民事訴訟法 第333条(原裁判所等による更正)
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原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。
この条文の基本情報
原裁判所等による更正とは何ですか?
定義原裁判所等による更正とは、民事訴訟法第333条に定められた規定で、「原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第333条(原裁判所等による更正)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第333条の条文原文は「原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第333条は第三章 抗告に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第333条の前の条は民事訴訟法第332条です。
- 民事訴訟法第333条の次の条は民事訴訟法第334条です。
- 民事訴訟法第333条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第333条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第333条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/333
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法333条は、抗告を受けた原裁判所が抗告に理由ありと認めるとき、自らその裁判を更正しなければならないと定める。これを再度の考案という。
Q · 抗告すると、結局また同じ裁判所が判断するの? それって意味あるの?
抗告に理由があれば原裁判所が自ら決定を更正できます
民事訴訟法333条により、抗告を受けた原裁判所または裁判長は、その抗告に理由があると認めるときは、自らその裁判を更正しなければなりません。これを再度の考案といいます。判決に対する控訴では原裁判所は自分の判決を一切変更できませんが、決定・命令に対する抗告では、原裁判所自身がその場で判断を覆せます。更正しなければ記録は自動的に上級審へ送られるため、救済の機会が二段構えになります。
解説
裁判所が出した決定や命令にあなたが不服を持ったとき、普通は「もう上の裁判所に持ち込むしかない」と思うだろう。だが民事訴訟法333条は、ほとんどの人が知らない近道を用意している。あなたが抗告(決定・命令に対する不服申立て)をすると、その記録はいきなり上級審へ飛ぶのではなく、まずその決定を出した裁判所自身の手元に戻る。そして原裁判所が「たしかにこの抗告には理由がある」と認めれば、自分でその判断を覆せる。これを実務では再度の考案と呼ぶ。判決に対する控訴では、原裁判所は自分の判決を一文字も変えられない。だが決定・命令への抗告だけは、この自己修正の扉が開いている。つまりあなたの抗告状は、上級審を説得する文書である前に、目の前の裁判官に過ちを認めさせる文書なのだ。書き方を変えれば、上級審を待たずに数日で結果が変わることがある。
法的な位置づけ
民事訴訟法333条が定める再度の考案とは、決定または命令に対して抗告が提起された場合に、その裁判をした原裁判所または裁判長が、抗告に理由があると認めるときは自らその裁判を更正しなければならないとする制度をいう。判決の自縛力と対比される、決定・命令固有の自己是正手続である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.告知日と即時抗告の期間を確認する 決定・命令の告知を受けたら、まず告知日を確認する。即時抗告は告知の日から1週間の不変期間(民訴332条)。この1週間が再度の考案を引き出す勝負どころでもある
- 2.提出先を原裁判所に定める 抗告状は原裁判をした裁判所宛てに提出する(民訴331条による控訴規定の準用)。上級審に直接送らない。最初に読むのは決定を出した同じ裁判官である
- 3.原裁判所の誤りを具体的に突く中身を書く 上級審向けの一般的な法律論ではなく、原裁判所の判断のどこがどう誤っていたか、新たな疎明資料は何かに絞る。裁判官が「たしかに見落としていた」と思える材料を先回りで用意する
- 4.更正されなければ抗告審の準備に切り替える 原裁判所が更正しなければ記録は自動的に上級審へ送られる。執行停止の有無(民訴334条)を確認し、効力が止まるかで対応の緊急度を判断したうえで抗告審の主張を整える
よくある質問 AI による整理
Q1再度の考案とは何ですか?
抗告を受けた原裁判所が、その抗告に理由があると認めるとき、自ら決定・命令を更正する仕組みです。民事訴訟法333条が根拠で、上級審を経ずに原審が自己修正します。
Q2再度の考案はどんな裁判で使えますか?
決定・命令に対する抗告の場面で機能します。判決に対する控訴では原裁判所は自分の判決を一切変更できず、再度の考案は使えません。
Q3再度の考案で更正されなかったらどうなりますか?
原裁判所が抗告に理由なしと判断すれば、記録は自動的に上級審(抗告審)へ送られます。救済の機会が二段構えになるため、申立てに損はありません。
Q4抗告状はどこに提出しますか?
原裁判をした裁判所に提出します(民訴331条による控訴規定の準用)。上級審に直接送るのではなく、まず原裁判所が再度の考案で見直します。
Q5再度の考案を引き出すコツはありますか?
上級審向けの抽象的な法律論ではなく、原裁判所の判断の具体的な誤りや新たな疎明資料に絞って書くと、裁判官が自ら更正しやすくなります。
Q6決定の更正と判決の更正は同じですか?
違います。判決の更正(民訴256条)は誤記等に限られ内容変更はできません。決定・命令への抗告では再度の考案により内容そのものを覆せます。
Q7再抗告でも再度の考案はありますか?
抗告審の裁判に対する再抗告(民訴330条)の場面でも、原則として抗告の規定が準用されるため、原裁判所による更正の構造が及びます。
Q8強制執行や保全でも再度の考案は働きますか?
執行抗告(民事執行法10条)や保全抗告(民事保全法41条)にも抗告の規定が準用され、原裁判所が見直す場面が頻発します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1抗告したのに、また同じ裁判官が判断するなら意味ないのでは?
むしろ逆で、333条は救済のチャンスを一回増やす仕組みです。原裁判所が抗告に理由ありと認めれば自ら更正し(再度の考案)、上級審を待たずに数日で覆ることもあります。更正しなければ自動的に上級審へ進むので、損はありません。実務のポイント:判決の控訴では原裁判所は自分の判断を一切変えられませんが、決定・命令への抗告だけはこの自己修正が許されている。だから抗告状は「上級審を説得する文書」ではなく「原審の裁判官に過ちを認めさせる文書」として書くと通りやすい
Q2即時抗告の1週間を過ぎてしまったら、もう何もできませんか?
即時抗告期間は不変期間なので、原則として過ぎれば決定は確定します。ただし、あなたの責めに帰せない事由(天災や誤った教示など)で守れなかった場合は、追完(民事訴訟法97条)で救済される余地があります。実務のポイント:決定書に付された不服申立ての教示が誤っていたり欠けていたりした場合、その期間徒過は「責めに帰せない事由」と認められやすい。決定通知を受け取ったら、まず不服申立ての方法と期間の教示欄を真っ先に確認するのが鉄則です(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「抗告したら上級審が判断する」と思い込んで、上級審向けの抽象的な法律論を書く人が多い。だが問いの立て方そのものが間違っている。抗告状を最初に読むのは、その決定を出した同じ裁判官だ。書くべきは「あなたの判断のどこがどう誤っていたか」を具体的に突く中身。相手は遠くの上級審ではなく、目の前の裁判官である
- 「一度出た判断は裁判所自身では覆せない」と思われているが、それは判決の話。決定・命令に対する抗告では、原裁判所自身が更正できる。判決(控訴)と決定(抗告)では、この一点で構造がまるで違う
- 即時抗告の期間が1週間しかないことは知っていても、その1週間が再度の考案を引き出す勝負どころでもあると気付いている人は少ない。期間制限を「締切」としか見ない人は、この内側にあるチャンスを使い損ねる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 原裁判所が自ら覆せるか | 民訴333条:抗告に理由ありと認めれば内容そのものを更正できる(再度の考案) | 民訴256条:判決の更正は誤記・計算違い等に限られ内容変更不可 民訴330条:抗告審の裁判には再抗告で対応 |
| 対象となる裁判 | 決定・命令に対する抗告 | 確定前後の判決 抗告審の決定 |
| 期間制限 | 即時抗告は告知から1週間の不変期間(民訴332条)、通常抗告は期間の定めなし | 更正は確定後でも可能(期間の定めなし) 再抗告は告知から1週間(即時抗告に準ずる) |
| 効力の停止 | 原則として執行停止の効力なし(民訴334条で個別判断) | 更正決定自体に執行停止は問題とならない 再抗告審の判断による |
他国ではどう定めているか 4 か国
原裁判所が抗告を理由ありと認めるときは、自ら原裁定を取消し・変更できる点で日本の再度の考案と同型の構造をもつ。
原審裁判長は抗告に理由があると認めれば自らその裁判を更正しなければならないと定め、日本333条とほぼ同一の規律。日本法の継受の系譜が明確に表れている。
Beschwerde に対し原裁判所がまず Abhilfe(救済)できるかを判断し、しなければ上級審へ移す。日本の再度の考案の母法的構造にあたる。
原審に対する再考申立てとして機能するが、抗告に連動して自動的に原審が見直す日本の構造とは異なり、当事者の独立した申立てを前提とする。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 裁判所に仮差押えを申し立てたが却下された。相手が財産を隠す前に動きたいのに、上級審に持ち込めば何週間もかかる。即時抗告の期間はわずか1週間。もしその1週間以内に、同じ裁判所へ却下理由の誤りを突く抗告状を出せたら? 原裁判所が自ら判断を見直し、上級審を経ずに仮差押えが認められることがある
- あなたが文書提出命令を免れる決定を勝ち取った。安心していたら、相手が即時抗告してきた。原裁判所がその抗告状を読んで「たしかに理由がある」と判断すれば、上級審に行く前にその場で決定が覆る。あなたの勝ちは、まだ仮のものだった
- 訴訟救助の申立てが却下された。即時抗告状で却下理由の具体的な誤りを突く。原裁判所が自ら更正すれば、印紙代を立て替えることなく訴訟を進められる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 決定・命令の告知から即時抗告は1週間以内(民事訴訟法332条)。まず告知日を確認、過ぎると原則として回復できない2. 抗告状は原裁判所宛てに提出する(同331条による控訴規定の準用)。提出先を間違えない3. 内容は上級審向けの抽象論ではなく、原裁判所の判断の具体的な誤りや新たな疎明資料に絞る。再度の考案を引き出すのが第一の狙い4. 原裁判所が更正しなければ、記録は自動的に上級審へ送られる。救済の機会が二段構えで二回ある
訴えられた側:1. 相手が即時抗告したら、原裁判所が再度の考案で決定を覆す可能性があると認識する。勝訴はまだ確定ではない2. 原裁判所に対し、抗告に理由がないことを示す意見書・反論書面を速やかに提出する。更正を防ぐ最初の防衛線になる3. 原裁判所が更正しなければ事件は抗告審へ。そこでの主張準備に切り替える4. 決定の執行停止の有無(民事訴訟法334条)を確認、効力が止まるかどうかで対応の緊急度が変わる
時効(請求できる期限):即時抗告は裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間(民事訴訟法332条)。通常抗告には期間の定めがなく、原裁判の取消しを求める利益が続く限り可能。1週間の不変期間は原則として延長できず、責めに帰せない事由による徒過は追完(同97条)で救済される余地がある。起算点は告知日(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:再度の考案による原裁判所の自己更正は、判決ほど重厚な手続を経ない決定・命令に固有の自己是正手続であり、抗告があったときに限り、かつ抗告に理由があると認めるときにのみ許されるとされる。この二重の限定により、迅速な是正と手続の安定の均衡が保たれると説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法下の原裁判所による更正の仕組みを引き継ぎ、抗告に理由があると認めるときの再度の考案を現行333条として整理した。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に関する一連の改正。抗告手続を含む申立て・記録の電磁的取扱いが整備された(条文番号自体は維持。最新の改正状況は e-Gov 法令検索でご確認ください)。
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