民事訴訟法 第334条(原裁判の執行停止)
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- 抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。
- 2.抗告裁判所又は原裁判をした裁判所若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。
この条文の基本情報
原裁判の執行停止とは何ですか?
定義原裁判の執行停止とは、民事訴訟法第334条に定められた規定で、「抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第334条(原裁判の執行停止)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第334条の条文原文は「抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。」で始まります。
- 民事訴訟法第334条は第三章 抗告に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第334条の前の条は民事訴訟法第333条です。
- 民事訴訟法第334条の次の条は民事訴訟法第335条です。
- 民事訴訟法第334条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第334条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第334条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/334
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法334条は、執行停止の効力を持つ抗告は即時抗告に限ると定める。通常抗告で執行を止めるには、同条2項に基づく執行停止を別途申し立てる必要がある。
Q · 裁判所の決定に抗告すれば、執行は自動的に止まるの?
止まるのは即時抗告だけ。通常抗告は別途停止を申し立てる
民事訴訟法334条1項により、執行停止の効力を持つのは即時抗告に限られます。期間の定めのない通常抗告では、抗告しても決定は効力を持ち続け、執行は進みます。止めたい場合は、同条2項に基づき原裁判の執行停止その他必要な処分を、抗告裁判所または原裁判をした裁判所・裁判官に別途申し立てる必要があります。停止は自動では生じず、申立てと裁判所の判断によって初めて命じられます。執行されてからでは現状回復が困難なため、抗告と同時かそれより先に申し立てるのが実務の定石です。
解説
裁判所から不利な決定が届いた。文書提出命令、仮処分、訴訟費用の負担命令、過料の決定。あなたは不服があるから抗告する。ここで多くの人が致命的な勘違いをする。「抗告すれば、決定の効力は当然止まるはずだ」。違う。民訴334条1項は、執行停止の効力を持つのは即時抗告だけだと定める。期間の定めのない通常抗告では、あなたが争っている間も決定はそのまま効力を持ち続け、執行が進む。ただし救いはある。同条2項は、抗告裁判所でも、決定を出した元の裁判所や裁判官でも、抗告の結論が出るまで原裁判の執行停止その他必要な処分を命じうると定める。つまり、停止は自動では降りてこない。あなたが別に申し立て、勝ち取るものだ。この一手を打つかどうかで、争っている間に現状が壊されるか、保たれるかが決まる。
法的な位置づけ
民事訴訟法334条は抗告の執行停止効を定める規定であり、執行停止の効力を有する抗告は即時抗告に限られること(1項)、および抗告裁判所・原裁判所・原裁判官が抗告の決定があるまで原裁判の執行停止その他必要な処分を命じうること(2項)を規律する。決定・命令の迅速な実効性と、誤った裁判からの救済とを二段で調整する手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受け取った決定が即時抗告の対象か確認する 決定・命令の根拠条文を確認する。条文に『即時抗告をすることができる』とあれば即時抗告(移送21条、忌避25条、文書提出命令223条7項、過料の決定など)。明記がなく単に抗告できる場合は通常抗告。即時抗告なら執行停止効が自動で付く
- 2.即時抗告なら告知から1週間以内に抗告状を提出する 即時抗告は告知を受けた日から1週間の不変期間(民訴332条)。土日も含まれ延長はきかない。期間内に抗告状を原裁判所に提出すれば、執行停止効が自動的に生じる
- 3.通常抗告なら334条2項の執行停止を別途申し立てる 通常抗告では執行は止まらない。原裁判の執行停止その他必要な処分を、抗告裁判所または原裁判をした裁判所・裁判官に申し立てる。回復困難な損害が生じることなど停止の必要性を疎明する
- 4.停止申立ては抗告と同時かそれより先に出す 執行が完了してからでは、停止を勝ち取っても現状回復はできないか極めて困難になる。抗告状と執行停止申立書を同時に提出するのが実務の定石。タイミングが結果を左右する
よくある質問 AI による整理
Q1即時抗告とは何ですか?
法律が「即時抗告をすることができる」と定める裁判に対し、告知から1週間の不変期間内(民訴332条)にする抗告です。執行停止の効力が自動的に生じます(334条1項)。
Q2抗告の執行停止効はいつ生じますか?
即時抗告なら抗告によって自動的に生じます。通常抗告では生じず、334条2項に基づき執行停止を別途申し立て、裁判所が必要性を認めて初めて生じます。
Q3文書提出命令に不服があるときはどうしますか?
文書提出命令に対しては即時抗告ができます(民訴223条7項)。即時抗告には執行停止効があるため、提出を止めたまま上級審の判断を待てます。期間は告知から1週間です。
Q4即時抗告の期間は何日ですか?
裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間です(民訴332条)。土日も含まれ延長は原則きかず、徒過すると原裁判が確定します。
Q5執行停止の申立てはどこにしますか?
民訴334条2項により、抗告裁判所のほか、原裁判をした裁判所または裁判官にも申し立てられます。抗告について決定があるまでの間、停止その他必要な処分を求めます。
Q6通常抗告に期限はありますか?
通常抗告自体に期間の定めはありません。ただし執行は止まらないため、334条2項の執行停止は早く申し立てるほど現状保全に有効です。
Q7抗告と異議の違いは何ですか?
抗告は上級裁判所に対する不服申立て、異議は同一審級・同一裁判所に対する不服申立てです。334条の執行停止効は抗告に関する規律です。
Q8移送の決定に不服があるときはどうしますか?
移送の裁判には即時抗告ができます(民訴21条)。即時抗告には執行停止効があるため、記録が新しい裁判所へ送られるのを止めて判断を待てます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1抗告したのに、相手がもう差押えとか執行を進めてきました。止められないんですか?
それが通常抗告なら、抗告だけでは執行は止まりません(334条1項)。止めるには、334条2項に基づく執行停止を、原裁判所か抗告裁判所に別途申し立てる必要があります。即時抗告であれば執行停止効が自動で生じます。実務のポイント:実務では抗告状と執行停止の申立書を同時に出すのが定石。多くの本人申立人は抗告状だけ出して安心し、その間に執行が進んでしまう。同時申立てを知っているかどうかで結果が分かれる
Q2「即時抗告」と普通の「抗告」って、見分け方はありますか?
根拠条文を見るのが確実です。条文に『即時抗告をすることができる』と明記されていれば即時抗告(例:移送21条、忌避25条、文書提出命令223条7項)。明記がなく単に抗告できる場合が通常抗告です。即時抗告には1週間の不変期間(332条)と執行停止効が付きます。実務のポイント:迷ったら即時抗告として1週間以内に動くのが安全。期間のない通常抗告だと思い込んで様子見していたら、実は即時抗告で期間を徒過していた、というのが最も多い失敗パターン
間違えやすい点 AI による整理
- 「抗告すれば、決定の効力は当然に止まる」と思われているが、これは誤り。執行停止の効力を持つのは即時抗告だけ(334条1項)。期間の定めのない通常抗告では、争っている間も決定は効力を持ち続ける
- 即時抗告に執行停止効があることは知っていても、その期間の短さの深刻さを見落とす人が多い。即時抗告期間は告知を受けた日から1週間の不変期間(332条)。土日も含まれ、延長は原則きかない。気づいたときには確定している、という事態が実際に起きる
- 「執行停止は裁判所が職権でやってくれるはず」という前提自体が誤っている。2項の執行停止は、あなたが求め、裁判所がその必要性を認めて初めて命じられる。待っていても、誰も止めてはくれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 執行停止効 | 334条1項:即時抗告のみ自動で停止効あり、通常抗告は2項で別途申立て | 332条:即時抗告は告知から1週間の不変期間 333条:原裁判所による再度の考案(更正) |
| 申立期間 | 334条2項の停止:期間の定めなし(早いほど有効) | 332条:即時抗告は1週間、延長不可 328条:抗告できる裁判の範囲を画定 |
| 機能 | 334条:抗告中の現状保全(執行停止) | 331条:控訴・上告の規定を抗告審に準用 333条:原裁判所が自ら誤りを正す機会 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も抗告には原則として停止執行の効力がなく、原裁判所または抗告裁判所が停止その他必要な処分を命じうるとする点で334条と構造が酷似する
韓国は即時抗告(즉시항고)に執行停止効を認める点で日本と共通。通常抗告との区別構造も類似する
ドイツの sofortige Beschwerde は原則として停止効を持たず、原裁判所または抗告裁判所が執行停止を命じうるとする。334条2項に最も近い発想
米国は judgment の執行に対する stay を Rule 62が規律し、上訴中の停止は原則として担保(supersedeas bond)を要する。日本の自動停止効とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が訴訟で文書提出命令を受けた。中には営業秘密が含まれているから争いたい。文書提出命令に対しては即時抗告ができ、即時抗告には執行停止の効力がある。だから提出を止めたまま上級審の判断を待てる。ただし即時抗告期間は告知から1週間、ここを逃せば命令は確定し、出さざるを得なくなる
- 訴訟の付随的な決定に対し、あなたが期間の定めのない通常抗告をした場合、争っている間も決定は効力を持ち続ける。止めたければ、334条2項に基づく執行停止を別途申し立てるしかない。これを知らずに抗告だけして安心していると、結論が出る前に既成事実が積み上がっていく
- 移送の決定に納得がいかない。移送は即時抗告の対象で、即時抗告すれば移送の効力は止まり、記録が新しい裁判所へ送られるのを防げる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受け取った決定が即時抗告の対象か確認する(条文に『即時抗告をすることができる』とあるか。移送・忌避・文書提出命令・過料などが典型)。 2. 即時抗告なら、告知から1週間以内(332条)に抗告状を提出すれば執行停止効が自動で付く。 3. 通常抗告、または即時抗告でも追加の保全が要る場合は、334条2項に基づき原裁判の執行停止その他必要な処分を、原裁判所または抗告裁判所に申し立てる。 4. 申立ては抗告と同時かそれより先に。執行されてからでは回復は困難
訴えられた側:1. 相手が抗告しても、それが通常抗告なら執行は止まらない。粛々と手続を進めてよい。 2. 即時抗告なら執行停止効が生じるため、上級審の判断を待つ。 3. 相手が2項の執行停止を申し立ててきたら、停止すべき必要性がないこと(回復困難な損害が生じない等)を主張して争う。 4. 抗告審の見通しを踏まえ、長期化リスクと和解の損得を早めに試算する
時効(請求できる期限):即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内(民事訴訟法332条)。この期間は延長されず、徒過すれば原裁判は確定する。通常抗告には期間の定めはないが、2項の執行停止は早く申し立てるほど現状保全に有効。起算点は『告知を受けた日』
学説
通説:決定・命令は判決より簡易迅速に出される裁判であり、その実効性確保のため抗告には原則として執行停止効を与えず、特に慎重な判断を要する類型のみを即時抗告として自動の停止効を認める。それ以外は334条2項により個別の必要性判断で停止を命じうるとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から条文番号が整理され、現行334条に。抗告のうち即時抗告のみが執行停止の効力を持つ原則と、抗告裁判所・原裁判所等による執行停止その他必要な処分の権限を定める。その後の改正状況は要人的検証
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民訴法の規定を整理し現行334条に移行。抗告のうち即時抗告のみが執行停止の効力を持つ原則と、抗告裁判所・原裁判所・原裁判官による執行停止その他必要な処分の権限を明文化した。
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