民事訴訟法 第78条(担保不提供の効果)
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原告が担保を立てるべき期間内にこれを立てないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。ただし、判決前に担保を立てたときは、この限りでない。
この条文の基本情報
担保不提供の効果とは何ですか?
定義担保不提供の効果とは、民事訴訟法第78条に定められた規定で、「原告が担保を立てるべき期間内にこれを立てないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。ただし、判決前に担保を立てたときは、この限…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第78条(担保不提供の効果)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第78条の条文原文は「原告が担保を立てるべき期間内にこれを立てないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えを却下することができる。ただし、判決前に担保を立てたときは、この限…」で始まります。
- 民事訴訟法第78条は第二節 訴訟費用の担保に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第78条の前の条は民事訴訟法第77条です。
- 民事訴訟法第78条の次の条は民事訴訟法第79条です。
- 民事訴訟法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法78条は、原告が期間内に訴訟費用の担保を立てないとき、裁判所が口頭弁論を経ずに判決で訴えを却下できると定める。ただし判決前に担保を立てれば却下を免れる。
Q · 訴訟費用の担保を積めと裁判所に命じられて、お金を積まなかったらどうなるの?
口頭弁論なしの判決で訴え却下、ただし判決前に積めば免れる
民事訴訟法78条により、原告が裁判所の定めた期間内に訴訟費用の担保を立てないと、裁判所は口頭弁論を経ずに、判決で訴えを却下できます。本案の中身を一切審理しないまま入口で終わる強力な効果です。ただし、ただし書により、却下判決が言い渡される前に原告が担保を立てれば、却下を免れます。被告側にとっては相手の本気度を測る関所、原告側にとっては判決言渡しまでが最後のリミットになります。
解説
海外に住む取引相手から、あるいは日本国内に住所も事務所も営業所も持たない相手から訴えられたとする。応戦するだけで弁護士費用はかさむのに、勝っても相手は国外、こちらが支出した訴訟費用を取り立てられる保証はどこにもない。そんな被告が握れる手札の出口が、この条文だ。民訴75条で、被告は国内に住所等のない原告に対し「まず訴訟費用の担保を積め」と申し立てられる。裁判所が担保提供を命じ、原告が期間内に金を積まなければ、78条が発動する。裁判所は口頭弁論すら開かず、判決一本で訴え自体を却下できる。本案の中身を一切審理しないまま、相手の訴えを入口で終わらせられるということだ。ただし逃げ道もある。判決が言い渡される前に原告が担保を積めば、却下は免れる。原告にとっては最後のリミット、被告にとっては相手の本気度を測る踏み絵になる。
法的な位置づけ
民事訴訟法78条は、訴訟費用の担保提供命令に従わない原告に対する効果を定める規定である。原告が裁判所の定めた期間内に担保を立てないとき、裁判所は口頭弁論を経ることなく、判決により訴えを却下することができる。ただし判決の言渡し前に担保が立てられた場合は、この却下は行われない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.原告が国内に拠点を持つか真っ先に確認 訴状を受け取ったら、原告が日本国内に住所・事務所・営業所を持つかをまず確認する。いずれも持たない原告であれば、民訴75条の担保提供の対象になりうる
- 2.本案弁論より先に担保提供を申し立てる 本案について弁論や弁論準備手続での申述をする前に、民訴75条の担保提供を申し立てる。順番を誤り中身の反論を先にすると、担保を求める権利を失う場合がある
- 3.担保額は審級総額で攻めの主張をする 担保額は各審級で支出する訴訟費用の総額が標準。控訴・上告まで見据えた額を主張し、海外原告の供託負担を最大化する。額の算定主張が相手の撤退判断を左右する
- 4.担保命令が出たら期間経過を監視 裁判所が担保命令を出したら、定められた期間内に原告が供託等を完了するかを監視する。期間を徒過すれば78条の発動要件が整う
- 5.判決前に却下判決を取りに動く 原告が期間内に担保を立てなければ、78条で口頭弁論を経ない訴え却下を求める。ただし書により原告は判決前まで挽回できるため、相手が積む前に却下判決を取りにいくスピードが勝負になる
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟費用の担保とは何ですか?
国内に住所等のない原告が敗訴したとき、被告が回収すべき訴訟費用を確保するための供託等です。被告の申立てで裁判所が原告に提供を命じます(民訴75条)。
Q2担保を立てる期間はどれくらいですか?
期間は裁判所が担保命令の中で個別に定めます。法定の一律期間はなく、命令書に記載された期日までに供託等を完了する必要があります。
Q3訴訟費用の担保額はいくらになりますか?
原告が各審級で支出させる訴訟費用の総額を標準に裁判所が定めます(民訴75条)。控訴・上告まで見込むと数百万円規模になることもあります。
Q4担保を立てないとどうなりますか?
民訴78条により、裁判所は口頭弁論を経ずに判決で訴えを却下できます。本案の中身は審理されず、入口で訴訟が終わります。
Q5訴え却下と請求棄却の違いは何ですか?
却下は訴訟要件を欠くため本案に入らず門前払いする判決、棄却は本案を審理した上で請求に理由がないとする判決です。78条は前者です。
Q6担保提供命令に不服がある場合はどうしますか?
担保額や命令自体に不服があれば即時抗告等で争う余地があります。額の引下げや担保を立てる期間の伸長を申し立てることも検討します。
Q7担保はどのような方法で立てますか?
金銭または有価証券の供託、あるいは裁判所が相当と認める支払保証委託契約の方法で立てます(民訴76条)。
Q878条で却下された後、また訴えられますか?
却下は本案を判断していないため、要件を整えれば再訴の余地があります。ただし再訴でも担保提供を求められる点は変わりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が外国の会社なんですが、訴えられたらこちらも普通に裁判で戦うしかないですよね?
そうとは限りません。原告が日本国内に住所・事務所・営業所を持たない場合、被告の申立てで裁判所が訴訟費用の担保を命じることができ(民訴75条)、原告が積まなければ78条で口頭弁論を経ずに訴えを却下できます。実務のポイント:この申立ては本案について弁論をする前に出すのが要点で、うっかり中身の反論を先にすると使えなくなる。海外の相手から訴状が来たら、反論より先に相手の所在地を確認するのが弁護士の初動です
Q2担保命令の期限を過ぎてしまったら、もう訴えは終わりですか?
原告側なら、まだ挽回の余地があります。78条ただし書は『判決前に担保を立てたとき』を救済するので、却下判決が言い渡される前に担保を積めば却下を免れます。実務のポイント:逆に被告側にとっては、相手が積む前にどれだけ早く却下判決を取りにいけるかが勝負。期限切れ後の数日が、訴え全体の生死を分けることがある。原告も被告も、ここはスピード勝負だと知っている人だけが動けます
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴えられたら、もう中身で争うしかない」と思い込んでいる被告が多い。だが相手が国内に住所等を持たない原告なら、本案に入る前に担保提供を申し立てられる(民訴75条)。相手が積まなければ78条で却下。戦う前に終わらせる選択肢があることを、そもそも知らない人がほとんどだ
- 担保命令が出た時点で原告は終わりだと誤解されがちだが、深刻なのは時点の問題。78条ただし書は「判決前に担保を立てたとき」を救済する。つまり期間を一度過ぎても、却下判決が言い渡されるまでは挽回の余地がある。逆に被告から見れば、相手が積む前にどれだけ早く却下判決を取れるかが勝負になる
- 「担保といっても少額だろう」という前提自体がずれている。担保額は被告が各審級で支出する訴訟費用の総額を標準に裁判所が定める(民訴75条)。控訴・上告まで見込めば数百万円規模になることもあり、海外原告にとっては提訴を断念させる現実的な障壁になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 78条:担保不提供の効果(訴え却下) | 75条:担保提供命令の根拠・要件 76条:担保提供の方法(供託・支払保証委託) |
| 発動の前提 | 担保命令後、期間内に原告が担保を立てないこと | 原告が国内に住所等を持たないこと + 被告の申立て 担保命令が発令済みで原告が提供手続を行うこと |
| 効果 | 口頭弁論を経ない判決で訴え却下 | 原告に担保提供を命じる決定 供託・支払保証委託で担保が成立 |
| 救済・例外 | 判決言渡し前に担保を立てれば却下を免れる(ただし書) | 額・期間を争う即時抗告等 担保物の差替え(79条の取消し手続) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も国内に住所のない原告へ訴訟費用の担保提供を命じ、原告が期間内に提供しなければ訴えを却下する点で日本と同じ構造を採る。
韓国も担保提供命令と、原告が期間内に担保を立てない場合の訴え却下を定め、日本と類似の枠組み。
ドイツは外国原告への Prozesskostensicherheit を § 110で定め、§ 113で期間内不提供の場合に訴えを取下擬制・不適法とする。EU 域内当事者には適用が制限される点が日本と異なる。
米国は連邦に統一規定はなく州ごとに扱いが分かれる。カリフォルニア州は非居住原告に security for costs を命じ、不提供の場合に訴え却下(dismissal)を認める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国内に拠点を持たない海外法人から、根拠の薄い損害賠償で訴えられた。応訴の前に民訴75条で訴訟費用の担保を申し立て、裁判所が担保命令を出したのに相手が金を積まない。78条で、本案の審理に一切入らず判決で却下できる。相手が本気か、ハッタリかが、担保を積むか積まないかで一発で分かる
- もし担保命令が出たのに、原告が期間ぎりぎりまで動かなかったらどうなる? 期間を過ぎても、判決言渡しの直前までに担保を積めばただし書で救済される。逆に被告側は、原告が積む前に却下判決を取りに行く。数日の差で、訴え全体が生き残るか消えるかが決まる
- あなたが日本に住所を持たないまま、日本の相手を訴える原告側に立った。被告から担保命令を取られ、数百万円の供託を求められる。供託しなければ門前払い。海外から提訴する側にとって、これは入口の関所になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴状を受け取ったら、原告が日本国内に住所・事務所・営業所を持つか真っ先に確認。なければ担保提供の対象になりうる2. 本案について弁論や弁論準備手続での申述をする前に、民訴75条の担保提供を申し立てる。順番を間違えると権利を失う3. 担保額は控訴・上告まで含めた訴訟費用総額を標準に主張、相手の負担を最大化4. 担保命令が出て相手が期間内に積まなければ、78条で口頭弁論を経ない却下を求める。相手が積む前に判決を取りに動く
訴えられた側:1. あなたが国内に住所等のない原告で担保命令を受けたら、まず期間と金額を確認。供託の準備に時間がかかるなら早急に動く2. 期間を過ぎても、却下判決が言い渡される前に担保を立てれば却下を免れる(本条ただし書)。最後のリミットは判決前3. 担保額が過大と考えるなら、その算定根拠を争い、額の引下げや期間の伸長を申し立てる4. 供託自体が困難なら、訴訟代理人と早期に和解・取下げの選択肢も検討する
時効(請求できる期限):担保を立てるべき期間は裁判所が定める(民訴75条)。原告がこの期間内に担保を立てないと、口頭弁論を経ずに訴え却下されうるが、判決言渡し前に担保を立てれば却下を免れる(本条ただし書)。被告側の担保提供の申立ては、本案について弁論をする前に行うのが安全(民訴75条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:78条による訴え却下は訴訟要件たる担保の不提供を理由とするものであり、本案の当否を判断しない不適法却下である。ただし書による救済は判決言渡し時を基準とするため、原告は言渡しまで担保提供により却下を回避でき、被告は早期の却下判決取得が実務上の鍵となる、と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の担保不提供規定を現行78条として整理。担保不提供の場合に口頭弁論を経ない判決での訴え却下を可能とし、判決前の担保提供による救済をただし書で明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民事訴訟法の担保不提供規定を現行78条として整理し、口頭弁論を経ない判決での訴え却下と、判決前の担保提供による救済(ただし書)を明文化した。
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