民事訴訟法 第81条(他の法令による担保への準用)
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第七十五条第四項、第五項及び第七項並びに第七十六条から前条までの規定は、他の法令により訴えの提起について立てるべき担保について準用する。
この条文の基本情報
他の法令による担保への準用とは何ですか?
定義他の法令による担保への準用とは、民事訴訟法第81条に定められた規定で、「第七十五条第四項、第五項及び第七項並びに第七十六条から前条までの規定は、他の法令により訴えの提起について立てるべき担保について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第81条(他の法令による担保への準用)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第81条の条文原文は「第七十五条第四項、第五項及び第七項並びに第七十六条から前条までの規定は、他の法令により訴えの提起について立てるべき担保について準用する。」で始まります。
- 民事訴訟法第81条は第二節 訴訟費用の担保に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第81条の前の条は民事訴訟法第80条です。
- 民事訴訟法第81条の次の条は民事訴訟法第82条です。
- 民事訴訟法第81条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第81条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第81条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/81
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法81条は、他の法令が訴えの提起について定める担保に、民訴75条から80条までの担保規定を準用すると定める。株主代表訴訟などの担保もこの手続による。
Q · 株主代表訴訟で会社から「担保を積め」と言われたけど、その手続はどこに書いてあるの?
民訴81条が75〜80条の担保ルールを準用します
民事訴訟法81条は、会社法の株主代表訴訟など他の法令が定める「訴え提起のための担保」に、民訴75条(担保提供命令)から80条(変換)までの規定を準用します。つまり担保の積み方(供託・支払保証委託契約)、不提供による訴え却下、被告の優先弁済権、担保の取消し・変換は、すべてこの81条を通じて民訴の手続に接続されます。会社法独自の担保手続があるのではなく、入口は民訴に丸投げされている点が実務上の鍵です。
解説
株主として会社の経営陣を株主代表訴訟で訴えた。すると会社側が裁判所に「この原告は悪意で訴えている、担保を積ませろ」と申し立ててきた。数百万円の担保を期限内に用意できなければ、訴えは中身を審理されないまま却下される。この担保の積み方、返し方、被告がその担保から優先弁済を受ける権利、それらを定めるのが民事訴訟法75条から80条だ。そして81条は、その一式を「他の法令で定められた、訴え提起のための担保」にもそのまま使うと宣言する。会社法の株主代表訴訟も、会社の組織に関する訴えも、この一本の準用条文を経由して民訴の担保ルールに接続される。地味な条文に見えて、これは濫訴を水際で止める栓であり、同時に正当な訴えを金の力で潰す道具にもなりうる。あなたが原告でも被告でも、この栓の位置を知っているかどうかで初動が変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法81条は担保規定の準用を定める条文であり、他の法令により訴えの提起について立てるべき担保について、同法75条第4項・第5項・第7項および76条から80条までの規定を準用する旨を規定する。担保の提供方法、不提供の効果、優先弁済権、取消し、変換の手続を、他法令上の訴訟担保にも及ぼす役割を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書で担保額・提供期限・提供方法を確認 担保提供命令を受け取ったら、まず命令書に記載された担保額、提供期限、認められた提供方法を確認する。期限を徒過すると本案を審理されないまま訴えが却下される(民訴78条の準用)ため、最優先で押さえる
- 2.提供方法を選ぶ(供託か支払保証委託契約か) 全額の現金供託が苦しい場合は、有価証券での供託や、銀行・保険会社との支払保証委託契約を検討する(民訴76条の準用)。手元資金を拘束せずに担保を立てられるため、実務では非現金の手段が標準的に使われる
- 3.命令の要件を争えるなら即時抗告 命令の要件(外国住所、悪意の疎明など)が満たされていないと考えるなら、裁判の告知を受けた日から1週間以内に即時抗告を申し立てる(民訴332条)。要件を欠く命令は取り消される余地がある
- 4.本案終了後に担保の取消しを申し立てる 本案で勝訴または和解し、担保の事由が消滅したら、担保の取消しを申し立てて供託金等を取り戻す(民訴79条の準用)。負担を軽くしたい場合は変換の手続(80条の準用)も検討できる
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟費用の担保とは何ですか?
原告が敗訴したときの訴訟費用を被告が回収できるよう、訴え提起にあたって原告に積ませる金銭等のことです。民訴75条が本体で、81条は他法令の担保にこれを準用します。
Q2民事訴訟法81条は何を準用していますか?
民訴75条4項・5項・7項と、76条から80条までの担保規定を準用します。提供方法、優先弁済、不提供による却下、取消し、変換の一式が他法令の訴訟担保に及びます。
Q3株主代表訴訟の担保はいくらですか?
法定の固定額はなく、裁判所が事案ごとに定めます。被告の応訴負担や請求額を考慮して数十万〜数百万円規模になることもあります。命令書で金額と期限を確認してください。
Q4担保提供命令に不服がある場合はどうすればいいですか?
命令の要件(外国住所や悪意の疎明など)を欠くと考えるなら、即時抗告で争えます。裁判の告知を受けた日から1週間以内に申し立てる必要があります(民訴332条)。
Q5担保はどうやって積むのですか?
金銭または有価証券の供託のほか、銀行・保険会社との支払保証委託契約による方法も認められます(民訴76条の準用)。手元資金を拘束したくない場合は後者が実務上よく使われます。
Q6担保を積めないと訴訟はどうなりますか?
裁判所が定めた期限内に担保を提供しないと、本案の中身を審理されないまま訴えが却下されます(民訴78条の準用)。期限は厳守が必要です。
Q7担保提供命令はいつ申し立てますか?
被告は応訴の早い段階で申し立てるのが効果的です。原告が本気度を固める前に担保を求めると、訴え自体の取下げにつながりやすいためです。
Q8供託した担保はいつ取り戻せますか?
担保の事由が消滅したとき、たとえば勝訴や和解で被告に費用負担が生じないと確定したときに、取消しを申し立てて取り戻せます(民訴79条の準用)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担保を積めって言われたら、もうその訴訟は負けってことですか?
いいえ。担保は本案の勝ち負けとは別で、訴訟を進めるための入口要件です。期限内に供託や支払保証委託契約で積めば審理は普通に続きます(民訴76条の準用)。逆に積めなければ中身を見ずに却下されます(78条の準用)。実務のポイント:全額現金を用意できなくても、銀行との支払保証委託契約なら手元資金を拘束せずに担保を立てられる。多くの人が「現金がない=詰み」と諦めるが、実務ではこの非現金の手段が標準的に使われている
Q2外国に住んでるんですが、日本で訴えを起こすと必ず担保を取られますか?
必ずではありません。被告が申し立て、裁判所が命じて初めて発生します(民訴75条)。被告が申し立てなければ担保なしで進みます。実務のポイント:被告側がこの申立権を知らずに見送るケースは実は多い。原告が海外居住でも、被告が機を逃すと担保のハードルは事実上消える。逆に原告側は、相手が気付く前に争点を本案へ進めてしまうのが定石
間違えやすい点 AI による整理
- 原告のあなたから見れば「担保命令」は手続上の小さなハードルに見える。だが被告会社から見れば、これは本案に入る前に原告の資力と本気度を試すふるいだ。この落差を理解しないまま期限を空費すると、中身で勝てたはずの訴訟が入口で消える
- 「担保を積めと言われたら訴訟は終わり」と思い込んで諦める人がいるが、問いの立て方が違う。本当の論点は「その担保命令の要件(外国住所や悪意の疎明など)が満たされているか」であって、要件を欠く命令は即時抗告で争える
- 「準用規定は条文の埋め草で実務に関係ない」と思われがちだが、実際は会社法の担保提供命令の手続的な中身(提供方法、取消し、変換)は、すべてこの81条を経由して民訴に丸投げされている。準用を飛ばすと、担保をどう積みどう取り戻すかが分からなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 81条:他法令の訴訟担保に75〜80条を準用する宣言 | 75条:担保提供命令そのものの本体規定 79条:担保の取消し手続 |
| 適用場面 | 会社法の株主代表訴訟など他法令が課す訴え提起の担保 | 民訴上の訴訟費用の担保(原告が国内に住所等を持たない等) 担保の事由が消滅した後の取戻し局面 |
| 効果 | 提供方法・優先弁済・却下・取消し・変換の一式を他法令に及ぼす | 期限内に担保を積まなければ訴え却下(78条) 申立てにより供託金等を取り戻せる |
| 実務上の論点 | 会社法独自ルールではなく入口が民訴に接続される点 | 命令の要件(住所・悪意の疎明)を争えるか 勝訴・和解後の取戻しを忘れず申し立てるか |
他国ではどう定めているか 4 か国
原告が中華民国内に住所・事務所等を持たない場合に、被告の申立てで訴訟費用の担保を命じる点で日本と同型。供託等の方法も類似する
韓国も原告が国内に住所等を持たない等の場合に訴訟費用の担保提供を命じる制度を持ち、提供方法・取消しの構造が日本と近い
ドイツは EU/EEA 域外に常居所を持つ原告に対する費用担保(Ausländersicherheit)を定める。日本法の系譜上の源流に位置する
米国は連邦・州ごとに security for costs の運用が分かれ、州外・国外原告に担保を求める州もあるが、統一的な制度ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが海外赴任中に日本の取引先を訴えたら? 被告が「原告は国内に住所がない」と担保提供を申し立て、期限内に積めなければ訴えは却下される(民訴75条の準用構造)。本案に入る前の、見えない関所がそこにある
- あなたの会社が株主代表訴訟を起こされた被告側。原告が感情的で勝ち目が薄いと読めば、悪意を疎明して担保提供を申し立てる。原告が担保を積めなければ、審理に入る前に決着がつく
- 担保提供命令を受け取った。裁判所が定めた期限はあと2週間。この間に現金を供託するか、銀行の支払保証委託契約を結ぶか、それとも命令の取消しを争うか。動かなければ訴えは自動的に却下される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 命令書で「担保額」「提供期限」「提供方法」を確認、期限は厳守、徒過すれば訴え却下(民訴78条の準用) 2. 全額の現金供託が苦しければ、有価証券での供託や銀行、保険会社との支払保証委託契約を検討(民訴76条の準用) 3. 命令自体の要件(外国住所、悪意の疎明など)を争えるなら即時抗告を検討4. 本案で勝訴または和解したら、担保の取消しを申し立てて取り戻す(民訴79条の準用)
訴えられた側:1. 原告が日本国内に住所、事務所を持たないか、または訴えが悪意によるものと疎明できるかを検討2. 該当すれば応訴の早い段階で担保提供命令を申し立てる、本案の負担が膨らむ前が効果的3. 担保が提供されたら、訴訟費用の確定後にその担保物から優先的に弁済を受けられる(民訴77条の準用) 4. 命令が出ても原告が期限内に積めば訴訟は続く、過度な期待は禁物
時効(請求できる期限):担保提供の期限は裁判所が個別に定める(法定の固定期間はない)。期限内に提供しなければ訴え却下(民訴78条の準用)。担保提供命令への不服は即時抗告(民訴75条7項の準用)で、裁判の告知を受けた日から1週間以内に申し立てる(民訴332条)。
学説
通説:81条は準用条文であり、他法令が訴え提起の担保のみを定めて手続的な中身を欠く場合に、民訴75条以下の担保提供命令・提供方法・優先弁済・取消し・変換の一式を補完的に適用する役割を担うと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行81条が整備。旧法下の訴訟費用担保規定を再編し、他法令の訴え提起担保への準用構造を明確化した。
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