民事訴訟法 第371条(証拠調べの制限)
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証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。
この条文の基本情報
証拠調べの制限とは何ですか?
定義証拠調べの制限とは、民事訴訟法第371条に定められた規定で、「証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第371条(証拠調べの制限)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第371条の条文原文は「証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第371条は第六編 少額訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第371条の前の条は民事訴訟法第370条です。
- 民事訴訟法第371条の次の条は民事訴訟法第372条です。
- 民事訴訟法第371条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第371条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第371条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/371
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法371条は、少額訴訟の証拠調べを即時に取り調べられる証拠に限ると定める。後日の証人尋問や鑑定は使えず、当日その場で示せる証拠だけで勝負が決まる。
Q · 少額訴訟って、後から証拠を追加で出せないって本当?
本当。当日その場で出せる証拠だけで勝敗が決まる
民事訴訟法371条により、少額訴訟の証拠調べは「即時に取り調べることができる証拠」に限られます。少額訴訟は原則として最初の一期日で審理を終えるため(370条)、後日改めて証人を呼ぶ、鑑定を依頼する、文書送付嘱託をするといった時間のかかる証拠調べは認められません。法廷に持ち込めるのは、当日出頭できる証人、手元の契約書・LINE のスクショ・領収書だけです。勝敗の大半は提訴前の準備で決まります。争点が複雑なら通常手続への移行(373条)も選べます。
解説
敷金が返ってこない、貸した5万円が踏み倒された、ネット通販で届いた商品が壊れていた。こうした少額の揉め事を、弁護士を立てずに自分で、しかも一日で決着させる制度が少額訴訟だ。その心臓部がこの371条にある。少額訴訟では原則として最初の期日一回で審理を終える(370条)。だから証拠も、その場ですぐ取り調べられるものに限られる。あなたが法廷に持ち込めるのは、その日に出頭できる証人、手元にある契約書やLINEのスクショ、領収書だけだ。後日改めて証人を呼ぶ、鑑定を依頼する、そんな悠長な進行は認められない。つまり勝敗は法廷に入る前、あなたが何を準備して持参したかで八割が決まっている。証拠が手元に揃っていない人は、訴える前にこの制度を選ぶべきではない。
法的な位置づけ
民事訴訟法371条は少額訴訟における証拠調べの制限を定める規定であり、取り調べることができる証拠を即時に取り調べ可能なものに限定する。一期日審理の原則(370条)を実効化するための手続的制約であり、後日の証人尋問・鑑定・文書送付嘱託など時間を要する証拠調べを原則排除する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提訴前に手元証拠を全部そろえてプリントする 契約書、借用書、領収書、LINE・メール・SMS のやり取り、振込明細など、主張を裏づける書証をすべて紙にプリントして整理する。少額訴訟は当日その場で示せる証拠しか使えないため、訴える前に証拠を完成させておく
- 2.証人が必要なら当日出頭の確約を取る 証言が必要な場合、その証人が期日当日に法廷へ出頭できるか事前に確認し、確約を取る。後日改めて呼び出す尋問は原則できないため、当日来られない証人は証拠として使えないと考える
- 3.簡易裁判所に少額訴訟として申し立てる 請求が60万円以下の金銭であることを確認し(368条)、相手方の住所地等を管轄する簡易裁判所に少額訴訟の訴状を提出する。訴状には請求の趣旨・原因と証拠を明示する(最新の改正状況をご確認ください)
- 4.当日は全証拠を持参し、間に合わなければ通常移行を選ぶ 期日には全証拠と証人を持参し、一期日で審理が終わる前提で臨む。被告として反証や争点整理が間に合わない、または争点が複雑な場合は、通常手続への移行を申述して証拠制限を外す(373条)
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟とは何ですか?
60万円以下の金銭請求を、簡易裁判所で原則一期日・一回で解決する特別な訴訟手続です(368条)。弁護士を立てず本人でも利用しやすい制度です。
Q2少額訴訟で使える証拠は何ですか?
即時に取り調べられる証拠に限られます(371条)。当日出頭できる証人、契約書、領収書、LINE やメールのスクショなど、その場で示せるものだけです。
Q3少額訴訟で証人は呼べますか?
呼べますが、当日法廷に出頭できる証人に限られます。後日改めて呼び出す尋問はできません。証人尋問には宣誓省略などの特則もあります(372条)。
Q4少額訴訟はいくらまで使えますか?
請求が60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限られます(368条)。それを超える請求や、金銭以外の請求には使えません。
Q5少額訴訟のデメリットは何ですか?
証拠が即時取調べ可能なものに制限され、控訴ができません(377条)。複雑な事案や手元に証拠がない事案には向かず、敗訴リスクが高まります。
Q6少額訴訟と通常訴訟の違いは?
少額訴訟は一期日完結・証拠制限・控訴禁止が特徴です。通常訴訟は期日を重ねて証拠を順次出せ、控訴も可能ですが時間と費用がかかります。
Q7少額訴訟に必要な準備は何ですか?
提訴前に契約書・借用書・領収書・メッセージ履歴をすべてプリントし、必要な証人には当日の出頭を確約してもらうことです。準備で勝敗の大半が決まります。
Q8即時取調べとは何ですか?
その期日に法廷で直ちに取り調べられること。手元の書証や出頭済みの証人がこれにあたり、後日提出予定の書類や鑑定は含まれません(371条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟って、証拠を後から追加で出せないんですか?
原則として出せません。少額訴訟は最初の一期日で審理を終えるのが建前で(370条)、証拠調べも即時に取り調べられるものに限られます(371条)。後日改めて証人を呼んだり鑑定を頼んだりはできません。実務のポイント:だからこそ訴状を出す前に、証人には当日出頭を確約させ、契約書もメッセージも全部プリントして持参する。準備不足の人ほど『最初から通常の裁判にすればよかった』と後悔する
Q2相手が複雑な反論をしてきたら、その場で対応できないのでは?
そのとおりで、被告がその場で調べきれない証拠や複雑な争点を持ち出すと、裁判所の判断または被告の申述で通常手続へ移行することがあります(373条)。そうなれば一期日では終わらず、証拠制限もなくなります。実務のポイント:被告側にとって、この移行は時間を稼ぐ正当な手段になる。当日までに反証が間に合わないなら、通常移行を求めて後日じっくり証拠を出す機会を取り戻せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「少額訴訟は簡単だから、とりあえず訴えてみればいい」と思われているが、即時取調べの制限があるため、証拠が手元に揃っていない状態で訴えると、言い分が正しくても負ける。簡単なのは手続であって、勝つことではない
- 証拠が必要なことは誰でも知っている。だが、その証拠が「当日その場で」取り調べられる形でなければ無意味だという深刻さを見落としている人が多い。後日提出予定の書類、後日呼ぶ予定の証人、これらは少額訴訟では原則として使えない
- 「証人さえいれば勝てる」とあなたは考える。だが法律から見れば、当日法廷に出頭できない証人は証拠として存在しない。あなたの『いる』と法律の『使える』の落差が、そのまま敗訴を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 証拠調べの範囲 | 371条:即時に取り調べられる証拠に限る | 370条:原則一期日で審理完結(証拠制限の前提) 373条:通常移行で証拠制限が外れる |
| 対象・要件 | 少額訴訟の証拠調べ全般に及ぶ制約 | 368条:60万円以下の金銭請求に限り利用可 372条:証人尋問の宣誓省略等の簡易化 |
| 不服申立て | 証拠制限のもとで下った判決 | 377条:控訴は禁止される 378条:同一簡裁への異議申立ては可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も10万元以下の金銭請求等に簡易・迅速な小額訴訟を設け、証拠調べを簡素化する点で日本と共通する
韓国は少額事件のための独立した特別法を持ち、口頭での訴え提起や迅速審理を認めるなど簡易化を徹底する
ドイツは一定の少額(争訟価額が低い)事件で裁判所が手続を裁量で簡易化でき、口頭弁論を経ない判断も可能とする
米国は州ごとに少額裁判所を設け、弁護士なしの本人訴訟・簡易な証拠手続を前提とする。州により上限額や控訴の可否が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸した10万円が返ってこない。借用書はあるが、証人になってくれる友人が当日仕事で来られない。少額訴訟で証人なしでも勝てるのか? 即時に取り調べられる証拠しか使えないこの制度では、当日法廷に出頭できない証人は、はじめからいないのと同じ扱いになる
- あなたが少額訴訟の被告として呼出状を受け取った。期日は3週間後、しかもその一回で審理が終わる。反論の証拠を集める時間はそれだけ。当日までに反証書類を揃えて持参しなければ、言い分があっても認められないまま判決が出る
- 敷金20万円が戻らない。賃貸借契約書と入居時に撮った室内写真をプリントして持参すれば、その場で証拠調べが完了する。後日提出の手間はいらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴える前に証拠を完成させる:契約書、借用書、領収書、メッセージ履歴をすべて紙にプリント2. 証人が必要なら、期日当日に法廷へ出頭できるか事前に確約を取る。来られない証人は使えない3. 簡易裁判所に少額訴訟として申立て(請求は60万円以下の金銭に限る、368条)(最新の改正状況をご確認ください) 4. 当日は全証拠を持参、一期日で審理が終わる前提で臨む。準備が間に合わないなら通常訴訟を選ぶ
訴えられた側:1. 呼出状が届いたら期日を確認、その一回で終わることを前提に反証を急ぐ2. 当日までに反証書類・証人が揃わない、または争点が複雑なら、通常手続への移行を申述する(373条) 3. 移行すれば即時取調べの制限が外れ、後日の証拠提出が可能になる4. 判決後に不服があれば、控訴はできないが異議の申立てができる(378条)、期間に注意
時効(請求できる期限):371条自体に時効はない。ただし手続上は最初の口頭弁論期日までに即時取り調べ可能な証拠を準備する必要がある。請求権そのものには一般消滅時効が適用される(民法166条、債権は権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の即時取調べ制限は、少額訴訟の一期日審理(370条)を実効化する手続的中核であり、迅速・簡易な救済の代償として真実発見の精度を一定程度犠牲にするものと理解される。複雑な事案は通常手続への移行(373条)で吸収する設計と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正(平成10年施行) 少額訴訟手続を新設し、第6編としてゼロから創設。本条もこのとき新設され、一期日審理を実現するため証拠調べを即時取り調べ可能なものに限る規律を導入した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により少額訴訟手続を第6編として新設(平成10年施行)。一期日審理を実現するため、証拠調べを即時に取り調べ可能なものに限る本条が導入された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正の一環として民訴法が改められ、電磁的記録・オンライン手続に関する規律が整備された(施行時期に注意。最新の施行状況をご確認ください)。
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