民事訴訟法 第76条(担保提供の方法)
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担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。次条において同じ。)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によらなければならない。ただし、当事者が特別の契約をしたときは、その契約による。
この条文の基本情報
担保提供の方法とは何ですか?
定義担保提供の方法とは、民事訴訟法第76条に定められた規定で、「担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第76条(担保提供の方法)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第76条の条文原文は「担保を立てるには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券(社債、株式等の振替に…」で始まります。
- 民事訴訟法第76条は第二節 訴訟費用の担保に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第76条の前の条は民事訴訟法第75条です。
- 民事訴訟法第76条の次の条は民事訴訟法第77条です。
- 民事訴訟法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法76条は、訴訟上の担保を供託所への金銭・有価証券の供託によって立てると定める。支払保証委託契約や当事者の特別の契約による方法も認められる。
Q · 仮差押えをするのに、なぜ申し立てる側が先にお金を裁判所へ納めるの?
原則は供託、支払保証委託契約でも可能です
民事訴訟法76条により、訴訟上の担保は、担保を命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に、金銭または相当の有価証券を供託する方法で立てるのが原則です。これに加え、最高裁判所規則で定める支払保証委託契約(銀行・保険会社の保証書)による方法や、当事者が特別の契約をしたときはその契約による方法も認められます。仮差押え等で相手が不当に損害を被った場合に備える原資であり、現金を寝かせたくなければ保証書方式を選べます。
解説
取引先が代金を払わない。逃げられる前に銀行口座を押さえたい。そう考えて弁護士に駆け込むと、最初に返ってくる言葉が「まず担保金を用意してください」だ。回収する側のあなたが、なぜ先に金を出すのか。ここに民事保全のからくりがある。仮差押えや仮処分は、判決を待たずに相手の資産を凍結する強力な手段。だがもし本案であなたが負ければ、凍結された相手は不当に損害を被る。その損害を埋める原資が担保だ。76条はその担保の「納め方」を定める。原則は、命令を出した裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所に、金銭か裁判所が認めた有価証券を供託する方法。これを知らないと、いざ動こうとした瞬間に数十万円の現金を求められて固まる。納め方の選択肢を先に握っておけば、資金を止めずに保全の一手を打てる。
法的な位置づけ
民事訴訟法76条は、訴訟上の担保提供の方法を定める規定である。原則として、担保を命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭または相当の有価証券を供託する方法によるが、最高裁判所規則で定める支払保証委託契約その他の方法、および当事者間の特別の契約による方法も許容される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.想定担保額を先に試算する 仮差押え・仮処分を申し立てる前に、請求額の1〜3割を目安に担保額を試算し、現金を準備するか保証書方式にするかを決めておく。証拠(疎明)が固いほど担保が低く設定されやすい点も意識する
- 2.担保の納付方法を選び裁判所に申し出る 現金を寝かせたくない場合、申立て段階で支払保証委託契約を希望する旨を裁判所に伝える。銀行・保険会社と保証契約を結び、保証書を準備する
- 3.管轄区域内の供託所で期限内に供託する 担保提供命令が出たら、命令を出した裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所へ、命令記載の期限内に金銭または有価証券を供託する。期限を過ぎると申立てが却下される
- 4.本案勝訴後に担保取消しで取り戻す 本案で勝訴が確定したら、担保取消し(民訴79条・78条)の手続を申し立てて供託金を取り戻す。自動では戻らないため、勝訴後すぐ申立てを行う
よくある質問 AI による整理
Q1担保提供の方法とは何ですか?
訴訟上の担保を立てる手段のこと。民事訴訟法76条が定め、原則は供託所への金銭・有価証券の供託ですが、支払保証委託契約や特別の契約による方法も認められます。
Q2仮差押えの担保は現金以外でも納められますか?
可能です。供託のほか、銀行や保険会社と結ぶ支払保証委託契約の保証書を提出する方法があり、数十万円の現金を凍結せずに保全を申し立てられます。
Q3担保はどこの供託所に納めますか?
担保を命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所です。命令を出した裁判所と別地域の供託所では受け付けられないことがあるため要確認です。
Q4支払保証委託契約とはどんな制度ですか?
銀行・保険会社が担保額を保証する契約で、保証書を裁判所に提出します。年1〜2% 程度の手数料はかかりますが、現金の長期凍結を避けられます。
Q5供託した担保金はいつ返ってきますか?
本案確定後に担保取消し(民訴79条・78条)を申し立てて初めて戻ります。自動では返還されないため、勝訴後の申立てを忘れないことが重要です。
Q6担保提供命令の期限を過ぎるとどうなりますか?
期間内に供託または支払保証委託契約をしないと申立てが却下されます(民事保全法14条参照)。通常一週間程度のため、命令受領後すぐ動く必要があります。
Q7当事者間で担保の方法を自由に決められますか?
76条ただし書により、当事者が特別の契約をしたときはその契約によります。相手と交渉できる関係なら、現金以外の柔軟な担保で合意できます。
Q8外国に住む原告にも担保の話は関係しますか?
関係します。日本に住所がない原告には訴訟費用の担保提供を申し立てられ(民訴75条)、その納め方が76条です。踏み倒し防止の盾になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担保金って結局いくら必要なんですか?
裁判所が事案ごとに決めますが、仮差押えなら請求額の1〜3割、不動産の仮処分ならさらに高くなることもあります。300万円の請求で60〜90万円が一つの目安です(事案により変動、最新の運用はご確認ください)。実務のポイント:担保額は裁判官の裁量で、申立書の疎明(証拠の固さ)が強いほど低く設定されやすい。証拠を厚く出せば担保を圧縮できる。ここを弁護士は経験で詰めます
Q2現金を何十万円も預けるのがきついんですが、他に方法はありますか?
あります。供託のほか「支払保証委託契約」という方法があり、銀行や保険会社と契約して保証書を裁判所に出せば現金を寝かせずに済みます(民事訴訟規則29条、民訴76条の「最高裁判所規則で定める方法」)。実務のポイント:この方法は年1〜2% 程度の手数料がかかりますが、数百万円の現金を一〜二年凍結される機会損失を考えれば安い。資金繰りが厳しい中小企業ほど、最初からこの方法を選ぶべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 「資産を凍結する側だから、自分は金を出さなくていい」と思いがちだが、逆である。仮差押え・仮処分を申し立てる側こそ、裁判所が定めた担保を先に納めなければ手続が進まない(民事保全法14条、4条)
- 担保が必要なことは知っていても、その額の重さを知らない人が多い。担保額は請求額の1〜3割程度が相場で、300万円の請求なら数十万円。しかも本案が確定するまで戻ってこない。資金拘束は年単位になることもある
- 「担保=現金を裁判所に取られる」と考えて手続をためらう人がいるが、その問いの立て方が誤っている。担保は没収ではなく一時的な預け入れで、本案に勝てば全額戻る。さらに納め方も現金供託だけでなく支払保証委託契約という選択肢がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 76条:担保を立てる方法(供託・支払保証委託契約・特別の契約) | 77条:担保物に対する被告の優先弁済権 79条:供託物の差替え(担保の変換) |
| 誰のための規定か | 担保を提供する側(申立人)の納付手段 | 担保で守られる側(相手方)の回収権 担保を提供した側の資金効率改善 |
| 現金拘束の有無 | 支払保証委託契約なら現金を寝かせず保証書で代替可 | —(回収局面の規定) 供託済みの金銭を有価証券等へ差し替え可能 |
| 取り戻し・消滅 | 本案確定後の担保取消し(78条)で返還 | 相手が質権者と同一の権利で優先弁済 差替えにより同一担保価値を維持 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も供擔保は現金または法院が相当と認める有価証券の提存を原則とし、日本の供託原則とほぼ同じ構造。提存所(法院)に納める点も共通する
韓国も担保提供は公託(공탁)を原則とし、支払保証委託に相当する方法も認める。日本法と近い枠組みを採る
ドイツは別段の定めがなければ、銀行による保証(Bürgschaft)または金銭・有価証券の供託で担保を立てられ、裁判所が方法と額を裁量で定める。保証方式を広く認める点で柔軟
米国は予備的差止め等で security(多くは bond=保証会社のボンド)を裁判所が定める額で要求。保証会社のボンド利用が一般的で、現金供託より保証方式が主流
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 売掛金300万円を踏み倒されそうなとき、相手の口座を今すぐ凍結できるか? できる。ただし裁判所が命じる担保(例えば90万円)をどう納めるかで、あなたの資金繰りは変わる。現金供託なら口座から90万円が消え、支払保証委託契約なら銀行の保証書一枚で済む
- 担保提供命令に書かれた期限は一週間。これを過ぎると申立てそのものが却下され、相手はその間に資産を移してしまう。供託所の窓口が開いているうちに動かないと、すべてが水の泡
- ある日、自分の口座が突然凍結された。相手が仮差押えをしたのだ。だが相手も裁判所に担保を積んでいる。もし相手が本案で負ければ、あなたはその担保から損害を回収できる。凍結された側にも、見えない盾がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 仮差押え・仮処分を申し立てる前に、想定担保額(請求額の1〜3割が目安)を試算し資金を準備2. 担保提供命令が出たら、命令記載の期限内に指定の供託所へ金銭・有価証券を供託、または支払保証委託契約の保証書を提出3. 現金を寝かせたくなければ、申立て段階で支払保証委託契約を希望する旨を裁判所に伝える4. 本案で勝訴確定したら、担保取消し(民訴79条、78条)の手続で供託金を取り戻す。自動では戻らないので忘れず申し立てる
訴えられた側:1. 自分の資産が仮差押えされたら、相手が積んだ担保の存在を確認する。これがあなたの損害塡補の原資2. 保全が不当だと考えるなら保全異議・保全取消し(民事保全法26条以下)を申し立て、相手の保全を覆す3. 不当な保全で損害を受けたら、相手の担保に対し質権者と同一の権利(民訴77条)を行使して優先弁済を受ける4. 相手から担保取消しへの同意を求められても、損害賠償の見込みがあるなら安易に同意しない
時効(請求できる期限):担保提供命令には裁判所が定める期間がある(通常一週間程度)。期間内に供託または支払保証委託契約をしないと申立てが却下される(民事保全法14条参照)。担保の取戻しは本案確定後に担保取消しの申立てが必要で、自動では戻らない(最新の運用は申立先の裁判所にご確認ください)
学説
通説:76条の担保提供は供託を原則としつつ、最高裁判所規則の定める支払保証委託契約や当事者間の特別の契約による方法を許容する。供託原則は相手方の確実な損害塡補を確保する趣旨であり、代替手段は申立人側の資金拘束を緩和する趣旨と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文を再編し、現行76条として担保提供の方法(供託原則と特別の契約のただし書)を整理した
- 平成16年(2004年)前後の改正 社債、株式等の振替に関する法律の振替債を担保有価証券に含める括弧書きを追加。振替制度の導入に対応した文言改正であり、条文の新設ではない(改正年の精確な特定は要確認)
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法から条文を再編し、現行76条として担保提供の方法(供託原則と特別の契約のただし書)を整理した
- 2.平成16年前後(2004年前後) 改正:社債、株式等の振替に関する法律の振替債を担保有価証券に含める括弧書きを追加。振替制度導入に対応した文言改正であり条文新設ではない(改正年の精確な特定は要確認)
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