民事訴訟法 第327条(特別上告)
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- 高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。
- 2.前項の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。この場合において、第三百二十一条第一項中「原判決」とあるのは、「地方裁判所が第二審としてした終局判決(第三百十一条第二項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
特別上告とは何ですか?
定義特別上告とは、民事訴訟法第327条に定められた規定で、「高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をする…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第327条(特別上告)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第327条の条文原文は「高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をする…」で始まります。
- 民事訴訟法第327条は第二章 上告に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第327条の前の条は民事訴訟法第326条です。
- 民事訴訟法第327条の次の条は民事訴訟法第328条です。
- 民事訴訟法第327条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第327条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第327条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/327
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法327条は、高裁が上告審として下した判決に憲法違反があるときに限り、最高裁へ特別上告できると定める。理由は憲法問題に限定され、提起期間は送達から2週間。
Q · 高裁でも負けたら、もう最高裁には行けないんですか?
憲法違反があれば特別上告できる。期限は2週間
民事訴訟法327条により、高等裁判所が上告審として下した終局判決に対し、その判決に憲法の解釈の誤りその他憲法違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所へ更に上告(特別上告)できます。理由は憲法違反に限定され、判決が不当だ・証拠評価がおかしいといった主張では入口に立てません。提起期間は判決書の送達を受けた日から2週間の不変期間で、延長されません。簡裁から始まった少額訴訟でも、高裁が上告審となった事案であれば射程に入ります。
解説
30万円の敷金返還を巡り簡易裁判所で始まった訴訟。負けて地方裁判所に控訴し、そこでも負けて高等裁判所に上告し、また退けられた。この時点でほとんどの人は「もう打つ手はない」と判決書を閉じる。だが民事訴訟法327条は、その閉じた扉の奥にもう一枚、細い非常口を用意している。高等裁判所が上告審として下した判決には、判決に憲法の解釈の誤りその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所にさらに上告できる。決定的なのは「憲法違反に限る」という一点だ。判決が不当だ、証拠の評価がおかしい、そういう主張では入口にすら立てない。あなたが指し示さねばならないのは、どの憲法条文が、どう踏みにじられたか。しかも判決書が届いてから2週間。この狭くて短い窓を知っているかどうかで、最後の一手が残るか消えるかが決まる。
法的な位置づけ
民事訴訟法327条は特別上告を定める規定であり、高等裁判所が上告審として下した終局判決に対し、憲法の解釈の誤りその他憲法違反を理由とする場合に限り、最高裁判所への再度の上告を認める。通常の上告と異なり絶対的上告理由や上告受理申立てによる裁量ルートは存在せず、不服理由は憲法問題に限定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.送達日を確認し2週間の期限を即計算 判決書を受け取ったら、まず送達日を確認し、その翌日を起算点として2週間の不変期間を計算する。憲法論を組み立てる前に期限を確定させることが、間に合わせるための逆算の出発点になる
- 2.侵害された憲法条文を特定する 「判決が不当だ」という不満ではなく、どの憲法条文(32条裁判を受ける権利、14条平等、29条財産権など)がどう侵害されたかを具体的に特定する。単なる法令解釈の誤りや事実認定の不満は憲法違反に当たらない
- 3.特別上告状を原裁判所(高裁)に提出 特別上告状は最高裁ではなく原裁判所である高等裁判所に提出する(民事訴訟法314条準用、原裁判所経由)。冒頭で侵害された憲法条文を名指しし、争点を憲法問題に絞り込む
- 4.弁護士に憲法論の成否を早期相談 認容率が極めて低い現実を織り込んだうえで、純粋な憲法上の争点が成り立つかを弁護士に早期相談する。2週間という短い窓を踏まえ、相談は判決受領直後に行う
よくある質問 AI による整理
Q1特別上告とは何ですか?
高裁が上告審として下した終局判決に憲法違反があるとき、最高裁へ更に上告できる制度です。民事訴訟法327条が根拠で、不服理由は憲法違反に限られます。
Q2特別上告の期限はいつまでですか?
判決書の送達を受けた日から2週間です。上告期間の規定が準用される不変期間で、延長はできません。起算点は送達日の翌日となります。
Q3簡裁の少額訴訟でも最高裁まで行けますか?
行けます。簡裁が第一審、地裁が控訴審、高裁が上告審となった事案では、その高裁判決に憲法違反があれば327条で最高裁へ特別上告できます。
Q4特別上告はどこの裁判所に提出しますか?
原裁判所である高等裁判所に提出します。民事訴訟法314条の準用により、上告状はまず原裁判所を経由する仕組みになっています。
Q5特別上告の認容率はどのくらいですか?
極めて低いのが実情です。純粋な憲法上の争点が立つ事案が少なく、弁護士が積極的に勧めない理由もここにあります。憲法論の成否を冷静に見極める必要があります。
Q6判決が不公平というだけで特別上告できますか?
できません。327条が見るのは判決が憲法条文を正しく適用したかであり、結果の公平さではありません。法令解釈の誤りや事実認定への不満は対象外です。
Q7決定や命令で負けた場合も特別上告できますか?
できません。327条の特別上告は判決が対象です。決定・命令で負けた場合は民事訴訟法336条の特別抗告が対応ルートになります。
Q8特別上告状にはまず何を書くべきですか?
最初の一行で、どの憲法条文がどう侵害されたかを名指しします。最高裁が見るのは憲法適合性だけなので、争点を憲法問題に絞り込んだ書面だけが審理に乗ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1簡裁の少額訴訟でも、本当に最高裁まで行けるんですか?
行けます。簡裁が第一審、地裁が控訴審のとき、高裁が上告審になり、その判決に憲法違反があれば327条で最高裁へ特別上告できます。ただし理由は憲法違反に限られます。実務のポイント:制度上は可能でも、実際に認容される特別上告は年間でもごくわずか。弁護士が積極的に勧めないのは、純粋な憲法問題が立つ事案が極めて少ないからです。本当に憲法上の争点があるかを冷静に見極めるのが先決
Q2特別上告って、普通の上告と何が違うんですか?
通常の上告(高裁が控訴審の場合)は、憲法違反に加え重大な手続違反(絶対的上告理由、312条2項)でも争え、判例違反などは上告受理の申立て(318条)という別ルートもあります。特別上告(327条)は理由が憲法違反だけに絞られ、受理申立てに当たる裁量ルートもありません。実務のポイント:高裁が最終審の事件では、この憲法一本道しか残らない。だからこそ書面の最初で憲法論を立てられるかが全てを決めます
間違えやすい点 AI による整理
- 「高裁が最終審なら最高裁には絶対に行けない」と思い込んでいる人が多い。実は327条が憲法違反という一点に限って、最高裁への細い追加ルートを開けている。終わったように見えて、扉は完全には閉じていない
- 「憲法違反」と言いさえすれば通ると考えがちだが、ここが落とし穴。あなたは特別上告できることは知っても、その「憲法違反」が実務上いかに狭く解釈されるかを知らない。単なる法令解釈の誤りや事実認定の不満は、憲法違反には当たらない。入口の幅を見誤ると、出した瞬間に却下される
- あなたから見れば判決は「不公正」だが、最高裁が327条で見るのは「判決が憲法条文を正しく適用したか」だけ。結果が公平かどうかではない。この視点の落差を理解しないまま不公平さだけを訴えると、最後の一手を空振りに終わらせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 不服理由の範囲 | 327条 特別上告:憲法違反に限定 | 312条 通常上告:憲法違反 + 絶対的上告理由 318条 上告受理申立て:判例違反等の裁量受理 |
| 対象となる裁判 | 高裁が上告審として下した終局判決 | 控訴審の終局判決 控訴審の終局判決(受理は最高裁の裁量) |
| 裁量ルートの有無 | なし(憲法一本道) | 絶対的上告理由あり 受理申立て=裁量ルートそのもの |
| 判決か決定か | 判決(327条) | 判決(312条) 決定・命令は336条 特別抗告へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2022年施行の憲法訴訟法で、確定終局裁判が憲法に違反する場合に憲法法廷へ裁判憲法審査を求める制度を整備。最高裁内部の特別上告ではなく独立した憲法法廷が審査する点が日本と異なる。
韓国は憲法裁判所による憲法訴願が憲法的救済の中心だが、原則として裁判(判決)そのものへの訴願は限定的にしか認められない点で日本の特別上告と射程が異なる。
ドイツは連邦憲法裁判所への憲法異議で、基本権を侵害する裁判所判決を争える。通常裁判所の頂点(BGH)とは別系統の憲法裁判所が審査する点が日本の制度設計と対照的。
米国は連邦最高裁への裁量上訴(certiorari)で連邦憲法問題を争うが、受理は完全に裁量であり年間受理率は極めて低い。憲法問題への絞り込みという点で特別上告と機能的に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 簡裁から始まった少額の訴訟で、高裁まで争って敗れた。もう最高裁には行けないのか? 行ける。ただし条件は一つ、判決に憲法違反があること。裁判を受ける権利(憲法32条)が手続上侵害されたと具体的に主張できる事案なら、特別上告の入口に立てる
- あなたが高裁で勝訴し、ようやく決着したと思った矢先、相手が最高裁に特別上告してきた。慌てる必要はない。特別上告は理由が憲法違反に限られ、認められる例は極めて少ない。だが油断して答弁を放置するのは禁物、まれに原判決が破棄差戻しになる
- 高裁の敗訴判決書が今日届いた。特別上告できるのは送達から2週間。憲法のどの条文がどう侵害されたかを書面で組み立てる時間は、実質10日もない
- 弁護士に「判決が明らかに不公平だ、特別上告したい」と相談したら、首を振られた。不公平というだけでは憲法違反にならない。法令の解釈を誤っただけの判決は、憲法問題ではなく特別上告の対象外だからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決書の送達日を確認し、2週間の期限を即計算する(不変期間、延長なし) 2. 単に不当という不満ではなく、どの憲法条文(32条裁判を受ける権利、14条平等、29条財産権など)がどう侵害されたかを特定する3. 特別上告状は原裁判所である高裁に提出する(民事訴訟法314条準用、原裁判所経由) 4. 弁護士に憲法論が成り立つかを早期相談、認容率が極めて低い現実も織り込んで判断する
訴えられた側:1. 相手が特別上告しても、理由が憲法違反に限られ認められる例は稀だと押さえる2. 答弁では、指摘された点が単なる法令解釈の問題であり憲法違反に当たらないことを反論する3. 認容率の低さを前提に、過度なコストをかけない4. 万一の破棄差戻しに備え、原審の記録と証拠は保全しておく
時効(請求できる期限):判決書の送達を受けた日から2週間(民事訴訟法327条2項により上告期間の規定を準用、313条を介して285条)。不変期間のため延長されない。起算点は送達日の翌日
学説
通説:特別上告の不服理由たる『憲法の違反』は実務上狭く解釈され、単なる法令解釈の誤りや事実認定への不満は含まれない。憲法条文の解釈適用そのものの誤りを具体的に指摘できた場合に限り審理の対象となるとするのが通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 新民事訴訟法(平成8年法律第109号、平成10年施行)への全部改正に伴い、特別上告の規定が現行327条として整理され、上告手続規定の準用と第321条第1項の読替えが明文化された
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:新民事訴訟法(平成8年法律第109号、平成10年施行)への全部改正に伴い、特別上告の規定が現行327条として整理され、上告手続規定の準用と第321条第1項の読替えが明文化された。
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