民事訴訟法 第336条(特別抗告)
クイックジャンプ
- 地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
- 2.前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から五日の不変期間内にしなければならない。
- 3.第一項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第三百二十七条第一項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに第三百三十四条第二項の規定を準用する。
この条文の基本情報
特別抗告とは何ですか?
定義特別抗告とは、民事訴訟法第336条に定められた規定で、「地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第336条(特別抗告)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第336条の条文原文は「地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲…」で始まります。
- 民事訴訟法第336条は第三章 抗告に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第336条の前の条は民事訴訟法第335条です。
- 民事訴訟法第336条の次の条は民事訴訟法第337条です。
- 民事訴訟法第336条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第336条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第336条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/336
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法336条は、不服申立てできない決定や高裁の決定に憲法違反があるとき、告知の日から五日の不変期間内に限り最高裁へ特別抗告できると定める。
Q · 「不服申立てできない」と書かれた決定でも、最高裁に持ち込む方法はありますか?
憲法違反があるなら五日以内に特別抗告できる
民事訴訟法336条により、不服を申し立てることができない決定・命令や高等裁判所の決定・命令でも、その裁判に憲法の解釈の誤りその他憲法違反があるときは、最高裁判所へ特別抗告できます。ただし理由は憲法違反に限られ、単なる法令解釈の誤りや事実誤認は受け付けられません。期間は告知を受けた日から五日の不変期間(336条2項)で、裁判所も延長できません。土日を挟めば実質二、三営業日しかなく、気付いたときには閉じていることが多い制度です。
解説
裁判所の決定や命令の中には、もう不服を申し立てられないものがある。仮処分の取消し、執行抗告の却下、訴訟費用額の確定。普通の人はここで「終わった」と諦める。だが336条は、その閉じた扉の奥にもう一つ小さな抜け穴を残している。その裁判に『憲法の解釈の誤り』または『憲法違反』があるなら、最高裁判所に直接抗告できる。ただし条件は厳しい。理由は憲法違反に限られ、単なる法令解釈の誤りや事実誤認では一切受け付けない。そして期間は告知を受けた日から五日、しかも不変期間で一日も延ばせない。普通の即時抗告が一週間なのに、これだけ五日。多くの人が『まだ何か手があるはず』と弁護士を探しているうちに、この五日は静かに過ぎ去る。
法的な位置づけ
特別抗告とは、不服を申し立てることができない決定・命令、及び高等裁判所の決定・命令に対し、憲法の解釈の誤りその他憲法違反を理由とするときに限り、最高裁判所に対してすることができる抗告である。理由が憲法違反に限定され、期間が告知の日から五日の不変期間とされる点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決定書の告知日を即座に記録 決定書・命令書が届いたら、受け取った日付を必ず記録する。ここから五日の不変期間が起算される。郵便の受取日を一日勘違いするだけで権利が消える
- 2.対象裁判の該当性を確認 その裁判が「不服を申し立てることができない地裁・簡裁の決定・命令」または「高等裁判所の決定・命令」に該当するかを確認する。通常の抗告ができる段階なら、まずそちらを検討する
- 3.不満を憲法問題として構成 不満の中身を「憲法の解釈の誤り」または「憲法違反」として構成できるか検討する。手続保障の欠如なら憲法32条違反など、具体的な条項に結び付ける。単なる法令違反・事実誤認では入口に立てない
- 4.即日で弁護士に相談し抗告状を起案 五日は土日も含むため、その日のうちに憲法問題に強い弁護士へ相談し、特別抗告状の起案に入る。完璧を狙って間に合わないより、まず抗告の趣旨だけでも提出して期間を確保する
- 5.五日以内に提出・必要なら執行停止を申立て 原裁判所に特別抗告状を期間内に提出する。執行や効力の停止が必要なら、336条3項が準用する334条2項に基づき執行停止の申立ても併せて行う
よくある質問 AI による整理
Q1特別抗告とは何ですか?
不服申立てできない決定・命令や高裁の決定に憲法違反があるとき、最高裁へする抗告です。民事訴訟法336条が根拠で、理由は憲法違反に限られます。
Q2特別抗告と即時抗告は何が違いますか?
即時抗告は一週間で理由制限がありませんが、特別抗告は五日の不変期間で理由が憲法違反に限定されます。不服申立てできない決定が対象になる点も異なります。
Q3特別抗告の理由は憲法違反だけですか?
はい。憲法の解釈の誤りその他憲法違反に限られます。法令解釈の誤りや事実誤認では入口に立てず、最高裁は門前払いします。
Q4特別抗告の期間は何日ですか?
裁判の告知を受けた日から五日の不変期間です(336条2項)。初日は算入せず翌日から起算しますが、土日も含むため実質数営業日しかありません。
Q5特別抗告はどのくらい認められますか?
実務では認容率は極めて低く、却下・棄却が圧倒的多数です。結論への不満を憲法問題に化粧して持ち込んでも認められません。
Q6特別抗告に執行停止の効力はありますか?
当然には停止しませんが、336条3項が334条2項を準用するため、原裁判所等が執行停止を命じる余地があります。別途申立てが必要です。
Q7家事審判の決定にも特別抗告できますか?
家事事件手続法・非訟事件手続法の準用規定を通じ、憲法問題を含む決定なら最高裁の射程に入りうります。具体的な準用条文は要確認です。
Q8特別抗告状はどこに提出しますか?
原裁判をした裁判所に提出するのが原則です。最高裁への上告手続(327条)の規定が準用されるため、抗告理由書の提出方法もこれに準じます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1決定に納得いかないけど『不服申立てできない』と書いてある、本当にもう無理ですか?
通常の抗告はできませんが、その裁判に憲法違反があると主張できるなら、最高裁への特別抗告(336条)という別ルートが残っています。ただし理由は『憲法の解釈の誤り』か『憲法違反』に限られ、法令の解釈ミスや事実誤認では通りません。実務のポイント:実務では特別抗告が認められる確率は極めて低く、弁護士の本音は『ほぼ通らない』。それでも五日の期間を守って出しておくと、後に別の救済を検討する際の布石になることがある。諦めるにしても、期間内に動いた記録は残す価値がある。
Q2五日って、土日も入りますか?相談する暇もないんですが
原則として土日祝も期間に算入されます。初日は算入せず翌日から数えますが(民訴95条)、それでも実質の猶予は数営業日しかありません。末日が休日なら翌日まで延びます。実務のポイント:この五日は不変期間で、裁判所も延ばせない。だから実務家は決定書が届いた『その日のうち』に動く。間に合わないと判断したら、まず理由を簡潔にした抗告状で期間だけ確保し、詳細な憲法論は後から補充するという手を使う。完璧な書面を狙って期間を落とすのが最悪手。
間違えやすい点 AI による整理
- 「不服申立てできない決定なら、もう何をしても無駄」という前提そのものが間違っている。確かに通常の抗告はできないが、憲法違反という別ルートの扉は開いている。問うべきは『抗告できるか』ではなく『この不満を憲法問題に構成できるか』だ。立てる問いを変えれば、見えていなかった一手が現れる。
- 特別抗告という制度があることは知っていても、その期間が『五日・不変期間』であることの重さを甘く見ている人が多い。土日を挟めば実質二、三営業日。弁護士に相談のアポを取る時間すらないまま消える期間だと、知っているつもりで知らない。
- 「最高裁に行けるなら逆転のチャンス」と思いがちだが、実際の特別抗告は憲法違反の主張がほとんど認められず、却下・棄却が圧倒的多数。結論への不満を憲法問題に化粧して持ち込んでも、最高裁はその粉飾を見抜く。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる裁判 | 336条(特別抗告):不服申立て不可の決定・命令、高裁の決定・命令 | 332条(即時抗告):法が即時抗告を認めた決定・命令 337条(許可抗告):高裁の決定・命令(高裁が許可した場合) |
| 抗告理由 | 憲法の解釈の誤り・憲法違反に限定 | 理由制限なし(一般の違法・不当) 判例違反・法令解釈の重要事項(高裁が許可) |
| 抗告期間 | 告知の日から五日の不変期間 | 告知の日から一週間の不変期間 高裁の許可手続による |
| 最終審 | 最高裁判所 | 上級裁判所(再抗告で更に上へ) 最高裁判所 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2022年施行の憲法訴訟法で、確定した裁判が憲法に違反するとして憲法法廷に審査を求める制度を導入。通常の救済を尽くした後の憲法的最終ルートという点で機能が近い。
韓国も不服申立てできない決定・命令に対する特別抗告を民事訴訟法で定め、憲法違反等を理由とする点で日本と構造が酷似する。
ドイツは通常の救済を尽くした後、基本権侵害を理由に連邦憲法裁判所へ憲法異議を提起できる。専門の憲法裁判所が担う点が日本(最高裁が担う)と異なる。
米国は州最高裁の連邦憲法問題を含む裁判に対し、連邦最高裁へ裁量上訴(certiorari)を申し立てる。受理は裁量的で、憲法問題を入口とする点で類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高裁で抗告を棄却する決定が届いた。これでもう打つ手はないと思った瞬間、あなたに残された時間は五日。憲法違反の主張を組み立てて最高裁に出すなら、今日動かないと間に合わない。
- もし保全異議の決定で、あなたの言い分が一切聞かれないまま財産が差し押さえられたとしたら? その手続が憲法32条(裁判を受ける権利、誰もが公正な手続で裁判を受けられる権利)に反すると主張できれば、特別抗告の入口に立てる。問題は、それが『憲法違反』と評価できる筋かどうかだ。
- あなたが勝った側で、相手が特別抗告をしてきた。慌てる必要はない。特別抗告で逆転が認められる確率は極めて低く、理由が『憲法違反』に該当しなければ最高裁は門前払いする。ただし執行停止の準用(334条)には注意。相手が執行を止める申立てをしてくる余地がある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 決定書を受け取った日付を即座に記録、ここから五日の不変期間が起算される2. その裁判が『不服申立てできない決定・命令』または『高裁の決定・命令』に該当するか確認3. 不満の中身を『憲法の解釈の誤り』または『憲法違反』として構成できるか検討、単なる法令違反・事実誤認では入口に立てない4. 五日は原則として土日も含むため、即日で憲法問題に強い弁護士に相談し抗告状の起案へ。完璧を狙って間に合わないより、まず抗告の趣旨だけでも提出して期間を守る
訴えられた側:1. 相手の特別抗告状が『憲法違反』を具体的に主張しているか精査、抽象的な不満なら却下の可能性が高い2. 執行停止の準用(334条2項)に注意、相手が執行や効力の停止を申し立てる余地があるか確認3. 答弁は最高裁の傾向(憲法違反の主張を厳格に判断)を踏まえ、原決定の手続が適正だった点を整理4. 多くの特別抗告は棄却されるため過度に身構える必要はないが、執行停止の申立てだけは早めに対応
時効(請求できる期限):裁判の告知を受けた日から五日の不変期間(336条2項)。不変期間のため裁判所の裁量でも延長されない。初日は算入せず翌日から起算し、期間の末日が日曜・祝日等であれば翌日まで延びる(民訴95条)。一日でも過ぎれば特別抗告権は消滅する
学説
通説・確立した実務:特別抗告の理由は憲法の解釈の誤りその他憲法違反に厳格に限定され、法令違反や事実誤認は含まれない。形式的に憲法違反を主張しても、実質が法令解釈の誤りにとどまれば適法な抗告理由とは認められず、最高裁は却下・棄却する運用が定着している。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 民事訴訟法の全部改正により、特別抗告の規定が現行の条文構成(憲法違反を理由とする最高裁への抗告、五日の不変期間)として整備された。以降の IT 化改正等での変動有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、特別抗告の規定が現行の条文構成(憲法違反を理由とする最高裁への抗告、告知の日から五日の不変期間、327条上告・334条2項の準用)として整備された。以降の IT 化改正等での変動有無は人的検証を要する。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める