再生債務者がした第百二十七条の三第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百三十三条の規定により原状に復すべき当該行為の相手方の債権を行使することができる。この場合には、前条第四項の規定を準用する。
要点民事再生法134条の3は、偏頗行為が転得者への否認で否認され、転得者が給付を返還したとき、相手方が133条で回復するはずの債権を転得者が行使できると定める。
Q · 倒産した会社がらみで「財産を返せ」と言われた転得者は、返したら丸損なの?
返還後、相手方の再生債権を引き継いで一部は回収できます
民事再生法134条の3により、転得者は返還すれば救済されます。偏頗行為(127条の3)が転得者への否認で否認され、転得者が現物返還または価額償還を済ませると、直接の相手方が133条で回復するはずだった債権を転得者が代わって行使でき、再生債権者として配当の列に並べます。ただし引き継ぐのは再生債権であり、再生計画に従って大幅にカットされた率でしか配当されないため、全額回収ではなく二重の損失を避ける救済です。返還の完了が権利行使の絶対条件となります。
経営が傾いた取引先が、特定の債権者にだけこっそり担保を差し入れたり弁済したりする。これが偏頗行為で、後に再生手続が始まれば否認される(127条の3)。やっかいなのは、その担保や金銭がさらに第三者であるあなたの手に渡っていた場合だ。監督委員は直接の相手方を飛ばし、転得者であるあなたに向かって否認権を行使できる(134条)。あなたは受け取った給付を返すか、その価額を払い戻さなければならない。ここで多くの人が諦める。返したら丸損だ、と。だが134条の3は逃げ道を一本残している。返還さえ済ませれば、あなたは「直接の相手方が否認されていれば133条で復活したはずの債権」を、その相手方に代わって行使できる。つまり再生債権者として配当の列に並べる。全額は戻らないが、二重の損失からは救われる。否認の連鎖の末端に立たされたとき、この一条を握っているかどうかが、丸損か一部回収かを分ける。
民事再生法134条の3は、否認の連鎖における転得者の求償的地位を定める規定である。127条の3の偏頗行為が転得者への否認権行使によって否認され、転得者が給付を返還または価額を償還した場合に、直接の相手方が133条により回復するはずであった債権を、転得者が代わって再生債権として行使できる旨を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
否認対象となった財産が、直接の相手方からさらに譲り渡された先の第三者を指します。民事再生法134条により、監督委員は相手方を飛ばして転得者に否認権を行使できます。
再生債務者が倒産直前にした債権者を害する行為(偏頗弁済・詐害行為)の効力を否定し、逸出した財産を再生財団に取り戻す制度です。監督委員が行使します。
民事再生法127条の3により、支払不能後または支払停止後にされた既存債務への担保供与・弁済等で、債権者間の平等を害するものが対象です。相手方の悪意が問題になります。
再生手続開始の日から2年、否認対象行為の時から20年を経過すると行使できません(民事再生法139条)。期間経過後は財産を取り戻せなくなります。
受けた給付が現存すれば現物返還、費消・処分済みなら価額償還が原則です。134条の3の権利行使にはいずれかの完了が前提となるため、可能な方を速やかに履行します。
転得者への否認の可否は134条の要件(相手方否認の要件充足+転得者の悪意等)で判断されます。134条の3は否認されてしまった後の救済を定める別の条文です。
再生計画で定める弁済率によりますが、元本の数パーセントから数十パーセントにカットされるのが通常です。全額弁済されることはほとんどありません。
返還または価額償還を完了した時点で、転得者は相手方が133条で回復するはずだった債権を行使する資格を得ます。再生債権として届け出て配当に参加します。
あなたが受け取った財産が、その会社の倒産直前の偏頗行為(127条の3)に由来し、あなたが転得者にあたるからです。134条で監督委員は直接の相手方を飛ばしてあなたを狙えます。ただし返還で終わりではなく、134条の3で相手方の債権を引き継げます。業界裏話ヒント:監督委員が直接の相手方ではなく末端のあなたを狙うのは、相手方がすでに無資力で回収できないケースが大半。あなたから取れば早い、という実務判断が裏にある。
全額は戻りません。引き継ぐのは相手方の「再生債権」であり、再生計画に従って大幅にカットされた率でしか配当されないのが通常です(133条で回復する債権の性質による)。業界裏話ヒント:返した財産は時価満額なのに、引き継ぐ債権の配当率は数パーセント、ということが普通に起きる。だからこそ現物返還か価額償還かの選択と、配当見込みの試算を最初にセットで弁護士に相談するのが鉄則。
なりません。134条の3は、転得者が返還した場合に相手方の債権を転得者が行使できるとする趣旨で、前条(134条の2)第4項を準用して相手方と転得者の権利関係を調整します。同じ債権が二重に配当されることはありません。業界裏話ヒント:この調整規定を知らずに、相手方と転得者の双方が別々に再生債権を届け出てしまうトラブルは実務で起きる。届出の段階で、自分はどちらの立場でどの債権を行使するのかを明示しておくと、後の査定で揉めない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 134条の3:否認された転得者が相手方の復活債権を引き継ぐ救済 | — |
| 作動する場面 | 転得者が返還・価額償還を完了した後 | — |
| 主体 | 転得者(連鎖の末端の第三者) | — |
| 効果 | 相手方の再生債権を転得者が代わって行使できる | — |
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