要点民事再生法134条の2は、転得者否認を受けた買主が、前者に払った反対給付の価額を限度として、共益債権者として償還を請求できると定める。相手方が悪意なら権利は現存利益まで縮む。
Q · 正当に買った物を管財人から「戻せ」と言われた。払った代金はどうなるの?
共益債権として払った代金の償還を請求できます
民事再生法134条の2により、転得者は第132条の2第1項各号の区分に応じ、前者に払った反対給付または消滅した債権の価額を限度として、共益債権者として償還を請求できます。共益債権は再生手続の外で随時弁済を受けられ、一般の再生債権が数%しか戻らない場面でも全額に近い回収が見込めます。ただし一つ手前の相手方が再生債務者の隠匿意図を知っていた場合、あなたの権利は現存利益の範囲に縮みます。縮減されるかどうかは、あなた自身ではなく相手方の認識で決まります。
中古の工作機械を業者から買い、代金も払い、引き渡しも受けた。半年後、その機械をかつてその業者に売った会社、いま民事再生に入った会社の管財人から「あの機械を再生債務者財産に戻せ」と通知が届く。なぜ自分が、と血の気が引くだろう。これが転得者否認だ。再生債務者がした財産処分が否認されると、相手方からさらにその財産を取得した者、つまり転得者であるあなたにまで否認権が及ぶ。だが134条の2は、あなたを丸裸にはしない。あなたが前の売主に払った反対給付や、相殺で消した債権の額を限度に、あなたは共益債権者として再生債務者が受け取った反対給付の償還を請求できる。落とし穴は別にある。一つ手前の売主が「再生債務者は受け取った代金を隠すつもりだ」と知っていた悪意の相手方なら、あなたの権利は反対給付そのものではなく現存利益の範囲に縮む。あなたの取り分は、あなた自身ではなく一つ手前の取引の事情で決まる。
民事再生法134条の2は、転得者に対する否認権の行使によって否認された場合における転得者の権利を定める規定である。転得者は、第132条の2第1項各号の区分に応じ、前者への反対給付または消滅した債権の価額を限度として、共益債権者として償還を請求できる。相手方が再生債務者の隠匿意図を知っていたときは、権利が現存利益の範囲に縮減される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生債務者が不当に流出させた財産を、取引相手のさらに先の取得者(転得者)まで追及して取り戻す制度です。無制限ではなく、転得者が一定の事情を知っていた場合などに限られます(民事再生法134条が前提)。
否認の対象となる事情を知りながら財産を取得した転得者を指します。善意で要件を満たさなければそもそも転得者否認は及びません。まず「自分が要件を満たすか」が最初の争点になります。
反対給付が再生債務者財産に現存する第1号と、現存しない第2号の区分です。第1号は返還請求、第2号は共益債権としての価額償還と、行使できる権利が変わります。
相手方悪意の場合に縮減された後、なお残っている利益の範囲です。受け取った反対給付のうち費消・散逸せず手元に残っている分に限られ、全額とは限りません。
管財人が現物返還に代えて、財産の価額から共益債権となる額を控除した額の償還を求められる制度です。転得者にとって現物を手放すより有利な差引精算になる場面があります。
はい。相手方が再生債務者の親族や役員など内部者(127条の2第2項各号)だと、隠匿意図を知っていたと推定され(3項)、あなたの権利が縮減される側に倒れやすくなります。
枠組みはほぼ同趣旨の転得者保護規定ですが、破産手続と再生手続で適用場面が分かれます。手続の種類に応じて根拠条文を使い分ける必要があります。
売主のさらに前の取引先が倒産すると、資産を買ったあなたが転得者として否認の射程に入るからです。二つ前まで権利関係を洗うのは、この否認リスクを潰すためです。
自動では戻りません。あなたが返すのは再生債務者財産へであり、あなたが払った反対給付の償還は134条の2に基づいて自分で請求する必要があります。区分によっては共益債権者として優先的に回収できます(132条の2第1項)。業界裏話ヒント:管財人は返還だけ求め、あなたの償還請求権を進んで教えてはくれない。黙って返せば代金は一般の再生債権に埋もれ、回収率は数%まで落ちる。返還と同時に償還請求を主張できるかで、手取りが桁違いになる。
再生債務者が不当に流出させた財産は、取引相手のさらに先の取得者である転得者まで追及できるからです(134条が前提)。ただし無制限ではなく、あなたが一定の事情を知っていた悪意の転得者である場合などに限られます。業界裏話ヒント:善意で正常な対価を払って買ったなら、そもそも転得者否認の要件を満たさず取り上げられない。通知が来ても、まず「自分は要件を満たすのか」を最初の争点にできる。この入口を最初に潰されないことが肝心。
共益債権は再生手続の外で随時弁済を受けられ、再生計画による減額や分割の対象外です(民事再生法119条以下)。一般の再生債権が数%しか戻らない場面でも、共益債権なら全額に近い回収が見込めます。業界裏話ヒント:134条の2が転得者に共益債権者の地位を与える号に当たるかどうかが、回収率を決める分水嶺。同じ金額の請求権でも、共益債権か再生債権かで戻る額が桁違いになる。どの号に該当するかを最初に詰めるのが実務の勝負どころ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰の権利か | 134条の2:転得者(相手方からさらに取得した者)の権利 | — |
| 縮減の判断基準 | 一つ手前の相手方が隠匿意図を知っていたか(2項) | — |
| 権利行使の上限 | 転得者が前者に払った反対給付・消滅債権の価額(4項) | — |
| 内部者推定の適用 | 相手方が内部者なら隠匿意図の認識が推定される(3項) | — |
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