民事訴訟法 第374条(判決の言渡し)
クイックジャンプ
- 判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。
- 2.前項の場合には、判決の言渡しは、電子判決書に基づかないですることができる。この場合においては、第二百五十四条第二項及び第二百五十五条の規定を準用する。
この条文の基本情報
判決の言渡しとは何ですか?
定義判決の言渡しとは、民事訴訟法第374条に定められた規定で、「判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第374条(判決の言渡し)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第374条の条文原文は「判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。」で始まります。
- 民事訴訟法第374条は第六編 少額訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第374条の前の条は民事訴訟法第373条です。
- 民事訴訟法第374条の次の条は民事訴訟法第375条です。
- 民事訴訟法第374条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第374条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第374条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/374
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法374条は、少額訴訟の判決を口頭弁論終結後直ちに言い渡すと定める。判決書の原本に基づかず、その場で言い渡せるが、控訴はできない。
Q · 少額訴訟って、本当にその日のうちに判決が出るの?
原則そうです。口頭弁論終結後すぐ言い渡されます
民事訴訟法374条により、少額訴訟の判決は、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちに言い渡されます。判決書の原本を作らず、その場で口頭で言い渡すこともできます(254条2項を準用)。普通の訴訟なら数か月かかる判決が、たった一日で出る設計です。ただし審理は一回限り(370条)、証拠は即時取調べ可能なものに限られ(371条)、控訴はできません(377条)。速さの代償として、第一回期日に証拠を出し切れなければ取り返しがつきません。
解説
友人に貸した50万円が返ってこない。退去したのに敷金が戻らない。ネットで買った商品が説明と全然違う。こうした60万円以下のもめ事のために、簡易裁判所には少額訴訟という特別な仕組みが用意されている。民事訴訟法374条は、その制度の心臓部だ。原則として、口頭弁論が終わったその日のうちに判決を言い渡す。しかも判決書の原本を作らず、その場で口頭で言い渡せる。普通の訴訟なら判決まで数か月、こじれれば年単位かかるところを、たった一日で決着させる設計になっている。ただし速さには裏がある。審理は一回きり(370条)、証拠もその場で調べられるものに限られる(371条)。あなたが証拠を揃えきれないまま法廷に立てば、その日の夕方には敗訴判決を手にして帰ることになる。
法的な位置づけ
民事訴訟法374条は少額訴訟の判決言渡しを定める規定であり、判決は相当でないと認める場合を除き口頭弁論の終結後直ちに言い渡され、その言渡しは判決書の原本に基づかずにすることができる旨を規定する。この場合254条2項および255条が準用され、調書への記載が判決書に代わる。少額訴訟手続の迅速性を支える中核規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求額が60万円以下か確認する 少額訴訟は訴額60万円以下の金銭支払請求に限られる(民訴368条1項)。超える場合は通常訴訟か、60万円に区切る一部請求を検討する。同一簡裁での利用は年10回まで(368条3項)なので回数も確認する
- 2.簡易裁判所で訴状を準備して提出する 相手方(被告)の住所地などを管轄する簡易裁判所の窓口で、少額訴訟用の定型訴状用紙を入手して記入する。申立手数料は印紙で納付(60万円で約6,000円)。少額訴訟による審理を求める旨を必ず明記する
- 3.証拠と証人を第一回期日にすべて揃える 審理は原則一回(370条)、証拠は即時取調べ可能なものに限られる(371条)ため、後日提出は通用しない。契約書・LINE・振込記録・領収書を当日持参し、証人がいれば法廷に同行させる
- 4.仮執行宣言を申し立てる 訴状段階で仮執行宣言(376条)を求めておく。即日判決に仮執行宣言が付けば、相手が異議を申し立てても判決確定を待たずに差押えに進める。異議による引き延ばし戦略を封じられる
- 5.判決確定後に強制執行へ進む 送達から2週間以内に相手の異議がなければ判決は確定する(378条)。仮執行宣言付判決または確定判決を債務名義として、相手の預金・給料・動産に対する強制執行を申し立てる(民事執行法22条)
よくある質問 AI による整理
Q1少額訴訟とは何ですか?
60万円以下の金銭支払を求める紛争を、簡易裁判所で原則一回の審理・即日判決で解決する特別な手続です。民事訴訟法368条以下が根拠で、本人訴訟を前提に設計されています。
Q2少額訴訟はいくらまで使えますか?
訴額60万円以下の金銭の支払請求に限られます(民訴368条1項)。60万円を超える場合は通常訴訟になりますが、一部請求として60万円に区切る方法もあります。
Q3少額訴訟は年に何回まで使えますか?
同一の簡易裁判所で年10回までです(民訴368条3項)。取り立て業者などによる濫用を防ぐための上限で、11件目からは通常訴訟に回す必要があります。
Q4少額訴訟の判決はいつ出ますか?
相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちに言い渡されます(民訴374条1項)。判決書の原本を作らず口頭で言い渡すこともできます。
Q5少額訴訟で分割払いを命じられることはありますか?
あります。裁判所は判決で3年以内の分割払いや支払猶予を命じることができます(民訴375条)。被告がその場で資力を説明できるかが分かれ目になります。
Q6少額訴訟の判決に納得できないときはどうしますか?
控訴はできません(民訴377条)。判決の送達を受けた日から2週間以内に、同じ簡易裁判所へ異議を申し立てられます(民訴378条)。
Q7被告は少額訴訟を通常訴訟に移せますか?
移せます。被告は最初の口頭弁論期日で弁論する前に、通常の手続への移行を申述できます(民訴373条)。これで即日判決の一発勝負を回避できます。
Q8勝訴判決に相手が従わないときはどうしますか?
仮執行宣言付判決(民訴376条)や確定判決を債務名義として、相手の預金や給料を差し押さえる強制執行ができます(民事執行法22条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1少額訴訟って、弁護士なしで自分でもできるんですか?
できます。むしろ本人訴訟を前提に作られた制度です。申立手数料も請求額60万円で6,000円程度、簡易裁判所の窓口で定型の訴状用紙ももらえます(民事訴訟法368条以下)。実務のポイント:弁護士に頼むと費用が回収額を上回る「費用倒れ」になりやすいのが少額事件の宿命で、弁護士はこの規模を積極的に受けたがりません。司法書士なら簡裁代理権の範囲(140万円以下)で対応でき報酬も抑えられることが多いので、自分でやるのが不安なら司法書士を当たるのが現実的です
Q2その日に判決が出るって、負けたらもう取り返しがつかないんですか?
控訴はできませんが(377条)、判決の送達を受けてから2週間以内に、同じ簡易裁判所へ異議を申し立てられます(378条)。異議が出れば通常の手続で審理がやり直されます。実務のポイント:異議後の審理も同じ簡裁の通常手続で、上級裁判所が見直すわけではない点が落とし穴です。だから少額訴訟は一発勝負の覚悟が要る。逆に相手が異議で引き延ばすのを防ぎたいなら、最初から仮執行宣言(376条)を取っておけば、異議中でも強制執行に進めます
間違えやすい点 AI による整理
- 少額訴訟が早いことは知られているが、その「早さ」の正体を知る人は少ない。審理は文字どおり一回(370条)、判決はその日のうちに言い渡される。つまり、第一回期日に証拠を出し切れなければ、二度目のチャンスはない。早いということは、準備不足が即敗訴に直結するということだ
- 「負けても控訴すればいい」という前提でいる人がいるが、その問いの立て方自体が誤っている。少額訴訟の判決に控訴はできない(377条)。できるのは同じ簡易裁判所への異議申立てだけで、別の裁判所が見直してくれるわけではない。普通の訴訟とはやり直しの構造が根本から違う
- あなたから見れば「口頭で言い渡されただけの判決」は仮のもののように感じるかもしれない。だが法律から見れば、調書に記載された判決(374条2項、254条2項)は確定すれば普通の判決と同じ執行力を持つ。この落差を侮ると、軽く見ていた即日判決で財産を差し押さえられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審理回数 | 374条(即日判決):原則1回の期日で結審(370条と連動) | 368条(要件):60万円以下・年10回が前提 371条(証拠制限):即時取調べ可能な証拠のみ |
| 判決の作り方 | 374条2項:判決書原本に基づかず、調書判決で言渡し可(254条2項準用) | 376条:判決に仮執行宣言を付せる 375条:3年以内の分割払い・支払猶予を命じられる |
| 不服申立て | 374条で出た判決に対し控訴は不可 | 377条:控訴の禁止 378条:同一簡裁への異議申立て(2週間以内) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は訴額10万元以下を小額訴訟とし、簡易・迅速処理を図る点で日本の少額訴訟と発想を共有する。
韓国は少額事件を独立法で規律し、口頭による訴え提起や一期日審理など簡易迅速処理を採用する。
ドイツは少額事件で裁判所が手続を裁量で簡略化でき、口頭弁論を経ずに判断できる場合もある。
米国は州ごとに少額裁判所を設け、弁護士なしの本人訴訟・簡易迅速な解決を前提とする点で日本の少額訴訟と近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- アパートを退去したのに、大家が「壁の補修費に充てた」と言って敷金18万円を返さない。普通に弁護士を立てれば費用倒れだが、少額訴訟なら申立手数料は数千円、その日のうちに判決が出る。大家が補修費の領収書を出せなければ、夕方には返還命令が下る
- もし、相手が法廷で「通常の手続でやりたい」と言い出したら? 被告には少額訴訟を普通訴訟に移す権利がある(373条)。あなたが即日判決を狙っていた計画は、その一言で崩れる。だから第一回期日に証拠も証人もすべて揃えておく、それ以外の戦い方はない
- 貸金の返済を求めて少額訴訟で訴えられた。あなたは「分割でなら払える」と思っている。実は375条で、裁判所は判決で3年以内の分割払いや支払猶予を命じることができる。即日判決の場で、あなたがその場で資力を説明できるかどうかで、一括か分割かが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求額が60万円以下か確認、超えるなら通常訴訟か一部請求を検討2. 証拠を全部その一回の期日に持ち込む、契約書・LINE・振込記録・領収書、371条で「即時に調べられる証拠」に限られるため後出しは効かない3. 証人がいるなら当日法廷に同行させる4. 訴状で仮執行宣言(376条)を求め、勝訴即日に執行できる態勢を作る5. 同じ簡裁での少額訴訟は年10回まで(368条3項)なので回数に注意
訴えられた側:1. 即日判決で不利になりそうなら、第一回期日の前または冒頭で通常手続への移行を申述できる(373条)、これで一発勝負を回避できる2. 分割払いや支払猶予を望むなら、その場で資力を具体的に説明する、裁判所は375条で3年以内の分割・猶予を命じられる3. 判決後に争うなら、送達から2週間以内に同じ簡裁へ異議申立て(378条)、控訴はできない4. 相手の請求に証拠の穴があれば、その場で指摘する、後日反論の機会は基本的にない
時効(請求できる期限):判決の言渡し自体は口頭弁論終結後直ちに行われる(374条1項)。判決に不服があるときは、判決書または254条2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に異議を申し立てる(378条)。控訴はできない(377条)。この2週間を過ぎると判決が確定し、争う道は閉ざされる
学説
通説:374条の即日判決と調書判決は、少額訴訟の迅速性を担保する技術的中核とされる。審理の一回性(370条)・証拠の即時取調べ(371条)・控訴排除(377条)と一体で機能し、手続保障は異議申立て(378条)に集約されると理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 少額訴訟手続を新設した際に第374条として創設。口頭弁論終結後直ちの判決言渡しと、判決書原本に基づかない調書判決を認める迅速処理の中核規定として導入された(平成10年〔1998年〕1月施行)
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により少額訴訟手続を新設した際、第374条として創設。口頭弁論終結後直ちの判決言渡しと、判決書原本に基づかない調書判決を認める迅速処理規定として導入された(平成10年〔1998年〕1月施行)。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める