請求を簡易迅速に解決する制度の一環として、異議後に通常手続へ復帰する仕組みを定めた
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:現行民事訴訟法の全部改正に伴い少額訴訟制度を新設(施行は平成10年/1998年)。60万円以下の金銭請求を簡易迅速に解決する制度の一環として、異議後に通常手続へ復帰する仕組みを定めた本条が設けられた。
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