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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

民事再生法 第134条(転得者に対する否認権)

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  1. 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。
  2. 一転得者が転得の当時、再生債務者がした行為が再生債権者を害することを知っていたとき。
  3. 二転得者が第百二十七条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、再生債務者がした行為が再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
  4. 三転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。
  5. 2.第百三十二条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。

この条文の基本情報

転得者に対する否認権とは何ですか?

定義転得者に対する否認権とは、民事再生法第134条に定められた規定で、「次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。た…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第134条(転得者に対する否認権)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第134条の条文原文は「次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。た…」で始まります。
  3. 民事再生法第134条は第二節 否認権に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第134条の前の条は民事再生法第133条です。
  7. 民事再生法第134条の次の条は民事再生法第134条の2です。
  8. 民事再生法第134条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第134条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第134条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/134

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法134条は、詐害行為で流出した財産を転得した者にも否認権を行使できると定める。ただし転得者の害意・内部者性・無償取得のいずれかと、前者全員の否認原因を要する。

Q · 倒産した取引先の財産を、転売で買ったら取り戻されるの?

有償でも害意を知っていれば否認されるが、間に善意者がいれば守られる

民事再生法134条により、詐害行為の相手方に否認の原因があれば、その財産を転売で得た転得者にも否認権が及びます。ただし条件は厳しく、転得者が「債権者を害する取引だ」と知っていたか(1号)、内部者か(2号)、無償取得か(3号)のいずれかに当たる場合に限られます。さらに自分より前に立つ全ての取得者にも否認の原因が必要で、途中に善意の一人が介在すれば、その先の転得者は否認を免れます。自分の善意・悪意だけで運命は決まりません。

解説

知人の会社が傾きかけたとき、その会社が在庫や不動産を別の誰かに相場より安く流す。その「誰か」から、さらにあなたが買い受けた。再生手続が始まった瞬間、監督委員はあなたの手元のその財産を狙ってくる。民事再生法134条は、倒産者が債権者を害して財産を逃がした行為について、直接の相手方だけでなく、その先の転得者であるあなたからも取り戻せる否認権を定めている。ただし条件は厳しい。あなたが「これは債権者を害する取引だ」と知っていたか、あなたが内部者(127条の2第2項に挙げる役員・親族など)か、タダ同然で手に入れたか。このどれかに当たらなければ、あなたは守られる。さらに転売が連鎖していた場合、あなたの前に立つ全員にも否認の原因が必要だ。連鎖の途中に善意の一人がいれば、その人がフィルターになり、その先のあなたは無傷で残る。自分の善意か悪意かだけでは、運命は決まらない。

法的な位置づけ

民事再生法134条は転得者否認を定める規定であり、詐害行為の相手方に否認の原因がある場合に、その財産を転得した者に対しても否認権の行使を認める。行使には転得者の害意の認識、内部者性、または無償取得のいずれかを要し、かつ中間の全転得者にも否認の原因が存在することを条件とする。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自分の取得が鎖のどこにあるかを図にする 詐害行為の相手方から自分までの取得の連鎖を「相手方→中間取得者→自分」と図にし、各段階の取得者と時期を特定する。転得者否認は連鎖の全員に否認の原因があって初めて自分まで届く
  2. 2.自分より前に善意の取得者がいないか探す 自分の前に立つ取得者の中に、害意を知らずに有償取得した善意者が一人でもいないかを確認する。いれば否認の連鎖はそこで切れ、自分の善意・悪意を問わず否認は届かない(134条1項柱書ただし書)
  3. 3.自分の取得時の善意を示す記録を整える 取得時に売主の財務状況や取引の正当性を確認した記録(メール、査定書、相場資料)を整理する。害意を知らなかった証拠になり、内部者と疑われる事案でも反証の武器になる
  4. 4.無償取得なら現存利益の範囲を確定する 無償取得(3号)の場合は否認を免れないが、返還は現に残る利益の限度で足りる(132条2項準用)。すでに費消・処分・毀損した分を整理し、現存利益がその分減ることを主張できるようにする

よくある質問 AI による整理

Q1転得者否認とは何ですか?

倒産者が債権者を害して逃がした財産を、転売で取得した者(転得者)から取り戻す否認権のことです。民事再生法134条が根拠で、直接の相手方だけでなく転売先まで追及できます。

Q2否認権の行使期間はいつまでですか?

再生手続開始の日から2年、または否認しようとする行為の日から20年で行使できなくなります(民事再生法139条)。転得者を追う場合も同じ期間内に請求・訴え・抗弁を起こす必要があります。

Q3民事再生の否認権と破産の否認権は違いますか?

構造はほぼ同じで、破産法170条が転得者否認の並行規定です。行使主体が民事再生では監督委員・管財人、破産では破産管財人という点などに違いがあります。

Q4詐害行為取消権と否認権の違いは何ですか?

詐害行為取消権(民法424条以下)は倒産前に個々の債権者が行うもの、否認権は倒産手続開始後に管財人・監督委員が全債権者のために行うものです。転得者を追う点は民法424条の5と共通します。

Q5民事再生法の内部者とは誰を指しますか?

127条の2第2項が挙げる者で、再生債務者の役員、親族、支配関係にある法人などです。内部者が転得者だと、害意を知らなかったことを自ら立証しない限り否認されます。

Q6善意の転得者は否認から守られますか?

有償取得で害意を知らなければ守られます。さらに自分より前に善意の取得者が一人でもいれば、否認の連鎖はそこで切れ、後の取得者は全員守られます(134条1項柱書ただし書)。

Q7不動産を登記していても否認されますか?

されます。所有権移転登記を済ませていても、転得者が害意を知っていれば134条1項1号で否認の対象です。登記は否認に対する盾にはなりません。

Q8タダでもらった財産も返さないといけませんか?

無償取得は善意でも否認の対象です(134条1項3号)。ただし132条2項の準用により、返すのは現に手元に残っている利益の限度で足ります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1お金をちゃんと払って買ったのに、なんで取り戻されるんですか?

対価を払ったかどうかは決め手ではなく、あなたが「この取引は債権者を害する」と知っていたかどうかが分かれ目だからです(134条1項1号)。知らずに正当な値段で買ったなら守られます。実務のポイント:監督委員はあなたの善意・悪意を、取引時のメールやチャット、相手との関係性から推認しようとします。「相場よりやけに安い」「倒産の噂を聞いていた」という事情が記録に残っていると、知っていたと判断されやすい

Q2自分は何も知らなかったのに、前の人が悪いと巻き込まれますか?

逆です。あなたまで否認を届かせるには、あなたの前に立つ全ての取得者(最初の相手方を含む)にも否認の原因が必要です(134条1項柱書ただし書)。前の誰か一人が善意なら、鎖はそこで切れてあなたは守られます。実務のポイント:ただし1号の害意は監督委員が立証する一方、あなたが内部者(2号)に当たると立証責任が逆転し、あなた自身が「知らなかった」を証明しなければならない。立つ位置で攻守が入れ替わる

Q3タダでもらった物でも返さないといけませんか?

無償で取得した場合は、あなたが善意でも否認の対象になります(134条1項3号)。ただし132条2項が準用され、返すのは現に手元に残っている利益の限度で足ります。実務のポイント:すでに使い切った、壊れた、転売して別の物に換わったといった事情があれば、現存利益はその分減ります。「もらった時の価値」ではなく「今残っている価値」で勝負するため、消えた分の記録を残しておくと有利

間違えやすい点 AI による整理

  • 「ちゃんとお金を払って買ったのだから、取り戻されるはずがない」と思いがちだが、有償取得でも、あなたが取引の害意を知っていれば否認される(134条1項1号)。対価を払ったかどうかは決め手ではなく、知っていたかどうかが分水嶺だ
  • あなたから見れば「普通の中古品売買」でも、法律から見れば「倒産者の財産が流れ出る最終地点」。この視点の落差が、ある日突然あなたを否認の被告席に座らせる。同じ取引が、立つ位置によって別の意味を持つ
  • 転得者否認という制度の名前は聞いたことがあっても、本当の急所は「鎖の全員」ルールにある。あなた一人の善意・悪意では決まらない。あなたより前に立つ取得者が一人でも善意なら、鎖はそこで切れ、あなたが悪意でも否認は届かない。制度を知っているだけの人ほど、この「前の全員」という条件で足をすくわれる
比較の観点この条文ほかの条文
否認の対象者134条:転得者(相手方の先の取得者)127条:詐害行為の直接の相手方
132条:否認された相手方・転得者の原状回復
成立要件相手方に否認原因+転得者の害意・内部者・無償のいずれか+中間全員の否認原因再生債権者を害する行為+相手方の悪意
有効な否認権行使があったこと
連鎖の遮断前に善意の取得者が一人でもいれば連鎖はそこで切れる遮断の概念なし(直接の相手方のみ)
遮断の概念なし(効果規定)
無償取得の扱い善意でも否認、返還は現存利益の限度(132条2項準用)無償行為否認の一般ルールに従う
無償行為は現存利益限度(2項)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
破產法第78条〜第80条・民法第244条

台湾は破產法の否認權に加え、平時は民法244条の詐害行為撤銷權で転得人に及ぶ。転得人が悪意であることを要する構造は日本と類似する。

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률 제110조

韓国は統合倒産法(債務者回生法)の否認権に転得者規定を置く。転得者の善意・悪意で扱いが分かれる点は日本法に近い。

ドイツ
InsO § 145

ドイツ倒産法145条は法承継人(Rechtsnachfolger)に対する否認を定め、悪意・無償・近親者などの類型で承継人まで及ぶ。日本の134条の母法的位置にある。

アメリカ
11 U.S.C. § 550 / § 548

米連邦倒産法は§548で詐害的譲渡を、§550で否認された譲渡の後続取得者(mediate transferee)からの回収を定める。善意有償取得者の抗弁(§550(b))が連鎖遮断に相当する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 取引先の社長が「資金繰りが厳しいから在庫を現金化したい」と言って、別会社へ大量の商品を相場より安く売った。その別会社からあなたが仕入れた。半年後、元の会社が民事再生を申し立てる。監督委員は、あなたが事情を知っていたかどうかを調べ始める。あなたのメールやLINEの一行が、商品を返す側か守られる側かを分ける
  • もし、倒産しかけた相手から不動産を買った人が、それをあなたに転売していたとしたら? あなたが「元の持ち主は債権者から逃げるために手放した」と知っていたなら、所有権移転登記を済ませていても、134条1項1号で否認の対象になる。登記は盾にならない
  • あなたは内部者だ。親が経営する会社から、傾く直前に資産を譲り受け、第三者に転売した。再生手続開始。あなたは127条の2第2項の内部者として扱われ、「害することを知らなかった」と自ら立証しない限り、否認される側に立つ。立証責任があなたに振られる、それが内部者であることの重み
  • 倒産者の財産とは知らずにある中古機械を買い、それを次の人に転売した。あなたが善意だったおかげで、あなたから買った人は、たとえ事情を知っていても否認を免れる。あなたは知らぬ間に、鎖を断ち切るフィルターの役を果たした
  • 亡くなる前の経営者から、再生申立て直前にタダで車をもらった。それを別の人に渡した。無償取得は善意でも否認の対象(134条1項3号)。あなたの善意は、現に手元に残る利益の範囲でしか守ってくれない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 再生債務者・監督委員の側で財産流出を追う場合、まず流出ルートを「相手方→転得者」の鎖として図にする2. 各取得者ごとに否認の原因を確定:1号(害意の認識)か2号(内部者)か3号(無償)か。鎖の途中に善意の取得者がいないか先に確認、いればそこで否認は止まる3. 転得者まで届くなら、132条で原状回復を求める。無償取得者(3号)には132条2項準用で現存利益の限度に注意4. 否認の請求・訴え・抗弁のいずれかを、必ず行使期間内に起こす

訴えられた側:1. 自分の取得時に「債権者を害する取引だ」と知っていたかを冷静に検証、知らなければ善意を主張して1号を覆す2. 自分より前の取得者に善意の一人がいないかを探す。いれば鎖はそこで切れ、あなたは守られる(134条1項柱書ただし書) 3. 内部者(2号)と疑われる場合は、害意を知らなかったことを自ら立証する準備を4. 無償取得(3号)なら、現に残る利益の範囲しか返還義務がないこと(132条2項準用)を主張、すでに費消・処分した分を整理する

時効(請求できる期限):否認権は、再生手続開始の日から2年を経過すると行使できない(民事再生法139条)。否認しようとする行為の日から20年を経過したときも同様。転得者を追う場合も、この期間内に否認の請求・訴え・抗弁のいずれかを起こす必要がある(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:134条の転得者否認は、相手方に否認原因があることを前提に、転得者の主観(害意の認識)・属性(内部者)・取得態様(無償)のいずれかを要件とし、かつ中間の全転得者に否認原因を求める。これは取引の安全と財団回復の調和を図る趣旨と解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 制定:民事再生法(平成11年法律第225号)制定。2000年4月施行。和議法に代わる再建型倒産手続として、否認権・転得者否認の規定を整備した。

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民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 否認権

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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