民事訴訟法 第74条(費用額の確定処分の更正)
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- 第七十一条第一項、第七十二条又は前条第一項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその処分を更正することができる。
- 2.第七十一条第四項から第六項まで及び第八項の規定は、前項の規定による更正の処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。
- 3.第一項に規定する額を定める処分に対し適法な異議の申立てがあったときは、前項の異議の申立ては、することができない。
この条文の基本情報
費用額の確定処分の更正とは何ですか?
定義費用額の確定処分の更正とは、民事訴訟法第74条に定められた規定で、「第七十一条第一項、第七十二条又は前条第一項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第74条(費用額の確定処分の更正)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第74条の条文原文は「第七十一条第一項、第七十二条又は前条第一項の規定による額を定める処分に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は…」で始まります。
- 民事訴訟法第74条は第一節 訴訟費用の負担に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第74条の前の条は民事訴訟法第73条です。
- 民事訴訟法第74条の次の条は民事訴訟法第75条です。
- 民事訴訟法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法74条は、訴訟費用額の確定処分に計算違いや誤記など明白な誤りがあるとき、裁判所書記官が申立てまたは職権でいつでも更正できると定める。
Q · 勝訴後に届いた費用の確定処分の金額が間違っていたら、控訴しないと直せないの?
明白な計算ミスなら、控訴せず更正で期限なく直せます
民事訴訟法74条により、訴訟費用額の確定処分に計算違い・誤記など明白な誤りがあるときは、裁判所書記官が申立てまたは職権でいつでも更正できます。控訴は不要です。金額の妥当性そのものを争う場合は告知から1週間以内の異議申立て(71条準用)が必要ですが、誰が見ても明らかな計算ミスは、その期限を過ぎても更正で直せます。ただし元の処分に適法な異議が先行しているときは、更正処分への異議はできません(3項)。
解説
裁判に勝った。判決書と一緒に、相手から取り戻せる訴訟費用の金額を記した「費用額確定処分」が書記官から届く。あなたはその数字を信じ、引き出しにしまう。だが、その計算が間違っていることがある。印紙代の桁、郵券の枚数、証人の日当、書記官も人間だから誤記や計算違いをする。民事訴訟法74条は、こうした明白な誤りを、申立てによっても職権によっても、いつでも更正できると定める。ここで効くのが「いつでも」の三文字だ。金額そのものに不服があるなら告知から1週間以内に異議を出すしかないが(71条準用)、誰が見ても明らかな計算ミスなら、その期限を過ぎても74条で直せる。あなたが取りこぼしかけた数万円を、申立書一枚で取り戻す窓口がここにある。
法的な位置づけ
民事訴訟法74条は、訴訟費用額の確定処分に生じた計算違い・誤記その他これに類する明白な誤りについて、裁判所書記官が申立てまたは職権でいつでも更正できる旨を定める規定である。金額の当否を争う異議(71条準用)とは別個の、明白な誤りに限定した簡便な是正手続として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確定処分と領収書を一行ずつ照合する 届いた費用額確定処分と、手元の領収書(印紙、郵券、証人日当、鑑定料など)を項目ごとに一行ずつ突き合わせ、桁ずれ・誤記・計上漏れ・二重計上がないか確認する
- 2.誤りの性質を切り分ける 見つけたズレが「誰が見ても明らかな計算違い・誤記」なのか、「金額の妥当性という評価が分かれる問題」なのかを切り分ける。前者は74条の更正、後者は71条準用の異議の領域となる
- 3.更正申立書を作成し提出する 明白な誤りなら、処分をした書記官の所属裁判所宛に更正申立書を作成し、誤りの箇所と正しい数字を具体的に示して提出する。期限はないため、職権発動を促す上申書形式でもよい
- 4.期限のある異議ルートを同時に管理する 金額の当否を争う場合は、告知から1週間の不変期間内に異議申立てを行う。期限切れ後は、誤りを『明白な計算ミス』として構成し直せるかを検討し、更正ルートに切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1費用額確定処分の更正とは何ですか?
確定した訴訟費用額の処分に明白な計算ミスや誤記があるとき、裁判所書記官が訂正する手続です。民事訴訟法74条が根拠で、申立てでも職権でも、期限なくいつでも行えます。
Q2訴訟費用の計算ミスはいつまでに直せますか?
明白な計算違いや誤記であれば、74条の更正に期限はなく「いつでも」直せます。金額の当否を争う異議は告知から1週間という不変期間に縛られる点が異なります。
Q3費用額確定処分の更正と異議はどう違いますか?
更正(74条)は明白な誤りに限り期限なく書記官が直す手続、異議(71条準用)は金額の当否を1週間以内に争う手続です。誤りの性質でどちらを使うかが分かれます。
Q4費用額の更正は誰が申し立てられますか?
勝訴側・敗訴側のどちらからも申し立てられます。職権でも行えるため、書記官に誤りを指摘して職権発動を促す上申という形でも構いません。
Q5費用額確定処分への異議はいつまでに出しますか?
告知を受けた日から1週間の不変期間内です(71条5項準用)。これを過ぎると金額の当否は争えなくなりますが、明白な計算ミスなら更正でなお救済の余地があります。
Q6更正の申立てはどこにすればよいですか?
処分をした裁判所書記官の所属する裁判所に対し、書面で誤りの箇所と正しい数字を具体的に示して申し立てます。
Q7敗訴側でも費用の更正を申し立てられますか?
できます。相手が出した確定処分が過大(証人日当の二重計上など)で、それが明白な誤りに当たれば、敗訴側からの更正申立てで訂正されます。
Q8更正処分にも異議を出せますか?
原則出せます(71条準用)。ただし元の確定処分に対し適法な異議が先行しているときは、更正処分への異議は重ねてできません(74条3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判に勝ったら、弁護士に払った費用も相手から全部取り戻せるんですか?
原則として取り戻せません。費用額確定処分(71条)で精算される訴訟費用は、印紙代・郵券・証人日当・鑑定料などの法定の費用に限られ、あなたが弁護士に払った報酬は含まれません。実務のポイント:例外は不法行為の事件です。交通事故などでは、認容額のおおむね1割相当の弁護士費用が709条の損害の一部として別枠で認められる運用があります。つまり「訴訟費用の財布」と「損害賠償の中の弁護士費用の財布」は別物で、勝った後はその両方を確認しないと片方を取りこぼします
Q2書記官の計算が間違っていたら、また裁判をやり直すんですか?
やり直しは要りません。明白な計算違いや誤記なら、74条の更正で足ります。申立てによっても職権によっても、しかも期限なくいつでも直せます。実務のポイント:実務で効くのは更正(74条)と異議(71条準用)の使い分けです。金額の妥当性そのものを争うなら期限1週間の異議、誰が見ても明らかな計算ミスなら期限のない更正。だから異議の1週間を過ぎても、誤りを『明白な計算ミス』として構成できれば、更正でまだ救済される余地が残ります
間違えやすい点 AI による整理
- 「費用の計算が間違っていたら控訴するしかない」と思われがちだが、控訴は判決本体への不服を争う手続であって、費用額の計算ミスとは別物。明白な計算違いは控訴せずとも74条の更正で直る。重い手続を選ぶ必要はない
- 費用額確定処分という制度があることは知っていても、その金額には「期限なしでいつでも直せる更正(74条)」と「告知から1週間で締め切られる異議(71条準用)」という二つの別ルートがあり、どちらを選ぶかで救済の可否が分かれることまでは、ほとんど知られていない
- 「更正を申し立てれば金額が変わる」と考えるのは、問いの立て方そのものがずれている。74条が直すのは『明白な誤り』だけだ。金額の妥当性への不満、つまり評価が分かれる争いは更正では一切動かない。それは異議の世界の話である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 是正の対象 | 74条更正:費用額確定処分の明白な計算違い・誤記 | 71条準用の異議:費用額の当否そのもの 257条:判決書の明白な誤り |
| 期限 | いつでも(期限なし) | 告知から1週間の不変期間 いつでも(期限なし) |
| 是正の主体 | 裁判所書記官 | 裁判所(異議に対する裁判) 裁判所 |
| 発動の方法 | 申立てまたは職権 | 当事者の異議申立て 申立てまたは職権 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も確定訴訟費用額の裁定制度を持ち、裁判の明白な誤りは更正(第232条)で訂正する。期限なく職権でも訂正できる点が日本と類似する。
韓国も判決・決定の明白な誤りを『경정(更正)』により職権または申立てで訂正でき、費用額確定決定にも準用される構造が日本と近い。
ドイツは費用確定手続(§ 104)と明白な不正確の訂正(§ 319 Berichtigung)を別条で規律し、明白な誤りはいつでも職権で訂正できる点が日本の更正と共通する。
米国連邦規則では、書記事務上の誤り(clerical mistake)はいつでも職権または申立てで訂正でき、費用の課税(cost taxation)の明白な計算誤りもこれに準じて扱われる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし勝訴して費用額確定処分が届いたのに、印紙代が一桁少なく計算されていたら、どうする。控訴は要らない。74条の更正申立てで書記官に直接訂正させられる。しかも期限はなく、いつでも申し立てられる
- あなたが敗訴側で、相手が出してきた費用額確定処分が過大だった。証人日当が二重に計上されている。これも「明白な誤り」に当たるなら74条で更正される。更正はあなたの側からも申し立てられる、泣き寝入りする必要はない
- 費用額確定処分への異議申立て期限の1週間を、うっかり過ぎてしまった。だが計算ミスは誰の目にも明らか。74条の更正に期限はない。まだ間に合う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた費用額確定処分と、手元の領収書(印紙、郵券、証人日当、鑑定料など)を項目ごとに一行ずつ照合する2. 明白な計算違い・誤記・桁ずれを特定する3. 金額の評価そのものへの不満なら告知から1週間以内に異議申立て、誰が見ても明らかな計算ミスなら74条の更正を申し立てる(更正は期限なし、職権発動を促す上申でもよい) 4. 申立先は処分をした書記官の所属する裁判所。書面で誤りの箇所と正しい数字を具体的に示す
訴えられた側:1. 敗訴側でも、相手の費用額確定処分が過大なら精査する。証人日当の二重計上、含まれないはずの費目の混入を探す2. それが『明白な誤り』なら74条の更正を、金額の当否を争うなら71条準用の異議を、性質に応じて選ぶ3. 既に元の処分に対して適法な異議申立てが先行している場合、更正処分への異議は重ねて出せない(3項)。どちらの土俵で戦うかを最初に決める4. 異議の1週間期限は不変期間、徒過すると金額の当否は争えなくなるので最優先で押さえる
時効(請求できる期限):更正の処分そのものは『いつでも』可能で期限はない(74条1項)。ただし元の費用額確定処分に対する異議、および更正処分に対する異議は、その告知を受けた日から1週間の不変期間内に申し立てなければならない(71条5項準用)。1項に規定する処分に適法な異議が先行しているときは、更正処分への異議はできない(3項)
学説
通説:74条の更正の対象は『明白な誤り』に限られ、計算違い・誤記その他これに類する形式的・客観的な瑕疵に限定される。費用額の当否という実体的・評価的な争いは更正では動かず、71条準用の異議に委ねられるとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、訴訟費用額確定処分の制度(71条以下)とともに、その明白な誤りを書記官が更正する規定として整序された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正の中で、関連規定の電磁的処理への対応が進められた。
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